「学校に行きたくない」と思うことは悪いことではありません。しかし、「もっと頑張らないといけない」と自分を責めてしまう人や、罪悪感を抱いてしまう人もいると思います。中には、悩んでいることを周りに話せず、一人で抱え込んでしまっている人もいるでしょう。すでに不登校になっている人も、まだそこまでは至っていない人もケアが必要であることは変わりません。今回は、「学校に行きたくない」と感じているとき、どう自分に向き合い、対処すればよいのかをご紹介します。
学校に行きたくない理由は人によってさまざま
学校に行きたくない理由は人によって違いますが、自分と同じ悩みを抱えている人を見つけることで少しホッとすることもあるでしょう。また、自分の悩みを上手く言葉にできずモヤモヤを感じている人も、ほかの人の悩みを知ることで、自分の思いを整理できるかもしれません。ここでご紹介しているものはあくまで一例ですが、学校に行きたくない理由には次のようなものがあります。
- ・人間関係に悩んでいる
- ・学校の先生と相性が悪い
- ・入学や進級による新しい環境になじめない
- ・進路に不安を感じている
- ・勉強についていけない
- ・校則が肌に合わない
不登校になってしまう原因について詳しくは以下の記事をご覧ください。
もちろん、これら以外にも理由はありますし、それぞれの要因が複雑に絡み合っているせいで、うまく整理できない場合もあります。悩みは本人がどう感じているかが重要ですので、周りの人が個人的な価値観で判断するものではありません。大切なのは、本人の意思を尊重し、周りの人が味方になることです。
自分に向き合い、前に進むための3ステップ
学校へ行きたくない人の中には、学校を休むことに対してよくない印象を抱いている人もいると思います。また、本人がそう思っていなくても、周りの人が休むことを否定的に捉え、本人にプレッシャーを与えているケースもあるでしょう。
しかし、学校を休むことはネガティブなことではありません。本人の消耗してしまっているエネルギーを充填したり、抱えている問題と向き合ったりするために必要な期間です。次のように少しずつ段階を踏んで心身を回復させ、無理なく前に向かえるようになることを目指しましょう。
【ステップ1】学校を休むことをポジティブに捉える
本人が休息を取り、自ら問題の解決に向かっていくために、今は学校を休むことが必要であることを、まず本人と周りの人で認識しましょう。
【ステップ2】ゆっくり休息を取る
心身が回復するまでは、思う存分、ゆっくり休みましょう。一日中ベッドの中にいてほとんど活動できなかったり、昼夜逆転したりしてしまうこともあるかもしれませんが、心にゆとりが戻ってくるまでは、無理に直そうとしなくても大丈夫です。逆に、この段階で無理やり活動しようとすると、十分に心が休まらず、むしろ逆効果になってしまう恐れもあります。
【ステップ3】家族と話し合いながら自分に向き合う
エネルギーが回復し、問題に向き合うための余裕が出てきた人は、自分の思いを家族に話してみてもよいでしょう。保護者側は、本人が思いを打ち明けようとしているなら、しっかりと耳を傾け味方になることが大切です。ただし、無理に問いただそうとしたり、保護者側の価値観を一方的に押し付けたりしないよう注意しましょう。
以上のように、休息を十分に取り、家族で話し合いながら徐々に心を整えていくことが大切です。焦る必要はありません。十分に心身のエネルギーを充填し、準備が整ったら学校への復帰を少しずつ進めていきましょう。
不登校からの学校復帰については、以下の記事も合わせてご覧ください。
家族と話をしにくい場合は別の相談先を活用しよう
悩みを抱えながらも、家族と話をしにくい人や、そもそも家庭に居場所がないと感じている人もいると思います。そういった場合は、相談窓口や専門機関を活用するのもよいでしょう。ここでは、悩みを相談する際に利用できる窓口をご紹介します。
スクールカウンセラー
学校にスクールカウンセラーがいる場合は、そちらに相談してみてもよいでしょう。専門家としてしっかりと話を聞いてくれます。スクールカウンセラーであれば、学校と連携を取りやすいというメリットもあります。
教育相談センター
都道府県など自治体が運営している機関です。直接来所しての相談や電話での相談を受け付けているところが多いですが、センターによってはメールなどで相談できるところもあります。不登校の悩みだけでなく、学校生活や友人関係、いじめの問題など、幅広く相談できるセンターが多いです。詳しくは、お住まいの地域の教育相談センターのWEBサイトなどを確認してみましょう。
ひきこもり地域支援センター
ひきこもりに特化した相談窓口です。各都道府県、指定都市などに設置されています。臨床心理士、社会福祉士などの資格を持つ支援コーディネーターが相談支援を行い、必要な支援に結び付けるなどの対応をしてくれます。
子どもの人権110番
不登校やいじめ、親からの虐待など、さまざまな問題を解決するための相談窓口で、子どもも大人も相談することができます。電話は近隣の法務局または地方法務局につながり、職員もしくは人権擁護委員が対応してくれます。
不登校について相談したい場合は、以下の記事も合わせてご覧ください。
おわりに
「学校に行きたくない」と感じているときは、悩みや問題を抱えることによってエネルギーが消耗してしまっていることがあります。そのようなときは、無理をせずしっかり休みを取って心身のエネルギーを充填しましょう。学校復帰の準備をするのは、そのあとで大丈夫です。
また、現在中学生で進路にも不安を感じている人は、学校に行かずに授業が受けられるネット高校を進学先に選んでみてもいいかもしれません。明聖高校のWEBコースでも、動画授業を通じて自宅にいながら好きな時間に学習を進めることが可能です。すでに別の高校に在学している人も、明聖高校のWEBコースに転校し、こうしたスタイルで学習することができます。「ネット高校なら続けられるかも……!」という人は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
ネット高校については以下の記事もご覧ください。
参考URL
平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
不登校の原因・きっかけは?解決に向けた子どもとの向き合い方、進級・進学や支援機関について解説します【LITALICO発達ナビ】
不登校の子が復学するために必要なプロセスとは? – ブログ – 専門カウンセラーが執筆!不登校解決ブログ
【まとめ】1人で悩むより相談してみて。不登校・子どもの悩み相談場所 – 不登校の原因・対策解説ノート
東京都教育相談センター
法務省:子どもの人権110番
ひきこもり支援推進事業 |厚生労働省
「不登校問題」と親(保護者)のメンタルケア
明聖高等学校は、千葉・中野にキャンパスを構える通信制高校です。全日コース・全日ITコース・通信コース・WEBコースに分かれており、一人ひとりに合わせた高校生活を過ごすことができます。