不登校になってしまうと、「早く学校復帰しなきゃ」と本人も家族も焦ってしまうかもしれません。しかし、無理に学校に戻ろうとすると、また不登校を繰り返してしまうという場合もあります。
今回は、不登校からの学校復帰を成功させるための考え方や準備、ステップについて解説していきましょう。

登校はネガティブなことじゃない。学校復帰は心の充電ができてから

不登校からの学校復帰を考えるにあたっては、まず不登校をポジティブに考えるところから始めてみましょう。

不登校は、学校生活でストレスをためてしまった子どもの、いわば充電期間です。そのため、「不登校は治すべき悪いものだ」「不登校になってしまう自分は弱い」などと考える必要はありません。こうした不登校へのネガティブなイメージから学校復帰を焦り、まだエネルギーがたまっていないうちに無理やり学校へ通おうとすると、むしろ状況が悪化してしまう恐れもあります。

不登校になってからしばらくは、本人も保護者もゆっくり休息を取ることが第一です。そして、エネルギーが徐々に戻ってきたら、家族でじっくり話し合いながら、心の準備をしていきましょう。
特に次のようなポイントは、学校復帰へのベースになります。

  • ・不登校に対する罪悪感をやわらげる
  • ・子どもと保護者がお互いの気持ちにしっかり向き合う
  • ・本人が自分自身のことや不登校になっている現状そのものをじっくり見つめ直す
  • ・理解してくれる人、自分を認めてもらえる場所など、本人が安心できる居場所を見つける

その後、生活習慣を整えたり、家庭学習で勉強に慣れていったりすることも大切です。そうした準備ができてきたら、学校復帰への一歩を踏み出してみましょう。

少しずつ前に進もう!不登校から学校復帰までのステップの考え方

学校復帰を目指す段階になっても、いきなり朝から夕方まで学校に行こうとしたり、1週間毎日登校しようとしたりしなくても大丈夫です。本人の無理のない範囲で、小さなステップを踏みながら、段階的に学校へ通えるようにしていきましょう。

例えば、次のようにステップを設定することができます。
 
【例】

  • ・学校に間に合う時刻に起きて、制服に着替えてみる
  • ・通学路の途中まで行ってみる
  • ・校門まで行ってみる
  • ・校舎に入ってみる
  • ・保健室や図書館に行ってみる(別室登校)
  • ・休憩時間に教室に入ってみる
  • ・好きな授業を1時間だけ受けてみる
  • ・授業を受ける時間を増やしながら少しずつ復帰していく

もちろん、これらはあくまで一例で、実際には本人の意思を尊重して、ステップを考えることが重要です。本人がしんどいと思ったら途中のステップで足踏みしたり、前のステップに戻ったりしてもかまいません。小さな目標をゆっくり一つずつ達成していく中で、本人も自信を取り戻していけるでしょう。

学校復帰を支援してくれる通信制高校も!明聖高校の不登校サポート体制

段階的な学校復帰には、学校との連携が不可欠です。通信制高校の中には、不登校からの復帰を積極的にサポートする体制が整っている学校もあります。
ここでは、そうした学校のひとつである明聖高校の不登校サポート体制について、生徒の声を交えながらご紹介しましょう。

教員全員が専門資格を持ち、復帰を段階的にサポート

明星高校では、教員全員が「カウンセリング」「メンタルヘルス」などの専門研修を受講し、資格を取得しています。一部の先生だけでなく、学校全体で不登校からの復帰をサポートできる体制になっているのが特徴です。
また、登校日数や登校時間は、先生と相談しながら柔軟に決めることができます。

★生徒の声★

「心身の病気があり、今でも学校を休んでしまうことが多くありますが、先生たちは『無理しなくていいんだよ』といってくれ、とても安心しています。今では、学校に登校してみんなに会えるのがとてもうれしいです」

少人数の「個別学習室」を設置

集団での授業に抵抗がある場合は、少人数体制の「個別学習室」に通いながら、専用の時間割で授業を受けることが可能です。より人数の多い教室に入れるよう、少しずつ慣らしながら指導してもらえます。

★生徒の声★

「小学校のときから集団が苦手で、ずっと保健室登校をしていました。明聖高校では個別学習室に通い、ゆっくり自分のペースで学習しています。先生が毎時間個別学習室に来てくれる中で、少しずつ、クラスでも授業を受けられるようになりました」

中学校の範囲から学び直せる独自の科目「リラーン」
明聖高校のカリキュラムには、英語・数学・国語の3教科を中学校の学習範囲から学び直せる独自の学校科目「リラーン」が設定されています。不登校の間に学習が遅れていても、「授業についていけず、また登校しづらくなってしまった」という事態を防ぐことが可能です。

★生徒の声★

「昔から勉強が苦手で、授業についていけずに学校を休みがちでした。明聖高校では、中学校の復習からしっかりやってくれるので、ほっとしています。授業もとてもおもしろく、学校に行くことが楽しくなりました」

登校が難しい場合は「放送視聴制度」で振り替え可能

なかなか登校が難しい場合は、「放送視聴制度」を利用することも可能です。自宅でテレビやラジオの講座を視聴したり、DVD教材を使って学習したりして、視聴報告課題を提出すれば、一定の日数を出席時数として認めてもらうことができます。

★生徒の声★

「明聖高校の通信コースは、自宅にいながら自分のペースで勉強を進められるので助かっています。スクーリングを欠席しても、放送視聴制度などのフォロー体制があるので安心です」

家庭の相談に応じる「夜間保護者相談室」

保護者の相談窓口として、18時~20時に「夜間保護者相談室」も設置しています。子育ての不安や悩みについて、気軽に相談することが可能です。