「子どもが不登校になったのは親の責任」と悩んでいませんか?実は、親が自分を責めれば責めるほど子どもの自責感が膨らみます。根本的な問題解決のためには、不登校の子に対しどう向き合えばよいのでしょうか?
今回は、子どもが不登校になった場合の対応方法や、親が疲れを感じないために気をつけるべきポイントを解説します。不登校児に悩んでいる人や、具体的な解決方法を知りたい人はぜひ読んでみてください。
1. 疲れを感じたときに気を付けたいポイント5つ
子どもが不登校になる原因は、学校生活でのトラブル、学業不振、神経症などさまざまです。不登校になる子に性差はなく、どのような子でも不登校になる可能性はあります。そのため、不登校の子をもつ親にも特別な特徴はありません。しかし、実際に子どもが不登校になると、親は自責の念にかられ精神的に疲れを感じるケースが多く見受けられます。子どもが不登校になった際、親子間で特に気を付けたいポイントをみていきましょう。
ポイント1. 子どもに干渉しすぎない
親の過度な心配や期待は、子どもを精神的に追い詰める原因のひとつです。学校に行くように急かす、ゲームばかりしないように子どもの行動に制限をかけるなど、親が過度に干渉すると逆に不登校が進む原因となります。子のことばかりを考え、自分が何とかしなければいけないと親が感じるほど、親子間で負のループに陥り、解決の糸口から遠ざかります。
ポイント2. ストレスをため込まない
子どもは親が思っている以上に親の気持ちを感じ取っています。親としての焦りや不安から起こす行動が、子にとって強いストレスとなり不登校の原因となる可能性もあります。ストレスをため込まないためには、まずは親自身が自分の人生を楽しむこと大切です。例えば、習いごとやボランティア活動をするなど、親自身が自分の人生を豊かにする選択をとることで、子どもの罪悪感を軽減できます。
ポイント3. 親の教育のせいというのは古い考え
先述したとおり、子どもが不登校になる背景は多岐にわたります。親自身が子どもの不登校に自責の念を感じることは、状況を解決に導くうえで不適切なとらえ方です。もしも親戚や知人など周囲から「親のせい」と言われても、気にする必要はありません。その考えは現代の価値観とは大きくかけ離れたものです。表面的な意見や時々の感情に流されず、長い目で子どもの将来を見守ってあげてください。
ポイント4. 小中学校は出席日数が足りなくても卒業できる
年間60日以上の欠席がある場合や成績が基準に達していない場合、義務教育では留年措置が可能です。しかし、最終的には本人の意思が尊重されるため、出席日数が不足しても、現代では進級や進学は基本的に問題ありません。多くの子どもは留年を希望しないため、出席日数や学習状況が規定以下でも留年せずに卒業できます。
ポイント5. 通信制高校なら年齢、学力関係なく入学・転入が可能
不登校で将来を悲観する必要はありません。通信高校ならば年齢や学力に関係なく入学、編入が可能です。まずは気になる学校へ問い合わせてみるのもいいでしょう。
2. 親ができる不登校になった子どもへの対応
親ができる不登校の子どもへの具体的な対応方法をみていきましょう。
2.1. 子どもの話を聞く
親の関わり方は子どもの変化に大きく影響します。そこでまず、「子どもにどのような援助をしてあげられるか」を軸とし、子どもの話を聴く姿勢をもちましょう。親自身が抱く焦りや苦しみをいったん心の脇において、ありのままの現状を受け止める心の余裕が、問題を解決するうえでの第一歩です。
また、親自身が混乱した状況から抜け出すには、親自身の悩みや苦しみ、焦りを共感的に理解する第三者の存在も大切です。不登校の子をもつ親の苦悩は想像以上のものであり、親の精神的な負担の軽減こそが子どもの心の傷を癒すことにもつながります。1人ですべて抱え込まず、悩みや苦しみを受け入れてもらえる専門的な機関に相談しましょう。
2.2. 発達障害という可能性も考えておく
近年、専門家の間で子どもが不登校になる要因として、発達障害がベースにあるのではないかという考えもあります。発達障害といっても一括りにできるものではなく、行動や認知の特徴によって多様な種類が存在します。代表的な発達障害の種類は次のとおりです。
【代表的な発達障害の種類】
自閉スペクトラム症 | |||
---|---|---|---|
自閉症 | 高機能自閉症 | アスペルガー症候群 | |
コミュニケーション | とても困難 | 困難 | 少し困難 |
言葉の遅れ | ある | ある | ない |
知的障害 | ある | ない | ない |
こだわり | ある | ある | ある |
- ・学習障害(LD):聞く、話す、推理するなど能力障害の症状がある
- ・注意欠如・多動性障害(ADHD):気が散りやすい、集中できない、じっとしていられないなどの症状がある
参考元:NHK「子どもの発達障害 「自閉スペクトラム症(ASD)」とは?アスペルガー症候群などとの違い」
少しでも気になる点があったら1人で抱え込まず、専門機関に相談しましょう。
3. 不登校で悩んだときに頼れる相談先
不登校の相談ができる施設や専門機関は次のとおりです。状況に応じて第三者の力を借りる勇気が、早期解決につながります。
【学校】
- ・担任の教員
- ・スクールカウンセラー
【公的機関】
- ・ひきこもり地域支援センター(都道府県・指定都市)
- ・教育相談センター(都道府県・市区町村)
- ・医療機関(小児科・児童精神科・小児神経科・発達外来などの医師)
【民間施設】
- ・カウンセリング施設
- ・フリースクール
なお、不登校の悩みを相談できる専門機関や相談窓口については、『不登校の悩み、どこに相談すればいい?主な専門機関と相談窓口一覧』でさらに詳しく解説しています。メリットやデメリットを交えて相談先を検討したい人は、あわせてご覧ください。
4. 明聖高校では夜間保護者相談室の機会を設けています
明聖高校では、生徒一人ひとりを支える環境が整っています。カウンセリングの資格を所持している教員が揃っており、校内にも公認臨床心理士が常駐。親の悩みにもしっかり耳を傾ける「夜間保護者相談室」も実地しており、生徒だけではなく家族とのコミュニケーションも大切にしていますよ。
まとめ
不登校の原因は家庭生活だけではありません。学校の人間関係の課題、集団が苦手、先生との相性が悪いなど、要因はさまざまです。親が子の不登校を自分のせいだと感じて過度に干渉すると、逆に子どもを刺激してしまい、かえって関係性がこじれるケースもあります。不登校になった責任の矛先を自分や周囲に向けるのではなく、子ども自身が笑顔になれるようなサポートが大切です。
参考URL
「育て方を間違えたから?」子どもが不登校になった親の特徴は
小学生のお子様が不登校でお悩みの方へ | 不登校対応から解決まで | 一般社団法人 不登校支援センター
不登校の悩み、どこに相談すればいい?主な専門機関と相談窓口一覧
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