小学生から中学生になるとさまざまな環境の変化が訪れますが、そのなかには子どもにとってストレスがかかってしまうものがあります。それが原因で子どもが不登校になってしまったら、親としては将来のことや自分に何ができるのか不安になってしまいます。そこで、この記事では中学生が不登校になる原因を解説し、子どもが不登校になったら親としてできることや進学先について紹介していきます。
中学生で不登校になる原因は?
小学校から中学校へ進学すると、先輩後輩の上下関係が生まれたり、教科担任制(教科ごとに教員が違うこと)が導入されて先生との関係が希薄になったりと、学校生活に大きな変化が訪れます。こうした新たな環境にうまくなじめずに大きなストレスがかかることを、「中1ギャップ」と呼びます。
そして、こうした学校生活をめぐる環境の変化が、不登校の原因のひとつともいわれています。ここでは、中学生が不登校になってしまう原因を4つ挙げ、それぞれを解説していきます。
学級担任制から教科担任制へ
小学校までは学級担任制で1人の先生がすべての授業を教えていたのに対して、中学校では各教科の先生がそれぞれの授業をおこなうため、先生と子どもの関係性が変わります。
小学校ほどはフランクな関係を築きにくいため、授業でわからないことがあっても質問しにくいなどの変化に対応できない子どもにとっては、ストレスに感じてしまうでしょう。こうしたことが原因で徐々に学校に行くことが負担になり、不登校につながる場合があります。
生徒数の増加、先輩後輩などの人間関係
中学校はいくつかの小学校から集まるため生徒数が増加するのに加えて、先輩後輩の関係が厳格になることが原因で不登校になってしまう子どももいます。職場が変わるなどして人間関係を一から構築するのは大人でも大変ですが、子どもにとっても同様です。小学校からの友達と同じクラスになれるとは限らないですし、クラスや部活動などで多くの人と人間関係を構築することになるため、億劫に感じる子どももいるでしょう。
また、特に部活動に入る場合は、小学校にはない厳しい上下関係が待ち構えています。友人関係とは異なる関係を築く必要があるため、慣れない子どもにはストレスがかかり、こうしたことから不登校につながっていきます。
学業不振
中学校へ進学すると授業内容の難易度が上がるため、それについていけない子どもにとっては精神的な負荷がかかるでしょう。また、先述のように、先生との関係も変化するため、授業でつまずくとそのまま取り残されてしまい、学業に対するモチベーションも低下しかねません。
また、中学校からは定期テストが実施されるようになり、それによって成績も大きく変化します。学校によっては点数によって順位をつけられることもありますから、学力に自信のない子どもだと自分の順位が明確になることに対して不快に感じるかもしれません。
制服や校則の変化
中学校に入ってから大きく変わるもののひとつに、校則がより厳しくなることが挙げられますが、こうした変化も不登校の原因になっています。特に、制服や髪型に関して昔ながらの厳格な規定を設けている学校があるため、事情があってそれを守れない子どもにとっては窮屈さや理不尽さを感じてしまう可能性があります。
また、校則に違反すると教員との関係悪化にもつながりますから、こうした点も不登校の遠因になっているといえるでしょう。NHKがおこなった調査でも、決まりや校則が不登校の要因と回答した子どもは21%に上ることが明らかになっています。
参照:https://www3.nhk.or.jp/news/special/miraiswitch/article/article29/
中学生で不登校になってしまったら?親ができることは?
自分の子どもがもしも不登校になったら、親としてはどのようなことができるでしょうか。4つのポイントに絞って解説していきます。
子どもの気持ちを肯定する
まずは、子どもの気持ちを肯定してあげることで、ストレスを和らげることから始めましょう。親として、「本当は学校に行ってほしい」「勉強を頑張ってほしい」という期待や願望を持ってしまうことは当然ですが、まずは子どもの気持ちに寄り添うことが大切です。子どもから何かやりたいという意思表示があれば、機会を逃さないようにできるだけかなえてあげましょう。
居場所をつくる
学校に行かない場合は、自分の家が子どもにとっては唯一の拠り所になりますから、そこでの居場所を確保してあげるようにしましょう。特に思春期を迎える過程では、1人の部屋が確保されることで精神的な安定につながります。
とはいえ、部屋にこもりっきりになると家族との交流も絶たれてしまうので、洗濯や掃除などの役割をつくり、それを任せてあげると家族との接点が生まれます。また、任せた役割が終えられたときは、ほめてあげることも重要です。小さなことからできることや認められることを積み重ねれば、自然と自信を回復していくことができるでしょう。
外の世界を見せて選択肢を広げてあげる
たとえ学校を拒絶しても、社会とのつながりは無数に広がっているため、それを見せてあげられれば学校に対する認識も変化する可能性があります。リアルなコミュニティに参加するのも選択肢のひとつですし、オンライン上のつながりでも十分です。複数のコミュニティに触れることができれば、子どもの世界も広がっていくでしょう。
支援制度を活用する
自分の子どもだからといって、すべての責任を親だけが抱える必要はありません。行政の専門家から支援を受けることも検討すべきです。児童相談所やひきこもり地域支援センター、発達障害者支援センターなど、自治体にはさまざまな施設が設置されています。支援制度については、下記の記事にまとめていますのでそちらもご参照ください。
不登校は甘えじゃない!親ができる不登校になった子どもへの4つの対応 | 通信高校生ブログ
不登校への支援は何がある?最新の支援情報まとめ | 通信高校生ブログ
中学生で不登校になった場合の進路選択はどうする?
中学生から不登校になった場合、子どもの進路はどのようなものが考えられるでしょうか。全日制高校以外の進路は下記の2種類が、代表的な選択肢となるでしょう。
定時制高校に通う
定時制高校は夜間に通うイメージもありますが、最近では全日制のように午前や昼間など日中に授業をおこなう学校も増えています。基本的には通学が必要になりますが、全日制よりは授業時間が短いため、学校には行きたいけど長時間は自信がない子どもにとっては通いやすいでしょう。
通信制高校に通う
もうひとつの選択肢として、通信制高校に通うことが挙げられます。基本的には登校日以外に学校に行くことを義務付けられていないため、不登校になった子どもでも通いやすいのがメリットです。学習面でも全日制の高校にはない、ITやデザイン系など魅力的なコースをそろえている高校も多く、楽しみながら学ぶことができるでしょう。
明聖高校では専門カウンセラーによる相談が受けられます
明聖高校は不登校の生徒の受け入れ実績も豊富で、専門カウンセラーが常駐するなど支援体制も整っています。在籍する教員もカウンセリングやメンタルヘルスの資格を所持するなど、心に不安を抱える子どもでもしっかりと支えながら勉強できます。
学習内容もデザインやゲームプログラミング、映像編集などを学習できる特徴あるコースを用意しています。子どもの興味に合わせて学ぶことができるので、自然と勉強したい、学校に行きたいと思えるようになるでしょう。
まとめ
中学校で不登校になる大きな原因としては小学校との違いがあります。教科担任制、生徒数の増加や先輩後輩の関係、授業内容の高度化、制服や校則などのさまざまな変化によって不登校になる可能性があります。
子どもが不登校になったら、「子どもの気持ちを肯定する」「居場所をつくる」「外の世界を見せる」「支援制度を活用する」などが、親としてできるでしょう。また、進路としては全日制高校以外に、定時制高校や通信制高校が挙げられます。
参考URL:
「居場所」の心理的機能の構造 とその発達的変化
中野キャンパス全日ITコース
不登校への対応について
明聖高等学校は、千葉・中野にキャンパスを構える通信制高校です。全日コース・全日ITコース・通信コース・WEBコースに分かれており、一人ひとりに合わせた高校生活を過ごすことができます。