全日制高校に通っている人のなかには、自分のやりたいことに時間が使えないなどの事情で、高校での生活に窮屈さを感じている人もいるのではないでしょうか。自分に合わない環境に居続けることほど苦痛なことはありません。通信制高校には、自分のペースで学習したい人や、やりたいことに時間を使いたいという人にとって適した環境が用意されています。
この記事では、通信制高校への転入学や編入学について、学年別の注意点を交えてご紹介します。
通信制高校への転入学は高校2年からでは遅い?
家庭の事情以外での転入学にネガティブなイメージを持たれている方もいるかも知れません。しかし、環境を変えてチャレンジすることで、高校生活への不満が解消されることもあります。今の高校生活に不満を抱いている人にとって、転入学は一つの解決手段といえるでしょう。
また、転入学・編入学をするのに、タイミングが遅すぎるということはありません。ここからは、転入学・編入学のタイミングなどについて紹介していきます。
転入学はいつしても大丈夫
多くの通信制高校では、入学資格に年齢制限を設けていません。そのため通信制高校への転入学は高校1年生からでも、3年生からでも可能です。ただし、通信制高校によっては転入学の時期が限られている場合もあるため、注意が必要です。
なお明聖高校の場合は、高校3年生の転入学は7月で受付が終了します。学校によって時期を逃すと転入学できない可能性があることは念頭に置いておきましょう。
転入学や編入学は夢や目標に向かうための選択肢
自分の夢や目標に向かうために自分の時間を確保したいという人にとって、通信制高校への転入学・編入学は有力な選択肢の一つといえるでしょう。通信制高校を選んだ人のなかには、スポーツやダンスなどの夢を追いながら高校卒業資格を得たい人や、社会人になってからあらためて必要になり学び直す人もいます。
下記の記事では、通信制高校に通う先輩たちが、どのような理由で通信制高校を選んだかを紹介しています。あわせて参考にしてください。
通信制高校に行きたい!先輩たちはどのような理由で通っているの? | 通信高校生ブログ
転入学・編入学の基本
続いて、転入学・編入学に際しての単位や在籍期間について解説していきます。
転入学と編入学との違い
転入学とは、高校に在籍したあとに空白期間なく新しい高校へ移ることを言います。そのため、新しい高校への出願時に高等学校に在籍していることが条件になります。
編入学は、高等学校を中途退学した人が学校に入り直すことを指します。中途退学から編入学までに高等学校に在籍しない期間があるのが特徴です。
入学と卒業に関わる単位と在籍期間
転入学・編入学時の学年や、どれくらいの期間で卒業できるかどうかは、以前在籍していた高等学校での単位の修得状況と在籍期間によって決まります。
<転入学時・編入学時>
学年は、各学校の修得単位数の規定に基づいて、修得していた単位が10単位未満であれば1年生、10単位以上40単位未満であれば2年生といったように決まります。なお、ここに履修済みの科目も勘案されることもあります。
<卒業要件>
通信制高校の卒業要件は下記3点です。
- ・必修科目を含め74単位以上修得すること
- ・在籍期間が通算で3年以上あること
- ・特別活動に30時間以上出席すること
在籍期間も卒業要件に含まれることから、転入学・編入学の時期によっては高校3年生の3月に卒業できない可能性もあります。転入学を決断する前に必ず確認しておきましょう。
なお、通信制高校の卒業要件について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
通信制高校って簡単に卒業できるの?卒業要件とサポート体制 | 通信高校生ブログ
学年別の通信制高校への転入学・編入学時の注意点
また、単位と在籍期間については学年ごとに気をつけるべき点が異なります。ここからは、学年別の注意点について紹介していきます。
高1で転入学・編入学する場合の注意点
高校1年生の場合は、新入学と同様に最初から単位を修得していくことになります。
基本的に、単位は学年末に認められます。転入学あるいは中途退学の時期が年度途中の場合、例外はあるもののそれまでの単位は認められません。
在籍期間については年度途中でも認められます。転入学の場合は切れ目なく在籍期間をカウントできるため、最短3年間で卒業することが可能です。
高2で転入学・編入学する場合の注意点
高校2年生の場合は、基本的に高校1年生までに修得した単位が認められます。修得済みの単位数と、入学先の学校で3年生の3月までに修得できる単位数の合計が74単位以上となれば、卒業要件の一つを満たすことになります。反対に、単位数の合計が74単位未満となる場合は、引き続き学校に在籍して単位を修得する必要があるため、卒業が3月よりもあとになってしまいます。加えて、学校の在籍期間についても、通算3年以上となるかどうか確認が必要です。
高3で転入学・編入学する場合の注意点
単位数や在籍期間に気をつける点は、高校3年生の場合でも同様です。特に、転入学・編入学後の在籍期間が短いため、在籍期間が通算3年以上にならない可能性が高くなります。早めの高校卒業を目指している方は、在籍期間についてしっかりと確認しておきましょう。
通信制高校への転入学・編入学の流れ
続いて、通信制高校への転入学・編入学の流れを簡単にご説明していきます。
自分に合った学校を探す
まずは自分に合った通信制高校を探すことが重要です。通信制高校の学習コースや授業内容は、Webサイトや学校説明会(オープンキャンパス)、合同説明会で確認できます。学校を比較し、自分の目的を果たせる学校を選ぶようにしましょう。選ぶ際には、修得可能な単位数などの編入学・転入学の条件についてのチェックも欠かせません。
編入学・転入学の出願・受験
通信制高校への出願にあたっては、入学願書をはじめとする書類を提出します。在籍していた高等学校が用意するものもあり、作成には時間がかかる場合があるため注意が必要です。明聖高校の場合は、下記の書類を提出することとなります。
<自分で用意するもの>
入学願書、作文、受験料
<在籍していた高等学校で作成してもらうもの>
調査書、転学照会書、在学証明書
また受験の内容は学校によって異なり、作文や面接などがあります。Webサイトや学校説明会などで受験内容を確認したうえで、万全の準備で臨みましょう。
履修登録手続き
晴れて通信制高校合格となったら、まず履修手続きが必要です。転入学・編入学生の場合、履修するべき科目は、前に在籍していた高等学校での修得状況を踏まえて決定することになります。卒業までを見据え、履修計画を学校側と相談しながら進めましょう。
まとめ
今回は転入学・編入学について、注意しておきたいことなどを紹介しました。
通信制高校には、自分の夢に向かって突き進みたいという方にとって適した環境が整備されています。ただし、選ぶ学校やタイミングによって、転入学・編入学の条件も変わってきます。気になる学校があれば、資料請求をおこない、通信制高校についてさらに調べてみてはいかがでしょうか。
参考URL:
通信制高校に行きたい!先輩たちはどのような理由で通っているの?|通信高校生ブログ
通信制高校って簡単に卒業できるの?卒業要件とサポート体制|通信高校生ブログ
高等学校学習指導要領(平成 30 年告示)解説 総則編|文部科学省
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