不登校の子どもの居場所としてよく挙げられるフリースクールは、子どもたちの学習や体験をサポートする民間施設です。
 
今回は、フリースクールの概要や費用、メリット・デメリットを解説します。
 
あわせて、フリースクール以外の選択肢も紹介するので、不登校のお子さんの居場所を探している方は参考にしてみてください。

フリースクールとは?不登校の子どもが学習できる場所

フリースクールとは、不登校やそれに準ずる子どもたちが学習したり体験したりできるよう、活動をおこなっている民間施設のことです。
 
活動内容はフリースクールによってさまざまで、子どもの特性や興味に合わせて選択できます。
 
学習や体験を補完するために、学校に通いながら利用している子どももいます。
 
学校という位置づけではないため、学籍はもともと通っていた学校に置かれたままです。
 
関連記事:不登校の子どもの居場所とは?多様な選択肢と選び方のポイントを解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校
 
参考:小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査|文部科学省

不登校の選択肢「フリースクール」の費用

フリースクールの費用(会費・授業料)の月額は、施設によってさまざまです。
 
文部科学省が平成27年に実施した「小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査」によると、不登校の子どもが通う民間の団体・施設の会費の平均額は約3万3,000円でした。
 
「1~3万円」「3~5万円」で設定している施設がそれぞれ4割弱で、大きい割合を占めています。
 
授業料のほか、入会金も設定されている場合が多いです。
入会金の平均額は約5万3,000円で、「1~3万円」で設定している施設が約3割と大きな割合を占めています。
 
なお、納付金があってほかにも費用がかかったり、減免制度によって負担が軽くなったりする施設もあるようです。
 
この調査にはフリースクール以外の施設も含まれますが、フリースクールの利用にかかる費用感として参考になるでしょう。
 
参考:小・中学校に通っていない義務教育段階の子供が通う民間の団体・施設に関する調査|文部科学省

補助金・助成金はある?

最近では、自治体が独自にフリースクールの利用に対する補助金や助成金制度を設けている場合があるので、一度調べてみるとよいでしょう。
 
以下は一例です。

  • ●名古屋市:フリースクールなどの利用料を助成(就学援助の場合補助率1/2、それ以外は1/4)
  • ●大阪市:塾や習い事にかかる費用に対する補助金(フリースクールも事業者として登録されている場合は有効)
  • ●上越市:フリースクールを利用する小学生または中学生を対象に補助金を支給

補助金・助成金制度を利用できれば、費用の心配を軽減したうえでお子さんに合った選択肢を選べるはずです。
 
参考:名古屋市フリースクール等利用料補助金(不登校児童生徒支援)|名古屋市
参考:フリースクールへの補助金制度創設・拡充のお願い|大阪市
参考:上越市フリースクール等利用支援補助金|上越市

不登校の子どもがフリースクールを利用するメリット

この章では、不登校の子どもがフリースクールを利用するメリットをお伝えします。
 
参考:「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日|文部科学省
参考:資料2-2 リーフレット(不登校児童・生徒の将来の社会的自立や学校生活の再開に向けて)|文部科学省

学校で出席扱いになることがある

フリースクールでの学習は、在籍している学校の校長先生が認めた場合、「出席扱い」になることがあります。
 
ただし、出席扱いにするためには一定の条件を満たす必要があり、学校とフリースクールが連携して支援を行うことが重要です。
 
そのため、出席扱いの実績があるフリースクールを選ぶと安心でしょう。
 
フリースクールでの活動が出席として認められれば、内申書(指導要録)に出席日数が記載される地域では、欠席日数による不安を軽減できる可能性があります。
 
一方で、最近は内申書に出席日数を記載しない自治体も増えています。その場合は、「出席扱いになるかどうか」を過度に気にしなくてもよいケースもあります。
 
まずは、お住まいの地域で内申書に出席日数が記載されるか確認したうえで、学校にフリースクールでの学習の扱いについて相談してみるとよいでしょう。

学校以外の居場所ができる

どのような事情で不登校になったかにもよりますが、学校との関係があまりよくなく、今後復帰が見込めない子どもにとっては、学校以外の居場所ができるというメリットが生まれます。
 
フリースクールでは、学習以外の体験や交流活動も設定されていることがあるため、社会とのつながりを維持するという意味でも効果的です。
 
「家に引きこもってしまったらどうしよう」と心配される保護者の方にとっても、安心できる場所といえます。

自分のペースで学習支援を受けられる

フリースクールの方針や取り組みにもよりますが、自分のペースや特性に応じた学習支援を受けられる可能性が高いです。
 
学校の学習だと進度が合わない、集団学習が苦手という不登校の子どもにとっては、意欲的に学べる機会となるでしょう。

不登校の子どもがフリースクールを利用するデメリット

次に、不登校の子どもがフリースクールを利用するデメリットをお伝えします。
 
参考:資料2-2 リーフレット(不登校児童・生徒の将来の社会的自立や学校生活の再開に向けて)|文部科学省

施設によって支援の質にばらつきがある

フリースクールは民間で運営しており、活動内容が多様なため、支援の質にばらつきがあります。
 
実際に行ってみると、「子どもの実態に合わない」「サポートが行き届かない」といったことも起こり得ます。
 
ミスマッチを回避するためには、フリースクール選びが重要です。実際に見学に行き、お子さんと十分話し合って検討しましょう。

不適切な対応を受けるリスクがある

フリースクールは民間施設であり、職員が教育系の資格を持っているとは限りません。
 
職員の募集要項として、保育士や教員免許などの資格を定めている施設もありますが、そうではないところもあるのです。
 
専門知識のない人が関わることで、子どもが不適切な対応を受けるリスクが想定されます。
 
職員がどのような資格を持っているか、運営者の経歴はどうかなど慎重に見極めることが大切です。

不登校におけるフリースクール以外の選択肢

民間が運営するフリースクール以外にも、不登校の子どもが選べる居場所はあります。
 
ここでは、代表的な4つの選択肢を紹介します。
 
なお、以下の記事では不登校の人向けに環境を変える方法を紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。
 
関連記事:学校が辛い人へ|不登校でも大丈夫!環境を変える選択肢を紹介|通信高校生ブログ|明聖高等学校

校内フリースクール(校内教育支援センター)

校内フリースクールとは、学校内の空き教室などを使って、不登校傾向があったり集団生活になじむのが難しかったりする児童生徒のペースに合わせて、学習や生活を支援する取り組みです。
 
正しくは校内教育支援センターという名称で、スペシャルサポートルームと呼ばれることもあります。
 
学校には行けるものの自分のクラスに入りにくいときや、気持ちを落ち着かせてリラックスしたいときに利用してもらい、緩やかに学校や在籍学級への復帰をサポートする場所です。
 
例えば、愛知県岡崎市で設置されている校内フリースクールでは、以下のような取り組みをおこなっています。

  • ●自分で1日の時間割・スケジュールを決める
  • ●必要に応じて在籍学級の授業にオンラインで参加できる
  • ●活動の時間としてスポーツや調理実習などの技能教科を学ぶ機会を設定している

取り組みや方針は、学校によってさまざまです。
 
校内フリースクールに興味がある場合は、在籍している学校に同様の取り組みがないかを確認するとともに、自治体で似た取り組みがないかもチェックしてみましょう。
 
参考:誰一人取り残さない!校内フリースクールF組|愛知県岡崎市教育委員会
参考:第4回有識者会議 文部科学省 説明資料|文部科学省

特認校(小規模特認校制度)

特認校(小規模特認校制度)とは、豊かな自然環境に恵まれた小規模校に通うことで、特色を活かした教育を受けられる制度のことです。
 
通常、小中学校は学区内の学校に在籍しますが、特認校は通学区域外からの就学を認めています。
 
各校通学条件などを満たせば、現在在籍している学校から転校して通うことが可能です。
 
特認校に通う大きなメリットは、少人数を活かした教育を受けられることです。
 
少人数指導ならではのきめ細かいサポートを受けられる可能性が高く、自分のペースを守って生活できます。
 
集団生活に苦手意識があり学校から足が遠のいてしまった、というお子さんの場合は、一度検討してみるとよいでしょう。
 
参考:1.学校選択制[特認校制]|文部科学省

学びの多様化学校

学びの多様化学校(不登校特例校)とは、不登校児童生徒の実態に応じて特別に編成された教育課程に基づく教育をおこなう学校です。
 
学校単位で設置される「学校型」と、一般の小中学校のなかに設置される「分教室型」があります。
 
学びの多様化学校は、特別な教育課程を組めるのが大きな特徴です。
 
例えば、国語・算数で各40時間を削減し、浮いた合計80時間を新設教科にあてて、それぞれのペースで漢字や計算を学べるようにするといった運用です。
 
一定の条件はありますが、一般的な小中学校よりも柔軟な教育課程を組めます。
 
また、登下校の時刻も柔軟に設定されている学校が多いようです。東京都のとある学びの多様化学校では、朝の学活が9時開始となっています。
 
学習面だけではなく、コミュニケーションのスキルトレーニングや外部講師を活用した体験的な授業の実施など、学校ごとに特色ある取り組みがおこなわれているのが特徴です。
 
不登校の児童生徒が増えている状況に合わせて、学びの多様化学校の設置も増えてきています。
 
まずは、お住まいの自治体に学びの多様化学校があるかどうかを確認してみてください。
 
参考:学びの多様化学校解説資料|文部科学省
参考:不登校児童生徒の実態に配慮して特別に編成された教育課程に基づく教育を行う学校の概要|文部科学省

通信制高校

ここまで紹介した選択肢は、義務教育の小中学校を対象としていました。
 
義務教育ではなくなる高校段階になると、国や自治体を挙げたサポートが薄くなります。
 
そこで検討したいのが、通信制高校です。
 
通信制高校とは、オンライン授業や自宅学習を通じて高校卒業資格の取得を目指す高校です。
 
スクーリングと呼ばれる登校は必要ですが、全日制高校よりも少ない日数で設定されています。
 
例えば、千葉県に本校を置く明聖高校のWEBコースは、年間3~4日程度のスクーリングを設定しています。
 
普段は、サイバー学習国というオンラインの学校を通じて授業を受けたり、レポートを提出したりする形で、マイペースに学ぶことが可能です。
 
各通信制高校のカリキュラムや特色、サポート内容を比べて、お子さんに合った環境を選ぶことで、ストレスなく高校生活を送れるでしょう。
 
明聖高校に興味があれば、ぜひ一度学校説明会・相談会に足を運んでみてください。
 
通信制高校について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
 
関連記事:通信制高校とは?全日制・定時制の違いなどわかりやすく解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校

不登校でフリースクールを選ぶ前に押さえておきたいこと

我が子の将来を案じて、フリースクールやその他の選択肢を選び、次のステップを考える保護者の方は多いですが、お子さんの実態と合っていない場合もあります。
 
そこで、フリースクールを選ぶ前に、まずは一度立ち止まって以下の2つのポイントを考えてみてください。

心身の回復を優先しよう

不登校の子どもはエネルギーが枯渇しており、さまざまな行動に制限がかかりやすい状態です。
 
例えば、疲れやすく普段の生活もままならなかったり、勉強に集中できなかったりなどが見られるのであれば、心身の回復を優先することが大切です。
 
特に、不登校になってからすぐの初期段階は注意しましょう。
 
お子さんの心身の回復をサポートする際は、以下の記事も参考にしてください。
 
関連記事:不登校からの回復にはどんな段階がある?子どものためにできることを紹介|通信高校生ブログ|明聖高等学校
関連記事:不登校の回復期とは?3つの段階ごとのサインと保護者に求められる対応を解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校

子どもとしっかり相談しよう

次のステップとしてのフリースクールは、お子さんにとっては大きなハードルかもしれません。
 
お子さんとは、下のポイントをよく話し合って、じっくり考えることをおすすめします。

  • ●学校復帰を目指すのか
  • ●ほかの選択肢を考えるのか
  • ●もう少し休むのか

焦って無理にフリースクールに行かせても、フリースクールすら通えなくなるというケースも考えられます。
 
学校以外の選択肢を選ぶにしても、お子さんと一緒に見学に行ったり、体験したりしてから、慎重に決めることが大切です。