人によっては、学校生活のなかで一番の思い出になりやすい修学旅行ですが、「実は行きたくない」「何とかして休む方法はないか」と悩んでいる人たちもいます。
 
「どうせ行っても楽しめないのに…」そういった気持ちから、修学旅行が近づくにつれて億劫になることもあるでしょう。
 
今回は、どうしても修学旅行に行きたくない人に向けて、原因となっているその心理や親を説得する方法を紹介します。修学旅行に行きたくなくて悩んでいる人は、参考にしてみてください。

修学旅行に行きたくない人の割合

修学旅行に行きたくない人の割合を調査したデータは現在のところありませんが、修学旅行に行かなかった人の割合はおおむねわかります。
 
公益財団法人 日本修学旅行研究協会が実施した「2024(令和6)年度 全国公私立高等学校・中学校修学旅行実施状況」によると、全国の中学校で修学旅行に参加した人の割合(参加率)は99.7%でした。全国の高校の場合は、99.0%です。
 
つまり、0.3〜1.0%の人が何らかの理由で不参加となっています。

修学旅行に行かない理由

一部地域を対象とした「平成28年度 修学旅行の実施状況並びに「学びの集大成を図る修学旅行」の取組についてのアンケート」調査では、修学旅行の不参加理由の割合が紹介されています。

不参加理由 徒数の合計(※1) 割合(※2)
経済的理由 134人 約3.6%
不登校 2,643人 約70.4%
疾病 393人 約10.5%
事故 26人 約0.7%
その他 545人 約14.5%
合計 3,752人 100.0%

※1 本調査は、茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉の関東5県を対象としたデータ
※2 理由別不参加生徒数の表を参照し、合計値に対する割合を算出して掲載
参考:平成28年度修学旅行の実施状況並びに「学びの集大成を図る修学旅行」の取組についてのアンケート|関東地区公立中学校修学旅行委員会 研究委員会 をもとに作成
 
このうち、不参加理由の約70%が不登校によるもので、そのなかには「修学旅行に行きたくない人」も含まれていると想定されます。
 
なお、この調査には「修学旅行に行きたいが事情があって行けない人」も多く含まれているため、行きたくないから参加しないという人ばかりではない点に注意しましょう。

修学旅行に行きたくない人の心理

修学旅行に行きたくない人は、実は以下のような悩みを抱えている可能性があります。

行ってもひとりぼっちになりそう

「学校にあまり友達がいない」「不登校で人間関係を構築できていない」という人は、ひとりぼっちになりそうという理由で、修学旅行に行きたくないと思っても仕方がありません。
 
修学旅行はグループ行動が中心となるため、朝から晩までだれかと一緒にいることになります。
 
グループを組めたとしても、そのなかに話せる人がいなければ孤独感を覚えるものです。
 
そのような状況で修学旅行に行っても「楽しくない」「つまらない」「気まずい」という気持ちになるのは当然です。

集団行動が苦手・疲れやすい

もともと集団行動に苦手意識がある人にとっては、修学旅行の壁は大きいでしょう。
 
例えば、一人でやりたいことがたくさんあったり、こだわりが強かったりするタイプです。
 
また、場の雰囲気を感じ取ることが苦手で、コミュニケーションで失敗しがちな人にとっても辛い環境になります。
 
さらに、周りの空気を読みすぎたり、気を遣ったりして疲れてしまう人も少なくありません。
 
普段の集団行動ですら苦手あるいは疲れやすい人が、家を離れて集団で過ごすとなると、不安や恐怖を覚えるのは無理もないでしょう。
 
以下の記事では、集団行動やコミュニケーションが苦手な人向けに対処法を解説しているので、あわせてご覧ください。
 
関連記事:会話が苦手な人の特徴とは?感じるストレスとコミュニケーションのコツ|通信高校生ブログ|明聖高等学校
関連記事:居場所がない原因とは?対処法と新たな選択肢を解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校

長時間の移動や知らない場所への不安がある

なかには、環境の変化に適応しにくい、不安を感じやすいといった人もいます。
 
例えば、以下のような人です。

  • ●知らない場所に行くと不安感や緊張感が高まる
  • ●お腹が痛くなりやすく、移動中に心配がある
  • ●見通しが持てないと焦る

修学旅行は事前に計画を立てますが、実際に現地に行くのは初めての人がほとんどのはずです。
 
そうしたなかで、「自分はうまくやれるのか」と思うと不安が強くなってしまう人もいます。

修学旅行は行かなくてもいい?不参加という選択肢

修学旅行は、学校の特別活動における学校行事に位置づけられており、参加・不参加は選べるため行かなくても問題はありません。
 
ただし、学校によっては準備や修学旅行に組み込まれている体験学習などが、総合的な学習の時間にカウントされることもあります。
 
評価をしなければならない都合上、不参加の児童生徒に対して別の課題や補習授業が用意されることがあります。
 
修学旅行は「事情があって行けない」という人もいるため、ほかの方法で補うという選択肢が用意されているのです。

修学旅行に行きたくないときに親を説得する方法

親に「修学旅行に行きたくない」という想いを伝えるのは、ハードルが高いですよね。
 
「修学旅行=楽しい」というイメージをもっている親もいるでしょう。
 
そのようななかで「修学旅行に行きたくない」と言えば、怒られるかもしれません。そう考えると、なかなか言い出せないものです。
 
そこで、ここからは具体的に何をどうやって伝えればよいのかについて解説します。

行きたくない理由を整理する

まずは、自分が修学旅行に行きたくない理由をハッキリさせることが大切です。
 
ただし、単純に「つまらないから」「楽しくないから」と言うと、「行ってもいないのにわからないじゃない」「修学旅行が楽しくないわけない」といった反応につながる可能性があります。
 
そのため、もう少し深掘りして、自分の気持ちや考えを伝える必要があります。
 
例えば、「つまらない」と思う原因を探るのです。
 
周りに合わせて行動するのが苦手、行きたくないところにわざわざ行く目的がわからないといった具体的な理由が見つかります。
 
「楽しくない」と思っている人は、友達がいないからひとりぼっちになる可能性があって怖い、という気持ちがあるのかもしれません。
 
このように理由を整理しつつ、どうして修学旅行に行きたくないのか「自分の気持ち」と向き合う必要があります。
 
そして、親には「不安」「怖い」など、自分の気持ちを正直に話すことが重要です。

代替策や妥協点を用意しておく

「行きたくない」とだけ伝えると、「行かないで何をするの?」と疑問をもたれるのは当然です。
 
そのため、修学旅行に行かず何をするのかも伝え、安心してもらうことが大切です。
 
修学旅行が内申点に関わると思っている親もいます。
 
修学旅行に行かないとなった場合学校では何をするのか、どういう課題が出されるのかなどを説明できるようにしておくと、親との会話がスムーズに進められる可能性があります。
 
ただし、不登校中で学校とコミュニケーションが取れない場合は無理をしないようにしましょう。

落ち着いて話せるタイミングと場所を選ぶ

親が忙しくしているタイミングで大切な話をするのは、話を聴く余裕がないため控えたほうがよいでしょう。
 
お互いに、落ち着いてゆっくり話せる時間を選ぶことが大切です。
 
事前に「今日の夜話したいことがある」などと伝えておけば、自分も親も心の準備ができます。
 
一緒にご飯を食べたり家事を手伝ったりなど、何かをしながら話すのも効果的です。

一度で諦めず何度か相談してみる

一度相談して頭ごなしに否定されたり怒られたりすると、諦めたくなるのも理解できます。
 
しかし、どうしても行きたくないのであれば、親に理解してもらうまで何度も相談することが大切です。
 
もし味方になってくれそうな大人(親戚や学校の先生など)がいれば、事前に根回しをしておき、一緒に話してもらうという手もあります。

修学旅行に行きたくないほど「集団行動が苦手」への対処法

修学旅行に行きたくない理由を考えたときに、あらためて「自分は集団行動が苦手だ」と気付いた人もいるでしょう。
 
集団行動が苦手で修学旅行に行きたくない人は、これから先も集団行動に対する不安や恐怖がつきまとう可能性があります。
 
ある程度対処法を知っておくと、安心して過ごせる環境を自分で整えられるようになるはずです。
 
そこで、ここからは集団行動が苦手という状態への対処法を紹介します。

苦手を少しずつ克服していく

エネルギーがある人は、苦手を少しずつ克服していくのもひとつの選択肢です。苦手なことを乗り越えるには、段階的にチャレンジするという方法があります。
 
いきなり10人で行動するのは難しいですが、2人ならできる場合もあるでしょう。
 
例えば、少人数でコミュニケーションをとる習い事などから慣れていく方法があります。
 
ただし、不登校中でエネルギーがない人は無理をしないようにしてください。

苦手を受け入れて自分なりに付き合う

苦手を受け入れて、ありのままの自分で過ごすという方法もあります。
 
例えば、修学旅行ではグループを作ったり話し合ったりなど、さまざまな集団行動が発生します。友達がいない人にとっては、苦痛を感じやすい時間です。
 
しかし「友達がいないんだからだれと組んでも一緒」と割り切ってしまえば、別の考え方ができるかもしれません。
 
別に無理にグループの人と仲良くする必要はなく、話しかけられたら返事をする程度で問題ないのです。
 
自分からは無理に話しかけないというように、適度に距離を置くといった関わり方もできるでしょう。
 
苦手なんだからしょうがないという気持ちで、あまり深入りせず一人で楽しめる方向へシフトするのがストレスを抑える方法です。
 
以下の記事では、自分らしく過ごすためのコツを解説しているので、あわせてご覧ください。
 
関連記事:自分らしく生きるためには?生きづらさを感じる理由と考え方のコツを解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校

集団行動の少ない進路や環境を選ぶ

集団行動がどうしても苦手でやりたくないのであれば、集団行動をせずに済む環境を選び、自分らしく過ごせるようにするという選択肢もあります。
 
例えば通信制高校は、集団行動をせずに高校生活を送れる選択肢のひとつです。
 
通信制高校とは、オンライン授業や自宅学習を通じて高校卒業資格の取得を目指す高校です。
 
千葉県に本校を置く明聖高校も、通信制高校のひとつです。
 
明聖高校では、メタバース空間を活用した学習環境「MEISEI SCHOOLVERSE(※2027年4月開校予定)」の展開を予定しています。
 
アバターを使って授業に参加したり、オンライン上で先生やほかの生徒とコミュニケーションを取ったりできる点が特徴です。
 
また、バーチャル空間内では交流イベントなども予定されており、自宅にいながら学校とのつながりを感じやすい環境づくりが進められています。
 
人と適度な距離を保ちつつ、自分のペースで学べる通信制高校を選ぶと、苦手な集団行動を意識せず学校生活を楽しめるでしょう。
 
明聖高校について詳しく知りたい人は、ぜひ一度学校説明会・相談会に来てみてください。
 
なお、集団行動がないからといって、友達が作れないわけではありません。
 
以下の記事では、通信制高校における友達の作り方を紹介しているので、あわせてご覧ください。
 
関連記事:通信制高校は楽しい?友達はできる?高校の魅力や友達の作り方を紹介|通信高校生ブログ|明聖高等学校

修学旅行に行きたくないと訴えるお子さんをお持ちの保護者の方へ

我が子に「修学旅行に行きたくない」と言われたら、困惑するのは無理もありません。
 
昔は、行きたくないから行かないという選択肢がほとんどありませんでした。
 
しかし、修学旅行に行きたくない背景には、子どもにとって大きな悩みが隠されていることがあるため、まずは子どもの話をしっかり聴いて話し合うことが大切です。
 
子ども自身がなぜ行きたくないかを言葉にできないこともあるので、保護者の方が根気よく質問を繰り返すなどして、深掘りしていくことも必要になります。
 
ただし、保護者の方からすると「修学旅行に行かないとどうなるんだろう?」という疑問はあるはずです。
 
そこで、ここからはよくある保護者の疑問に回答します。
 
もし、お子さんが修学旅行をきっかけに学校に行きたがらないのであれば、以下の記事も参考にしてみてください。
 
関連記事:不登校になる心理とは?子どもの心理や長期化しないための方法を紹介|通信高校生ブログ|明聖高等学校

修学旅行の不参加は内申点に影響があるの?

修学旅行は特別活動に位置づけられているため、評価があります。
 
評価の仕方は学校によるため一概にはいえませんが、一般的には内申点に影響を及ぼすような評価ではない場合が多いです。
 
ただし、修学旅行内の活動が英語や社会科の体験学習として扱われる場合、5教科の成績に影響がないとは言い切れません。
 
そのため、心配な場合は学校に確認してみてください。
 
なお、修学旅行に不参加の場合は、学校側が課題や補習を用意してくれるので、評価できないということはないでしょう。

親同伴で修学旅行に行くのはあり?

修学旅行に親が同伴するケースは実際にありますが、病気や介護などが必要といった理由が多いです。
 
「行きたくない」と言っている我が子を修学旅行に参加させるために同伴することが、本当に子どものためになるかどうかはしっかりと話し合う必要があります。
 
親が同伴することで、周りの子たちに影響を及ぼす可能性も考えなくてはなりません。
 
また、親同伴の修学旅行をきっかけに、お子さんがますます学校に行きにくくなる場合もあります。
 
「修学旅行に行かせたい」という親目線ではなく、子ども目線で問題に向き合うことが大切です。