居場所がないと感じている人は、どこにいても不安や焦りを感じているのではないでしょうか。リラックスした気持ちで過ごせる居場所は、自分でつくることができます。
今回は、居場所がないと感じる原因と対処法を解説します。安心して過ごせる居場所をつくって、不安を取り除きましょう。
居場所がないと感じる原因
居場所がないと感じる原因は、大きく分けて3つあります。
● 自分らしくいられないから
● 友達や大人とのつながりが少ないから
● 自由に行動できないから
原因を解消すれば、安心して過ごせる居場所をつくれる可能性があるため、それぞれ確認していきましょう。
自分らしくいられないから
自分の気持ちや考えを素直に話したり、自信をもって過ごせない環境は、自分らしくいられないため不安や焦りを感じます。
例えば、教室で自分の本当の気持ちを話すと仲間はずれにされるかもしれないと考え、友達に話を合わせていると疲れてしまうでしょう。その状態を繰り返していると、居場所がないと感じるようになります。
この場合、自分の気持ちを素直に話せて無理せずに過ごせる場所を見つけると、そこが居場所になるはずです。
友達や大人とのつながりが少ないから
友達や大人とのつながりが少ない環境は、孤独に感じて不安が大きくなることがあります。
例えば、学校で気の合う友達がいなかったり、話しやすい先生がいなかったりすると、「自分はこの場所にいなくてもいいんじゃないか」「だれも自分をわかってくれない」などと孤独に感じることがあります。
ただし、教室ではそのような状況でも、部活には話が合う友達がいて、部活が居場所になっているという場合もあります。
孤独を感じる場所がある人は、友達や大人とのつながりを感じるほかの場所を見つけると、居場所がないという気持ちを解消できる可能性があります。
自由に行動できないから
「自分がしたいことができる場所がない」「行きたい場所を選べない」などの環境にいる人は、行動が制限されるため居場所がないと感じやすいでしょう。
例えば、友達が図書館に集まって勉強しているときに、自分は交通手段がなくて行けないことがあります。門限が厳しくて行きたい場所に行けないこともあります。また、パソコンやスマートフォンなどを自由に使えないため、自由に過ごせる場所がわからない人もいるかもしれません。
行動が制限されると、特定の場所でしか過ごせなくなるため、。もし特定の場所の居心地が悪ければ、居場所がないという気持ちになりがちです。
自分に合った居場所を見つけてその場所で過ごすためには、ご家族と話し合いをしてみましょう。
居場所がないときの心理状態
居場所がないと感じるときは、次のような気持ちを抱えるケースが多くなっています。
● 孤独
● 不安
● 不満
● 自己否定感(自分を「嫌だな」「ダメだな」と思う気持ち)
● 無力感(「何もできない」「何をしても無駄」という気持ち)
もし、学校に対して上記のような気持ちを感じていると、学校に行きたくなくなるかもしれません。
自分にとって安心して過ごせる居場所を見つけることで、居場所がない問題を解決できる可能性があります。そして、気持ちよく毎日を過ごせるようになることに繋がるかもしれません。
安心できる居場所ってどんな場所?
安心できる居場所とはどのような場所なのか、具体的に考えてみましょう。
令和5年に内閣官房 こども家庭庁設立準備室が発表した「こどもの居場所づくりに関する調査研究 報告書」によると、居場所がないと回答したこども・若者が利用したい場所は、以下のとおりです。
出典:こどもの居場所づくりに関する調査研究 報告書|内閣官房 こども家庭庁設立準備室
この選択肢のなかで、自分にとって一番安心できる場所がどこかを考えてみてください。例えば、16~18歳の人の57.2%が「一人で過ごせたり、何もせずのんびりできる」場所を利用したいと考えています。この場所が一番安心できると感じる人は、あてはまる場所を探してみるとよいでしょう。例えば、自分の部屋のほかに、図書館や公園などが考えられますね。
また、物理的な場所だけではなく、安心できる人がいるところも居場所になり得ます。例えば、お母さんと一緒に過ごすと安心できる人は、お母さんがいる場所ならどこでも自分の居場所になるわけです。
居場所がないと感じたときの4つの対処法
令和5年度にこども家庭庁が発表した「我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査」では、在学中の人が幸福感や満足感を得られる居場所について分析しています。
これを踏まえて、安心できる居場所をつくるポイントを4つにまとめました。
● ありのままの自分でいよう
● 悩みを相談できる人を見つけよう
● いろいろな人と関わろう
● 好きなことに没頭できる場所を探そう
安心できる居場所をつくって、自分らしく過ごせるようにしましょう。
ありのままの自分でいよう
ありのままの自分で過ごせる人は、家や学校、習い事などの居場所で幸福感を得られています。
つまり、ありのままの自分を認めて、素直な気持ちや考えを話せる人になると、居場所がないと感じなくなるのです。
ありのままの自分を認めるためには、自分を理解するための対話が必要です。自分の考えや気持ちを書き出して客観的に分析したり、お家の人に聞いてもらったりすることで自分との対話ができ、自分の長所・短所がわかってきます。
自分を認められるようになる、あるいは認めてくれる人が増えると、そこが安心できる居場所になるはずです。
悩みを相談できる人を見つけよう
悩みを相談できる人や自分を受け入れてくれる人がいる場合は、家や学校で幸福感を得られています。
悩みを相談できる人を探す場合は、どのような人に悩みを聞いてもらいたいかを考えてみてください。例えば、話した悩みをだれかに言いふらしたり、悩みに対して頭ごなしにお説教をしたりする人は、だれだって嫌なはずです。
まずは、安心して話せる人に、小さな悩みから相談してみましょう。
いろいろな人と関わろう
いろいろな人と関わり、だれかと一緒に過ごせる場所がある人は、家や学校で幸福感を得られています。
もし、あまり人と関わっていないのであれば、人と出会える場所に足を踏み入れてみるのもひとつの方法です。例えば、新しい習い事や部活動をはじめてみる、いつもとは違う公園に行ってみるなど、試してみましょう。
初対面の人に声をかけるのは勇気が必要です。まずは、友達の友達や身近な人の知り合いなどを紹介してもらい、少しずつ関わる人を増やしてみてください。いろいろな人と関わるなかで、ありのままの自分を見せられる人に出会えるかもしれません。
好きなことに没頭できる場所を探そう
自分の部屋で好きなことに没頭できる人や、新しいことにチャレンジできると感じている人は、生活満足度が高い傾向があります。
自分の部屋だけではなく、図書館や公共のコワーキングスペースなど、集中できる場所はさまざまあります。自分の部屋をもっていない人も、好きなことに没頭できる場所を探して、趣味に打ち込んでみましょう。
新たな居場所として通信制高校を検討しよう
通信制高校は、みなさんの新たな居場所になり得ます。
通信制高校とは、自宅学習やオンライン学習などの通信教育を通じて必要な単位を修得して高校卒業資格を取得できる高校です。登校頻度が少ないコースだけではなく、全日制や定時制高校のように毎日登校するコースもあり、自分に合った方法を選んで学校生活を送れます。
明聖高校のWEBコースは、サイバー学習国というオンラインの学校で友達や先生と関われます。対面のコミュニケーションが苦手で学校が居場所だと思えなかった人も、オンラインなら思い描くコミュニケーションをとれるかもしれません。
新たな居場所の選択肢として、通信制高校も検討してみてください。
明聖高校のWEBコースの詳細は、以下のページをご覧ください。
まとめ
自分の在り方や考え方を少し変えてみると、今までは居場所ではないと思っていた場所でも、安心して過ごせるようになる可能性があります。ありのままの自分で関われる人を見つけてコミュニケーションをとることで、安心できる居場所が増えていくかもしれません。
明聖高校のWEBコースでは、サイバー学習国という新しい居場所を提供しています。「対面でのコミュニケーションが苦手」「これまで学校は居場所だと思えなかった」といった人は、ぜひ新たな選択肢のひとつとして検討してみてください。
参考URL:
こどもの居場所づくりに関する調査研究 報告書|内閣官房 こども家庭庁設立準備室
我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査|こども家庭庁 長官官房参事官
在外教育施設安全対策資料【心のケア編】|文部科学省
明聖高等学校WEBコース【サイバー学習国・サイバーアカデミー】
明聖高等学校は、千葉・中野にキャンパスを構える通信制高校です。全日コース・全日ITコース・通信コース・WEBコースに分かれており、一人ひとりに合わせた高校生活を過ごすことができます。