インターネットで通信できるゲーム機やスマートフォンが普及し、SNSやメッセージアプリなどを通じて学校以外でも友達とコミュニケーションをとれる時間が増えました。一方、一人で過ごしたいときに過ごせないこともあり、友達づきあいに疲れて「友達はいらない」と思う人もいるのではないでしょうか。
そのようなときは、どうして「友達はいらない」と思うのか、本当に友達はいらないのかなど、自分の心とじっくり向き合ってみることが大切です。
今回は、友達はいらないと思う理由と対処法を紹介します。友達との時間だけではなく、一人の時間も大切にして、穏やかに過ごしましょう。
「友達はいらない」っておかしい?
「友達はいらない」と思うことは、おかしいことではありません。
こども家庭庁が発表した「こども・若者へのアンケート調査」では、10代が居場所と感じている場についての調査結果が掲載されています。
年齢 | ~9歳 | 10~12歳 | 13~15歳 | 16~18歳 | 19歳以上 |
---|---|---|---|---|---|
一人で過ごせたり、何もせずにのんびりできる | 24.4% | 34.7% | 48.4% | 59.9% | 62.8% |
いろんな人と出会える、友人と一緒に過ごせる | 32.2% | 44.2% | 46.0% | 44.5% | 42.2% |
参考:こどもの居場所づくりに関する調査研究 報告書概要|こども家庭庁 より作成
調査結果を見ると、12歳の小学生段階では「一人で過ごせたり、何もせずにのんびりできる」よりも「いろんな人と出会える、友人と一緒に過ごせる」のほうが高い割合です。
ところが、13歳以降になると割合が逆転し「一人で過ごせたり、何もせずにのんびりできる」居場所を求める割合が高まります。このように「一人で過ごしたい」と考える10代は多いものです。
「一人で過ごしたい」と「友達はいらない」という気持ちはイコールではありませんが、どちらも「友達と離れて過ごしたい」気持ちのあらわれだと考えられます。
友達はいらないと思う理由
「友達はいらない」と悩んでいる人は、なぜそう思っているのかを突き止めると、解決策が見つかるかもしれません。
一般的に、友達はいらないと思う理由として、次の4つが考えられます。
● 気を遣いすぎて疲れているから
● コミュニケーションがうまくいかないから
● 一人でやりたいことがあるから
● 他人を信用できないから
自分にあてはまる理由があるかどうか、考えながら読んでみてください。
気を遣いすぎて疲れているから
友達に気を遣いすぎる人は、疲れてしまい「友達はいらない」と思うことがあります。
例えば、興味がない話題にあわせたり、おもしろくない話で笑ったりなど、自分の本心を押し殺さなければならない場面があると、疲れてしまいます。
家に帰ってからもSNSやメッセージアプリで友達とのコミュニケーションが続くと、一人になりたいと思うのではないでしょうか。心を開けない友達との関係を維持しようとすると、「一人で過ごしたい」気持ちが強まり「友達はいらない」と思うようになります。
HSP・HSCと呼ばれるタイプの人のなかには、友達に気を遣いすぎる人がいます。以下の記事では、HSCについて詳しく解説しているので、参考にしてください。
関連記事:不登校に多いHSCとは?人一倍敏感な子供の特徴と接し方|通信制高校生ブログ|明聖高等学校
コミュニケーションがうまくいかないから
友達とのコミュニケーションが得意ではない人は「友達はいらない」と思うことがあります。
例えば、相手の気持ちに共感できない、話をうまく理解できないなど、コミュニケーションそのものにストレスを感じている可能性があります。ストレスを感じるくらいなら一人で過ごすほうが楽だと思うようになり、友達を必要としなくなるのです。
一人でやりたいことがあるから
以下のように、友達と過ごすよりも一人で過ごす時間が好きな人は「友達はいらない」と思うことがあります。
● 没頭できる趣味があるため、一人で過ごす時間を確保したい
● 自分のペースで好きなことをするほうが楽しい
● 友達がいなくても困らない
● 一人で過ごすことが苦じゃない
一人で過ごすことが得意でも、学校では人目が気になる人もいるでしょう。そういう人は、上辺だけの友達関係を維持しようとして疲れてしまうパターンにあてはまります。
他人を信用できないから
他人を信用できない人は、友達をいらないと思うことがあります。
友達とトラブルがあり深く傷ついたことがある人は、同じことが起こるのではないかと疑心暗鬼になり、他人を信用できなくなるでしょう。その場合、友達をつくらず、自分が再び傷つかないように予防している可能性があります。
他人を信用できない人の心には「友達をつくるのが怖い」「傷つきたくない」という気持ちが隠れているかもしれません。
友達がいることのメリット
「友達なんかいらない!」と決めてしまう前に、友達がいることのメリットを考えてみてください。
例えば、次の3つのメリットがあります。
● 一人ではできない遊びができる
● 困ったときに助けあえる
● 大切な思い出を残せる
今はいらないと思っていても、友達との楽しい思い出や友達を大切だと思っていた時期がある人もいるのではないでしょうか。メリットを読むと、友達の必要性や大切さを思い出せるかもしれません。
一人ではできない遊びができる
友達がいると、鬼ごっこやかくれんぼ、対戦ゲームなど、一人ではできない遊びやゲームができるようになります。
友達と出かけたり、おしゃべりしたりするなかで、たくさん笑うことができればストレス解消にもなるはずです。
「友達はいらない」と思っている人も、過去に一人ではできない遊びやゲームを友達としたことはなかったか、振り返ってみましょう。
困ったときに助けあえる
友達がいると、困ったときに相談したり助けてもらえたりします。また、自分も友達が困っているときに助けてあげることで、お互いに大切な存在としてよい関係を築けるでしょう。
友達と支え合って過ごす時間のなかで、自分とは違う考え方や他人との関わり方を知り、人として成長することも可能です。
手を借りられる友達がいると、一人では乗り越えられない壁に直面したときも、スムーズに解決できるかもしれません。
大切な思い出を残せる
友達と笑ったり泣いたり、あるいはケンカをしたりしたことも、一つひとつの出来事が大切な思い出になります。
大人になってから、ふとしたときに思い出して元気が出る、あるいは勇気付けられることもあるものです。
友達はいらない!疲れたときの対処法
「友達はいらない」と思うときは、一人で過ごす時間が足りない、または人づきあいに疲れている可能性があります。
人づきあいに疲れた場合は、次の3つの対処法が効果的です。
● 少しの間SNSから離れる
● 学校を休む
● 一人の時間を増やす
疲れた心を休めたいときは、ぜひ試してみてください。
少しの間SNSから離れる
SNSやメッセージアプリは、友達とずっとつながっている状態になるため、疲れやすくなります。心を休めたいときは、SNSやメッセージアプリを見ないように、少し距離を置いてみるのがおすすめです。
一人でゆっくり過ごしたいときに友達からメッセージが来ると、返信しなければならないと思うこともあるでしょう。ステータスメッセージやプロフィールに意味深なことが書かれていると「自分のことかも?」と不安になることもあり、心が休まりません。
どうしても気になる場合は、一時的にアプリを消したりスクリーンタイムを設定したりして、物理的にSNSやメッセージアプリを見れないようにしましょう。
もし、連絡がとれない状態が続くことで、友達とトラブルになるおそれがあるならば、あらかじめステータスメッセージや名前に連絡できない旨を記載しておくと安心です。
家で一人の時間をゆっくり過ごせるようになると、疲れた心が回復します。そうしている間に「友達はいらない」という気持ちが消えることもあるのです。
学校を休む
疲れた心を休めたいときは、思い切って学校を休むのもひとつの手段です。
学校に行くと、いやでも友達と顔をあわせなければならないため、心が休まりません。自分と向き合う時間を確保するためにも、お家の人に休ませてもらえないか相談してみましょう。
以下の記事では、学校を休みたいときのお家の人への伝え方や休み中の過ごし方を解説しているので、参考にしてください。
関連記事:学校を休む方法は?理由の伝え方と休み中に考えたいことを解説|通信制高校生ブログ|明聖高等学校
一人の時間を増やす
いつもの生活を送るなかで、少しでも一人で過ごす時間を増やしてみるのもよい方法です。
例えば、家でもオンラインゲームを利用して友達と遊ぶことが多い人は、友達と遊ぶ時間や日数を減らして一人で過ごす日をつくります。オフライン表示でゲームをしたり、マンガを読んだりなど、一人で没頭できる時間をつくるとリフレッシュできるはずです。
友達がいなくてもメリットはある
友達がいなくても以下のようなメリットがあるため、無理に友達と過ごす必要はありません。
● 気を遣わずに過ごせる
● 友達とのトラブルが減る
● 一人の時間を楽しめる
さまざまな方法を試しても「やっぱり友達はいらない」と思う場合は、一人で過ごすのが性格にあっている可能性があります。メリットを読んで、友達と過ごすより一人で過ごすほうが魅力的に感じる人は、自分のペースを大切にしてみましょう。
気を遣わずに過ごせる
友達がいないと、気を遣わずに過ごせるため、心の負担が減ります。
例えば、友達の話にあわせて思ってもいないことをいったり、やりたくない遊びをしたりなど、自分の意志に反する言動をしなくてよくなります。
普段から友達に気を遣いすぎる人や、コミュニケーションが苦手な人にとって、大きなメリットでしょう。
友達とのトラブルが減る
友達がいないと、人間関係のトラブルが減るため、不安や心配がなくなります。
例えば、メッセージアプリのステータスメッセージやプロフィールに友達が自分の悪口を書いているのを見つけて、傷つくこともありません。
友達とのトラブルや人間関係の悩みが多い人にとって、大きなメリットです。
一人の時間を楽しめる
友達がいないと、自分の好きなことに時間を割けるため、趣味や習い事などに没頭できます。一人で過ごすのが好きな人にとって、大きなメリットでしょう。
自分のペースで過ごしたい人は通信制高校の魅力を知ろう
友達と距離を置いて、自分のペースで過ごしたい人には、通信制高校がおすすめです。通信制高校とは、年数回の登校と自宅学習を通じて単位を修得することで、高校卒業資格を得られる高校です。
友達と過ごす時間が長いと疲れてしまう人や、コミュニケーションが苦手な人は、通信制高校であれば、ストレスなく学校生活を送れる可能性があります。
明聖高校のWEBコースは、アバターをつくってオンラインで学習できるスタイルです。チャットで友達や先生とやりとりできるため、友達と適度な距離感を保ったまま学校生活を送れます。
さまざまな理由から「友達はいらない」と悩んでいる人のなかで、全日制高校は負担が大きいと考えているのであれば、明聖高校を選択肢のひとつとして考えてみてください。
まとめ
「友達はいらない」と思う背景には、さまざまな理由があります。友達がいらないわけではなく「友達と距離を置きたい」「一人の時間が欲しい」という気持ちのあらわれかもしれません。今は「友達はいらない」と思っている人も、将来もっと友達をつくっておけばよかったと思う日がくることもあります。そのため「友達なんていらない」と決めつけず、適度な距離感を保ったまま、自分のペースで過ごしましょう。通信制高校は登校回数が少ないため、友達と過ごす時間より自分の時間を確保できます。「友達はいらない」と悩んでいる人は、通信制高校も選択肢のひとつとして考えてみてください。
参考URL:
こどもの居場所づくりに関する調査研究 報告書概要|こども家庭庁
不登校に多いHSCとは?人一倍敏感な子供の特徴と接し方|通信制高校生ブログ|明聖高等学校
学校を休む方法は?理由の伝え方と休み中に考えたいことを解説|通信制高校生ブログ|明聖高等学校
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