学校を休みたいとき、仕方なく学校に行く日もあれば「1日だけでいいからどうしても休みたい」という日もあるでしょう。ときには学校を休んで、ゆっくり心身を回復させるのも大切です。
今回は、学校を休みたいときに理由を伝える方法を解説します。また、休み中に考えたいことを4つ紹介するので、どうしても学校を休みたいときの参考にしてみてください。
罪悪感なく学校を休む方法はひとつ!嘘をつかずに気持ちを伝えよう
「学校を休みたい」と思うのは、心や身体が疲れているサインかもしれません。無理に学校に通い続けると、眠れなくなる、お腹が痛くなるなどの症状につながる場合があります。
「学校は絶対に行かなければならない」と思っているのであれば、一度その考えを手放して、自分の心身と向き合ってみてください。
心身を壊してしまい、長期間学校を休まなければならなくなる前に、充電することも大切です。
学校を休むためには、お家の人に理由を話さなければなりません。罪悪感(悪いことをしてしまったという気持ち)を持たずにゆっくり休むためには、嘘をつかず、自分の気持ちを正直に話しましょう。
理由がないときは仮病をつかってもいいの?
身体の調子に問題がなく、ただなんとなく休みたいときは、仮病をつかえば簡単に休めそうですよね。しかし、仮病をつかってしまうと、次の問題につながる恐れがあります。
● お家の人にバレると、怒られたり休ませてもらえなくなったりする
● 本当に調子が悪いときも仮病を疑われるようになる
● 嘘をついたままでは罪悪感でゆっくり休めない
心をゆっくり休めるためにも「身体は大丈夫だけど心が疲れてしまったから1日だけ休みたい」というように、正直に気持ちを話しましょう。
学校を休みたい理由を親に伝える6つの方法【例文つき】
学校を休みたい理由をお家の人に伝える際は、次の6つの方法があります。
● 正直にありのままを伝えてみよう
● 前日に気持ちを伝えてみよう
● ご飯を食べながら伝えてみよう
● 1日だけ!期限を決めて伝えてみよう
● 休んでいる間なにをするか伝えてみよう
● 先生から伝えてもらおう
それぞれの方法と例文を解説するので、自分ができそうなものを選んで試してみてください。
もしできそうなら、6つをまとめた方法がおすすめです。休みたい日の前日に、ご飯を食べながら正直に話す方法がいいでしょう。
「〇日間」または「〇日まで」などの期限と、休んでいる間どのように過ごすかをあわせて伝えてみてください。
正直にありのままを伝えてみよう
以下の例文のように、正直な気持ちをありのまま伝えてみましょう。
「調子が悪いから、今日だけ休みたい」
「気分がすぐれないから休みたい。午前中は部屋で勉強をして、午後からゆっくり学校のことを考えたいと思っている。」
「明日から学校に行けるように、今日は休んで充電したい」
もし、学校に行きたくない理由がはっきりしているのであれば、話してしまうのも手です。お家の人が忙しいタイミングだとゆっくり話を聞けないため、余裕を持って切り出してみてください。
前日に気持ちを伝えてみよう
当日の朝、ゆっくり話す時間がないのであれば、前日に伝えてみる方法もあります。伝える際は以下の例文を参考にしてみてください。
「明日は1日学校を休みたい。学校で嫌なことがあって、休みながら気持ちを整理したい」
「放課後の時間までは部屋で勉強をして過ごす約束をするから、今週の残りは学校を休ませてほしい。」
「このままだと学校に行けなくなりそうだから、少しの間学校を休みたい。休んでいる間は、自分で教科書を進めるからお願い。」
当日の朝に切り出すと「眠いから」「サボりたいから」などと怠慢を疑われる恐れがあります。しかし、前日なら「なにかあったのかな?」と話を聞いてくれる可能性が高まります。
お家の人が落ち着いて話を聞いてくれそうなタイミングで相談してみましょう。
ご飯を食べながら伝えてみよう
当日の朝食や前日の夕食など、ご飯を食べながら伝える方法もあります。アメリカの心理学者であるグレゴリー・ラズランが、1938年に発表した「ランチョンテクニック」という説得方法です。
食事をしながら話すと、提案が通りやすくなる効果を期待できます。以下の例文のように、気持ちを伝えてみてください。
「今日の卵焼きもおいしいね!ところで今日の学校なんだけど、1日だけ休めないかな?少し疲れていて、ゆっくりしたいんだ」
「食べながら聞いてほしいんだけど、明日の学校を休みたいんだ。理由は、学校で嫌なことがあって。学校に行ったらまた嫌な思いをしそうなんだ。」
1日だけ!期限を決めて伝えてみよう
「1週間だけ」「1日だけ」など、期限付きで休みたい気持ちを伝えてみる方法もあります。
「今日、1日だけ休めないかな?調子が悪くて・・・・・・。」
「明日から2日間だけ休めないかな?金曜日は頑張って行くつもり。休み中は、自分で教科書を進めるから心配しないで。」
伝える際は、行動心理学のテクニックである「ドア・イン・ザ・フェイス」をつかうと、要求が通りやすくなる効果を期待できます。ドア・イン・ザ・フェイスとは、自分の希望を通すために、あえて大げさな要求を断らせたうえで、本当の気持ちを伝えるテクニックです。
例えば、1日だけ休みたいときは、あえて「1週間休みたい」といってみましょう。相手に「1週間は長すぎる」と要求を断られたらチャンスです。「それじゃあ、1日だけならどう?」と本当の要求を伝えると「1日だけならいいよ」といってもらえる確率が高まります。
休んでいる間なにをするか伝えてみよう
休んでいる間にゲームばかりしていたら、お家の人に「サボりたかったんだ」と思われてしまいます。そのため、やるべきことややりたいことをあらかじめ伝えておくことが大切です。
「1日だけ休ませてほしい。午前中は自分で勉強をして、午後はお風呂掃除をしてからゆっくり過ごすよ。ゲームはいつも通り1時間だけにするから。」
「明日から1週間学校を休みたい。休んでいる間に勉強が遅れないように、自分で教科書を進めるつもり。あとは、お家の手伝いもするから。」
「学校に行きたくないから、休みたい。休んでいる間に、なんで行きたくないのか気持ちを整理して伝えるから、時間をちょうだい。」
ここまで紹介した方法とあわせて試してみてください。
なお、以下の記事では、学校を休んでいる間の過ごし方を紹介しているので、あわせて読んでみてください。
関連記事:不登校の間、何をすればいい?おすすめの家での過ごし方
先生から伝えてもらおう
「自分では伝えにくい」「絶対に親が許してくれない」などの場合は、先生に相談して伝えてもらう方法もあります。先生にお願いするときは、以下の例文を参考にしてみてください。
「先生、実は学校を休みたいと思っているんですけど、自分では親にいえないので力を貸してもらえますか?」
「学校を休んで心を休めたいのですが、親が許してくれなさそうで・・・・・・。先生から、親に電話してもらえませんか?」
ただし、うまくいくかどうかは、先生次第です。先生との信頼関係ができていないと、難しいでしょう。信頼できる先生がいる場合は、最後の手段として試してみてください。
休み中に考えたい4つのこと
学校を休めた場合は、次の4つについてゆっくり考えてみましょう。
● なぜ休みたいのかを考えよう
● 信頼できる人に相談しよう
● 登校方法や休み方を考えよう
● 学校以外で学べる場所を探してみよう
学校を休みたい気持ちの裏には、悩みが隠れている可能性もあります。自分では悩みに気付かない場合もあるため、ゆっくり考えることが大切です。
なぜ休みたいのかを考えよう
「なんとなく休みたい」「精神的に疲れている」と思った人は、なぜ休みたいと思ったのか、原因を探ってみるのが大切です。
以下のように、学校に対する不安や行きたくない理由をすべて書き出してみましょう。
● 友達とトラブルがあった
● 教室に入りにくい
● クラスメイトに嫌われているような気がする
書き出したら、内容を見て、自分で解決できるのかどうかを整理します。もし、自分で解決できない場合は、信頼できる人に相談してみましょう。
信頼できる人に相談しよう
お家の人や兄弟など、信頼できる人に学校に行きたくない気持ちを相談してみましょう。もし話せるのであれば、なぜ行きたくないのか、理由まで話してみてください。
自分でも理由がわからない場合は、相談するなかで自分の気持ちに気付くことも多いです。
信頼できる人に相談しても解決が難しそうなときは、スクールカウンセラーに頼る選択肢もあります。
以下のサイトでは、悩みを解決するためのヒントを紹介しているので、参考にしてみてください。
あなたはひとりじゃない|内閣府 孤独・孤立対策推進室
登校方法や休み方を考えよう
信頼できる人と相談しながら、今後の登校方法や休み方を考えてみましょう。
例えば「あと1週間はゆっくり休む」「保健室登校ができるかどうか相談してみる」などがあります登校方法を考える場合は、学校の協力が必要です。担任の先生ではなくてもいいので、お家の人の力を借りながら、信頼できる先生に相談してみてください。
学校以外で学べる場所を探してみよう
学校以外にも、学習や体験活動をサポートしてくれる民間施設のフリースクールや習い事など、学べる場所はいくらでもあります。
学習の遅れが心配な場合は、学校以外で学べる場所を探し、居場所を増やしておくと安心です。
親が許してくれないときはどうしたらいい?
学校に通うのは義務ではないため、休んでも問題はありません。
しかし、勉強の遅れや将来を心配して「学校に行きなさい」と、なかなか許してくれないお家の人もいます。その場合は、安心させる材料が必要です。
例えば、お家の人が勉強の遅れを心配しているのであれば、家でどのように勉強を進めるかを話してみましょう。
「高校や大学に行けなくなる」のような進路の心配であれば、通信制高校や定時制、高卒認定試験など、ほかにも選択肢があると伝えてみてください。
家にいながら学校に通える!通信制高校の魅力を伝えよう
通信制高校は、家にいながら高校の学習ができ、高校卒業資格を取得できる学校です。もし学校を休みたいけれど、将来が心配で休ませてもらえない場合は、通信制高校を提案してみましょう。
明聖高校のWEBコースは、オンライン学習と年4回程度の登校で高校卒業に必要な単位を修得できます。さまざまな事情から登校が難しい人たちが在籍しており、自分のペースで学習を進めています。
WEBコース|明聖高校
通信制高校のメリットは、以下の記事でもくわしく解説しているので、参考にしてください。
関連記事:通信制高校を選ぶメリットは?どんな人が向いている?全日制や定時制と比較して解説
まとめ
学校を休むのは悪いことではありません。心身が疲れたときは、充電のために休むことも大切です。ただし、学校を休みたいときは、正直な気持ちをお家の人に話す必要があります。「高校に進学できなくなる」と許してもらえないときは、通信制高校の魅力を伝えるというように、お家の人が安心できる選択肢を提案してみましょう。
参考URL:
不登校の間、何をすればいい?おすすめの家での過ごし方|通信高校生ブログ|明聖高等学校
通信制高校を選ぶメリットは?どんな人が向いている?全日制や定時制と比較して解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校
明聖高等学校は、千葉・中野にキャンパスを構える通信制高校です。全日コース・全日ITコース・通信コース・WEBコースに分かれており、一人ひとりに合わせた高校生活を過ごすことができます。