何らかの事情で学校にあまり通えていないお子さんをもつ保護者で、メタバースを活用した教育に興味を抱かれている方も多いでしょう。
近年、義務教育段階では、自治体がメタバースを活用した教育サービスを積極的に提供するようになり、在籍している学校の授業に出席した扱いになるケースも増えてきています。
また、高校では主に通信制高校がメタバースを活用した学校を開設し、さまざまな事情を抱える子どもたちが自宅にいながら学びや体験を確保できるようになってきました。
本記事では、メタバースを活用した教育の事例とメリット・デメリットを解説します。
保護者の方が正しくメリット・デメリットを理解することで、メタバースを活用した教育の効果を最大限に引き出せるはずです。ぜひ、参考にしてみてください。
メタバースとは?
メタバースとは、インターネットなどを通じてアクセスできる仮想空間のことです。
メタバースを使ったサービスは、さまざまあります。
アバターを使ってチャットやゲームコンテンツを楽しむサービスがイメージしやすいでしょう。
一般的に、メタバースではVRゴーグルを使うため、あたかも自分自身が仮想空間で行動しているかのように楽しむことが可能です。
ただし、RobloxやMinecraftのようにVRゴーグルを使わないゲームもメタバースと呼ばれることがあります。
ほかにも、Pokémon GOのようにARやMR技術を使って、現実空間と仮想空間を融合させたタイプのメタバースもあります。
メタバースについて詳しく知りたい人は、以下の記事もご覧ください。
関連記事:メタバースとは?アバターで高校に通える新たな教育方法を解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校
参考:令和6年版 情報通信白書|総務省
メタバースは教育にも活用されている!3つの事例
メタバースは教育にも活用されています。
ここからは、実際に自治体が取り組んでいる事例を3つ紹介します。
事例1.メタバースでマイペースに学習を進められる|埼玉県
埼玉県では、朝の会やオンライン学習を実施するメタバース空間を提供し、児童生徒が自分のペースで学習を進められる環境を整えています。
オンライン学習支援教材「デキタス」が用意されており、個々の理解度に合わせて学習を進めることが可能です。
また、朝の会は毎日10時20分頃から始まるため、決まった時間に参加することで生活リズムを整えられるのも特徴です。
学校のペースについていけず学習に遅れを感じている児童生徒でも、マイペースに学び直しながら学習を継続できます。
参考:メタバース空間を活用した不登校児童生徒等支援事業のご案内|埼玉県
事例2.自宅からオンラインで授業に参加できる|愛媛県上島町
愛媛県上島町では、バーチャルサポートルームをクラウド上に設置し、学校に来づらい子どもが自宅からオンラインで授業に参加できる環境を提供しています。
Googleアプリなどを活用したオンライン授業配信により、これまで欠席せざるを得なかった子どもたちも自宅から学習に参加することが可能になりました。
自宅からの授業参加が出席扱いとなるケースも増えており、学校に通わなくても学びを継続できる選択肢のひとつになっています。
参考:バーチャルサポートルームをクラウド上に設置し、オンライン授業ができる環境を整備 【愛媛県上島町】|総務省
事例3.ネイティブスピーカーと英会話を練習できる|青森県中泊町
青森県中泊町では、メタバースを活用した英語教育を町内すべての小中学校で実施しています。
インターネット上の仮想空間でフィリピンの講師とつながり、週に1回程度の英会話レッスンを受けることが可能です。
ネイティブスピーカーと直接英語で会話する機会を通じて、実践的な英語力を身につけられるのが魅力だといえるでしょう。
生徒からは「英語が通じたときに楽しいと感じる」「リスニングができるようになってきた」という声が上がっており、英語学習へのモチベーション向上にもつながっています。
参考:メタバースを活用したオンライン英語教育|青森県中泊町教育委員会|文部科学省
メタバースを教育に活用するメリット
メタバースを教育に活用すると、以下のようなメリットが得られます。
学校外からも学習機会や友達とのつながりが得られる
メタバースはインターネット環境さえあればどこからでもアクセスできるため、病気や不登校の子どもにとって新たな学びの機会・場所になります。
また、メタバースには同時に複数人が集まれるので、自宅にいながらクラスメイトや他校の生徒と交流できるのも魅力です。
このように、どうしても学校に行けない事情がある子どもでも、学習機会を確保しながら友達とのつながりも得ることが可能になります。
アバターを使うことでコミュニケーションの心理的負担が減る
メタバースでは自分の代わりにアバターを操作してコミュニケーションをおこなうのが一般的で、直接顔を出す必要がありません。
自分の容姿や表情を気にせずに相手と会話できるので、見た目へのコンプレックスが気になる子どもでも気兼ねなく参加できます。
また、アバターを通すことで現実の自分と距離を置けるため、失敗や拒絶への恐れが和らぐでしょう。
特に対面だと集団のなかで発言しにくい子どもにとっては、意見を出しやすい環境だといえます。
場所を問わずさまざまな学びや体験ができる
メタバースでは、住んでいる地域に関係なくさまざまな学習や体験の機会を得られます。
例えば、海外の街並みや人々の生活をライブ配信で見ながら、現地にいる人と英語でリアルタイムに会話するといった体験学習が可能です。
離島や過疎地域など教育資源が限られる地域では幅広い体験が可能になるほか、都市部でも移動時間をかけずに多様な学びが得られるというように、地域性に縛られないことがメリットだといえるでしょう。
メタバースを教育に活用するデメリット
メタバースを活用した教育には、以下のようなデメリットもあります。
通信環境が不安定だと授業に参加しにくい
メタバースはリアルタイムの通信を前提としているため、インターネットの回線速度が遅いと映像や音声が途切れやすくなります。
不安定な通信環境下では授業内容が聞き取れなかったり、ほかの参加者との会話が成立しなかったりと、学習効果が大きく下がるおそれがあります。
また、インターネットの接続が切れると学習のリズムが崩れ、集中力の維持が難しくなるでしょう。
ポケットWi-Fiやスマートフォンのテザリングなどは通信が不安定になりやすいので、注意が必要です。
なるべく固定回線を引いて、安定したインターネット環境を整えましょう。
コンテンツ内容によっては飽きてしまうことがある
メタバースでの学習は画面を通じた体験になるため、一方的に話を聞くだけの形式だと集中力が続きにくい傾向にあります。
コンテンツに変化がなかったり、自分から発言や行動ができなかったりすると、数回の参加で飽きてしまうこともあるでしょう。
その結果、メタバースにログインしなくなり、継続的な学習につながらない可能性があります。
飽きるのを予防するためには、例えば複数のメタバース教育サービスを試すほか、メタバース以外の学習方法と組み合わせるといった工夫が必要です。
また、飽きてきたと感じたら無理に続けず、別の学習スタイルに切り替えることも考えてみましょう。
空間内のトラブルに巻き込まれることがある
メタバースは匿名性が高いため、不適切な発言をする参加者が現れる可能性があります。
アバターを通したコミュニケーションでは相手の表情や感情が読み取りにくいため、誤解やトラブルが生じやすいのも気をつけたいポイントです。
心ない言葉によって傷ついたり、ほかの参加者との関係が悪化したりすると、メタバースに参加するのが嫌になる場合もあるでしょう。
不快な言動を受けたらすぐに運営者や保護者に相談することが大切です。
匿名で顔がわからないとはいえ相手は生身の人間です。
もちろん、本人も人との関わり方に気をつけなければなりません。
そのため保護者の方は、事前に人との関わり方や言葉の遣い方をレクチャーしておくことが必要です。
そして、定期的に子どもの様子をチェックし、トラブルの兆候を早めに察知できるよう見守りましょう。
通信制高校にもメタバースを活用した教育がある
メタバースを活用した教育のひとつに、通信制高校があります。
通信制高校とは、オンライン授業や自宅学習を通じて単位を修得し、高校卒業資格を取得できる高校です。
全日制高校との大きな違いは登校日数で、学校によっては年間3~4日程度の登校でよい場合もあります。
登校の負担が少ない分、小中学校で不登校を経験した人や、習い事・スポーツなどほかの活動に時間を使いたい人でも継続しやすいでしょう。
通信制高校のなかには、メタバースを活用した教育に取り組む学校があります。
千葉県に本校を置く通信制高校の明聖高校もそのひとつです。
明聖高校では、メタバース空間を活用した学習環境「MEISEI SCHOOLVERSE(※2027年4月開校予定)」の展開を予定しています。
アバターを使って授業に参加したり、オンライン上で先生やほかの生徒とコミュニケーションを取ったりできる点が特徴です。
また、バーチャル空間内では交流イベントなども予定されており、自宅にいながら学校とのつながりを感じやすい環境づくりが進められています。
下記の画像は「MEISEI SCHOOLVERSE」のイメージです。



リアルで学校に通うのは難しいけれど、メタバースの学校なら気軽に通えるかもしれないと思った方は、ぜひ一度お子さんと一緒に明聖高校の学校説明会・相談会に参加してみてください。
なお、通信制高校について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:通信制高校とは?全日制・定時制の違いなどわかりやすく解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校
まとめ
メタバースを活用した教育にはメリット・デメリットがそれぞれあるので、よく理解したうえで適切に利用することが大切です。
特に、何らかの事情で学校に行けず、学習や体験の機会が減ってしまっている子どもにとっては、デメリットさえ気をつければメタバースが居場所のひとつになりうるでしょう。
義務教育段階では自治体が提供するメタバース教育を利用できますが、高校生になると難しくなります。
高校生でメタバースを活用した教育に興味がある人には、通信制高校をおすすめします。
メタバースの学校を開設している通信制高校なら、3年間を自分のペースで学ぶことが可能です。
ぜひ、選択肢のひとつとして考えてみてください。
参考URL:
メタバースを活用したオンライン英語教育|青森県中泊町教育委員会|文部科学省
令和6年版 情報通信白書|総務省
バーチャルサポートルームをクラウド上に設置し、オンライン授業ができる環境を整備 【愛媛県上島町】|総務省
メタバース空間を活用した不登校児童生徒等支援事業のご案内|埼玉県
学校説明会・相談会|明聖高等学校
通信制高校とは?全日制・定時制の違いなどわかりやすく解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校

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