学校での友達との会話で「自分が言ってること変じゃないかな?」「相手を傷つけていないかな?」とアレコレ考えてしまい、苦手意識をもっている人もいるのではないでしょうか。せっかくなら、ストレスを感じずに、お互いに気持ちよくコミュニケーションをとりたいですよね。
 
今回は、会話が苦手な人の特徴とコミュニケーションのコツを紹介します。会話の苦手を乗り越えて、コミュニケーションを楽しめるようになりたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

会話が苦手な人は多い?10代の実態

文化庁が平成28年度に実施した「国語に関する世論調査」におけるコミュニケーションに関する問いでは、10代の約54%がはじめて会った人との会話に対して「苦手である」と感じていることがわかります。

引用:「国語に関する世論調査」におけるいわゆる「コミュニケーション」に関する問い|文化庁
 
以下では、10代の多くが「コミュニケーションのズレ」を経験していることから、これが会話が苦手な要因のひとつであると予想できます。

質問 「ある(※)」と回答した10代の割合
誰かの話を聞いていて、その人の言いたかったことと、自分の受け取ったこととが食い違っていたという経験があるか、ないか 81.1%
誰かに話をしていて、自分の言いたかったことが、相手にうまく伝わらなかったという経験があるか、ないか 68.9%

※「よくある」「時々ある」と回答した人の合計
参考:「国語に関する世論調査」におけるいわゆる「コミュニケーション」に関する問い|文化庁 をもとに作成
 
このように、会話に苦手意識をもつ10代は多いのです。

会話が苦手な人の特徴

ここでは、会話が苦手な人の特徴を8つ紹介します。自分にあてはまるところがあれば、改善を意識するだけでもスムーズに会話できるようになるので、参考にしてみてください。

話す・聞くときの態度がよくない

文化庁が平成28年度に実施した「国語に関する世論調査」によると、10代の36.5%が「話したり聞いたりするときの態度が悪い」と話していて不快に感じると回答しています。
 
話す・聞く態度がよくないと、相手は会話する気がなくなる可能性があります。会話のとき「自分と話すと相手が不機嫌になる」と感じる場合は、自分の態度を見直してみましょう。
 
以下は、会話のときによくない態度の例です。

● 相手の話を遮る
● 相手の話を聞かずに、自分の話を優先させる
● 相手が話しているとき頻繁にスマートフォンを見る
● 相手が話しているときに目を合わせない

思いあたることがあれば、相手の話を最後まで聞くことや相手の目を見て話しを聞くことを意識してみてください。
 
相手が「旅行に行ってきた」と話し始めたのであれば「どこに行ってきたの?」と質問し、相手の話を深掘りします。このとき「自分も旅行にいってきた!」と言い出すと自分の話を優先させることになるため、相手の話に関する質問を続けることが大切です。

相手の話を理解できていない

文化庁が平成28年度に実施した「国語に関する世論調査」によると、全年代の32.2%が「話が理解されず会話がかみ合わない」と話していて不快に感じると回答しています。
 
会話の相手は、自分の話を理解されていないと感じると、会話が楽しくなかったり、話す気がなくなったりするのです。
 
自分で気付けないこともありますが、以下の場合は相手の話を理解できていない可能性があります。

● 的外れな質問をする
● 話題がかみ合わない
● 相手の言葉の意図が読み取れない
● 相手の話を誤解する

例えば、友達が「昨日先生に怒られて悲しかった」という話をしているのに「先生って何歳?」と質問をすると、会話がズレてしまいます。友達は悲しかった気持ちを伝えたいので、「大丈夫?」「つらかったね」などと気持ちに寄り添うことが大切です。
 
このように、相手の気持ちに寄り添って考えると、会話のキャッチボールがうまくいきます。

相手ばかり・自分ばかりが話す

文化庁が平成28年度に実施した「国語に関する世論調査」によると、10代の25.7%が「相手ばかりが話している」と話していて不快に感じると回答しています。
 
相手ばかり・自分ばかりが話す会話は、聞いている人にとってはつまらないものです。
 
以下にあてはまる場合は、相手がつまらない思いをしていたり、負担になっていたりする可能性があるため注意しましょう。

● 相手に話す機会を与えず、自分の話ばかりする
● 相手ばかりに話させて、自分は聞くだけになる

気持ちよく会話をするためには、それぞれが主役の話題をバランスよく話すことが大切です。もし、自分ばかり話していることに気付いたら「自分ばかり話してごめんね。〇〇さんは最近どんなことがあったの?」のように、話題を振ります。相手ばかりに話させている場合は「わたしも話していい?」と聞いてみるとよいでしょう。

正直に話していない

文化庁が平成28年度に実施した「国語に関する世論調査」によると、10代の25.7%が「言葉や態度の裏に、隠された意図を感じる」と話していて不快に感じると回答しています。
 
つまり、相手が正直な気持ちを話していなかったり、嘘をついたりしていると、会話していてもおもしろくないのです。
 
以下にあてはまる場合は、注意が必要です。

● 相手に合わせようと本音とは違うことを言う
● 相手を笑わせるために話を盛る
● 自分の本音を隠してあたりさわりのないことを言う

深い関係でなければ本音を伝えることは難しいですが、嘘をつかなくても上手にコミュニケーションをとる方法はあります。
 
例えば、相手に「お好み焼きっておいしいよね」といわれたとき、お好み焼きが嫌いな人は「おいしいよね」と言うと嘘になり、罪悪感を覚えることになります。そういうときは「お好み焼きが好きなんだね」と相手を中心にして会話を進めると、嘘をつかずに話を続けられます。
 
会話のなかで同意や共感を求められたとき、素直に「自分にはわからないけど、そうなんだね」と伝えるのもひとつの方法です。関係性ができているのであれば「自分はちょっと苦手かな」と本音を伝えると、楽にコミュニケーションがとれます。

話の内容が適切ではない

文化庁が平成28年度に実施した「国語に関する世論調査」によると、全体の21.3%が「話の内容に問題がある」と話していて不快に感じると回答しています。
 
話題選びや発言がその場に合っていないと、相手に不快感を与えてしまう可能性があります。
 
極端な例だと、結婚式というお祝いの席で、最近あったお葬式の話をするなど場違いな話をすることがあげられます。わざわざその場所で話さなくてよいこともあるはずです。
 
また、場所に関係なく、相手が話しにくいデリケートな話題をこちらから振る際も注意しなければなりません。その話をされて、相手がどう思うかを考えてから言葉にしましょう。

視線を合わせようとしない

文化庁が平成28年度に実施した「国語に関する世論調査」によると、全体の17.9%が「視線を合わせようとしない」と話していて不快に感じると回答しています。
 
視線を合わせないと、話を聞いてくれているのかどうかがわかりません。以下にあてはまる場合は、視線を合わせる意識をもつと改善できます。

● 目を合わせることに抵抗がある
● 下を向いて話すことが多い
● 視線が泳いでしまう

相手の目を見るのが難しいときは、アゴや首元を見ると、相手を見ているように振る舞えるので試してみてください。

話し方に問題がある

文化庁が平成28年度に実施した「国語に関する世論調査」によると、話し方に問題があると話していて不快に感じるようです。

● 敬語の使い方など言葉遣いに問題がある:全体の29.8%
● 話の組立てや流れに問題がある:全体の13.7%
● 話す速さに問題がある:全体の12.4%

言葉遣いに不安がある人は、普段から丁寧な言葉遣いを意識してみるとよいでしょう。話の組み立てや流れをうまく作れない場合は、以下の流れに沿って短く区切りながら話すのがおすすめです。

1. 登場人物や状況を説明する
2. 起こったことや事実を話す
3. 自分の気持ちを伝える

話す速さは、会話に慣れることで改善されます。スピードが遅くて心配な人は、最初に「話すのが遅くて迷惑をかけたらごめんね」と前置きしておくと、相手も理解したうえで話を聞けるはずです。

声が聞き取りにくい

文化庁が平成28年度に実施した「国語に関する世論調査」によると、全体の10.5%が「声の質や大きさに問題がある」と話していて不快に感じると回答しています。
 
話が聞き取れないとストレスを感じるため、声の大きさには気を付けたいものです。相手から何度も話を聞き返される場合は、自分の声が小さい可能性があります。口をしっかり開けて、ハキハキと相手が聞こえる声で会話しましょう。

会話が苦手な人が感じるストレス

会話が苦手な人は、さまざまなストレスを感じやすい傾向があります。ここでは、3つのストレスを解説するので、あてはまるかどうかを確認してみてください。

人間関係のプレッシャー

会話がうまくできないと、人間関係を構築できないかもしれないといった不安に駆られます。例えば、新学期にクラス替えがあってはじめて対面する人たちと会話できないと、スムーズに友達が作れないため、その後の学校生活が不安になるのではないでしょうか。
 
また、友達とうまく会話できないと、孤独感や疎外感が強まることもあります。

他人の反応に対する不安

会話相手の反応や表情を気にしすぎて、自分の発言内容に問題がないかどうか心配になってしまう人もいるでしょう。例えば、会話が終わってしばらく経ってから「あのときああいったけど、大丈夫かな?」と不安になることがあげられます。
 
会話相手が無表情だったり、興味がないように見えたりすると、不安が強くなります。

沈黙に対する恐怖感

会話が途切れたときに沈黙が起こると、不安や恐怖を感じる人がいます。沈黙を避けるために、話を続けようとして、話すスピードが極端に速くなったり、話題がズレたりしてしまうこともあるでしょう。
 
このように、会話の「沈黙」を「失敗」ととらえる人は、常に緊張して会話にのぞむため、ストレスを感じやすくなります。

会話が苦手な人のための聞く・話すポイント

会話が苦手な人は、コミュニケーションのなかでストレスを感じやすくなることがわかりました。ストレスを少しでも軽くして、楽しくコミュニケーションをとるためには、ポイントを押さえて聞く・話すことが大切です。ここでは、会話が苦手な人のために、聞く・話すポイントを解説します。

相手の考えを聞いてみよう!

相手の話を聞くときは、共感しながら最後まで話を聞く「傾聴」が大切です。話すことが苦手な人も、うまく話を聞くことができれば、それだけで円滑なコミュニケーションをとれます。
 
以下のポイントを意識して、話を聞いてみましょう。

● 適度に相づちをうつ
● 質問をする

相手に興味をもっている姿勢を見せることで、相手は気持ちよく話せます。話が続かないときは、質問をしてみましょう。このとき、相手の話に沿ったオープンな質問を投げかけると、会話が広がります。
 
例えば、友達が「数学の授業が嫌だな」といったとき「そうだね」だけでは、会話が広がらないため、「どんなところが嫌なの?」「逆にどの授業が楽しみ?」などと質問するとよいでしょう。

話を聞く練習

話を聞く練習をしたい場合は、以下の流れでお家の人と練習してみてください。

1. 話す人、聞く人、観察する人を決める
2. 話題を決める
3. 話題に沿って会話を進める
4. 振り返りをする

話を聞く人は、相手が気持ちよく長く話せるように工夫しながら聞きます。観察する人は、話す人が話しやすそうにしていたポイントや、聞く人のどのような態度がよかったかなどを客観的に振り返ります。

自分の考えを話してみよう!

自分の話をするときは、共通の話題を意識すると、会話が自然と広がり途切れにくくなります。流行の出来事や共通の趣味など、相手が話しやすいジャンルを探してみましょう。
 
ただし、すべてを相手に合わせる必要はありません。たくさん会話を重ねて信頼関係を築き、自分の話したいことを話せるようになるのが理想です。

話し方の練習

話すのがうまくいかないと思う人は、だれかに会話の様子を見てもらい、気になるところを指摘してもらうとよいです。聞く練習と同様に、話す人・聞く人・観察する人を決めて、会話をしてみましょう。
 
以下は、よくあるつまずきをもとにした気を付けたい点です。

● 話しかける前や話題を変えるときは確認する
● 自分の話をして満足して終わらせず、相手の意見を聞いてみる
● 相手を傷つけない言葉遣い・話し方を意識する

ほかにも、たくさん会話をするなかで、自分なりに気を付けたいポイントが見つかるはずです。「自分は会話が苦手だから会話はしないでおこう」とあきらめずに、お家でたくさん練習してみましょう。

会話が苦手でも大丈夫!ストレスを抑える選択肢とは?

会話が苦手な人は、裏を返すと相手を思いやっている人だともいえます。思いやっているからこそ、相手の反応や表情が気になったり、うまく話せなかったときのことが心配になったりするのです。
 
これは、個性であり、よさのひとつでもあるため、無理に直そうとする必要はありません。とくに、会話で大きなストレスを感じて、学校に行けなくなったり、具合が悪くなったりする人は、ストレスを抑える道も考えることをおすすめします。
 
例えば、通信制高校は、全日制高校と違ってクラスメイトや先生と話す機会が多くありません。通信制高校とは、オンライン授業や自宅学習などの通信教育で卒業に必要な単位を修得し、高校卒業資格の取得を目指す高校です。全日制高校よりも登校日数が少なく、年3~4日程度でよいコースや学校もあります。
 
学校に行きたくないほどのストレスを感じているのであれば、一度会話の機会を減らしてから、少しずつ練習する方法もあります。
 
明聖高校は、千葉県の通信制高校で、オンライン授業を通じて自分のペースで学べるWEBコースと、全日制高校のように学校に通いながら学ぶ全日コースがあります。まずは、WEBコースでゆっくり高校生活に慣れて、自信がついてから全日コースに変更することも可能です。
 
ストレスを抑えながら、ゆっくり成長していきたい人は、ぜひ一度見学に来てみてください。
 
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全日コース|中野キャンパス|明聖高等学校