子どもが不登校になると「どうしてうちの子が」「どうすれば学校に復帰できるのか」など、不安に感じたり、焦ったりしてしまう親は多いと思います。今回は、不登校になった子どもが抱えている悩みや、親ができることを紹介します。

不登校になった子どもの心理

クラスになじめない

子どもによってはクラスになじめないことが不登校のきっかけになる場合があります。具体的には、友人関係の問題を抱えている場合や、入学・転編入学・進級時の不適応などが挙げられます。

また、クラスになじめない子どものなかに一定数いると考えられているのが、HSC(Highly Sensitive Child)の傾向を持つ子どもです。HSCとは、「人一倍敏感な子ども」という意味で、アメリカの心理学者であるエレイン・N・アーロン氏が提唱しました。HSCの子どもは、感受性が強く、他人の気持ちにも敏感です。そのため、外部からの刺激をストレスに感じやすく、人が大勢集まるような場所が負担になります。その結果、集団行動が苦手であったり、学校という環境にストレスを感じたりします。

HSCについては以下の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

HSCとは?不登校の子供に多いHSCの特徴や正しい接し方とは | 通信高校生ブログ

先生が合わない

子どもと先生の相性が悪く、それが不登校のきっかけになる場合があります。特に、小学校から中学校へ進学すると、教科担任制(教科によって担当する教員が違うこと)が導入され、先生との関係性が希薄になりがちです。また、小学校と仕組みが大きく変わることで、新しい環境になじめず、強いストレスを感じる子どももいます。これを「中一ギャップ」と呼びます。

勉強についていけない

進級や進学をするごとに授業内容は徐々に難しくなっていきます。特に、中学校から教科担任制が始まることもあり、変化になじめない子どもは勉強面でもつまずいてしまうことがあります。また、一度つまずくとそのまま取り残されてしまうことがあるため、より勉強に対するモチベーションが低下する悪循環に陥ってしまうケースも少なくありません。

朝になると具合が悪くなる

子どもの睡眠が十分とれているにも関わらず、朝になると不調を訴えてくる場合、原因として起立性調節障害である場合が考えられます。起立性調節障害は思春期前後の子どもに見られやすい病気で、仮病でもなければ、怠けているわけでもありません。

起立性調節障害は、朝起きられない・腹痛・めまい・吐き気・食欲不振・動悸・疲れやすさなど、人によって症状がさまざまです。自律神経系の病気であるため、ストレスの影響を受けやすく、本人が強いストレスを感じると症状悪化につながることもあります。起立性調節障害の疑いがある場合は、小児科などに相談してみましょう。

起立性調節障害については以下の記事で詳しく紹介しています。併せてご覧ください。

子どもが朝起きられない・・原因は起立性調節障害の可能性も? | 通信高校生ブログ

子どもが示す反抗や拒絶反応の深層心理

子どもがとげとげしい言葉を使ったり、親を拒絶するような態度をとったりすると、親としってはショックだと思います。ただし、子どものそういった反応は必ずしもネガティブなものではありません。

子どもが親に対して暴言などを吐いてしまうのは、親を信頼しているからこそという場合があります。親と子どものあいだに信頼関係がないと、子どもは「見捨てられるかもしれない」などの不安から、反抗や拒絶の態度をとりにくいです。逆に、親と子どものあいだに信頼関係がある場合、子どもは自分のなかに抱えているストレスを「わかってもらえる」「受け止めてほしい」と思い、吐き出そうとします。

そのため、親に対して反抗や拒絶の態度をとっているからといって、必ずしも親に原因があるわけではありません。本人のなかでは、学校で悩みや問題を抱えていたり、ストレスを感じていたりすることをうまく言語化できず、親にぶつける形で表れているのがこのケースです。

悪い状態が長期化しないために親ができること

子どもや自分を責めない

子どもが不登校になったとしても、本人を責めるのはやめましょう。不登校の子どもはいわばエネルギーが不足している状態です。本人は怠けたいわけではなく、活動に必要なエネルギーが足りていません。そのため、まずは子どもの気持ちを肯定し、寄り添うことが大切です。子どものなかでエネルギーが回復してくることで、本人も課題と向き合えるようになります。

また、親は子どもの不登校に対する不安から、子どもを追い詰めてしまわないように気を付けなくてはいけません。親自身も自分を責めないように気を付け、ストレスを抱え込まないようにしましょう。

不登校支援は親自身の負担が大きくなりやすいため、家庭だけで解決しようとせず、外部の支援を使うのも大切です。相談先は以下の記事で詳しく紹介しています。こちらも併せてご覧ください。

不登校の悩み、どこに相談すればいい?主な専門機関と相談窓口一覧 | 通信高校生ブログ

学校への復帰を目標としない

親が「子どもの学校復帰」を目標にしてしまうと、「勉強の遅れを取り戻させよう」「進路に影響が出ないようにしよう」といった考えから、子どもに無理強いをしてしまいかねません。本人の意思を尊重しないような対応をとってしまうと、かえって劣等感を刺激したり、学習意欲の低下を招いたりすることもあります。

結果的に学校への復帰ができる場合もありますが、復学だけに囚われず、子どもの持つ資質を伸ばす視点を持ち、子どもと良好な関係を築いていくことが大切です。

また、文部科学省は「不登校児童生徒への支援は、『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的にとらえて、社会的に自立することを目指す必要がある」という通知を出しています。不登校の期間は子どもがエネルギーを回復するのに必要な時間ですので、復学だけにこだわらず、柔軟な対応をおこないましょう。

※「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日

明聖高校では専門のカウンセラーによる相談を受けられます

明星高校は不登校生徒の支援体制も充実しています。校内にカウンセラーが常駐しているほか、教員はカウンセリングやメンタルヘルスなどの専門研修を受講し、資格を持ったプロばかりです。

また、不登校だけでなく、進学や転校の相談もできます。保護者向けに夜間保護者相談室も設置されており、家庭での悩みを相談することも可能です。

サポート体制については明聖高校公式サイトでも紹介していますので、こちらのページも併せてご覧ください。

不登校生徒へのサポート体制|通信制高校(千葉・中野)|明聖高等学校