現在、留年の危機に直面している高校生のなかには、焦りを感じている人も多いでしょう。
 
「なんとか留年を回避したい」「このまま留年したら人生が終わるかも?」など、さまざまな想いがありますよね。
 
高校は小学校や中学校と違って基準を満たせないと留年しますが、救済措置も設けられています。
 
また、もし留年してしまってもそこで人生が閉ざされるわけではなく、その後の選択肢もさまざまです。
 
そこで、高校での留年が不安な人に向けて、留年の基準や救済措置、その後の選択肢を解説します。
 
本記事は特に、学年制を採用している全日制高校における留年の話を中心に解説するので、該当する高校生は参考にしてみてください。

高校の留年とは?

留年(原級留置)とは、出席日数が足りなかったり、学校で決められている成績に達しなかったりした生徒が単位を修得できずに進級できないことを指します。
 
全日制高校の多くは学年制を採用しており、1年単位で進級に必要な単位の数や種類が決まっています。
 
基準を満たせなかった場合、1年分の単位の修得が認められず留年措置がとられる仕組みです。
 
留年すると退学または、ほかの学校に転入学をしない限り、在籍している高校で同じ学年をやり直すので、ひとつ下の学年の人たちと同じ教室で学ぶことになります。
 
学年制と単位制の違いを詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。
 
関連記事:単位制高校とは?学年制高校との違いとメリット・デメリットを解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校

高校で留年した人は0.3%ほど

令和6年度に高校で留年した人は、全体の0.3%です。

引用:令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について|文部科学省
 
3年までは学年が上がるごとに留年する割合が小さくなっていく傾向があり、もっとも高い割合を占めるのが1年生です。
 
1年生のうちに何らかの理由で単位が修得できず、進級できなくなってしまう人が多いといえるでしょう。

高校で留年になる基準

一般的に高校の留年は、2つの基準を踏まえて判断されます。
 
ただし、全国的に統一されたルールはなく学校ごとに異なるため、自分が通っている学校のルールを確認することが必要です。
 
ここからは、一般的な基準を一例として紹介します。

出席日数が足りない

出席日数の要件は、各学校ごとの教務規定によって定められているのが一般的です。
 
そのため、インターネットで調べても学校の公式サイトに載っていないという場合が多くなっています。
 
文科省によると、一般的には3分の2以上の出席を要件としている学校が多いです。
 
全日制高校の約8割が年間授業日数を190~209日で定めているため、3分の2以上の出席となると、127~139日は出席しなければならない計算になります。

引用:令和5年度公立高等学校における教育課程の編成・実施状況調査の結果について|文部科学省
 
ただし、調査のなかでは5分の4以上を基準とする事例もあるので、基準を知りたい場合は在籍している学校の規定を確認することが必要です。
 
なお、例えば1~2日程度のわずかな不足を理由に留年させるのは望ましくないとされているため、学校によっては補習や追試などを受けることで留年を回避できる場合もあります。
 
また、不登校の生徒が学校以外の施設で相応の学習指導を受けていた場合、その内容を考慮して、出席日数が足りなくても進級・卒業が認定されるケースもあります。
 
参考:高等学校教育の在り方ワーキンググループ(第8回)議事録|文部科学省

成績が基準を満たしていない

留年の基準として成績があります。
 
出席日数と同じように学習指導要領などで統一されたルールがないため、学校ごとに基準が決められています。
 
例えば、赤点の基準が30点の学校もあれば、60点の学校もあるでしょう。
 
基準を知りたいのであれば在籍している高校の基準を聞くか、調べる必要があります。
 
一般的には、赤点をとったあと補習や追試を受けても成績の基準を満たせない場合、留年になる可能性が高いです。

高校で留年が決まるタイミング

高校で留年が決まるタイミングは、出席日数と成績集計が終わる学年末が一般的です。
 
年度末になると、先生たちがつけた成績をもとに、最終的に校長が進級を認めるかどうかを判断します。
 
この手続きが3月におこなわれ、単位が認められない場合には留年が正式に決まります。
 
参考:高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 総則編|文部科学省

高校で留年が決まるまでの流れ

高校で留年が決まるまでの流れも、文科省によって定められたやり方はなく、学校によって違います。
 
通常は、いきなり留年を告知するのではなく、事前通告があります。
 
そのなかで、救済措置についても連絡があるでしょう。
 
救済措置を受けて基準を満たせたかどうかで、留年の判定が下されるのが一般的な流れです。

高校での留年は回避できる?「救済措置」とは

進級の基準を満たせなかった場合でも、救済措置によって留年を回避できる場合があります。
 
文部科学省が定める「高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 総則編」では、基準に満たない場合も一律に留年にするのではなく、ある程度柔軟に運用することを明記しています。
 
高校側はなるべく卒業できるように配慮しなければならないため、わずかに基準を満たしていない生徒に対して救済措置をとるケースが多いのです。
 
ただし、あまりにも基準から外れている場合には救済できないこともあるため、注意しましょう。
 
ここからは、具体的な救済措置について紹介します。
 
参考:高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 総則編|文部科学省

補習授業を受けて不足分を補う

特定の教科・科目の出席日数が足りない、または赤点が多く成績の基準を満たしていない場合、補習授業によって不足分を補う方法があります。
 
補習は、長期休暇中(夏休み・冬休み・春休み)に実施されることが多いですが、日程や内容は学校によって異なります。
 
補習への参加が単位認定の条件となる場合がほとんどなので、進級したい場合は必ず受けましょう。

課題を提出して評価を補う

テストの点数や出席日数の不足を補うために、レポートや課題の提出が課されることもあります。
 
課題の内容や評価基準は教科・科目や担当教員によって異なります。
 
この場合、提出期限が厳格に設定されることが多いので、期限を過ぎないよう取り組みましょう。

追試験を受けて基準を満たす

定期テストで赤点をとった生徒に対してよくおこなわれるのが、追試験です。
 
本試験と同程度または類似した問題が出題されるのが一般的ですが、まれに難易度が上がる場合もあります。
 
また、追試の前に補習がおこなわれ、追試の成績と補習の出席率で評価する学校もあります。
 
追試を受けても成績の基準を満たせなかった場合、単位の修得が認められないのが一般的です。
 
実施方法や合格基準は学校によって異なるので、赤点をとったときに確認しましょう。

高校で留年しても人生は終わらない!その後の選択肢

高校で留年が決まると「人生終わりかも?」と思う人もいるでしょう。
 
高校で留年してもその後の選択肢はさまざまあるので、自分に合った道を選んで、新たに頑張ることが大切です。
 
そうすれば、人生が終わることはないでしょう。
 
ここからは、留年したあとの選択肢を5つに分けて紹介します。

現在の高校で留年して卒業を目指す

現在在籍している学校で卒業を目指す場合、留年してもう一度同じ学年で頑張る選択肢があります。
 
「ひとつ下の学年の生徒と授業を受ける」「元クラスメイトが1年早く卒業してしまう」といったことが気にならないのであれば、転入学・編入学または退学などの手続きが必要ないぶんスムーズに再スタートできるでしょう。
 
ただし、体調不良が多く普段から欠席しやすい状況なら、「同じ学校で必要な出席日数をクリアできるか」という点を踏まえて検討してみてください。

ほかの学校に転入学・編入学する

現在在籍している学校で留年して卒業を目指すのが難しい場合は、ほかの学校に転入学・編入学する方法もあります。
 
以下の学校が転入学・編入学の対象となるでしょう。

  • ●通信制高校
  • ●定時制高校
  • ●ほかの全日制高校

このうち、全日制高校は条件が厳しいといわれています。
 
一般的には、欠員が出ると転入学・編入学の募集がかけられるため、そもそも入学したい全日制高校が募集をおこなわない場合もあるのです。
 
私立であれば転入学・編入学の時期も柔軟に対応している場合がありますが、公立は学期ごとが基本となっています。
 
また、ほかにもさまざまな条件を満たす必要があります。
 
もし、ほかの全日制高校へ転入学・編入学できるとしても留年は確定しているので、結局はひとつ下の学年で学ぶことになる可能性が高いことには注意しましょう。
 
全日制高校と比べると、通信制高校と定時制高校は転入学・編入学がしやすいです。
 
特に私立の通信制高校なら、ほとんどの学校が学期途中でも受け入れてくれます。
 
なお、転入学と編入学には違いがあります。以下の記事で詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。
 
関連記事:通信制高校の編入学・転入学の違い|時期と単位の引き継ぎができるかも解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校
 
また、各種高校の違いが知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてください。
 
関連記事:通信制高校とは?全日制・定時制の違いなどわかりやすく解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校

海外に留学する

現在在籍している学校を退学して、海外の学校で卒業を目指す選択肢もあります。
 
海外の学校で卒業資格が認定されると、帰国生入試の制度を使って大学を受験することが可能です。
 
また、留年をして高校に籍を置いたまま海外留学をするという方法もあります。
 
海外の学校で修得した単位は、日本の学校の単位に適用することも可能です。
 
学校によって細かいルールが異なるため、先生に相談してみましょう。

退学して高卒認定試験を受ける

現在在籍している学校を退学して、独学で高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)の合格を目指す方法もあります。
 
高卒認定とは、高校を卒業した人と同等以上の学力があることを認定する試験です。
 
高卒認定に合格すると、本来「高卒以上」の定めがある採用試験や国家資格で「高校卒業に相当する」と見なされ、受験資格を得られる場合があります。
 
また、大学入試の受験資格を得られるため、高校を留年・退学してもその後の進路が開かれます。
 
高卒認定試験は年2回おこなわれており、受験する年度末までに満16歳以上になる人が受験可能です。
 
ただし、最終学歴は高卒にはならず、中卒のままとなります。
 
そのため、高卒認定資格取得後に就職する場合、高卒資格保有者とキャリアアップの面で異なる点に注意が必要です。
 
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
 
関連記事:高卒認定試験とは?高卒資格との違いと受け方・費用・難易度を解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校

退学して就職する

留年しても卒業が難しい場合は、退学して就職する方法もあります。
 
社会人として働くうちに高校卒業資格が必要になったら、あらためて定時制や通信制高校に編入学して、資格の取得を目指すことも可能です。
 
ただし、高校を退学すると、中卒で就職活動をすることになります。
 
中卒を対象とした求人は高卒以上と比べて少ないため、就職先が見つからない可能性もあるでしょう。
 
そのため、じっくり将来のことを考えたうえで、進路を決めることが大切です。
 
以下の記事で、中卒の就職状況を詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
 
関連記事:中卒で就職できる?おすすめの職種5選と知っておきたいポイントを解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校

留年したら通信制高校での再スタートも考えてみよう!

高校を留年したときは、通信制高校での再スタートを考えてみることをおすすめします。
 
通信制高校とは、オンライン授業や自宅学習を通じて単位を修得し、高校卒業資格の取得を目指す高校です。
 
全日制高校とは違って単位制のため、単位を落とした教科・科目だけやり直せばよいというメリットがあります。
 
通信制高校へ転入学する場合、現在在籍している高校の単位を引き継げる可能性があります。
 
また、留年が決まったタイミングで受け入れてくれる学校が多いので、3月時点で動いても遅くはありません。
 
千葉県に本校を置く通信制高校の明聖高校も、例年4~12月の期間で転入生を受け入れています。

引用:転入学-千葉本校|明聖高等学校
 
3月に留年が決まった段階で4月の出願期間で応募すると、ちょうど新学期から学び始めることが可能です。
 
学科試験はなく、作文と面接で受験できるため、準備の負担も小さいでしょう。
 
全日制高校で学んだことや修得した単位を引き継げる場合もあるので、お気軽にお問い合わせください。