不登校に悩んでいると、「周りの人はなかなかつらい気持ちをわかってくれない」と思うときもあるのではないでしょうか。一方で、同じ想いを抱いていたり、似たような経験をしていたりする人がいるとわかると、それだけでもホッとすることがありますよね。
そこで今回は、実際に不登校を体験している人の声をもとに、思わずうなずいてしまう“不登校あるある”を8つまとめました。きっと共感するものがあるのではないでしょうか。
【その1】昼夜逆転してしまう
- ・朝になるまで眠れなくて、毎朝のように新聞配達の音を聞いている。
- ・現実逃避したくて、一晩中イヤホンで音楽を聴いている。
- ・ネトゲ(オンラインゲーム)にハマって、連日徹夜している。
不登校になると、定期的に外出する機会がなくなるため、生活リズムが乱れがちです。公的な調査でも、「生活リズムが乱れて苦労した」(おおいにあった、少しあった)という不登校経験者は約70%にも上っています(「不登校に関する実態調査 平成 18 年度不登校生徒に関する追跡調査報告書」)。
【その2】人目が気になって、昼間に外を出歩けない
- ・平日の昼間に出歩いている同年代の子はほとんどいないので、人目が気になって外に出られない。
- ・逆に、家族が帰ってくると自宅の居心地が悪くなるので、夜に外出している。
- ・休日に町で学校の友達に会うと、「学校には来ていないのに遊んでいるんだ」と思われそうで嫌だ。
特に2つ目の「昼に外を出歩けず、夜になってから活動する」というパターンが、【その1】で紹介した昼夜逆転の原因になるのも“あるある”です。
【その3】運動不足で体力が落ちてしまう
- ・家に引きこもって「食べる」「寝る」を繰り返していたので太ってしまった。
- ・活動量が少ないせいか食欲が落ちて、体重が激減した。
- ・あまり動いていないはずなのに、ぐったりして延々と眠ってしまう。
通学や体育の授業といった体を動かす機会がなくなり、体力が落ちてしまったという声が聞かれます。中には「体力がなさ過ぎて、暑い/寒い日中に外を出歩けなくなった」という体験談もあり、【その1】や【その2】の“あるある”ともつながると言えそうです。
なお、不登校で活動量が少ないにもかかわらず、睡眠時間が長くなってしまうのは、うつ病など心の不調が原因である場合もあります。
【その4】学校に行く時間になると体調が悪くなる
- ・朝、出かける準備をしていると、だんだんと気分が悪くなってくる。
- ・前日の夜まで元気でも、翌朝になると頭やお腹が痛くなったり、熱が出たりする。
学校へ行くことに対する不安が体調不良として現れるのは、心理学的には「ストレス反応」という仕組みによるものだといわれています。先ほど紹介した調査でも、不登校を経験した人の40%以上 が、「学校へ行こうという気持ちはあるが、身体の調子が悪いと感じたり、ぼんやりとした不安があったりしたため」に不登校が続いていたと回答しているなど、多くの人が経験している“不登校あるある”です。
【その5】人とうまくコミュニケーションを取れなくなった
- ・人と話すときに目を合わせられなくなった。
- ・久しぶりに友達と話したら言葉がなかなか出てこなくて、自分でもびっくりした。
「他人と話す機会が大幅に減ったせいか、コミュニケーションの感覚をつかみにくくなった」と感じることはないでしょうか。
中には、コミュニケーション力が下がったために、ますます人と話さなくなり、さらにコミュニケーション力が落ちていく……といった悪循環を経験したという声もあります。
【その6】家族や友達のやさしさが気まずいことがある
- ・家族の気遣いをうっとうしく思うことがある。
- ・プリントを持ってきてくれる友達と時々話すと、「やさしくてありがたい」と思う反面、腫れ物に触れるような接し方に気まずさを感じることもある。
家族や友達が、不登校である自分とどう接するべきか悩んでいるのを、敏感に感じ取ってしまう人もいるでしょう。気遣いそのものはありがたい一方、こちらも接し方に困ってしまいますよね。
【その7】ごく普通の学校生活にあこがれる
- ・仲のいい友達と部活に打ち込むなどして、青春を送りたかったと思う。
- ・修学旅行などの行事に参加できなかったのが悔やまれる。
- ・みんなと同じように「学校を楽しい」と思えたらどんなに幸せだろう、と考える。
実際には学校生活の在り方もさまざまですから、「普通の学校生活」とは何かを一概に決めることはできません。それでも、不登校を経験していると「多くの人が中学校・高校で体験してきたことを、自分は逃してしまった」「学校で青春を送れないまま大人になってしまうんだろうか」と思ってしまうでしょう。
【その8】やる気も自信も失って将来に絶望してしまう
- ・不登校になる前にはできていたことも、やる気がなくてできなくなる。
- ・不登校になった自分は人間としてダメなんだと落ち込んでしまう。
- ・「将来は進学も就職もできないかもしれない」と、絶望することがある。
最近では、SNSやブログなどで、不登校を乗り越えた人の体験談を見かける機会も少なくありません。そうした体験談の多くは「不登校は乗り越えられる!」と勇気づけるような内容になっていますが、それでも、不登校の真っただ中にいると、「自分はこの人たちとは違って、本当にダメな人間なのかもしれない」と思ってしまう瞬間もあるのではないでしょうか。
そうしたときは、すぐに前向きにはなれなくても、「同じように悩んでいる人が自分以外にもいるんだ。独りではないんだ」ということを、どうか思い出してほしいと思います。
学校・社会復帰した人たちも、みんな“不登校あるある”に悩んでいた!
ここまで、不登校中の“あるある”をご紹介してきましたが、これらを語っているのは、今まさに不登校に悩んでいる人だけではありません。過去に不登校を経験し、今では学校・社会に復帰している人たちにとっても、「外を出歩けない」「うまくコミュニケーションが取れない」「やる気も自信もない」といったことは“あるある”だったのです。最後に、そうして不登校を克服した人たちのエピソードをご紹介しましょう。
- ・「高校で自分は変わるんだ!」と決意して学校に通うようになった。最初は緊張したし、とても不安だったけれど、今は毎日が楽しい。
- ・通信制高校に転入したら、同じように不登校を経験していた友達ができて、励まし合えた。
- ・高校に通えるようになって、卒業後の大学進学も決まったとき、「自分だってできるんだ」と自信を取り戻せた。
ひょっとすると、こうした「不登校は本当につらかったけれど、今では乗り越えられ、前進できている」というエピソードも、“不登校あるある”だといえるのかもしれませんね。特に「登校回数の少ない通信制高校で、学校復帰への第一歩を踏み出せた」というのは、不登校をかつて経験した人の“あるある”としてよく語られています。
不登校を経て学校に戻れたという人たちも、決して特別ではなく、今不登校である皆さんと同じように、つらい思いをしてきました。逆にいえば、同じような厳しい境遇にあった人たちの多くが、今ではそれを乗り越えて、前に進んでいるのです。そう思うと、少し前向きになれるのではないでしょうか。
まとめ
不登校のときには孤独を感じてしまうこともありますが、つらい想いを一人で抱え込む必要はありません。同じ悩みを持つ仲間と“あるある”を共有できれば、励まし合って、困難を乗り越えることができるでしょう。不登校を経験した人にも多く選ばれている通信制高校は、そうした場所のひとつとしても、力になってくれるはずです。
※参考URL
不登校に関する実態調査 平成 18 年度不登校生徒に関する追跡調査報告書-不登校生徒に関する追跡調査研究会
不登校あるある】なぜ、学校へ行く前になると具合が悪くなるのか? – ブログ – 専門カウンセラーが執筆!不登校解決ブログ
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