「自分を変えたい」と思っている中高生は多いのではないでしょうか。「変えたい」「変わりたい」と思ったときが大きく成長できるチャンスでもあるため、しっかりと今の自分となりたい自分について考えることが大切です。
 

本記事では、「自分を変えたい」と思う中高生に向けて、考えるべきポイントとなりたい自分になるヒントを解説します。自分を変えて新しい自分を手に入れるために、参考にしてみてください。

自分を変えるってどういうこと?

「自分を変えたい」と思ったとき、具体的になにを変えたいか言葉にできますか?性格や見た目など、変えたいものは人によって違うでしょう。「自分を変える」ことは、「性格を変える」や「見た目を変える」というように具体的にできるのです。
 

変えたい内容によって、すべき行動が変わるため、最初になにを変えたいのか明らかにしていく必要があります。まずは「自分のなにを変えたいのか」について、考えてみてください。
 

ソニー生命の調査に答えた中高生が「いま、変えたいこと」は、以下のようになっています。このなかに、あてはまるものがないか探してみてください。

・1位 性格
・2位 見た目(顔・容姿・体型など)
・3位 生活習慣
・4位 勉強習慣
・5位 学力・成績

参考:中高生が思い描く将来についての意識調査2021|ソニー生命
 

もし「性格を変えたい」場合、性格がなにによって形づくられているか知らなければなりません。性格は、大きく以下の2つの要素からできています。

・生まれもった要素(気質)や環境といった自分自身で選んでいないもの
・自分自身の言葉・行動・習慣など成長していくなかで身につけたもの

2つの要素を比較すると、変えやすい要素はあとから身につけた自分自身の言葉・行動・習慣だといえます。性格だけでなく見た目にも、変えやすい要素・変えにくい要素があることを踏まえ、なにを変えるか考えることが大切です。

自分を変えたいと思ったら考えるべき3つのポイント

「自分を変えたい」と思ったら、次の3つのポイントを考えてみてください。

・なぜ自分を変えたいの?理由を整理しよう
・今の自分はどんな人?現状を分析しよう
・どんな自分になりたいの?理想像を考えよう

順番に自分の考えを整理していくと、なにを変えたいのかが明らかになるはずです。考えるときは、紙やスマートフォンなどに文字で書き起こすと、あとから振り返りやすくなります。

なぜ自分を変えたいの?理由を整理しよう

なぜ「自分を変えたい」と思ったのか、理由を整理してみましょう。例えば「性格を変えたい」理由が、「自分のことが嫌い」というケースでは、以下のように整理できます。

性格を変えたい
↓(なぜ?)
自分のことが嫌いだから
↓(なぜ?)
人とうまくコミュニケーションが取れないから
↓(なぜ?)
グループで話していると、いつも自分だけ話に入れないから

このように、自分の答えに対して「なぜ?」と質問をくり返していくと、自分を変えたい理由が明らかになっていきます。上記の例の場合「グループで話していると、いつも自分だけ話に入れない」ところを変えたいのだなと気付けますね。心の底では「みんなと同じように話したい」と思っているのかもしれません。
 

もうこれ以上は細かくできないというところまで書き出してみましょう。性格を変えたい理由がひとつでない場合は、すべての理由に対して同じことをおこなって、詳しく分析します。方法としては、樹形図の活用がおすすめです。最近では、樹形図のスマートフォンアプリもあるので、活用してみてください。

今の自分はどんな人?現状を分析しよう

自分を変えたい理由を整理できたら、今の自分がどんな人なのかを分析します。このとき、注意したいのは変えたい部分や嫌いな部分だけでなく、好きなところにも着目することです。自分のことを友達だと思って外からみたとき、「こういう人だな」と思う要素を書き出していきましょう。だれかに見せるものではないので、人からどう思われるかという点を気にせずに、気付いたことをどんどん書き出すことが大切です。
 

今の自分を分析していくと「グループで話していると、いつも自分だけ話に入れない」原因が見えてくることがあります。原因が見つけられたら、そこを変えていけばよいわけです。

どんな自分になりたいの?理想像を考えよう

最後に、どんな自分になりたいのか、理想像を考えてみてください。理想像は、自分を変えていくうえでの目標・指針にあたります。自分を変えるといっても、方向性がいろいろあるため、どのように変わりたいかを明確にしておくことが大切です。
 

例えば「友達のAちゃんのようなコミュニケーションが取れるようになりたい」「芸能人のBさんのように堂々としたい」など、具体的な人物をイメージして考えてみるとよいでしょう。

何を変えればいい?自分で変えられる5つの要素

自己分析をおこなったあとは、具体的に何を変えたらよいのか考えていきます。自分で変えられる要素は、次の5つです。

・行動を変える
・言葉づかいを変える
・考え方を変える
・見た目を変える
・環境を変える

行動を変える

自分で変えられる要素のひとつは、行動です。行動科学という学問では、行動の原因は脳にあると考えます。脳の仕組みを利用すると、行動を変えられるという考え方です。
 

例えば「友達とコミュニケーションがうまくいっていない」「いまいち仲良くなれていない」と感じる場合は、自己開示を利用してみましょう。自己開示とは、自分の考えや気持ちを包み隠さず相手に伝えることです。好きな音楽や今悩んでいることなどを自分から相手に伝えることで、相手は「この人にとって自分は心を開ける特別な相手なんだ」と感じるため、距離が縮まるのです。
 

ただし、いきなりすべてをさらけ出すのは難しいうえ、相手に「なんでもペラペラ話してしまう人」と警戒される危険があります。そのため、ゆっくり時間をかけて深い話をしていくことが大切です。
 

このように行動を変えてみると、友達と今よりも仲良くなれるでしょう。

言葉づかいを変える

言葉づかいを変えると、脳科学や心理学で研究されているプライミング効果によって、自分を変えることが可能です。プライミング効果とは、直前に見た情報や画像から影響を受け、無意識に行動することを指します。例えば「黄色」という言葉を見たあとに、服を選ぶと黄色を選びやすくなるという効果です。
 

人は、自分が発している言葉を耳から聴いてプライミング効果を発揮している可能性があります。普段からネガティブな言葉を発していると、行動にもあらわれるわけです。
 

そのため、日頃からポジティブな言葉を使っていると、明るく元気な生活を送れるでしょう。理想の自分が使っていそうな言葉を洗い出し、言葉づかいから変えてみましょう。

考え方を変える

行動と言葉づかいが変わってくると、自分の考え方も変わってくるでしょう。その他に、より広い視野をもって物事を考えたい場合は、リフレーミングの活用がおすすめです。
 

リフレーミングとは、別の視点から物事を見ることで、考え方を変える心理学の方法です。例えば、夏休みが終わるまであと3日というとき「あと3日しかない」と思うか、「まだ3日もある」と思うかで、視点が異なります。「あと3日しかない」と思うと「学校に行きたくないな」というネガティブな気持ちにつながりますが、「あと3日もある」と思うと「あと3日でどんな楽しいことをしようか」とポジティブな気持ちにつながります。
 

普段の視点に対して反対の見方をしてみると、いつもと違う考え方や気持ちをもてるはずです。意識的にリフレーミングを活用することで、考え方が変わっていくでしょう。

見た目を変える

自分を変えたい人のなかには「見た目が気になる」人もいるはずです。見た目を変える簡単な方法には、以下があります。

・髪の毛を切る
・爪を磨く
・眉毛を整える
・肌のお手入れをする

なかにはダイエットをしたい人もいると思いますが、無理なダイエットは心身に悪影響を与えるため、正しい方法を調べてから挑戦することをおすすめします。
 

最近では、YouTubeで中高生にできるお手入れ方法を解説している動画がたくさんあるので、参考にしてみるとよいでしょう。見た目が理想に近づくと、前向きになれるはずです。

環境を変える

行動経済学には、ナッジという考え方があります。ナッジとは、環境を変えることで、理想の行動を起こさせることです。例えば、スマートフォンをついつい触ってしまい、勉強が進まないとします。このとき、スマートフォンを触ってしまう自分を変えようとするのではなく、スマートフォンに触れる環境を変えるのがナッジです。時間にならないと開かないセキュリティボックスにスマートフォンを入れ、勉強中は触れない環境を自分で作ることで、勉強中にスマートフォンを触らない自分に変われます。
 

新しい環境にストレスを感じることもあるので、少しずつ試しながら自分に合った環境を構築していきます。そのうち、いつの間にか自分の行動が変わっていることを実感できるでしょう。

自分を変える方法|理想の人を見つけて真似してみよう

自分を変える方法で、もっとも簡単なのは、理想の人を見つけて真似することです。理想の人がいつもやっている行動や言葉づかいを真似すると、理想の自分に近づけるでしょう。すべてを真似しようとするのではなく「この人のここがいいな」と感じたポイントを取り入れることが大切です。
 

ただし、身近な人すぎると、真似された相手が不快に思う可能性があるので気をつけましょう。普段あまり会わない人や芸能人・偉人といった遠い存在だと、真似しやすいはずです。

自分を変えるだけじゃない!今の自分を大切にする方法

ここまで、自分を変えるための考え方や方法をお伝えしましたが、自分を変えることばかりにとらわれず、今の自分を認めることも大切です。自己分析をするなかで、自分にもよいところがあると気付いた人もいるでしょう。今もっているよいところはそのまま大切にし、少しだけ自分を変える努力・挑戦をすることが大切です。

明聖高校でなりたい自分を目指そう!

環境を変えて頑張ってみたい人は、通信制高校を選択肢のひとつとして考えてみてください。通信制高校は、全日制高校と比べて学校に通う日数が少なく、自宅学習やオンライン学習を中心に高校生活を送れる高校です。自分とゆっくり向き合いながら、自分のペースで挑戦したい人におすすめです。
 

通信制高校である明聖高校は、全日コースか通信コースを選べるため、自分に合った方法で学べます。なかには、人と話すことが好きではなかったけれど、明聖高校に通うなかで変われたという人もいます。

中学2年生の途中から不登校になりました。それでも高校生活は楽しく過ごしてみたいと思っていたので、全日総合コースを選びました。今では「学校ってこんなに楽しいんだ」と思えるようになりました。修学旅行ではたくさんの思い出もできたし、友達の仲を深めることができました。
人と話すことが好きではなかったけど、今は楽しいと思えるし、休日も外に出られるようになりました。家族からも笑顔が増えたと言われます。
今までの経験を通して、心理学を学び、心のケアをして一人ひとりに寄り添える大人になりたいと思います。

参考:先輩生徒インタビュー-中野キャンパス

「自分を変えたい」「理想の自分になりたい」という人は、参考にしてみてください。