勉強ができないことに悩んでいる人のなかには、理由を解明して改善したい人もいるのではないでしょうか?
 
勉強ができるようになると、進路選択の幅が広がるとともに、考え方や行動が深まり人生が豊かになります。
 
今回は「勉強ができないことに焦っている」「勉強ができるようになりたい」という人に向けて、勉強ができない理由と対処法を解説します。自分のペースでコツコツ積み上げることで、勉強ができるようになるので、ぜひ最後までお読みください。

勉強ができない5つの理由

勉強ができない人は、次の2つのタイプに分かれます。

● 勉強がわからなくてできない
● 勉強をやる時間がなくてできない

タイプによって、勉強ができない理由と対処法が異なるため、まずは自分がどちらにあてはまるかを整理することが大切です。
 
勉強ができない理由は大きく分けて5つありますが、タイプ別に分けると次のようになります。

タイプ 理由
テストで点数が取れない ・勉強がわからない
・勉強のやり方がわからない
・集中できない
・勉強のモチベーションがない
勉強をやる時間がなくてできない ・時間がない

なかには、両方にあてはまる人もいるでしょう。「自分はこれかも」と思った理由を読んで、あてはまるかどうかを考えてみてください。

勉強がわからない

勉強ができない人で、わからないことを「できない」と表現している場合があります。
 
例えば、次のような人は「勉強がわからない」にあてはまります。

● 数学の授業がわからなくて問題が解けない
● 国語の文章を何度読んでも意味がわからない
● 答えを見てもどうしてそうなるかがわからない

勉強がわからないと、なかなか先に進まない、または不正解ばかりでおもしろくない状態になり、勉強が嫌いになります。
 
反対に、少しでも勉強がわかるようになると、問題に正解する達成感や新しいことを理解できるおもしろさを感じるようになり、勉強が楽しくなるでしょう。

勉強のやり方がわからない

勉強のやり方や進め方がわからず、勉強ができない人もいます。
 
例えば、次のような人は「勉強のやり方がわからない」にあてはまります。

● 英単語や漢字を繰り返し書いているが覚えられない
● 授業でとったノートを再度そのまま書き写している
● わからない問題をそのままにして問題集を進めている

上記の方法で勉強をしてみているものの、テストの点数は上がらない人は意外に多いものです。この場合、自分に合った勉強のやり方がわかっていないと、結果にはつながりません。
 
英単語や漢字を繰り返し書いて覚えられる人もいますが、スマホアプリを使って4択問題を解いたほうが覚えられる人もいます。書くよりも見て覚えるほうが得意な人は、書く時間が無駄になってしまいますよね。
 
自分が「書く」「読む」「話す」「聞く」のうちどれが得意かで、適切な勉強方法が変わるため、自分の得意分野を知ることが大切です。

集中できない

勉強に手をつけるものの、集中できないために勉強ができない人もいます。
 
例えば、次のような人は集中できていないかもしれません。

● 自分の部屋がなく、リビングで勉強しなければならない
● 動画を見ながら勉強している
● 机に向かったものの、漫画を読んだりスマートフォンを触ったりする

集中できない状態で勉強を進めると、文章を飛ばし読みしてしまったり、1つの問題を解くのに時間がかかったりします。その結果、テストで点数が取れないこともあるでしょう。
 
この場合、集中できない原因を取り除くことで、勉強ができるようになることがあります。

勉強のモチベーションがない

勉強に対するモチベーション(やる気)がないと、勉強ができなくなる人もいます。
 
例えば、次のような人はやる気がないのかもしれません。

● 勉強する意味がわからない
● 勉強してもなにも変わらないと思っている
● 勉強よりもやりたいことがある

勉強する目的や意味を自分のなかで理解していないと、勉強のやる気が起きないでしょう。
 
ただし、モチベーションとは黙っていても上がるものではありません。モチベーションの構造を理解すると、やる気がなくても勉強を進められるようになります。

時間がない

部活や習い事が忙しすぎて、勉強の時間をとれない人もいるでしょう。土日も家におらず、家ではほぼ寝るだけの人は、勉強の時間を生み出せず悩んでいるはずです。
 
しっかり勉強に取り組みたいのであれば、部活や習い事を調整することも大切です。両立したい場合は、すき間時間をうまく使う必要があります。

勉強ができない人のための対処法

ここでは、5つの理由別に勉強ができない人のための対処法を紹介します。

● 勉強がわからない人|小さなことから進めよう
● 勉強のやり方がわからない人|さまざまな方法を知ろう
● 集中できない人|勉強する環境を整えよう
● 時間がない人|隙間時間を活用しよう
● モチベーションがない人|習慣化を目指そう

勉強ができるようになるヒントが詰まっているので、ぜひ参考にしてください。

勉強がわからない人|小さなことから進めよう

勉強がわからない人は、小さなことから少しずつ進めることが大切です。次の3つの方法を順番に試してみてください。

● わからなくてOK!まずは進めてみよう
● わからないことを分析しよう
● 自分に合った勉強方法を見つけよう

小さな「できる」を積み重ねることで、わからなくても勉強に立ち向かえるようになります。

わからなくてOK!まずは進めてみよう

勉強がわからなくて困っている人も、すべてがわからないことはないはずです。
 
わかることやできることから手をつけ、わからないことは飛ばして進めてみましょう。例えば、数学であれば、文章問題はわからなくても、単純な計算問題ならできる人がいるはずです。その場合は、文章問題を飛ばして計算問題を中心に進めます。
 
教科書の最初から最後まで覚えなければならない、全部の問題を解かなければならないと思い込むと「できない」につながりがちです。
 
「わからなくてもOK!」という気持ちで、どんどん先に進めてみましょう。
 
勉強は、基礎から積み重ねることが大切なので、応用問題は後回しにして基本的な問題を中心にやってみることをおすすめします。

わからないことを分析しよう

どんどん飛ばして進めたあとは、わからないところを分析してみましょう。そのためには、わからない問題や場所にチェックをつけておくことが大切です。
 
例えば、次のように分析します。

● 数学:方程式の立式はできないが、計算はできる
● 国語:物語文は得意だが、説明文の正答率が低い

このように、自分の得意・不得意を理解すると、適切な勉強方法がわかってきます。
 
数学の例で考えると、計算はできるので立式だけやればよいわけです。そのあと計算してもよいですが、飛ばしてしまえば効率的に進められます。自分ひとりで考えてもわからないときは、立式が得意な友達や先生に聞いてわかるようになることが大切です。

自分に合った勉強方法を見つけよう

自分の得意・不得意がわかってきたら、自分に合った勉強方法を見つけていきましょう。
 
例えば、漢字を覚えるのが苦手だとわかったら、漢字の勉強方法を探します。
 
学校の宿題で漢字ノートに10回ずつ漢字を書きなさいといわれてきた人は、その方法を選びがちですが、自分に合っていないとできるようにはなりません。クイズやゲーム形式のほうが覚えられる人もいるはずです。
 
まずは、漢字の勉強方法を探して試し、自分に合った方法を見つけてみましょう。
 
なお、勉強方法がわからない人は、次の章を読んでみてください。

勉強のやり方がわからない人|さまざまな方法を知ろう

勉強のやり方がわからない人は、さまざまな方法を知ることが大切です。
 
最近では、動画配信サイトやSNSを検索すると、人の勉強方法がわかるので、探してみましょう。
 
例えば、新しい知識を習得する際の勉強方法は、次のとおりです。

● 反復する(書く・単語帳・スマホアプリ)
● 穴埋め式の問題集を繰り返し解く
● 覚えたことを人に説明する

知識を覚えたいときは、定期的に思い出すことが大切です。ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスによる実験では、人間は時間の経過とともに物事を忘れてしまうことを証明しています。

● 1日後:100個覚えたうちの74個を忘れる
● 1週間後:100個覚えたうちの77個を忘れる
● 1ヵ月後:100個覚えたうちの79個を忘れる

ただし、完全にすべて忘れてしまう前に復習すると、思い出したり定着させられます。はじめて勉強したことは、1週間後・1ヵ月後など復習するタイミングを決めておくと、効率的に覚えられるでしょう。
 
また、次のように、自分の認知特性にあった方法を選ぶことも大切です。

認知特性 意味 歴史上の人物と取り組みを覚えるとき
視覚優位 見て記憶するのが得意 人物の絵と情報を結びつけて覚える
言語優位 読んで記憶するのが得意 説明文から覚える
聴覚優位 聞いて記憶するのが得意 人物名や取り組みを声に出して覚える

自分の認知特性がわからないときは、すべての方法を試してから、覚えやすかった方法を選ぶとよいでしょう。

集中できない人|勉強する環境を整えよう

勉強に集中できない人は、環境を整えることからはじめましょう。
 
例えば、次の方法を試してみてください。

● 勉強中に集中を遮るものを机に置かない
● スマートフォンやタブレットを手の届かないところに置く
● 図書館や友達の家に行く

集中するために音楽を聴きたい人もいるでしょう。適度な雑音は集中力を上げるといわれていますが、歌詞のある曲はスムーズに文章を読めなくなるなど集中力を下げる原因になるため、選曲に注意しましょう。

時間がない人|隙間時間を活用しよう

時間がない人は、隙間時間を活用しましょう。
 
電車やバスに乗っているときにスマホアプリで勉強したり、疲れているときは勉強系の動画を試聴したりと、できることをおこないます。
 
授業中にわかること・わからないことを整理して、わからないことだけを集中して勉強するなど、勉強範囲を絞ることも大切です。
 
疲れていて隙間時間の活用が難しい場合は、15分程度の仮眠をとってからはじめてみてください。

モチベーションがない人|習慣化を目指そう

勉強ができない人は、やる気を出せば勉強ができると思ってやる気を出す方法を探しますが、やる気は出そうと思って出せるものではないことがわかっています。
 
アメリカの神経科学者ベンジャミン・リベットがおこなった実験では、無意識に脳がやる気スイッチを押した結果、やる気を感じて勉強を進められるという仕組みが明らかにされています。
 
つまり、やる気は出すものではなく、出てくるものであるといえます。無意識に脳がやる気スイッチを押すのがポイントですが、気持ちではなく脳の仕組みを利用することが大切です。
 
脳のやる気スイッチを押す方法を身につけて、やる気がない状態からでも勉強を進められるようになりましょう。

まずは5分だけ手をつけよう

やる気がなくても、5分だけ手をつけてみると決めて勉強をはじめると、5分後もそのまま継続できる場合があります。このとき、脳内ではドーパミンという神経伝達物質が分泌され、やる気が出るといわれています。
 
また、作業をはじめてしまえばアドレナリンが分泌されるため、集中力も高まる効果が期待できます。
 
どうしても勉強に手をつけられないときは、運動をするとドーパミンが分泌されるため、散歩に行くのも効果的です。

小さな目標を決めよう

小さな目標を決め、達成できるとドーパミンが分泌されるといわれています。問題を3問解く、教科書を1ページ読むなど、少し頑張れば達成できるような目標を立てることが大切です。
 
目標を達成したら、すぐに新たな目標を立てることで、モチベーションを維持できます。小さな目標の達成を繰り返すと、やる気をアップさせることも可能です。

ひとりで勉強ができないならサポートを受けよう!

どうしても勉強ができないときは、ひとりで頑張ろうとせず、サポートを受けることも考えましょう。

例えば、次の方法があります。

● 塾や家庭教師
● 通信教材
● 自治体の学習サポート
● 学校の先生、親

自分でゼロから勉強方法を探したり、試したりするのは時間がかかるため、そのなかでやる気を失ってしまうこともあるでしょう。その場合は、最初からなにを勉強したらよいのか教えてくれる塾や家庭教師、通信教材が効果的です。
 
また、ひとりだと勉強できない人も、だれかと一緒ならできる場合もあります。勉強が得意な友達やお家の人、自治体のサポートなども活用して、だれかと一緒に勉強してみましょう。
 
もし、勉強がわからなすぎて困っているのであれば、お家の人や先生に相談することも大切です。

基礎学力を身につけたいなら通信制高校がおすすめ!

高校受験に向けて勉強をしなければならない一方、わからなくて困っている人は、通信制高校を検討してみてください。
 
通信制高校は、全日制・定時制とは違い、学校に通う日数が少ない高校です。普段は、自宅で自学自習やオンライン学習を通じて勉強を進めます。
 
自分でやらなければならないため、自己管理が必要ですが、自分のペースで進められるのが魅力です。現時点で勉強がわからなくて困っている人は、自分のペースで勉強を進めながら、基礎学力を身につけていく方法もあります。
 
明聖高校のWEBコースは、オンライン学習を中心におこなう通信制高校です。わかりやすいオンライン授業だけではなく、わからないところはオンラインで先生に聞けます。
 
通信制高校の勉強方法が気になる人は、以下の記事を参考にしてみてください。
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