「自分を変えたい」と思っている中高生は多いのではないでしょうか。「自分を変えたい」「変わりたい」と思ったとき、人は大きく成長するチャンスです。自分を変えるためには、しっかりと「今の自分」と「なりたい自分」について考えることが大切です。
本記事では、「自分を変えたい」と考えている中高生に向けて、自分を変える4つの方法と5つの習慣を解説します。新しい自分を手に入れ、自信をもって一歩を踏み出しましょう。
自分を変えるって性格を変えること?
「自分を変えたい」と思ったとき、具体的になにを変えたいか言葉にできますか?
ソニー生命保険株式会社が発表した「中高生が思い描く将来についての意識調査2021」によると、中高生が「いま、変えたいこと」の第1位は性格でした。
● 1位:性格
● 2位:見た目(顔・容姿・体型など)
● 3位:生活習慣
● 4位:勉強習慣
● 5位:学力・成績
参考:中高生が思い描く将来についての意識調査2021|ソニー生命保険株式会社
それでは、性格を変えるにはどうしたらよいのでしょうか。
性格は、次の2つの要素からつくられるものです。
● 生まれもった気質や環境といった自分自身で選んでいないもの
● 自分自身の言葉・行動・習慣など成長していくなかで身につけたもの
特に、生まれもった気質を変えることは難しく、悩んでいる人も多いでしょう。一方、生まれたあとに身につけた「行動」や「習慣」は、個人差がありますが変えやすいものです。
行動や習慣を変えると、少しずつ性格も変わり、自信をもてる自分になっていきます。そこで今回は、行動や習慣を変える方法を紹介するので、できそうな方法から試してみてください。
自分を変えたいときにやるべき自己分析【実践例つき】
自分を変えたいと思ったとき、まずやるべきことは自己分析です。自己分析とは、今の自分をよく知ることを指します。自分のことがよくわからないままでは、行動に移せません。
まずは、次の方法で今の自分を見つめ直してみましょう。具体例は、14歳の中学生による自己分析です。
進め方 | 具体例 |
---|---|
自分の変えたいところをはっきりさせる | 自分の意見をちゃんと言えなくて、いつも適当なことを言ってごまかすところ |
変えたいと思ったきっかけを思い出す | 友達がハキハキと自分の意見を言っていて、自分が情けなくなった |
変えるために何ができるかを考える | ・家族の前で自分の意見を言う練習をする・どっちがいい?という質問はハッキリ答える・授業で手を挙げる |
そのなかでできそうなことに〇をつける | ・家族の前で自分の意見を言う練習をする・どっちがいい?という質問はハッキリ答える〇授業で手を挙げる |
目標を設定する | 1日1回授業で手を挙げて意見を言う |
一番変えたいと思うところをひとつだけ決めて、具体例のように書き出してみてください。あまり難しく考えず、淡々と進めることが大切です。
今すぐできる自分を変える4つの方法
先ほどの自己分析のなかで「変えるために何ができるかを考える」という項目がありました。これを考えるときに、ここで紹介する4つの方法が参考になります。自分を変えるために、何を変えられるのかを理解すれば、具体的に変えるべき内容がわかってくるはずです。
考え方をトレーニングする
考え方は、トレーニングによって変えられる場合があります。ここでは、マイナス思考が強く、すぐにネガティブなことを考えてしまって自信を失っている人に向けて、3つの方法を紹介します。
● ネガティブなことを考えたときは一度ストップする
● ネガティブな考えに反論する
● 楽観的な考え方に切り替える
簡単な方法から順番に紹介するので、参考にしてみてください。
ネガティブなことを考えたときは一度ストップする
「自分って本当にダメな奴だな」「どうせうまくいかないだろうな」など、ネガティブな考えが浮かんだときは、一度その考えをストップしてください。しかし、最初はストップしようと思っても、ついつい考えてしまうでしょう。
その場合は、身体を動かして強制的にほかのことを考えなければならない状況を作ります。例えば、好きな音楽を聴いたりゲームをしたり、部屋の片づけや散歩などもよいでしょう。
また、自分の好きなスイーツやドリンクでお腹を満たして、気持ちを切り替えましょう。自分のネガティブな考えをその場に置いて、離れるイメージで行動します。
慣れてくると、ネガティブな考えが浮かんだときに「あ、また考えてる」と気付けるようになります。客観的に自分の考えがわかるようになったら、自分の気持ちや考えと向き合ってみましょう。
これを繰り返すうちに、ネガティブなことも、ポジティブなことも正しく把握できるようになります。その結果、極端な考えをしなくなり、気持ちを揺さぶられることが減ります。
ネガティブな考えに反論する
ネガティブな考えが浮かんだときは、誰かに反論するかのように反対意見を口に出したり、書き出したりしてください。
例えば「どうせ自分はみんなに嫌われている」という考えに対しては、以下のように反論できます。
● お母さんやお父さんは自分のことを好きでいてくれるから、みんなじゃない
● だれかに直接「嫌い」と言われたわけではないから、嫌われてるかどうかはわからない
● 〇〇さんはいつも笑顔で話しかけてくれるから嫌いではないと思う
「どうせ自分はみんなに嫌われている」といった考え以外にも、いろいろな考えがあることがわかります。このなかで、自分の気持ちが一番楽になる考え方を採用してみましょう。
そうはいっても、これは自分の考えではないと思う人もいると思います。その場合は、だれかのアイデアだと思って、試しに採用してみてください。
「こんな考え恥ずかしい」「おこがましい」と思っても、あなたの頭の中はだれにも見えません。自由な考えを巡らせてみましょう。
楽観的な考え方に切り替える
ネガティブな考えが浮かんだら、それと対極にある楽観的な考え方を思い浮かべてみてください。
例えば「自分なんかなにをやってもダメ」という考えに対しては、次のような楽観的な考え方があります。
● だめなことばかりじゃない
● みんな最初はできない
● ダメなのは今だけ
● 失敗しても大丈夫
「ダメなのは今だけ」といった楽観的な考えに切り替えたあとは、実際にダメではない部分も考えてみてください。「そういえば、国語はほかの教科よりも点数がいいな」「忘れ物はするけど、人の誕生日はちゃんと覚えている」などです。
こうして楽観的に考えていくと「あれ?自分ってなにをやってもダメなわけじゃないな」とわかってくるでしょう。
人の行動を真似する
行動を変えたいときは、憧れの人の行動を真似してみてください。真似したい人がいない場合は、なりたい自分を想像しましょう。
最初は難しいかもしれませんが、自分は俳優だと思って、なりたい自分を演じてみてください。「ハキハキ意見を言える自分」になりたいのであれば、そういう自分になったつもりでやってみましょう。
環境を変える
環境をガラっと変えてみると、気持ちや考え方が変わることがあります。例えば、部屋の模様替えや断捨離、旅行などで、自分が居る場所の環境を変えます。
また、新しい友達を作って関わる人を変えることも、環境を変える方法のひとつです。ポジティブ思考の友達が側にいると、自分もよい影響を受けるでしょう。
見た目を変える
メイクをしたり髪型を変えたりして、見た目を変えてみると、気持ちや考えが変わることがあります。持ち物を変えることも効果的です。新しい洋服やカバンを身につければ、ワクワクしますよね。
見た目や身につけるものを変えて、ポジティブな気持ちになれば、前向きな行動もできるでしょう。
自分を変える5つの習慣
自分の行動を変える方法のひとつに、習慣化があります。習慣化とは、同じ状況で同じ行動を繰り返すことで、無意識にその行動ができるようになることです。
例えば、朝起きたら自然と顔を洗ったり、歯を磨いたりしますよね。小さな頃から繰り返してきた行動であるため、習慣になっているのです。
ここでは、習慣化したい行動を5つ紹介します。行動を習慣化し、自分を変えていきましょう。
小さな目標を立ててやり遂げる
小さな目標を立ててやり遂げる習慣を身につけると、最後までやり遂げられる自分に変わり、自信がもてるようになります。
成功の秘訣は、必ずやり遂げられる目標の設定です。
例えば、テストの目標を立てるときは「70点とる」ではなく、70点をとるための行動目標として「漢字アプリを1日1回は触る」という目標を立てます。回数を設定するときは、必ず達成できる回数からはじめて、少しずつ増やしていきます。
勉強だけではなく、部活動や日常生活でも、小さな目標を立ててクリアしていくようにするとよいでしょう。
やる気スイッチを見つける
自分のやる気スイッチを見つけて、やる気をコントロールできれば「めんどくさい」「なにもやりたくない」といった自分を変えることが可能です。
とはいえ、やる気は待っていても出てくるものではありません。そのため、自分のやる気スイッチを探して、自分で押すしかないのです。
やる気スイッチを探すためには、自分のやる気が出るタイミングや要因を洗い出す必要があります。自分のやる気の高まりを感じたら、その場でメモしましょう。
例えば、最近楽しかったことややりがいを感じたこと、過去にやってよかったことなどを振り返ると「またやりたい」という気持ちがわくはずです。これがやる気スイッチにつながっています。
「またやりたい」と感じた行動を記録して、意識的に取り入れるようにすると、やる気をコントロールする習慣が身につきます。
今の自分に集中する(マインドフルネス)
今の自分に集中する習慣を身につけると、過去の失敗に囚われたり、まだ起こっていない未来を心配したりといったことがなくなり、前向きに過ごせるようになります。
「今に集中すること」をマインドフルネスと呼びます。例えば、ご飯を食べるとき、味や香りに集中して、ゆっくりと噛みしめることもひとつの方法です。また、歩くときに、足の裏から地面を感じるようにゆっくり踏みしめるといった方法もあります。
今の自分に集中するときは、瞑想(めいそう)といって、目を閉じてゆっくりと腹式呼吸をする方法が効果的です。慣れてくると「今日やるべきこと」に集中できるようになり、余計なことを考えなくなります。
マインドフルネスを意識して生活すると、自分が少しずつ変わっていくことも実感できるはずです。
読書をする
なりたい自分や具体的な行動を想像できない人は、読書を習慣にしてみましょう。
読書を習慣にすると、なりたい自分や憧れの考え方、行動が見つけられるようになります。また、読書で新しい知識を得られると、困ったときの考え方や解決方法が身につきます。自分を変える方法も見つかるはずです。
有名人の人生がわかる伝記や芸能人のコラムがかかれた雑誌などは、考え方や生き方が記されているため、参考にしやすいでしょう。また、好きな小説やマンガなどを読むなかで、理想の登場人物や行動に出会うこともあるため、参考になるかもしれません。
本を読んでいて、いいなと思った考えや行動はすぐに真似してみると、高い効果を期待できます。
運動をする
運動習慣をつけると、たっぷり体内に酸素を取り込めるようになり、脳が活発に働くようになります。リフレッシュして気持ちが明るくなるだけではなく、集中力や思考力が高まり、今までとは違う自分に出会えるはずです。
酸素をたくさん取り込むことが大切であるため、ジョギングやウォーキング、サイクリングなどの有酸素運動が効果的です。
運動したあとに、ゆっくりと自分と向き合えば、新たな行動のアイデアやなりたい自分像がはっきりするかもしれません。
自分を変えるのがしんどいときは「今の自分を大切に」
本記事で紹介した4つの行動や5つの習慣を読んで、「自分には無理だ」と思った人もいるのではないでしょうか。もしかすると、行動するエネルギーを失っているのかもしれません。そのようなときは、無理をせずゆっくり休むことも大切です。
行動できないのは自分のせいだと思う必要はありません。大人でも、エネルギーが切れれば、行動できなくなります。エネルギー切れは、それだけたくさん考えたり動いたりして「頑張った」証拠です。スマートフォンを充電するのと同じように、自分もしっかりと充電してあげましょう。
また、自分を変えることばかりにとらわれず、今の自分を認めることも必要です。自己分析をするなかで、自分の良いところに気付いた人もいるでしょう。今もっている良いところは変えずに、大切にしてみてください。
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まとめ
「自分を変えたい」と思ったときは、自己分析によって、なにを変えたいか・なぜ変えたいかを明らかにしましょう。今の自分をすべて変えようとするのではなく、ポイントを絞って、できることから変えていくことが大切です。
環境を変えると、考え方や行動が変わり、新しい自分に出会うことができます。通信制高校は、環境を変えるためのひとつの手段です。新たな環境で頑張ってみたい人は、通信制高校も選択肢として考えてみてください。
参考URL:
15分でわかる認知行動変容アプローチ|こころの耳|厚生労働省
中高生が思い描く将来についての意識調査2021|ソニー生命
自分を変える89の方法|著:スティーヴ・チャンドラー/訳:桜田直美|株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン
自分を変える!行動の理由がわかる!ゼロからわかる行動科学大全|監修:宮本聡介|ナツメ社
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