勉強する意味がわからなくて、頑張れない人も多いのではないでしょうか?
勉強する意味は、人それぞれの考え方によって違います。多様な考え方を知ったうえで、自分なりの答えを見つけるのもひとつの方法です。
本記事では、勉強する意味を5つのメリットから解説します。また、有名人・偉人の考え方も紹介するので、自分なりの意味を見つけて勉強に取り組んでみましょう。
勉強する意味をあらためてお子さんに伝えたい保護者の方も、ぜひ参考にしてください。
1. 勉強する意味とは?5つのメリットから解説
勉強する意味は、人それぞれ考え方が異なります。ここでは、勉強するメリットから5つの意味を解説するので、しっくりくる答えがあるかどうか探してみてください。
1.1. 将来の選択肢を増やすため
勉強をすると、たくさんの知識が身に付き、将来の選択肢が増えます。将来の選択肢とは、行きたい高校や大学などの進路、やりたい仕事などです。
例えば、数学や科学を学ぶことで、エンジニアや研究者としての道が開けるかもしれません。勉強して英語が話せるようになると、海外で働く選択肢も生まれます。
反対に、もし将来獣医師になりたい人が、勉強をせず成績が低いまま過ごしていると、獣医学部のある大学に行けず、進路が閉ざされてしまいます。
このように、勉強することで知識やスキルが身につくと将来の可能性が広がり、より自分に合った仕事や環境を選択できるのです。
1.2. 目標を達成するため
勉強を頑張った結果、目標を達成できることもあります。
例えば、将来デザイナーになるという目標がある人は、デザインの専門的な知識やスキルを身につけなければなりません。その場合、独学で学ぶ方法もありますが、デザイン系の専門学校や大学に行って勉強したり資格を取得したりして、スキルを磨く方法が一般的です。
デザイナーになるためには、デザイン系の専門学校や大学に受かるための受験勉強も必要です。その後、どのようなデザイナーになりたいか、どのような会社で働きたいかなど新たな目標が生まれるたびに、勉強を繰り返して達成を目指します。
このように、目標を達成するたびに新たな目標が生まれるのが人生であり、一つひとつクリアするためには勉強が欠かせません。
1.3. 人生を豊かにするため
勉強をすると、人生を豊かにするための生きる力が身につきます。生きる力とは、次の3つの力のことです。
- ● 自分で学び・考え・判断して、よりよく問題を解決するための学力
- ● 自分を律し、他人と協力したり思いやったりする豊かな心
- ● たくましく生きるための健康な身体や体力
学校での勉強は、国語・算数(数学)・英語・理科・社会だけではなく、保健体育や道徳もあります。そのなかで、生きる力が身に付き、将来豊かな人生を送れるのです。
例えば、お金持ちになって好きなものをたくさん買うことが豊かな人生だと考えるなら、お金を稼ぐための知識や方法を身につけなければなりません。これも勉強の一環です。
のんびり自給自足で暮らしたい人も、農作物の育て方や保存方法など、勉強しなければならないことがたくさんあります。
このように、人生を豊かにするための生きる力は、勉強で身につけることができるのです。
1.4. 新たな考え方・価値観を知るため
勉強をすると、新たな考え方や価値観を身につけることができます。
例えば、自分一人では解決できない問題も、ほかの人の考えや意見を聞けば解決できることがあります。多様な価値観を学ぶことで、ほかの国の文化や歴史に配慮したコミュニケーションをとれるようになるでしょう。
他者の考え方や価値観に触れて、自分の視野が広がれば、多様な意見を尊重できるようになり、円滑な人間関係を構築できます。
実は、学校の教科書にも、昔だれかが発見した数学の知識や知っておけば世界が広がる価値観が詰め込まれています。勉強を通じて新たな考え方や価値観を習得すると、自分が見えている世界が広がるのです。
1.5. 社会に貢献するため
勉強で得た知識やスキルを活かすと、だれかに教えてあげたり助けたりできます。これは、社会貢献につながることです。
例えば、医師はたくさん勉強した専門的な知識を活かして、患者さんの病気を治すことができます。
ほかの職業も同様に、勉強したことを活かしてお金を稼ぐのはもちろん、どこかでだれかの役に立っており、社会に貢献しています。
人間は一人でできることもたくさんありますが、必ず学校や町、国などの集団・社会に所属しています。そのなかで生きていくためには、お互いに助け合うことが大切です。勉強によって、だれかを助けたり支えたりする力が身に付き、社会に貢献できるでしょう。
2. 有名人が考える勉強する意味
文部科学省の「#3 なぜ勉強するの?」というYouTube動画では、次のテーマで勉強をする意味が語られています。
YouTuberやプロゲーマーなど世の中で活躍できる、お金を稼げる方法がたくさんある世の中で、なぜ勉強しなければならないのか
選択肢が増えた現代では、勉強をしなくてもキラキラした仕事に就けそうな気がしますが、本当にそうなのでしょうか。
ここでは、本動画に登場する葉一さんと伊沢拓司さんの考えを知ったうえで、自分なりに勉強をする意味を考えてみましょう。
2.1. 自分に合った方法を見つけるため
伊沢拓司さんは、株式会社QuizKnock(クイズノック)の代表で、東大発の知識集団「QuizKnock」を立ち上げた人です。現在は、YouTubeはもちろん、メディア出演や学校訪問プロジェクトなど、幅広く活躍しています。
伊沢さんは、勉強は頑張りやすい分野だといいます。その分野で努力する意味は、自分に合った努力の方法を学び、より頑張りたい趣味や仕事に応用するためです。勉強を通じて、自分はどういう人なのか、人生に役に立つことはなにかがわかればよいのです。
勉強はスポーツや音楽、芸術などと比べて努力した結果が出やすく、高校や大学、仕事など幅広い選択肢があります。
また、勉強はプレイヤーが多いため、攻略法もたくさんあります。新しく出たばかりのゲームは、まだ攻略法が知られていないため、自分でやりこむ必要がありますよね。それも面白いですが、勉強はすでにたくさんの先輩たちが攻略法を見つけていて、それが教科書に書かれています。そう考えると、勉強は攻略しやすい分野です。
頑張りやすい分野で自分に合った方法を知ることが勉強をする意味の一つと言えます。
2.2. 自分の説明書を増やすため
葉一さんは「とある男が授業をしてみた」というYouTubeチャンネルで、教育系の動画を上げているYouTuberです。
葉一さんは、工夫して勉強に取り組んできた経験が、今の仕事に活かされていることを実感しています。勉強を通じて、自分とどう向き合うのか、どうコントロールするのかなど、自分の説明書を増やしていくために勉強が大事だと語っています。
世間からすると、YouTuberは楽しそうな動画を上げていて、キラキラして見えます。ところが、見えないところでたくさん打ち合わせをしたり準備をしたりしているのです。この準備の部分で、勉強を通じて身についた工夫する経験が生きてきます。
例えば、古文や漢文など「将来絶対使わないだろう」と思う勉強もあります。しかし、内容だけではなく、その勉強を通して「やりたくないことにどう工夫して挑むか」や「向き合う姿勢」を身につけることに意味があるのです。
3. 偉人が考える勉強する意味|自分を磨くため
ここでは、吉田松陰が考える勉強する意味を紹介します。
そもそも吉田松陰とは、江戸時代で活躍した武士で、松下村塾という塾を開き、多くの人に兵学や精神論を教えた人物です。
吉田松陰が執筆した『講孟箚記(こうもうさっき)』(※)には、以下の言葉が書かれています。
何のために学ぶのかといえば、自分を磨くためにある。自分のためにする学びこそが、立派な人になろうと志す人の学びである。人に褒められるために学ぶことは、とるに足らない人の学びである。
引用:高校生のライフプランニング|文部科学省
この言葉から、勉強とは自分を磨くことであり、そのために学ぶことこそ意味があると読み取れます。
そもそも吉田松陰は、勉強とは「人間がどう在るべきか、自分がどう生きるべきかを学ぶこと」であると考えていました。勉強を通じて、自分の生き方(価値観や考え方)を定めることで、成長していくということです。
一方で、だれかに褒められるための勉強は、自分の成長につながらないと指摘しています。
吉田松陰は、勉強は他人のためではなく自分を成長させるためにやるものだと、多くの塾生に教えました。
※中国の『孟子』という本の講釈を記した本
4. 勉強する意味を伝えたい保護者の方へ
多様な価値観に気軽に触れられる現代では、子どもたちに勉強する意味を伝えることが難しく、悩まれる保護者の方も多いでしょう。ここでは、勉強する意味を伝える方法を2つ紹介するので、参考にしてみてください。
4.1. 保護者なりの意味を考えて伝える
勉強する意味は、人それぞれ違います。まずは、保護者の方なりの意味を考えて、考えの一つとして伝えることが大切です。
このとき、子どもに対して考えを押しつけたり、「勉強しないと将来困る」などのマイナスな言葉を使ったりせずに伝えましょう。また、勉強と学校の成績を結びつけすぎず、お子さんが好きなゲームやスポーツなどでも、勉強が必要であることに触れるとわかりやすく伝えられます。
また、勉強しておいてよかった経験や、勉強せずに困った経験など、保護者の方の実体験を交えながら話すと、説得力が増します。保護者の方自身が、多様な考えに触れながら、納得のいく答えを見つけてみてください。
4.2. お子さんに考えさせる
保護者の方の考えを伝えたら、お子さんにも自分自身で考えさせることをおすすめします。
その場で答えが出なくても、自分なりの答えを見つけていくことが大切です。多様な考えに触れるなかで、子どもが「テレビで〇〇が言ってたから勉強しなくてもいいんだ」と主張することもあります。しかし、本当にそうなのかを時間をかけて、繰り返し考えさせることが大切です。
お子さんが、自分なりに勉強の意味を見出せると、勉強が楽しくなったり意欲がわいてきたりします。すぐには難しくてもいつか伝わると信じて、根気よく何度も繰り返し意味を伝え、考えさせましょう。
5. 勉強する意味がわからない人へ
勉強する意味を紹介しましたが、ほとんどが「自分のためになる」という考えにつながります。
例えば、表計算ソフトを使うときや売上を計算するときは、算数や数学の知識が必要です。文書を作成するときは、漢字の勉強が役立ちます。
大人になると学校の勉強が役立つことを実感し、「もっと勉強しておけばよかった」と思う場面が増えます。
まだ、勉強が役立つことを実感していない人にとっては、勉強する意味がわからないでしょう。これから、多様な考えに触れて、共感できる考えや自分なりの答えを見つけていけば大丈夫です。
ただし、勉強する意味が見つかったときに「あのときやっておけばよかった」と後悔しないために、「勉強する意味がわからないからやらない」といった選択を、簡単にとらないようにしましょう。
5.1. 通信制高校を選択肢のひとつに入れてみよう
自分で考えてみたものの、まだ答えが見つからない場合は、自分のペースで勉強をしながら自分とじっくり向き合える通信制高校をおすすめします。
通信制高校とは、オンライン学習や自宅学習などの通信教育を通じて、必要な単位を習得し、高校卒業資格の取得を目指す高校です。全日制とは違って登校日数が少ない分、自分の時間を十分に確保できます。自分のペースで勉強をしながら、勉強する意味も含めて自分のやりたいことや将来像を考えることが可能です。
明聖高校のWEBコースは、年間3~4日の登校(スクーリング)とオンライン学習を通じて高校の勉強ができる通信制高校です。カウンセリング資格をもった先生たちが、みなさんの「勉強する意味がわからない」という悩みを一緒に考えてくれます。
勉強する意味がわからず、高校進学を悩んでいる人は、ぜひ一度見学に来てみてください。
まとめ
勉強する意味は、人それぞれ違い、多様な考えがあります。今はまだわからない人も、たくさんの考えに触れて、自分なりの意味を見つけることが大切です。小中高生のうちに「勉強する意味なんてない」と考えて勉強をやめてしまうと、大人になったときに「もっと勉強しておけばよかった」と後悔することもあります。そのため、自分のペースで勉強を続けながら、自分なりの意味を見つけていってください。
参考URL
#3 なぜ勉強するの?|文部科学省
高校生のライフプランニング|文部科学省
吉田松陰語録|松陰神社
WEBコース|明聖高等学校
明聖高等学校は、千葉・中野にキャンパスを構える通信制高校です。全日コース・全日ITコース・通信コース・WEBコースに分かれており、一人ひとりに合わせた高校生活を過ごすことができます。