「部活に行きたくない」と思うことが増えると、モヤモヤする日が続きますよね。さまざまな事情があり、すぐには部活を辞められなかったり、休みたいと言い出せなかったり、悩んでいる人も多いでしょう。

今回は、部活に行きたくないことで悩んでいる人に向けて、主な理由と辞められない心理・対処法を解説します。部活に行きたくないと悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。

1. 部活に行きたくない主な4つの理由と考えるべきこと

部活に行きたくない理由は人それぞれですが、主に4つに分類できます。ここでは、4つの理由とそれぞれにあてはまる人が考えるべきことを紹介します。

  • ● 部活の練習がしんどい、きつい
  • ● 部活の先輩が怖い
  • ● 同じ部活の友達との人間関係がよくない
  • ● 部活の顧問に怒られてばかりで辛い

1.1. 部活の練習がしんどい、きつい

部活の練習がきついと、疲れが溜まってしまい行きたくないと思うことがあります。平日も土日もずっと部活に打ち込んでいると、自分の時間がとれず、心身が疲れ切ってしまうでしょう。

特に運動部では、休みが少ないのがあたり前だと考えられがちですが、スケジュール自体に問題があるかもしれません。

スポーツ庁が平成30年に発表した「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」では、運動部活動において学期中は1週間あたり2日以上の休養日を設けることを明記しています。

そのため、休みが少ないと感じている場合は、スケジュールに問題がないか確認してみてください。難しいかもしれませんが、自分のタイミングで休みをとることも大切です。

1.2. 部活の先輩が怖い

部活の先輩が厳しいと、怖さから部活に行きたくないと思うことがあります。先輩を変えることはできないため、自分が我慢するしかない状況で悩んでいる人も多いでしょう。

先輩の行動や言動が、いじめやパワーハラスメント(※)に該当する場合、自分の身を守るために、先生や家族に相談する、一度部活から離れるなどの対処をする必要があります。

※ いじめとは先輩からの心理的・物理的な攻撃で、精神的に苦痛を感じている状態です。先輩のように、自分よりも立場が強い人からの攻撃をパワーハラスメントと呼びます。

1.3. 同じ部活の友達との人間関係がよくない

部活の友達との人間関係がよくないと、ストレスが溜まって行きたくないと思うことがあります。

例えば、陰口を言い合ったり、仲間外れにされたりなどの状況です。人間関係の改善が難しいなら、部活から離れることも考えたほうがよいでしょう。

1.4. 部活の顧問に怒られてばかりで辛い

部活の顧問に怒られてばかりだと、ストレスが溜まって行きたくないと思うことがあります。先生のなかには、過度に怒鳴ったり、人格を否定したりする人がいて、心が病んでしまうこともあるでしょう。

先生のやり方に問題がありますが、自分の立場ではどうにもできないのが現状です。部活がすべてではないため、先生との相性が悪いのであれば、部活から離れることも考えてみてください。

2. 部活に行きたくないけど辞められない心理

部活に行きたくない人のなかには、なかなか辞める決心がつかず、嘘をついて休んだり、無断欠席したりする人もいるのではないでしょうか。そういう自分に罪悪感を覚えつつも、辞められないこともありますよね。

ここでは「なぜ行きたくないのに部活を辞められないのか」について、考えられる心理状態を解説します。

2.1. 甘えている気がする

部活に行きたくない一方で辞める決心がつかないのは、「自分が甘えている気がする」という心理が原因です。

例えば、自分で入部を決めたのに、引退まで続けられないのは甘えだと言われる風潮があります。実際に「入部するなら最後まで続けなさい」と、家族に言われた経験のある人もいるのではないでしょうか。

たしかに、物事を続けることは、新しい考え方に出会ったり、能力や技術が身についたりするため大切です。しかし、無理に続けて心身を壊してしまっては、元も子もありません。

1番大切なのは、自分の身体と心です。部活を続けるなかで「部活が嫌だから学校に行きたくない」といった気持ちや腹痛・頭痛などの身体症状が出ている場合は、ただの甘えだと判断せず、自分の気持ちと向き合ってみてください。

2.2. 友達からどう見られるかが怖い

部活を辞めたあと、友達から「途中で部活を辞めた人」と見られるのが怖いという心理もあります。部活の友達が多い人にとっては「友達がいなくなるかも」といった不安もあるはずです。

友達関係を維持するために部活を続けることは、悪いことではありません。しかし、部活でストレスを感じ続けて心身の調子が壊れるのであれば、続けるかどうかを考える必要があります。

2.3. 内申点に影響しそうで怖い

部活を辞めると内申点が下がり、進学に影響が出るのではないかという心理もあります。基本的に、部活は内申点に影響するものではありません。

しかし、地域によっては部活動が考慮されることもあるため、部活を辞めても内申点は下がらないとは言い切れないのです。

特に、スポーツや文化活動の成績を残して、高校推薦を狙っている人にとっては心配でしょう。その場合は、信頼できる先生に、自分が通っている学校の内申点に部活が影響するかどうかを確認する必要があります。

3. 部活に行きたくないときのストレスへの対処法

部活に行きたくないときの理由はさまざまですが、ストレスへの対処法は基本的に同じです。ここでは、部活に行きたくないときのストレスの対処法を3つ紹介します。

3.1. ストレスの原因と向き合おう

ストレスのサインは人それぞれ異なりますが、次のような状態にあてはまる場合、なんらかのストレスを感じていると判断できます。

心のサイン 身体のサイン
・不安や緊張を感じ、イライラしたり
怒りっぽくなる
・少しのことでおどろいたり、急に泣き出すことがある
・気分が落ち込んで、
やる気が起きない
・人づきあいが嫌になり、避けるようになる
・肩こりや頭痛、腹痛などの痛みを感じる
・寝つきが悪かったり、早く目が覚めたりする
・食欲がなくなって食べられない、または食べすぎる
・下痢や便秘を繰り返す
・めまいや耳鳴りがする

まずは、元気な状態の自分と比較して、心身に不調が出ていないか確認してみてください。ストレスは、原因(ストレッサー)を取り除くと解消できます。あてはまる原因がわかっている場合は、取り除けないか考えてみましょう。

原因がわからない人は、自分の気持ちや部活での悩みや出来事を、紙やスマートフォンのメモに書き出してみてください。書き出すなかで、原因を見つけられるかもしれません。

ただし、原因がわかっても解決できないこともたくさんあるでしょう。そのときは、このあと解説する方法を試してみてください。

3.2. 信頼できる人に相談しよう

部活に行きたくないことを1人で悩んでいると、孤独感を覚えてより大きなストレスを感じることもあります。そのため、できるだけ早く信頼できる人に相談することが大切です。

部活の問題は、以下のように1人で解決できないことが多いものです。

  • ● 先輩が怖い
  • ● 顧問の指導が合わない
  • ● スケジュールがきつい

学校の友達や先輩に相談すると、ほかの人に伝わってしまうこともあるため、まずは家族への相談がおすすめです。

信頼できる人に相談すると、気持ちが軽くなるだけではなく、自分では考えつかない対処法や解決策を教えてくれることがあります。

3.3. 部活以外で打ち込める場所を探そう

スポーツや文化活動が好きで部活をやっている人は、ストレスを感じていても辞めたくない気持ちもあるでしょう。

その場合は、部活以外で同じスポーツや文化活動に打ち込める場所を探してみてください。サッカーであればクラブチーム、吹奏楽であれば市民団体などです。

部活にそこまで打ち込めていないのなら、思い切ってほかの習い事に転向する方法もあります。新しい場所で活動をはじめれば、学校以外の友達や信頼できる指導者に巡り会えるかもしれません。

部活は、心身を壊してまで続けるべき活動ではありません。健康な状態で楽しく活動を続けられる場所を探してみてください。

なお、ストレスへの対処法が見つからない人は、以下の例も参考にしてみてください。

【ストレスの対処法の例】

  • ・身体を動かす
  • ・趣味を楽しむ
  • ・友達と遊ぶ
  • ・自然に触れる
  • ・気分転換に出かける
  • ・歯磨きや耳掃除など身だしなみを整える
  • ・部屋の掃除や窓ふきなど家のなかを整える
  • ・いらない紙を破る、クッションを叩くなど発散する
  • ・お風呂や瞑想などでリラックスする
  • ・好きな映画を見たり、音楽を聴いたりする
  • ・おいしいものを食べたり、いい匂いを嗅いだり、五感に働きかける
  • ・「よく頑張っているね」と自分に声をかける

4. 部活に行きたくないという理由で辞めるときの流れ

部活に行きたくない気持ちが強くなって、いよいよ辞める決心がついたら、次の流れで辞める意思を伝えましょう。

4.1. 現状を分析しよう

まずは、本当に辞めるかどうか最終判断をするために、現状を分析します。部活を辞めたい理由を洗い出し、続けると心身に影響が出るかどうかで判断するとよいでしょう。

もし、まだ続けられそうと思うのであれば、期限を決めて継続してみてください。例えば、1ヵ月後に気持ちが変わってなかったら辞めるという具合です。

現時点で「もう無理だ」と思うなら、次のステップに進んでください。

4.2. 部活を辞めたあとのことを考えよう

気持ちに余裕がある人は、部活を辞めたあとのことを先に考えてみてください。辞めたあと、ほかに打ち込めることがないかを探すのです。せっかく時間ができるので、新たな趣味を見つけたり、塾に通ったりしてみてもよいでしょう。

ただし、心身が限界の人はこの過程を飛ばして、すぐに顧問の先生に辞める意思を伝えましょう。

4.3. 辞めるときの伝え方を考えよう

部活を辞めるときは、理由を添えて辞める意思を伝えます。

理由 伝え方
ほかに打ち込みたいものがあるとき 「ほかにやりたいことができたので、部活を辞めたいです」
心身を休めたいとき 「練習のスケジュールについていけなかったので、部活を辞めたいです」
勉強に集中したいとき 「勉強の時間を増やしたいので、部活を辞めたいです」

辞める意思を伝えたとき、引き留められることもあるかもしれません。辞めたい気持ちが変わらないのであれば、「今までお世話になりました」とひと言伝えて、その場を後にしましょう。

顧問の先生に直接伝えるのが1番ですが、手紙や電話など、自分にできる方法で伝えましょう。なお、自分で伝えるのが難しい人は、信頼できる先生や保護者に相談して、手伝ってもらう方法もあります。

5. 自分のペースで部活と勉強を頑張りたい人へ

自分のペースで部活も勉強もやりたい人は、通信制高校を選択肢として考えてみるとよいでしょう。

通信制高校は、全日制高校と違って、自宅学習やオンライン授業などの通信教育を通じて卒業に必要な単位を修得し、高校卒業資格の取得を目指す高校です。学校に通う日数が少ないコースもありますが、全日制高校と同じように毎日登校するコースもあります。

部活がある通信制高校も多く、自分のペースで勉強と部活を両立している先輩たちがたくさんいます。

通信制高校である明聖高校の先輩たちも、自分のペースで部活と勉強を頑張っています。明聖高校では、硬式野球部やラグビー部などの運動部はもちろん、eスポーツ部や写真部などの文化系の部活まで、幅広く活動しています。

生徒の声によって、新しい部活ができることもあります。やりたいことにのびのび打ち込める環境を求めている人は、ぜひ一度見学にきてみてください。

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