通信制高校へ入学しようとするとき、出願時の作文や入試の面接などで志望理由(志望動機)を求められることがあります。「どう書いていいか/伝えていいかわからない」「志望理由・動機を理由に入試で不合格になったらどうしよう」と不安に思う人もいるかもしれません。
今回は、通信制高校の志望理由・動機の書き方・まとめ方のポイントを解説していきましょう。

志望理由・動機って?

入試に際して志望理由・動機を問われるケースは少なくありません。志望理由・動機とは、「なぜ自分はその学校への入学を希望するのか」ということです。願書と一緒に志望理由についての作文の提出を求められる場合もあれば、面接で直接質問されることもあります。いずれにせよ、高校入学に際して事前に考えておく必要がある質問です。

高校入試で志望理由・動機って大切なの?

入学を希望する生徒について、高校側は中学校から提出された調査書や、学力試験などで情報を知ることができます。しかし、生徒本人がどのような考えで学校を選び、どのようなことを学びたいと考えているかはわかりません。生徒が自分自身の言葉で気持ちを伝えることは非常に重要です。
学校によっては、志望理由・動機を入試の評価に加える場合もあるため、読む人・聞く人が納得できるようにしっかりと準備を整えましょう。

高校の志望理由・動機を書く前の準備

いざ、志望理由・動機を書こうと思っても、何から手を付ければいいのか迷ってしまうものです。ここでは、志望理由・動機を書くために必要な準備について詳しく紹介していきます。

志望校の情報を集める

まずは、志望校について理解を深めることが大切です。学校のホームページはもちろん、資料やパンフレットがある場合は、取り寄せて確認しておきましょう。
学校の校訓や教育目標からは、学校の特色や雰囲気をうかがい知ることができます。私立の学校では、校訓の代わりに「建学の精神」を示しているケースも多くあります。さらに、カリキュラムや部活、学校生活や卒業後の進路についても欠かさず確認しておきましょう。在校生や卒業生の体験談を掲載している学校も多いため、先輩たちの様子から自分の高校生活を想像してみるのもおすすめです。
また、新入生を対象に学校説明会を定期的に開催している学校も多数あります。興味のある学校には積極的に足を運び、学校の雰囲気を見たり、実際に先生や在校生の話を聞いたりしてみましょう。通学ルートも一緒に確認しておくと安心です。
明聖高校では学校説明会、授業体験会などを随時開催しています。

詳しくはこちらのページをご覧ください。
学校説明会|通信制高校(千葉・中野)|明聖高等学校

自己分析をする

学校の情報収集と同様に大切なのが、自己分析です。高校生活をイメージするのはもちろん、卒業後に何を学びたいか、どのような職業に就きたいかといった将来像を明確に考えておく必要があります。自分の得意な科目をさらに伸ばしたい、あるいはまだ学んだことがないけれど、将来この力を身につけたいといったことでも構いません。自分が興味を持っていることを実現するには、どの学校がふさわしいのかを慎重に考えましょう。志望校の特色と、自分の思いがしっかりと一致するか、冷静な目で見極めることが大切です。
そのためには、自分の長所・短所という切り口だけではなく、自分がこれまで取り組んできたこと、楽しいと感じたこと、得意なことなどを振り返り、整理してみましょう。親や友達など、身近な人に自分の印象や強みを聞いてみるのも一つの手段です。

印象がよくなる!高校の志望理由・動機の書き方や伝え方の3つのポイント

通信制高校の先生は、出願・入試での志望理由・動機から受験者の高校生活への意欲(やる気)や、作文・面接に真剣に取り組んでいるかを見ています。それらが伝わりやすく、印象がよくなる志望理由・動機の書き方、伝え方のポイントを紹介します。

【ポイント1】ありのままに、具体的に、ポジティブに

全体を通じて、オーバーに書いたり、嘘をついたりせず、正直に自分の思いや状況を伝えましょう。通信制高校の先生は基本的に「受験者を受け入れたい。そのために素の人柄を知りたい」という思いで志望理由・動機を聞いているからです。
また「何となく高卒資格を持っておいたほうがいい気がするから」といった抽象的な志望理由・動機は、人柄や思いが伝わりにくく、学校側も判断に困ってしまいます。さらに、「親にいわれたから仕方なく行くことにした」のようなネガティブな志望理由・動機は「この受験者は、通信制高校以外の選択肢のほうが合っているのではないか」という印象を与える可能性が高いです。
前向きな志望理由・動機を具体的に伝えるようにしましょう。

【ポイント2】通信制高校での学校生活に対する期待・意欲が伝わるように

例えば「不登校経験があったり、病気の治療をしていたりして、全日制高校では学習の継続が難しいけれど、通信制高校で自分のペースをつかみながら、高卒資格を取りたい」のように、受験する通信制高校の学校生活に対する期待や意欲を伝えましょう。自分の経験をもとに説明すると伝わりやすくなります。

【ポイント3】通信制高校卒業後の夢や目標も踏まえて

「将来の夢や目標をかなえるために、この通信制高校で学び、卒業資格を取りたい」と伝えることも大切です。
「学力を付けて将来大学に進学したい」「高卒資格を活かして、あこがれの業界・企業に就職したい」「関心のある分野(IT、美容、デザインなど)について知識やスキルを身につけたい」など、恥ずかしがらずに率直な思いを伝えてみましょう。

高校の志望理由・動機の例文

ここでは、相手に伝わりやすい志望理由・動機の例文を3パターン紹介します。書くときのポイントも一緒に確認していきましょう。

①進路希望や将来の夢を志望理由にする場合

例文

私の将来の夢は、システムエンジニアです。私は中学3年の夏休みに、プログラミング体験のワークショップに参加して簡単なゲームを作りました。最初はなかなか思うようにプログラムを動かすことができませんでした。何度もエラーと修正を繰り返して、ようやく思い通りの結果が出たときの達成感は忘れられません。
明聖高校ではITコースで勉強し、ITやプログラミングの基礎をしっかりと身につけたいです。

ポイント

志望理由・動機は、最初に結論を書くことがポイントです。プログラミングに興味を持った具体的なエピソードと、そこでの達成感を書くことで、ITコースで学びたい理由を明確に伝えることができています。

②部活を志望理由にする場合

例文

私は、小学校、中学校と吹奏楽部でトランペットを演奏してきました。部活の仲間と一緒に練習を重ね、中学校最後の大会では初めて入賞することができました。そこで学んだのは、自分が大人数の中のひとりだと思わず、それぞれがしっかりと自分の力を発揮することで、最高の演奏ができるということです。
高校でも吹奏楽部に入りたいと思い、吹奏楽部の実績が多いこの学校を選びました。部活と勉強を両立させつつ、自分のやりたいことに全力で取り組みたいです。

ポイント

部活で入賞したことだけではなく、そこで何を学んだか、これからどのように活かしたいかを伝えましょう。

③家から近い点を志望理由にする場合

例文

私がこの学校を選んだのは、家から近く、通学時間が短いためです。私が通っていた中学校は家から遠かったため、同級生と比べても朝早くに起きなければいけませんでした。しかし、私は朝がどうしても苦手で、毎日の通学が苦痛でした。勉強や部活で帰るのが遅くなってしまうと、帰宅しても十分に休めず、翌日に響いてしまうこともありました。これらの経験から、私は無理なく通学できるよう、家から近い学校を選びたいと考えています。高校では、自宅での勉強時間もしっかり確保して、これまで以上に勉強に力を入れたいです。

ポイント

「通学が楽だから」だけでは理由になりません。通学時間が短いことで、身体の負担が減る、勉強時間を確保できる、習い事に行けるなど、自身がメリットと感じている点を説明しましょう。

清書する前は友達や親に確認してもらうことが大切

下書きが完成したら、友達や親にダブルチェックしてもらいましょう。誤字脱字のチェック、自分が伝えたいことがきちんと伝わるかどうかのチェックはとても大切です。セルフチェックだけでは、主観が入って違和感に気付かないこともあります。客観的に見てもらうことで、さらによい内容にするためのアドバイスを貰えるでしょう。下書きが完成してもいきなり清書に入らず、しっかりと内容を整えたうえで清書するようにしましょう。

通信制高校の入試はどうおこなわれる?作文や面接、試験当日について

志望動機を尋ねられる通信制高校の出願や入試は、どのようにおこなわれているのでしょうか。一般的なケースについて、例も交えながら解説していきましょう。

作文(出願書類)

入学願書などの出願書類と同時に作文の提出が求められる場合では、指定の様式に鉛筆で記入するのが一般的です。テーマについては、志望動機をストレートに書くケースのほか、明聖高校のように「入学後の抱負」という切り口が設定されていることもあります。志望動機を直接聞いているわけではありませんが、「入学後に明聖高校でこんな高校生活を送りたい」という内容を伝えるなかで、志望動機についても触れることになるでしょう。字数は学校によりさまざまですが、明聖高校の作文は300字以上400字以内となっています。

作文(会場での試験)

入試会場で作文する場合の制限時間は30分前後が多いようです。字数は、400字の学校もあれば、800字の学校もあります。作文のテーマは、出願時に提出するときと同様です。学校によっては2つ以上のテーマで作文を書くこともあります。テーマは当日会場で提示され、試験直前までわかりません。

面接

所要時間は15分前後が目安です。
また、明聖高校WEBコースのWEB面接は、受験者がいくつかの決められた質問に対して、自分でその回答を動画撮影して学校宛てに送信するユニークな方法です。

試験当日の流れ

教室などに集合したあと、点呼を取ったり注意事項が説明されたりして、試験が開始されます。作文と面接が同じ日に実施される場合は、最初に作文試験を受け、その後順番に面接を受けるという流れが一般的です。

試験での服装や髪型

試験の服装は高校側から指定されることは基本的にありませんが、服装から、高校生活・社会生活を送るためのマナーを守れるかどうかが見られています。

制服着用の中学校や高校に在籍中の方は、制服が無難ですが、制服を着るのが難しい場合は、ジャケット+襟付きのシャツまたはブラウス+パンツまたはスカートといった清潔感のある服装がよいでしょう。
髪は地毛の色で落ち着いた髪型にします。ピアスなどのアクセサリーは外しておきましょう。メイクはノーメイクで構いません。日頃仕事などでメイクをしている人は薄めのナチュラルメイクを心がけましょう。