紙だけでなくWebでもマンガが楽しめるようになり、マンガはより身近な存在になりました。マンガに親しむうちに「自分もマンガ家になりたい」と思うようになった中高生も多いのではないでしょうか?
 
本記事では、マンガ家になる方法とスキルを身につける方法について解説します。マンガ家を目指す中高生のみなさんは、ぜひ参考にしてみてください。

マンガ家になるには?デビューする4つの方法

マンガ家としてデビューする方法には、大きく以下の4つがあります。

・賞に応募する
・出版社に持ち込む
・SNSやWebサイトに投稿し注目を集める
・人とのつながりから道を切り拓く

賞に応募する

マンガ家としてデビューする方法の1つは、賞やコンテストに応募し結果を残すことです。賞のなかには、受賞したらWebや雑誌で連載できるというものもあります。
 
有名な賞には、以下があります。

・週刊少年マガジン新人漫画賞(講談社)
・ガンガンジョーカー新人マンガ賞(スクエアエニックス)
・白泉社少女まんが新人賞
・りぼん新人まんがグランプリ

賞によって、毎月・毎年というように開催頻度が異なるため、複数の賞を狙うと挑戦の幅が広がります。描きたいマンガのジャンルに合った賞を選び、応募してみましょう。

出版社に持ち込む

出版社にマンガを持ち込み、編集者の目に止まると、デビューできる場合があります。ただし、はじめての持ち込みで連載できるケースはほとんどなく、現在有名なマンガ家でも何度も持ち込みをしています。
 
例えば、持ち込みからデビューを果たした有名なマンガ家は、以下の人たちです。

・藤巻忠俊先生|『黒子のバスケ』
・島袋光年先生|『トリコ』
・松井優征先生|『暗殺教室』

出版社にマンガを持ち込むと、編集者がマンガを読み、アドバイスをしてくれます。マンガ家デビューを目指す人たちは、アドバイスをもとに描き直したり新たなマンガを描いたりして、再度編集部に持ち込みます。これを繰り返すなかで、編集者の合格ラインに到達した人たちがデビューを果たせるのです。
 
マンガを持ち込む際は、各出版社の漫画編集部の持ち込み部門に連絡しましょう。公式ホームページに連絡先が書かれているはずです。

SNSやWebサイトに投稿し注目を集める

SNSやWebサイトにマンガを投稿し注目を集めると、出版社から声がかかることがあります。なかには、マンガ連載を通り越してアニメ化されるケースもあり、夢を感じますね。
 
SNSやWebサイトにマンガを投稿し注目を集めるためには、ストーリーの面白さと絵の上手さだけでなく、注目を集めやすい時間帯に投稿するといった工夫が必要です。

人とのつながりから道を切り拓く

マンガの専門学校や美術大学に進学すると、マンガの出版社や編集部の人とつながりを持てます。学校で得た人とのつながりを生かして、マンガ家デビューを目指す方法もあるのです。
 
マンガの専門学校のなかには、学生のうちから、出版社に勤める編集者から講評を受けられる授業をおこなっている学校もあります。そのなかで、編集者の目に留まれば、マンガ家としてデビューできる可能性が高まります。

マンガ家になる前に知っておきたいこと

マンガ家になる前に、以下の2つについて知っておくと、マンガ家になったあとのギャップに驚かずに済むはずです。

・仕事内容と働き方
・報酬の仕組み

仕事内容と働き方

マンガ家の仕事の流れは、大まかに以下のようになっています。

・編集者と打ち合わせ
・資料集め・取材
・プロット作成
・ネーム
・編集者にネームをチェックしてもらう
・OKが出たら下描き
・ペン入れ
・仕上げ

週刊連載のマンガ家は、この流れを1週間でこなします。ときには、何度も編集者と打ち合わせをして、ネームを描き直すこともあるため、スケジュール管理が押してしまうことも。月刊連載だと少し余裕がありそうですが、週刊連載に比べてページ数が多いため、1ヵ月かけて上記の流れで仕事を進める形になります。

マンガ家はアシスタントを雇うこともありますが、基本的に自分で仕事を管理しなければなりません。スケジュールや作業の進捗管理などで苦労するケースもあるでしょう。

報酬の仕組み

マンガ家は、個人事業主であることが多く、会社に勤める人とは違って給料をもらえるわけではありません。給料の代わりに、マンガ1ページに対していくらという形で原稿料を受け取れます。

その他に、単行本が出版されると、印税という収入を得られます。印税は、マンガ1冊の金額に対して8~12%といわれています。例えば、印税が10%だった場合、1冊600円の単行本が売れると60円の収入を得られるわけです。単行本が1万冊売れると、60万円の収入になります。

マンガ家のスキルを身につける方法

マンガ家になるために必要なスキルは、以下の方法で身につけられます。

・独学で学び、たくさん描く
・専門学校に通う
・通信講座を利用する
・マンガ家のアシスタントになる

独学で学び、たくさん描く

マンガ家になるには、とにかくたくさん描き、自分で学ぶ方法があります。最近は、マンガの描き方を無料で学べるWebサイトや動画があるため、独学でも基本的なスキルを身につけられます。

現在活躍する有名なマンガ家のなかにも、独学でマンガのスキルを身につけ活躍している人が大勢います。『BLUE GIANT(ブルージャイアント)』の作者として知られる石塚真一先生は、IT企業に一度就職したあと、マンガ家に挑戦しています。マンガの描き方を知らない状態から独学で学び、デビューを果たしました。

さらに上達するためには、第三者からのアドバイスをもらう必要があります。持ち込みで編集者からアドバイスをもらうほかに、SNSでマンガ仲間を作り、講評してもらうといった方法もあるので、自分に合った方法を試してみましょう。

専門学校に通う

独学に自信がない場合は、専門学校に通うのがおすすめです。専門学校なら基本的な知識とスキルを順番に身につけられるうえ、先生や外部講師からの講評も得られます。同じ志を持つ仲間にも出会えるため、モチベーション高くマンガ家を目指せるでしょう。

『ジョジョの奇妙な冒険』の荒木飛呂彦先生や『ハイキュー!!』の古舘春一先生のように、マンガの専門学校でしっかり学んだマンガ家はたくさんいます。

ただし、専門学校に進学するためには高校卒業資格や高卒認定が必要です。高校や通信制高校に通い、必要な資格を得たうえで進学を目指してみてください。

通信講座を利用する

マンガの通信講座を利用することでスキルを身につける方法もあります。通信講座は、自分のペースで学習を進められる点が魅力です。勉強や部活で忙しい中高生が今すぐに基礎的なスキルを身につけたいと思ったとき、活用しやすいでしょう。

習い事として通信講座を受けることで、高校卒業資格や高卒認定の取得を目指しながらスキルを磨けます。

マンガ家のアシスタントになる

マンガ家のアシスタントになり、実際にプロからスキルを吸収しながらスキルアップする方法です。基礎的スキルは身につけている前提ですが、生の原稿に触れ、プロと関わるなかで成長できる環境はほかにはありません。

マンガ家になりたい人のための進路選択のポイント

マンガ家になりたい中高生向けに、以下の進路があることを知っておくと、進路選択の際に役立ちます。

・マンガの基礎を学べる高校|高校生からマンガを描きはじめたい人向け
・マンガの専門学校・美術大学|じっくり学びスキルを磨きたい人向け
・マンガ以外の専門学校・美術大学|マンガ以外のことも学びたい人向け

マンガの基礎を学べる高校|高校生からマンガを描きはじめたい人向け

高校のなかには、イラストやデザインコースといったマンガに通じる専門コースを設置している学校もあります。授業のなかでマンガの基礎を学べるため、今すぐにマンガを描き始めたい人におすすめです。

マンガの専門学校・美術大学|じっくり学びスキルを磨きたい人向け

マンガの専門学校や美術大学は、マンガの描き方だけでなく絵やデザインの専門知識とスキルも身につけられます。出版社や編集者とのつながりを得られることもあり、将来マンガ家を目指す人にとって必要な要素が詰まっているのです。じっくり学びながらスキルを磨きたい人におすすめです。

マンガ以外の専門学校・美術大学|マンガ以外のことも学びたい人向け

マンガ家は、マンガの専門学校や美術大学を出ていなくてもなれます。将来、マンガ家以外の選択肢も考えたい人には、独学でマンガを学びながら他分野の専門学校・大学を目指すことをおすすめします。

絵の描き方が学べる!マンガ家のスキルを磨ける明聖高校の特徴

通信制高校である明聖高校には、キャラクターデザインやデジタルイラストの描き方を学べる全日デザインコースがあります。現代のマンガは、ほとんどがデジタル化されており、デジタル技術は必要不可欠です。マンガの基礎となるイラストやデザインについて高校生のうちから学べるコースはなかなかありません。

マンガ家を目指す人は、ぜひ全日デザインコースを検討してみてください。

全日デザインコース|中野キャンパス