「どうして学校に行かなければならないの?」
そんな疑問を抱えながら過ごしている人は少なくありません。
 
学校に行く意味はひとつではないため、人によって違うこともあります。
そのため、大人に尋ねたとき、自分にとって納得のいく答えを得られないこともあるでしょう。
 
大切なのは、自分なりの意味を見つけたり考えたりすることです。
 
今回は、一般的にいわれる学校に行く意味や、自分なりの答えを見つける方法などを紹介します。
「学校に行く意味」を知りたい人や、自分の考えを整理したい人は参考にしてみてください。

学校に行く意味がわからない!どうして学校に行かなきゃいけないの?

学校に行く意味がわからず悩んでいる人のなかには、「意味がないから行きたくない」「家のほうが充実した時間を過ごせる」などと考えている人もいるのではないでしょうか。
 
こうした悩みの背景には「学校は行かなければならないもの」という考えが潜んでいるかもしれません。
 
学校は「行かなきゃいけない場所」ではないこと、学校に行く意味はたくさんあり人それぞれ違ってよいことを知っておくと、少しは悩みが軽くなるはずです。

学校は「行かなきゃいけない場所」ではない

そもそも、学校は「行かなきゃいけない場所」ではありません。
保護者には「子どもに普通教育を受けさせる義務」があるものの、「子どもが学校に通う義務」はないのです。
 
だからといって、学校に行かなくてもよいわけではありません。
学校に行くことによって得られるものがたくさんあるからです。
 
参考:第4条(義務教育)|文部科学省

学校に行く意味は「人それぞれ」でいい

学校に行って得られるものが「学校に行く意味」だととらえてみましょう。
得られるたくさんのもののどれに価値を置くかは、人によって違うはずです。
 
例えば、水泳やスキーなど、普段はあまり身近ではないスポーツに親しめることに意味があると考える人もいます。
しかし、水泳やスキーを習っている人にとっては、学校でわざわざやらなくてもよいことなので、あまり大きな意味を感じないかもしれません。
 
このように学校に行く意味は人によって変わるため、自分なりの答えを見つけることが大切です。

学校に行く意味とは

学校に行く意味を考えるとき、ひとつの手がかりになるのが「教育基本法」です。
 
教育基本法は、日本の教育の基本的な考え方を定めた法律で、学校教育もこの理念に基づいておこなわれています。
第2条では、教育の目標として5つの項目が掲げられており、学校はこれらを身につけるための場と位置づけられています。
 
今回は5つの目標をもとに、学校に行く意味を紹介します。
もちろんこれがすべてではないので、自分にとってしっくりくるものを探すつもりで読んでみてください。

さまざまな分野を学び、将来の選択肢を広げるため

日本の学校では、以下のように幅広い知識と教養を身につけることが目標とされており、それを達成するためのカリキュラムが組まれています。

第二条
一 幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと

引用:教育基本法|文部科学省
 
家で勉強すると好きなことや得意なことに偏りがちですが、学校なら自分では選ばない分野にも触れられます。
専門の先生から教わったり同級生と意見交換をしたりすることで、一人では気付けない知識・考え方にも出会うことが可能です。
 
「これおもしろいかも」という発見は、将来やりたいことの選択肢も広げてくれるはずです。
 
とはいえ、そもそも学校の勉強に意味を見出せない人もいるでしょう。
以下の記事では、勉強する意味について詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
 
関連記事:勉強する意味とは?多様な考えから自分なりの答えを見つけよう|通信高校生ブログ|明聖高等学校

得意なことを見つけて、自立する力を養うため

日本の学校では、以下のように個人の能力を伸ばし、自主・自律の精神を養うことが目標とされています。

第二条
二 個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと

引用:教育基本法|文部科学省
 
授業はもちろん、部活動や行事は、「人前で話すのが得意かも」「何かを作るのが好きかも」と、自分の得意なことや興味のあることに気付くきっかけになります。
 
得意なことや興味のあることが見つかると、「もっとやってみたい」と思えるようになり、課題に自分から取り組んだり友達と協力して工夫したりするようになるはずです。
 
これを繰り返すと自分で考えて行動する力が育ち、将来働くときや一人暮らしをするときの支えになります。
 
自分の得意なことや興味のあることをなかなか見つけられない人は、以下の記事も読んでみてください。
 
関連記事:自分らしく生きるためには?生きづらさを感じる理由と考え方のコツを解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校

いろいろな人と関わって、社会で生きる力を身につけるため

日本の学校では、以下のように社会の一員として必要な態度を養うことが目標とされています。

第二条
三 正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと

引用:教育基本法|文部科学省
 
さまざまな性格や考え方の人が集まると、苦手な人や合わない人もいるはずです。
学校では、あえてそうした集団のなかで活動することで、人との関わり方やルールを守ることの大切さを学べるのです。
 
社会には、自分で相手を選べない場面もあります。
そのなかで折り合いをつけながら関わる力が、どのような場所でも生きていく力になります。

命や自然の大切さを実感するため

日本の学校では、以下のように命や自然を大切にする態度を養うことが目標とされています。

第二条
四 生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと

引用:教育基本法|文部科学省
 
理科の実験や観察、環境について学ぶ授業を通じ、生き物や自然のすごさを実感できます。
また、友達と関わるなかで、相手の気持ちや命の重さを考える機会もあるでしょう。
 
こうして命や自然の大切さを実感すると、自分自身や身の回りの人を大切にしたいという気持ちにつながります。

広い世界を知るため

日本の学校では、以下のように伝統と文化を尊重し、他国を尊重する態度を養うことが目標とされています。

第二条
五 伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと

引用:教育基本法|文部科学省
 
学校では、行事や地域の人との交流を通じて日本の文化や地元の歴史を知ったり、英語の授業や国際交流で世界の国について学んだりできます。
自分から出かけなくても、さまざまな文化や暮らしに触れる機会が、日常のなかに用意されているのです。
 
自分の周りとは違う世界があると知ると、今の悩みや環境だけがすべてではないと思えるようになります。

学校に行く意味を見つける方法

ここまで紹介した内容を読んでも、「あまり共感できない」「納得できない」という人もいるでしょう。
そのような場合は、無理に「学校に行く意味」を見出す必要はありません。
 
ただし、自分なりの意味が見つかれば、学校との向き合い方が少し楽になることもあります。
興味のある人は以下の3つの方法を試して、自分なりの答えを考えてみましょう。

学校に行くメリット・デメリットを整理しよう

学校に行く意味がわからないときは、以下のようにメリットとデメリットを書き出してみると整理しやすくなります。

メリットの例 デメリットの例
・さまざまな分野を学ぶなか、将来やりたいことを見つけられる
・友達や先生など、さまざまな人と関わることで人間関係のスキルが身につく
・集団生活のなかで自分の役割や得意なことがわかる
・将来社会で必要になる力を身につけられる
・今すぐに役立たないことも学ばなければいけない
・合わない人とも関わらなければいけない
・自分のペースで学べない
・朝早く起きなければいけない

書き出してみると、デメリットはあるものの、得られるものがたくさんあることに気付けます。
このように整理していくと、「意味なんてない」と思っていたことにも意味を感じられるようになるかもしれません。

「意味」ではなく小さな目標や目的を考えてみよう

「学校に行く意味」は大きな問いで、すぐに答えを出すのは難しい人もいるはずです。
その場合、「目標を達成するため」「目的を果たすため」に学校に行くと考えてみてはいかがでしょう。
 
例えば、以下のような内容です。

  • ● 今日は友達と話す
  • ● 数学で60点を取る
  • ● 部活で新しい技を覚える
  • ● 給食のデザートを食べる

目標・目的があれば、学校に行く意味がわからなくても「とりあえずこれをしに行く」と思えて、足が向きやすくなります。
小さな目標を達成することもまた、学校に行く意味といえるでしょう。

信頼できる人に気持ちを話してみよう

学校に行く意味を一人で考え続けると、どんどん行き詰まってしまいます。
そうなる前に、親や先生、友達、スクールカウンセラーなど、信頼できる人に相談してみましょう。
 
特に、「学校に行く意味がわからず行きたくない」と思っている人は、一度自分の気持ちを吐き出してみてください。
話すことで、自分の気持ちが整理されたり、気持ちが楽になったりします。
 
また、相手から「こういう見方もあるよ」と、自分にはなかった視点をもらえることもあります。
 
さまざまな人と話すなかで、自分なりの答えを見つけられるかもしれません。

意味がわからなくても大丈夫!通いやすい新たな学校の仕組み

今通っている学校に意味を見出せないのは、環境が自分に合っていないだけかもしれません。
一般的な学校とは違う仕組みで学べる学校なら、これまで感じられなかった意味が見えてくる人もいます。
 
そこで、代表的な3つの学校の仕組みを紹介します。
自分にとって意味を見出せる学校が、どこかにあるかもしれません。

特認校(小規模特認校制度)

特認校(小規模特認校制度)とは、通常の通学区域に関わらず、自治体が指定する特定の公立小中学校への通学を認める制度です。対象となる地域や通学条件は自治体によって異なります。 自然豊かな環境のなかで、少人数だからこそ、一人ひとりに目が行き届いた教育を受けられるのが特徴です。
 
ほかの人のペースに合わせなければならないことが苦痛だったり、人との距離が近いと疲れてしまったりする人もいるでしょう。
そのような人にとって、少人数で一人ひとりに目が行き届きやすい環境は、学校に行く意味を見出しやすいはずです。
 
参考:学校選択制[特認校制]|文部科学省

学びの多様化学校

学びの多様化学校とは、不登校の児童生徒の実態に配慮し、国の基準にとらわれない特別の教育課程を組める学校です。
 
例えば、学校や児童生徒の状況に応じて、授業時数を調整したり、始業時間を遅らせたりする場合があります。
少人数の集団で、個に応じたきめ細かな支援を受けられるのも特徴です。
 
集団で学ぶ意味を見出せない人にとっては、自分のペースや状況に合わせて学べる環境のほうが、自分にフォーカスした意味を見つけやすい可能性があります。
 
参考:不登校児童生徒の実態に配慮して特別に編成された教育課程に基づく教育を行う学校の概要|文部科学省

通信制高校

通信制高校とは、レポートの提出やスクーリング(面接指導)への出席、試験を通じて単位を修得し、卒業をめざす高校です。
毎日登校する必要はなく、スクーリング以外の日は自宅でレポートに取り組みます。そのため、全日制高校とは違って、学校に行く日数が少なく、自分のペースで学べます。
 
学校に行く日数が少なくても、学びたいことを学べるため、意味を見出せない人でも負担を感じにくく、続けやすいのが魅力です。
 
例えば千葉県に本校を置く通信制高校の明聖高校には、自宅で学べるWEBコースがあります。
自分の興味に合わせてカリキュラムを組んだり、自分のペースで時間割を立てたりできるので、学校に特別な意味を見出せないけれど高卒資格は欲しいという人でも、無理なく卒業まで続けられます。
 
自分に合った環境に身を置けば、意味を深く考える必要なく前に進むことが可能です。
 
WEBコース|明聖高等学校

子どもに「学校に行く意味を感じない」といわれたら?保護者の対応

お子さんが「学校に行く意味を感じない」と言い出したとき、保護者の方は自分の考えを示したり一緒に考えたりして、なんとか意味を見出してほしいと思うかもしれません。
 
しかし、大切なのは意味を見つけさせることよりも、お子さんの気持ちを受け止めることです。
「意味を感じない」という言葉には、今の環境が合っていないサインが隠れている場合もあります。
 
お子さんの話を聞いたうえで、どのような環境ならよりよく過ごせるのかを一緒に考えてみましょう。
状況によっては、環境を変えることも選択肢のひとつです。
その場合は、先ほど紹介した特認校や通信制高校なども含めて、別の環境を検討してみてください。