中高生で「自分のことがあまりわからない」と悩んでいる人もいるでしょう。
 
「自分って本当はどういう人間なんだろう?」「性格や得意なことを言葉にできない」など、ふと自分のことがよくわかっていないと気付くのは、成長過程においてごく自然なことです。
 
このとき、自分を理解するためのヒントを得られるのが診断テストだといえます。
 
今回は、自分がわからないと感じる原因と、自己理解のヒントを得られる診断テストを紹介します。
 
あくまでヒントではありますが、自分のことについて少しでも理解を深めたいという人は、参考にしてみてください。

自分がわからないと感じる4つの原因

中高生で「自分がわからない」と感じる人は、意外と多いものです。
 
それは、発達過程で生まれる自然な感情であり、病気ではありません。
 
自分がわからないと感じる主な原因は以下のとおりです。

他者の目を気にしすぎる

他者の目を気にしすぎることは、自分がわからなくなる原因のひとつです。
 
例えば、以下のような気持ちを抱えながら学校生活を過ごしている人はいませんか?

  • ●友達からどう思われているかが気になって仕方ない
  • ●嫌われたくなくて本音が言えない
  • ●自分の考えと違っても周りに合わせてしまう

自分の考えや思いとは違った発言や行動を繰り返していると、いつのまにか本当の自分が見えなくなってしまうことがあります。
 
こうした人のなかには「HSP/HSC」と呼ばれる、周囲の刺激や人の反応に敏感な特性を持つ人もいます。
 
HSP/HSCは生まれつき感受性が高い特性を指す概念で、病気や障害ではありません。
 
1990年代に、アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士によって提唱されました。
 
HSP/HSCの人は他者の反応を察知しやすい特性を持つため、他者の目が特に気になりやすいといわれています。
 
他者の目ばかり気にして行動していると、自分が本当は何を感じ、何を望んでいるのかがわからなくなってしまう可能性があります。
 
参考:The Highly Sensitive Person|Elaine N. Aron

周りと比較してしまう

つい周りと自分を比べてしまうことも、自分がわからなくなる原因だといえます。
 
例えば、友達と比べて自分は劣っていると感じることはないでしょうか?
 
テストの点数や見た目、性格など、さまざまな面で比較してしまう人もいるでしょう。
 
一人ひとりの成長スピードには差があるため、友達にはできるのに自分にはできないことだってあります。
 
そういった部分ばかりに目を向けていると、劣等感を感じやすくなるのです。
 
実は、日本の子どもは他国と比べて「他者と比較して自分に自信が持てない」傾向が強いというデータがあります。
 
他者との比較ばかりに意識が向くと、自分自身のよいところが見えなくなり、自分がどういう人間なのかわからなくなってしまうのです。
 
参考:2-1 「高校生の生活と意識に関する調査」における国際比較|文部科学省

親や先生の期待に応えようとしすぎる

親や先生の期待に応えようとしすぎることも、自分を見失う原因になります。
 
親や先生から「こうあるべき」「こうしなさい」と言われて、それに合わせてきた人もいるでしょう。
 
そのなかで、自分の本当の気持ちを押し殺してきた人もいるのではないでしょうか。
 
周りの期待に応えようとしてきた人ほど「自分は本当は何がしたいんだろう」と悩みやすい傾向にあります。
期待に応え続けることに必死になり、自分の本当の気持ちに目を向ける余裕がなくなってしまうのです。
 
その結果、自分が本当は何を感じ、何を望んでいるのかわからなくなってしまいます。

自分に自信が持てない

自分に自信が持てないことも、自分がわからない原因のひとつです。
 
自分は「ダメな人間」だと思ってしまうことはないでしょうか。
 
何をやってもうまくいかないと感じるときもあるかもしれません。
 
自分に自信が持てないと、自分のよいところや可能性に目が向かなくなりがちです。
 
その結果、本来の自分がどういう人間なのかがわからなくなってしまいます。

自分がわからないなら診断テストで特性をチェックしてみよう!

自分がわからないときは、じっくり自分と向き合うことが必要です。
 
さまざまな方法がありますが、今回は簡単にできる診断テストを使った自己分析の方法を紹介します。
 
診断テストを受けて自分を変えたいと思った人は、以下の記事も読んでみてください。
 
関連記事:本気で自分を変えたい人へ|自分を変える4つの方法と5つの習慣|通信高校生ブログ|明聖高等学校

エゴグラムセルフチェックをやってみよう

厚生労働省が提供するエゴグラムセルフチェック2024とは、自分らしさを図表にあらわして、自分の性格傾向を知るための診断テストです。
 
だれでも無料で利用でき、50問の質問に答えるだけなので5分程度で診断が完了します。
 
診断結果を分析してみると、わからなかった自分の特性が見えてくるはずです。

5つの特性を知ろう

エゴグラムセルフチェック2024をやってみると、5つの特性のうち、自分はどの特性が強いかがわかります。
 
5つの特性は以下のとおりです。

特性 概要 活用のヒント
指導するCP ・理想や目標を持ちそれに沿って行動する力
・人に教えたり伝えたりするときに使う
・自分の考えを示すときにも使う
・相手を思いやりながら使うと相手が成長する
・相手の状態を考えると自分の意志が伝わりやすい
育むNP ・相手の気持ちを自分のように受け止める力
・だれかを元気付けたり支えたりするときに使う
・温かさが相手を安心させ、よい関係を作る
・気遣いが届くと相手がのびのび成長する・任せて見守ると相手が挑戦する勇気を持てる
考えるA ・情報を集め、何が大切かを落ち着いて決める力
・目標を決めるときや計画的に進めるときに使う
・相手を理解したり、自分の感情をコントロールするときも使う
・相手や状況に合わせて、ほかの特性を使い分けると効果的
楽しいFC ・自分の感情や要求を自由に表現する力
・自然体で楽しむときに発揮される
・笑顔あふれる人間関係をつくることにもつながる
・その場の空気を明るくしたり、盛り上げたりするときに使う
・周りの様子に気を付けると人気が出る
おとなしいAC ・自分の考えや気持ちを抑えて協調し、居場所を作る力
・自分自身の心身を守ることにつながる
・その場の空気を大切にするときに使う
・考えるAを使うことで、自分を大切にしながら空気感も守れるようになる

エゴグラムセルフチェック2024では、5つの特性をすべて持っているという前提があります。
 
どの特性をよく使っているか、または使っていないかが診断テストをおこなう目的です。
 
参考:15分でわかるはじめての交流分析 3~5つの特性編~|こころの耳|厚生労働省

診断結果をチェックしてみよう

診断結果は、5つの特性が高中低で表示されます。
 
例えば以下です。

  • ●高:A
  • ●中:CP、FC、AC
  • ●低:NP

その下に、よく使っている特性の上位2つと1番使えていない特性、それらの解説が表示されます。
 
書かれている文章を読むと、自分らしさの傾向をつかむことが可能です。
 
1番よく使っている特性は、自分の長所や強みだととらえられるでしょう。
 
反対に、1番使っていない特性は、これから使えるようにするともっとバランスよく自分を表現できる可能性のある特性だといえます。
 
どの特性が強いかによって、自分を理解したうえで行動するためのヒントが変わります。
 
実際に診断テストをやってみて、自分の特性をチェックしてみてください。
 
5分でできるエゴグラムセルフチェック2024|こころの耳|厚生労働省

自分の傾向がわかったら?特性に合わせた解決法

診断結果から自分の傾向がわかったら、それぞれの特性をより上手に使えるようにするための行動に移すと自分の成長につながります。
 
例えば、おとなしいACをよく使う人は、「相手の頼みを断れず疲れてしまう」という状況に陥る場合があります。
 
長所だからといっておとなしいACばかり使っていると、他者の目を気にしすぎたり、親や先生の期待に応えようとしすぎる人になってしまうかもしれません。
 
そのため、ほかの特性も上手に使えるようにして、長所を伸ばしながら自分をよりよい方向へ改善することが大切です。
 
ここからは、各特性をよりよく活用するヒントを解説します。
 
参考:15分でわかるはじめての交流分析4~エゴグラム編~|こころの耳|厚生労働省

CPを高めると自分らしく生きられるようになる

CPとは、自分の意見をはっきり伝えたり、責任を持って行動したりするときに使う特性です。
 
CPが使えるようになると、「他者の目を気にしすぎる」「期待に応えようとしすぎる」という悩みの解消につながります。
 
自分の意志を持って行動することで、周りに流されず自分らしく生きられるようになるためです。
 
例えば、以下の行動を意識してみましょう。

  • ●間違っていると思うことは、うやむやにせず言葉で伝える
  • ●約束を守り、破った相手には理由を聞くようにする
  • ●自分で決めたことややり始めたことを、最後までやりとおす
  • ●自分の立場や役割を考え、責任をもって行動する
  • ●好き嫌い、イエス・ノーをはっきりと言う

特にACをよく使う人は、CPも意識的に使うことで、自分の心を守ることが可能です。

NPを高めると自分のよいところが見えるようになる

NPとは、人を思いやる・優しく接する、受け入れるための特性です。
 
NPを使えるようになると、「周りと比較してしまう」「自分に自信が持てない」という悩みの解消につながります。
 
人のよいところを見つける練習をすることで、自分のよいところも見つけやすくなるためです。
 
例えば、以下の行動を意識してみましょう。

  • ●日頃から、笑顔で明るく自分からあいさつする
  • ●相づちを打ったり笑顔で話しかけたりして、話しやすい雰囲気をつくる
  • ●相手のよいところを見つけて、ほめるようにする
  • ●普段から友人や家族に、優しい言葉をかける
  • ●「お疲れさま」「大丈夫ですか?」「応援しています」など積極的に伝える

相手のよいところが見えるようになったら、自分にもNPを使って長所を見つけてあげてください。

Aを高めると客観的に自分を理解できるようになる

Aは、冷静に考えたり分析したりするときに使う力で、客観的に判断するときに役立つ特性です。
 
Aを使えるようになると、「周りと比較してしまう」「自分に自信が持てない」という悩みの解消につながります。
 
自分について客観的に見つめ直すことで、正しく自分を評価できるようになるためです。
 
例えば、以下の行動を意識してみてください。

  • ●予定や計画を立てて、見直す習慣をつける
  • ●伝えたいことを整理してから話す
  • ●欲しいものは、比較・検討してから購入する
  • ●インターネットの情報を事実か確認してから使う
  • ●感情をコントロールできるよう、日頃からストレス発散方法を考えておく

正しく自分を理解できると、周りがどうあろうと気にならなくなります。

FCを高めると自分の気持ちに正直になれる

FCとは、自分の気持ちや考えを自由に表現したり、楽しんだりする特性です。
 
FCが使えるようになると、「他者の目を気にしすぎる」「期待に応えようとしすぎる」「自分に自信が持てない」という悩みの解消につながります。
 
自分の感情を素直に出す習慣がつくと、「ありのままの自分でいいんだ」と思えるようになるためです。
 
例えば、以下の行動を意識してみてください。

  • ●「うれしい!」「おいしい!」などの気持ちをストレートに出してみる
  • ●好きなTV番組や映画を観て、笑ったり泣いたりする
  • ●気の合う人と楽しい会話や食事を楽しむ
  • ●新しいことに興味をもって、まずは行動してみる

現在、他者の目を気にしすぎている人にとっては、ややハードルが高いかもしれません。
 
しかし、少しずつ行動を変えていくことで、ありのままの自分に自信が持てるようになるはずです。

ACを適切に使うとバランスの取れた人間関係が築ける

ACとは、周りに合わせたり、我慢や遠慮をしたりと協調性につながる特性です。
 
ACは使いすぎると「他者の目を気にしすぎる」「期待に応えようとしすぎる」という悩みにつながります。
 
とはいえ、集団で過ごすときは、ストレスが過剰にならない程度に空気を読むことが必要です。
 
ACを適切に使うと、自分の負担にならないレベルで周囲の人たちを尊重しながら、良好な人間関係を構築できるようになります。
 
例えば、以下の行動を意識してみましょう。

  • ●ときには自分を抑えて人の話を聞き、場合によっては妥協する
  • ●自分の話より相手の話に相づちを打ち、聞くことに集中する
  • ●同じ目的のために、力を合わせる
  • ●相手の感じ方を確かめて、気持ちを大切にする
  • ●「お先にどうぞ」と相手に譲ってみる

特にCPをよく使う一方でACをあまり使わない人は、ACを意識的に使うようにすると、人間関係が好転する可能性が高いです。
 
はじめは違和感を覚えるかもしれませんが、できることからゆっくり試してみましょう。

人と距離をとってゆっくり自己理解を深める方法

自分のことを知ろうとすることを「自己理解」といいます。
 
自分のことがわからない人は、自己理解をしようとして一生懸命になっているはずです。
 
しかし解決法のハードルが高く、今の自分を変えられそうにないと感じた人もいるでしょう。
 
そもそも、無理に自分を変える必要はありません。
 
大切なのは、本当の自分を理解して、ありのままを受け入れることです。
 
しかし、本当の自分を理解したり受け入れたりするには、時間がかかることもあるでしょう。
 
特に他者と距離が近い学校生活のなかでは、どうしても他者と自分を比べてしまいがちです。
 
その場合は、ゆっくりと時間や距離をとれる環境に身を置くことも、自己理解を深める方法のひとつといえます。
 
他者と距離を置きながら時間をたっぷり使える環境として、通信制高校があります。
 
通信制高校はオンライン授業や自宅学習を中心に単位を修得し、高校卒業資格の取得を目指す高校です。
 
全日制高校とは違って登校日数が少ないため、ほかの生徒と顔を合わせる機会がなく、他者の目を気にせず自分と向き合うことが可能です。
 
明聖高校も千葉県に本校を置く通信制高校で、WEBコースの年間登校日数は3〜4日程度です。
自由に時間割を組んで、マイペースで過ごせる環境なので、他者との関係のなかで生じやすいストレスを抑えられるでしょう。
 
特に、HSP/HSCのように「他者の目を気にしすぎる」「親や先生の期待に応えようとしすぎる」という人がのびのび過ごせる環境だといえます。
 
気になる人は、ぜひ一度学校説明会・相談会にお越しください。
 
なお、以下の記事では生きづらさを感じている人に向けて自分らしく生きるためのヒントを紹介していますので、あわせてご覧ください。
 
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