学校が嫌いな人は、毎朝「今日も学校か…」「早く休みにならないかな…」など辛い気持ちになっているのではないでしょうか。学校が嫌いで、不登校になりかけている人もいるかもしれません。
実は、学校嫌いな人はたくさんいて、自分なりに気持ちを和らげながら学校に通っている人たちもいます。今回は、学校嫌いになる理由と気持ちを和らげる対処法を紹介します。学校が嫌いで仕方ない人たちは、参考にしてみてください。

1. 学校が嫌いな人が増えている?学校が楽しくない人の割合

学校嫌いな人は、学校が楽しくないと思っている可能性があります。

令和6年度に実施された「全国学力・学習状況調査」では、小学校において「学校に行くのは楽しいと思いますか」という問に対して、あてはまらないと答えた人の割合(※)がやや増加傾向にあります。中学校は、横ばいの推移です。

※ 「どちらかといえば、当てはまらない」または「当てはまらない」と回答した人の割合の合計

出典:令和6年度 全国学力・学習状況調査 報告書・調査結果資料|2.質問調査の結果|国立教育政策研究所

学校が楽しくない人が学校を嫌いだと仮定した場合、学校が嫌いな人は15%前後いることになります。ただし、楽しくないからといって、みんなが学校を嫌いなわけではありません。そのため、あくまで参考程度に留めてください。

2. 学校が嫌いになる主な理由7選

学校が嫌いになる主な理由をお伝えします。自分に当てはまるかどうか、考えながら読んでみてください。

2.1. 苦手な勉強がある

苦手な勉強がある人は、授業時間や宿題が苦痛に感じて、学校が嫌いになることがあります。苦手な勉強がある人の特徴は、次のとおりです。

  • ● 特定の科目で内容が理解できず不安になる
  • ● 質問するのが苦手で、疑問を解決できない
  • ● 得意科目との落差が激しく、苦手科目は楽しくない
  • ● 授業に集中できず、学校にいる時間が長く感じる
  • ● 得意科目がなく、勉強全般に苦手意識がある

授業を聞いていても内容がわからないと、学校で過ごす時間の大半がおもしろくないでしょう。授業がわからない自分に対して「なんてダメなんだろう」と思い、自己肯定感が下がってしまうこともあります。

2.2. 友達関係がうまくいかない

学校での友達関係がうまくいかない人は、休み時間や放課後が楽しめず、学校嫌いになる可能性があります。友達関係がうまくいかない人の特徴は、次のとおりです。

  • ● コミュニケーションが苦手で、会話が続かない
  • ● 本音を話すのが苦手で、心を開けない
  • ● 小さな誤解や批判を怖がり、すぐに傷つく
  • ● 深い信頼関係を築くのが苦手
  • ● 孤立しがちで、新しい友達を作るのが難しい

無理に人間関係を築こうとすると、疲れてしまうおそれがあります。また、いじめや孤立を経験している人は、友達作りに対して慎重にならざるを得ません。大勢の同年代と過ごす学校だからこそ、友達関係がうまくいかないと、ストレスが大きくなっていくのです。

2.3. 先生との関係がよくない

学校の先生との関係がよくない人は、先生の顔色をうかがいながら過ごすようになり、学校が嫌いになる可能性があります。先生との関係がよくない人の特徴は、次のとおりです。

  • ● 先生の指導やアドバイスが合わず、不信感や反感を抱いている
  • ● 先生との会話がぎこちなく、気まずさが感じられる
  • ● 先生の助言を受け入れられない
  • ● 先生から怒られることが多い
  • ● 先生から発言を否定されたり、話を聞いてもらえない

厳しすぎる指導や理不尽な対応が続くと、先生を信じられなくなります。先生のなかには、特定の児童生徒に対して厳しくしてしまう人もいるので、対象になると学校が嫌いになってもおかしくはありません。

2.4. 給食に苦手意識がある

給食がおいしくない、給食時間が苦痛に感じる人は、学校が嫌いになることがあります。給食に苦手意識を感じる人の特徴は、次のとおりです。

  • ● 給食の味や見た目に不満があり、食欲が湧かない
  • ● 味覚過敏で、食べ物の好き嫌いが多い
  • ● 給食時間が短く、食べきれない
  • ● 食後に体調不良や眠気を感じやすく、苦痛に思える
  • ● 人前での食事に苦手意識がある

実際に、給食時間が苦痛だという理由で不登校になる児童生徒もいます。給食に対する苦手意識が大きくなると、学校嫌いが強まるおそれがあります。

2.5. 学校のイベントが好きじゃない

運動会や文化祭、学習発表会などのイベントが好きではない人は、時期が来ると学校が嫌いな気持ちが強くなります。学校のイベントが好きではない人の特徴は、次のとおりです。

  • ● 自由な意見や個性が尊重されず、押し付けがましいと感じる
  • ● たくさんの人が集まるため、混雑や騒音でストレスを感じる
  • ● たくさんの人の前で発表することに苦手意識がある
  • ● 内容が自分の興味や価値観と合わず、楽しくない
  • ● イベント特有のトラブルが起こると、居心地が悪いと感じる

学校は集団生活なので、よりよい生活を送るために力を合わせなければならないときがあります。しかし、自分のペースで過ごしたい人にとっては、苦痛の原因となるのです。

2.6. 学校のルールに納得できない

学校のルールに納得できない、またルールを守る意味がわからない人は、学校が嫌いになる可能性があります。学校のルールに納得できない人の特徴は、次のとおりです。

  • ● ルールが一方的に決められており、自分の意見が反映されないと感じる
  • ● ルールの背景や根拠がわからず、疑問を感じる
  • ● 自由や個性が抑制され、自己表現が制限されると感じる
  • ● 不公平さや矛盾を感じる
  • ● 厳しすぎて、学校生活が窮屈に感じられる

学校のルールは、みんなで気持ちよく生活をするために必要ですが、なかには昔に作られたルールが残っており、今の時代には合っていないものもあります。児童生徒の声でルールを変えられる学校ばかりではないため、理不尽さを感じることもあるでしょう。

2.7. 集団行動になじめない

決められた時間割や集団行動によって、自分のペースが乱されると辛い人は、学校嫌いになる可能性があります。集団生活・行動になじめない人の特徴は、次のとおりです。

  • ● 自分のペースやルールを重視する
  • ● 他人の意見や行動に合わせるのが難しい
  • ● 集団内でのコミュニケーションにストレスを感じる
  • ● 自分の時間や空間を大切にし、一人の時間を好む
  • ● グループ活動での無理な協調や妥協に苦手意識がある

集団生活・行動が強いられる学校は、自由度が低く、自分のペースを乱されてしまいます。はっきりと自分のリズムが決まっている人にとって、集団生活・行動そのものが苦痛なのです。

3. 学校が嫌いな気持ちを和らげる対処法

学校が嫌いでも、基本的には学校に通い続けることになります。少しでも嫌な気持ちを和らげられるように、3つの対処法を紹介するので、参考にしてみてください。

3.1. 自分の気持ちを見つめ直してみよう

学校の好きな部分、嫌いな部分を書き出して、自分の気持ちを見つめ直してみましょう。書き出してみると、学校のすべてが嫌いなわけではないことに気付けるはずです。

好きな部分に集中すると、学校が嫌いという気持ちが和らぐ可能性があります。例えば、数学が苦手で学校嫌いな一方で給食が好きな人は、毎朝給食の献立を見て気持ちを高めてから登校するなど、なるべく苦手な部分を見ずに生活してみてください。

数学の時間になっても「給食楽しみだな」と考えて、「数学なんてやりたくない」という考えを上書きすると、楽しみなことだけに集中できるようになります。

3.2. 学校が嫌いな原因を見つけて解決策を考えてみよう

学校が嫌いな原因を特定して解決すると、学校が嫌いではなくなる可能性があります。

例えば、特定のクラスメイトと関係が悪くて学校が嫌いという場合、保健室登校に切り替えると、学校が楽しくなることがあります。

自分で解決策を見つけられないときは、信頼できる人に相談して、アドバイスをもらいましょう。自力では解決できないことも多いですが、解決できそうな問題に立ち向かうと、快適な学校生活を送れる可能性が高まります。

3.3. 学校以外の選択肢を考えてみよう

学校が嫌いだと、行きたくない人も多いはずです。そのような人は、次のように学校以外の選択肢も考えてみましょう。

  • ● 家でオンライン学習や通信教育を通じて学ぶ
  • ● 家庭教師や塾を中心に学ぶ
  • ● 習い事に集中する
  • ● フリースクールに切り替える

最近は、学校以外でも勉強する方法がたくさんあるので、無理に学校になじもうとせず、別の選択肢で将来の幅を広げることが可能です。

4. 学校が嫌いでも大丈夫!有名人から学ぶ乗り越えるコツ

詩人の谷川俊太郎さんは、学校が嫌いだった有名人の1人です。中学校へ上がってから、本格的に学校が嫌いになったといいます。

谷川さんが学生だったときは、戦争の時代で、学校では軍事訓練をおこなっていました。戦争が終わってからも、軍事的な教育は続き、体罰をする先生もいたそうです。

学校の勉強はわかりにくいし、楽しいわけでもないという状況で、今でいう不登校のような状態になりました。1人で行動するほうが好きで、集団行動が苦手だとわかってきたためです。

ちょうどその頃、生涯の仕事にもなる詩を、遊び半分で書きはじめたといいます。

谷川さんは、当時通っていた学校から定時制(当時は夜間部)に通うようになりました。環境を変える選択をしたのです。定時制では、いろいろな事情を抱える人たちが集まっていて、その人たちから学ぶことも多かったようです。

そうしたなか、自分のペースで歩みながら詩を書き続け、多くの人たちを魅了する詩人となりました。

谷川さんのように、学校に違和感を覚えて行かなくなる児童生徒がいます。不登校中は、じっくりと自分に向き合えるため、自分の考えが明確になったり新しい趣味が見つかったりします。環境を変えることで、元いた場所では得られなかったことを学びとれることもあるのです。

保護者の方にとって、お子さんを休ませたり環境を変えたりすることは、負担や心配が大きいはずです。しかし、今のお子さんの状態と向き合ったとき、同じ環境に置くことがよいかどうかは、考えてみてください。

参考:言葉で世界の模型を作るように。詩を深く知る確信犯。谷川俊太郎|BRUTUS

以下の記事でも、不登校だった偉人・有名人のエピソードを紹介しているので、あわせてご覧ください。

関連記事:あの人も不登校だった!偉人・有名人のエピソードから学べること|通信高校生ブログ|明聖高等学校

5. 学校嫌いでもマイペースに勉強できる!通信制高校とは

通信制高校は、自宅学習やオンライン授業などの通信教育を通じて必要な単位を修得し、高校卒業資格の取得を目指せる高校です。全日制高校よりも登校日数が少ないコースがあり、学校嫌いでもマイペースに学べます。

通信制高校である明聖高校のWEBコースは、年に3〜4日程度の登校で済むため、負担を抑えて学校生活を送れます。また、サイバー学習国というオンラインの学校で先生や友達と交流でき、孤独にならずに過ごすことが可能です。

学校が嫌いでも将来のために勉強を続けたいのであれば、ぜひ一度学校を見に来てみてください。

学校説明会・相談会|明聖高等学校