ネット高校は、自宅でのインターネット学習をメインに高卒資格取得を目指せることで注目を集めています。とはいえ、これまでも自宅学習を中心に学べる高校として「通信制高校」という形がありました。ネット高校と通信制高校にはどのような違いがあるのでしょうか。比較して解説していきます。

1.通信制高校ってどんな学校?

通信制高校は、レポートやテストなどを通して主に自宅で学習し、高卒資格を取得できる学校です。実際に通学する「スクーリング」は年に数日程度で、自身のライフスタイルに合わせて勉強を進められるため、高校を一度中退したあとに学び直している人、働きながら高卒資格取得を目指す人、不登校の経験がある人など、さまざまな人が在籍しています。

通信制高校についての詳細は、こちらのページもご覧ください。
千葉本校-通信コース|通信制高校(千葉・中野)|明聖高等学校

1.自身のペースで学習できるのが大きなメリット

通信制高校の最大のメリットは、自分のペースで勉強できることです。曜日や時間に縛られないため、スポーツや芸能活動などに取り組みたい、留学しながら日本の高卒資格を取りたい、仕事や家庭と両立したいなどのさまざまな事情に対応することができます。
また不登校の経験がある人や、集団生活が苦手という人でも、限られた通学だけで単位を修得できるので安心して勉強に集中できます。多くの通信制高校には、メンタル面のサポートを担当する先生が在籍していることも一般的な学校にはないメリットだといえるでしょう。

明聖高校では、実際にプロ選手として活躍しながら高卒資格を取得した卒業生もいます。
詳細はこちらのページをご覧ください。
サーフィン部特集|通信制高校(千葉・中野)|明聖高等学校

2.自主性を求められるのがデメリット

通信制高校は、自由なペースで学習に取り組むことができる反面、自身でのスケジュール管理や目標設定が求められる、というデメリットがあります。全日制高校のように毎日通学して授業を受けることがないため、生活のなかでどのように勉強の時間を確保するかが重要なカギになります。強制力が弱い分、自分を律して学習に取り組まなければならず、全日制高校に通うよりも、さらに勉強に対する自主性が求められるといえるでしょう。

2.ネット高校は通信制高校のひとつ!共通の仕組みを確認しよう

ネット高校は、実は通信制高校の一形態です。言い換えれば、通信制高校のなかに、ネット高校が含まれているということになります。法律で定められている高校には「全日制高校」「定時制高校」「通信制高校」の3種類しかありません。この「通信制高校」のうち、インターネット教材を中心に学習する仕組みを整えたものが「ネット高校」なのです。そのため、ネット高校と一般的な通信制高校には次のような共通点があります。

1.卒業の条件は全日制高校と同じ

ネット高校を含む通信制高校の卒業条件は、以下のとおりです。

  • ・3年以上高校に在籍する。
  • ・卒業までに74単位(必履修科目を含む)を修得する。
  • ・卒業までに30単位時間以上の特別活動*に出席する。

*特別活動:ホームルーム活動や学校行事など

ネット高校を含む通信制高校は、一般的な全日制高校と比べて、学習スタイルや卒業までの仕組みにさまざまな違いがあります。しかし、ネット高校など通信制高校の卒業資格は、法律上、全日制高校とまったく変わりません。したがって、「ネット高校のほうが少ない勉強量で卒業できる」「ネット高校なら、新入学から3年もかけずに卒業できる」といったことはありません。文部科学省が告示している学習指導要領でも、高校の種類によって学習量や学習時間、学習内容に差が出ないよう定められています。誰でも自分に合った学習方法で高卒資格を得られる仕組みのひとつとして、ネット高校や通信制高校があるのです。

2.単位認定の仕組み(レポート提出、スクーリング、単位認定試験)

多くの通信制高校は「単位制」という仕組みを採っているため、一般的な学年制の全日制高校のように「3年間在籍してさえいれば、ほぼ自動的に単位を取れて卒業できる」というわけではありません。卒業条件のひとつである単位は、年に1~2回おこなわれる単位認定試験に合格することで修得できます。
この単位認定試験には受験資格があり、試験までに次の要件をクリアする必要があります。

  • ・科目ごとに定められた規定通数のレポートを締め切りまでに提出する。
  • ・科目ごとに定められた規定時数のスクーリングに出席する。

レポートは、ネット高校も従来の通信制高校も、論述形式ではなく、教科書などを見ながら取り組める問題形式であることが多くなっています。スクーリングでは、学校または定められたスクーリング会場に登校し、対面授業や個別指導を受けます。

3.入学(転編入含む)のチャンスが多い

一般的な全日制高校では、新入学や編入学(高校を中途退学した人が別の高校に入り直すこと)のタイミングは、原則年に1回・4月のみです。転入学も、学期の変わり目など、限られたチャンスでしかできません。これに対して、ネット高校をはじめとする通信制高校では、転入学・編入学を含む入学のチャンスが多めに設定されています。

例えば明聖高校では、毎月1回(5月~翌1月)転入学試験を実施しています。転入年次に制限のある学校もありますが、明聖高校では高校1年生はもちろん、高校2年生の転入学も受け付けており、高校3年生も7月まで転入学が可能です。

転入学について、詳しくはこちらもご覧ください。
通信制高校への転入学は高2でも大丈夫?学年別の注意点や手続きも解説 | 通信高校生ブログ

4.入試の負担が比較的軽い

ネット高校を含む通信制高校の入試は、一般的な全日制高校のものより負担が少ない傾向にあります。特に、明聖高校などの私立通信制高校では、入試に学科試験がないケースも珍しくありません。その場合は、出願書類や作文、面接などで合否が判定されます。

3.ネット高校と通信制高校はこう違う!登校頻度の少なさには理由も

では通信制高校の一つであるネット高校は、一般的な通信制高校と具体的にどう違うのでしょうか。2つを比較しながら、ネット高校ならではの特徴をご紹介しましょう。

1.インターネット教材を使って学習する(自主学習、レポート提出)

ネット高校ではインターネット教材を中心に学習を進めるのが特徴です。主に紙の教材で学習するこれまでの通信制高校と異なり、タブレットやスマートフォンなど、より自由なスタイルで学習できるようになっています。

明聖高校のWEBコースの例を挙げると、学習はインターネット上の動画授業と、授業内容の確認問題「サイバーチェック」に取り組んで進めていきます。また、レポートの作成・提出もインターネット上で完結させることが可能です。

2.登校頻度(スクーリング時数)がより少ない

一般的な通信制高校のスクーリング時数は、年間20日程度となっています。これに対して、ネット高校では、年数日程度しか登校しなくてもいいケースも少なくありません。明聖高校WEBコースも、登校スクーリングは年4~6日程度となっています。

これは、通信制高校の標準的な登校スクーリングの時間の一部を、インターネット学習で置き換えていることが理由です。動画授業など、ネット高校のインターネット教材は、一般的な高校の対面授業に近い学習ができると認められているのです。

ただし、すべてのスクーリング時数をインターネットなどのメディア学習で置き換えることはできない決まりがあるため(高等学校学習指導要領)、登校スクーリングが0日というネット高校はありません。

3.インターネット上で先生や友達と日々交流できる

一般的な通信制高校は登校頻度がネット高校より多く、先生や友達とリアルに顔を合わせる機会も数日~数週間に1回あります。

一方、ネット高校では、友達や先生と直接会える機会はそれほど多くありません。ただし、ネット上で日々交流できる仕組みが整っているネット高校は多数あります。例えば、明聖高校WEBコースの学習コンテンツ「サイバー学習国」では、掲示板やアバターによるチャットを通じて、生徒同士で日常的に交流することが可能です。

4.先生が生徒の状況を適宜把握してくれる

ネット高校はスクーリング時数が少ないため、「一般的な通信制高校以上に先生の目が届きにくく、挫折する人が特に多いのでは?」と感じる人もいるかもしれません。しかし、実際には、メールや電話など通常のサポート体制に加え、先生が生徒一人一人の学習状況を、インターネットを通じて把握してくれているネット高校もあります。ログイン状況や学習コンテンツの取り組み状況をもとに、生徒のつまずきを未然に防げるのは、ネット高校ならではの強みだといえるでしょう。

4.ネット高校ならではの魅力を紹介!明聖高校のサイバー学習国とは?

明聖高校のWebコースには「サイバー学習国」という、楽しく学べるコンテンツを用意しています。ここでは、年に4~6日のスクーリングをおこなうほか、動画授業を受けて都度サイバーチェックに回答する形で日々の学習を進めます。

自身のアバターを作って、Web上のチャットやコミュニティを通じて先生や他の生徒とやり取りが可能で、サイバー学習国のなかで、バーチャル文化祭を楽しむこともできます。自宅学習ながら、学校の仲間とのコミュニケーションを深められるのはネット高校ならではの魅力だといえるでしょう。

サイバー学習国について、詳しくは以下のページをご覧ください。
サイバー学習国 | 明聖高等学校WEBコース