小学校ではプログラミング教育が必修化され、中学校、高校もこれから順次必修化されます(※2021年3月現在)。とはいえ、急にプログラミングといわれても「プログラミング教育ってどういうもの?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。また、プログラミング教育が社会に出てからどう役立つのかも気になるところです。
今回は、プログラミングが活かせる職業やプログラミング教育が進められている背景、高校でのプログラミング教育の内容などをご紹介していきます。

プログラミング能力を活かした職業って何があるの?

・ゲーム開発をするプログラマー

ゲーム制作に関するプログラマーです。任天堂のような会社に勤める人もいれば、個人で業務委託の仕事をしている人もいるため働き方も多様です。
仕様どおりにゲームが動作するようプログラミングをおこないます。キャラクターを動かしたり、サウンドを付けたり、内容は企画によってさまざまです。
ゲーム制作に関わるプログラマーの平均年収は551万円となっています。ただし、200万円以下の人や1000万円以上の人もいるため、かなり幅があることがわかります。
(※参考元:ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査2019 一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会)

・製品を動かす仕組みをつくる組み込み系プログラマー

家電製品や電子機器などを扱うプログラマーです。洗濯機やエアコンのような身の回りのものから、スマートフォンやパソコンなどの精密機器まで扱います。デバイスに合わせたシステムやソフトウェアの設計・開発などをおこないます。
例えば、家電を安全に制御するプログラムなど、製品が正常に動作するためのプログラミングをおこないます。
平均年収は455万円です。スキルや経験、所属する企業などによってもバラつきがあります。
(※参考元:システムエンジニア(制御・組み込み)|職種別平均年収ランキング【2020年版】│求人・転職エージェントはマイナビエージェント)

・仕事の効率を上げるシステム開発プログラマー

UNIXやWindowsをベースとした環境で、外部装置やソフトウェアを用いて、仕事をしやすくするためのシステムを開発します。例えば、顧客管理のためのデータベースや会計用システムなどです。
汎用性の高いプログラム言語を扱うため、ジャンルの違うプログラマーに転身しやすい面もあります。
平均年収は400万円で、年齢によってある程度年収が上がる傾向があるようです。
(※参考元:プログラマ(オープン系・Web系)の年収まとめ (給料/平均年収/企業名などを集計) | 転職会議)

プログラマーは複数人で協力して進めていく仕事

いくつかの職業を紹介しましたが、個人で完結する仕事があまりない点は共通しています。プログラマーは基本的には複数人で協力して進める仕事です。開発に適した技術を選ぶ人や開発を進める制作チームなど、関わるプログラマーの役割もそれぞれ違う場合がほとんどです。
また、ここまで紹介した職業は代表的なものであって、他にもプログラマーが必要とされる職場は多く存在します。現代社会では、ITの力を借りない仕事のほうが少数といっても過言ではありません。社会の情報化が進み、仕事とITスキルを切り離すのは難しくなってきました。今後、プログラミングやITスキルが役立つ機会はさらに増えていくでしょう。

小学校ではプログラミング教育がスタート!高校からでも間に合う?

プログラミング教育が重視される背景

2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化されました。その背景には、日本のIT人材不足があります。現在はIT力が国の競争力に大きな影響を与えるといわれています。ヨーロッパでは、すでにIT力が基礎教養の一つとして認識されているほどです。
しかし、日本ではIT人材がまだまだ足りておらず供給が間に合っていません。今後の社会ではより一層IT力が求められると予測されるため、プログラミング教育の必修化が実現されました。

プログラミングは高校から学び始めても大丈夫!

小学生のプログラミング教育必修化は2020年度におこなわれましたが、中学生は2021年度、高校は2022年度から開始予定となっています。今の小学生はすぐにプログラミングに触れることができ、中学校、高校と段階を経て学ぶことができます。
しかし、現在の中学生や高校生は小学校6年間分の教育を受けられません。なかには「急にプログラミングを始めて間に合うの?」と思う方もいるでしょう。結論からいえば、高校からプログラミングを勉強しても十分間に合います。
現在プログラマーの仕事をしている人のなかには、就職してから初めて研修を受け、プログラミングを学んだ方もいます。また、転職の際に独学で身に付けたり、専門学校に通って身に付けたりすることも多いですが、いずれにしても小学生の頃からプログラミングに触れていたわけではありません。
また、現状はIT人材が慢性的に不足し、ITスキルを持っている人に対する需要も高い状態です。プログラミングに必要なアルゴリズムなどを理解するのは、実はそれほど時間はかかりません。プログラミングを高校から体系的に学ぶことができれば、十分に身に付けることが可能です。

実際に高校で学ぶプログラミング教育の内容は?

問題解決にプログラミングを活用する方法を学ぶ

必修科目では、問題解決にコンピュータや外部装置を活用する方法を学びます。また、プログラミングによって、コンピュータやネットワークの機能を使うスキルを身に付けます。シミュレーションなどの手段を目的に応じて使用できるようになるのがねらいです。

データサイエンスを学ぶことでより実践的な力を養う

選択科目ではデータサイエンスを学ぶことで、より実践的な力を養っていきます。
データサイエンスは、データを扱う総合的な学問分野です。データをもとに、統計などを使って問題の解決を試みます。機械学習などのAI技術もこの分野と関連しています。産業面での活用や研究などへの応用も期待されている分野です。

高校で今後の情報社会を支える知識・技術を幅広く身につける

プログラミングの必修化からもわかるように、日本政府は社会の発展のためにITスキルの修得が急務だと考えています。
プログラミングに興味があるなら学んでおいて損はありません。すでにプログラミングに触れている人は、必修化によって体系的に学ぶことができます。いずれにしても、今後の社会ではITスキルを求められる機会は増えていきます。

明聖高校にはプログラミングを学べるユニークなコースも

高校でのプログラミング教育必修化は2022年度からですが、明聖高校には今すぐプログラミングを学べる「全日ITコース」があります。1年次はパソコンの基本操作から学べるため、パソコンに詳しくない人でも大丈夫です。
基礎的な技術を身に付けたあとは、ゲーム制作やロボット実習などを通して楽しみながらプログラミングを学びます。2年次以降はAIや映像、デザイン分野など、より幅広く学ぶことができるため、プログラミングに興味がある・ゲームを制作したい・アプリ開発をやってみたい方におすすめです。