通信制高校にせっかく入学しても「思っていたものと違った」「別の高校にすればよかった」と後悔してしまう人は少なくありません。実際に、ある調査では「これまでに学校をやめたいと思ったことがある」と答えた通信制高校の生徒が約40%に上りました(「定時制・通信制生徒の意識と生活実態調査のまとめ」日本高等学校教職員組合定通部)。
特に通信制高校は、学校ごとに特色が大きく異なり、また遠方からも通える広域通信制高校も含めると選択肢が多くなってしまうことから、比較検討が難しいという背景もあります。ここでは、上記の調査結果で「通信制高校をやめたいと思ったことがある理由」として実際に挙げられている声をもとに、後悔しない通信制高校の選び方について解説していきましょう。

「通信制高校選びで後悔した!」その理由は?

通信制高校をやめたいとまで思ってしまう、その後悔の理由はさまざまです。

【後悔した理由1】家や職場から遠くて通いにくい

全日制高校と比べると、通信制高校は通学の便をさほど気にする必要がないと思われがちです。しかし、学校が家や職場から遠くて通いにくいと通学が続け辛くなります。
 
通信制高校は教材で学習しながらレポートを提出するという、いわゆる通信教育やオンライン教育をメインとしています。この学習方法は、時間や場所を問わず学べることがメリットです。しかし、まったく学校へ行かなくてよいというわけではありません。通信制高校では、年に数回~数十回程度の「スクーリング(通学)」が必要になります。スクーリングでは、単位認定試験や学校行事など学校によってさまざまなことがおこなわれ、単位として認定されます。
 
もし、学校が通いにくい場所にあると、気持ちが前向きでなくなり、いずれ通学ができなくなるかもしれません。特に不登校の経験があれば、心理的な理由も含めてなおさら通いにくくなってしまうでしょう。また、働きながら学校に通う場合、スクーリングのために職場から学校まで行くケースも考えられます。職場から学校までの距離が遠ければ、仕事の疲れも相まって、学校に行く気力がなくなる可能性は否めません。

【後悔した理由2】部活動やイベントがなく高校生活を楽しめない

勉強以外の部活動やイベントも、学校生活の醍醐味です。全日制高校と比べると、通信制高校はイベントの数が少ない傾向にあります。ただ、通信制高校でも体育祭や文化祭、修学旅行などの学校行事や、部活動がおこなわれています。
学校行事や部活動が充実していると、生徒同士の交流も活発になり、高校生活がよりよいものになっていくでしょう。もし、生徒自身が部活動やイベントに期待していたにもかかわらず、入りたい部活動がなかったり行事が少なかったりすると、高校生活を楽しむ機会が少なくなってしまいます。

【後悔した理由3】自分の悩みを相談できない

全日制高校と比べると、通信制高校は生徒同士の交流が少ない傾向にあるため、誰かに悩みを相談するのが難しいケースがあるかもしれません。

  • ・夢や目標が決まらず学習へのモチベーションが上がらない
  • ・規則正しい生活を送れない
  • ・心身の不調で学習ができない
  • ・スクーリングや学校行事で生徒や先生と交流できず、孤立している
  • ・働きながら学校に通っていても学習効率が上がらない
  • ・生活が苦しくなって辞めざるを得ない

こういった悩みを気兼ねなく相談できる人がおらず、一人で抱え込んでしまうと、学校に行くことを苦痛に感じるようになってしまいます。

【後悔した理由4】学習が難しすぎてついていけない・計画的に学習できない

通信制高校での学習は、基本的に一人でおこないます。ただ、学習でつまずいたときに自分だけの力で解決するのが難しい場合もあるでしょう。
 
また、基本的には自分で学習のスケジュールを立て、自分のペースで進めることになります。学習サポートはあるものの、計画通りに進められるかどうかは自分次第です。学習へのモチベーションが上がらなくて課題をこなせなくても責められませんが、一方で課題が終わらずあとで困ってしまっても自分の責任です。自分をコントロールできない人にとっては、通信制高校に手厚いサポートがないと、高校生活を続けられないかもしれません。なかには学習が進まないことを理由に通信制高校を辞めるケースもあります。
 
このように通信制高校で後悔をしないためには、入学前の学校選びが重要です。ここからは、学校選びでチェックすべき4つのポイントを紹介していきます。

【後悔しない選び方1】仕事と両立できるようスクーリング回数や立地をチェック

仕事をしていると疲れて学習できなかったり、仕事とスクーリングのスケジュール調整が難しかったりして、「通信制高校で学習を続けることは難しい」と後悔してしまうことがあります。
 
調査によると、通信制高校の生徒のうち、就業している人は約3割にも上ります(「高等学校定時制課程・通信制課程の在り方に関する調査研究」)。現時点で通信制高校への進学を検討している人のなかにも、入学後に働きたいと考えている人や、すでに就業している人がいるのではないでしょうか。
 
週数日程度のアルバイトや、毎日数時間程度のパートであれば、学業と両立しやすいかもしれませんが、フルタイムで働いていたり、学費や生活費をすべて自分で稼いだりしている場合は、相応の体力と職場の理解が必要になります。まずは、働きながら通信制高校に通えるかどうか、自身の体力や仕事、ライフスタイルなどの現状を今一度見直すことが大切です。
 
また、学校によっても両立のしやすさは変わってくるため、特にスクーリングするキャンパス・施設と職場の距離や、スクーリング回数などに注目して、自分のライフスタイルに合った通信制高校を選びましょう。
参考:高等学校定時制課程・通信制課程の在り方に関する調査研究

【後悔しない選び方2】友だちや先生と交流を深めたい人は部活動や学校行事にも注目

全日制高校から通信制高校へ転入した場合には、友人関係や先生との距離、学校行事や部活動などコミュニケーションの機会に不満を感じて、後悔することがあるようです。登校日数が少なく、登校しても一定のクラスがなかったり、行事が少なかったりするため、同年代の友だちや先生と交流を深めたいと思う人には物足りなく感じることもあるかもしれません。
 
生徒や先生とコミュニケーションのきっかけを持てる課外活動を重視する人は、事前にどのような学校行事があり、どのように交流できるのかを調べて、通信制高校を選ぶことが大切です。最近では、通信制高校でも部活動に取り組めたり、ボランティアなどの体験活動が充実していたりするケースも多く見られるようになってきています。
 
明聖高校は学校行事が充実している通信制高校です。例年6月に、2年生は森林キャンプにてレクリエーションをする「キャンプ研修」をおこないます。3年生は、ハワイ現地での見学や体験をおこなう「海外研修」をおこないます。
ほかにも9月には明聖祭や球技大会、2月には「北海道研修」というように、行事が充実しています。
ボランティア活動も活発で、老人ホームなどの施設でのボランティアや地域清掃などもおこなっています。
 
行事の様子についてもっと知りたい方は下記ページをご参照ください。
千葉本校|明聖高等学校(千葉・中野の総合通信制高校)
 
またWEBコースでは「サイバー学習国」にて、体育祭や文化祭、入学式、卒業式がおこなわれます。文化祭で限定のゲームができたりするなど、WEBコースだからできる企画が満載です。
 
バーチャルスクールがどのようなものか、イメージをつかみたい方は下記のページをご参照ください。
WEBコース|明聖高等学校(千葉・中野の総合通信制高校)

【後悔しない選び方3】カウンセラーの有無など人間関係の悩みを相談できる環境を重視

3つ目の理由と関連して、人間関係の悩みから学校の選択を後悔する通信制高校の生徒も多く見られます。通信制高校はコミュニケーションに苦手意識のある人も多く集まるので、特に人間関係の悩みが生じやすい側面もあるかもしれません。
 
人間関係に不安がある場合は、困ったときに相談できる環境が整っているかをチェックして、通信制高校を選ぶと安心です。学校にカウンセラーが常駐していたり、全教員にカウンセリング講習を義務付けていたりする通信制高校を検討するとよいでしょう。
 
明聖高校では、生徒一人ひとりに合ったケアを実施しています。教員は「カウンセリング」や「メンタルヘルス」などの専門研修を受講し、資格を所持しています。校内のカウンセラーに相談することも可能です。さまざまな理由で登校できない生徒には、最初は登校日数や登校時間を教員と相談しながら決めて、3年かけてゆっくり対応します。
 
その他明聖高校が取り組んでいるサポート体制については、下記をご参照ください。
不登校生徒へのサポート体制|明聖高等学校(千葉・中野の総合通信制高校)

【後悔しない選び方4】学習サポート体制の整った高校ならレポート作成も安心

通信制高校を卒業するためにはレポート提出が必須です。レポートは基本的にはあまり難易度の高くないものですが、自分で教科書や副教材を読み、理解して取り組まなければならないことが多いので、中学までの基礎学力に不安のある人は難しく感じることも多いかもしれません。また、スクーリング回数の少ない通信制高校ほど、授業で先生に解説してもらえる機会が少ないため、自学自習の側面が大きくなります。一人で学習することの負担と不安が大きくなると、通信制高校を選んだことに後悔してしまうこともあるでしょう。
 
レポート作成や基礎学力に不安がある場合には、学習サポート体制が整っている通信制高校がおすすめです。例えば、動画授業を視聴できたり、電話やメール、チャットなどで気軽に先生に質問ができたり、中学までの内容の復習にも力を入れていたりする通信制高校をチェックしてみましょう。また、一人でレポートに取り組むのが苦手な人は、スクーリング回数が多めの通信制高校のほうが無理なく学習を進めます。