不登校になってしまうと、「自分だけがダメなのかな」と自信を失ってしまうこともあるかもしれません。ですが、世の中には皆さんと同じように、さまざまなきっかけで不登校になりながらも、それを克服した人たちがたくさんいます。
今回は、そうした先輩たちの体験談や全国的な調査結果から、「何が不登校のきっかけになっているのか」「不登校を経験した人たちは、それをどう乗り越えているか」についてご紹介しましょう。
人間関係、勉強の悩み……みんなが不登校になった原因・きっかけ
近年では、中学校において、30人のクラスに1人は不登校の生徒がいるというデータもあるほど、不登校を経験している人は多くなっています。
文部科学省に設置された「不登校生徒に関する追跡調査研究会」は、不登校を経験した人たちが、どのようなきっかけで登校できなくなったかについて、調査結果を公表しています。以下で詳しく見ていきましょう。
学校での人間関係(友人、先輩・後輩、先生)
学校での人間関係は、もっとも多いとされている不登校のきっかけです。特に、友人とのけんかや、学校でのいじめ、いやがらせは、不登校のきっかけの50%以上を占めています。
また、部活動の先輩・後輩や、先生との関係がうまくいかないことがきっかけになっているケースも、それぞれ20%以上と少なくありません。
勉強がわからない、おもしろくない
「授業がおもしろくない」「成績がよくない」「テストが嫌い」といった、勉強に関する事柄が不登校のきっかけになっているケースも、31%と大きな割合を占めています。
学校にいる時間のほとんどは授業時間ですから、その授業がつらくなると、どうしても学校から足が遠のいてしまうでしょう。「学校に行く意味がない」と考えて積極的に登校しなくなる人もいれば、「自分は勉強ができないダメな人間なんだ」という劣等感から登校できなくなってしまう人もいます。
学校やクラスになじめない
「入学や転校、進級したときに、学校・クラスの雰囲気になじめなかった」ということも、不登校のきっかけとして少なくありません(17%)。また、学校の厳しい校則に違和感や反感を抱いて、不登校になったという人もいます(10%)。
生活リズムの乱れ
学校に直接関係することだけでなく、家庭での生活に関係する事柄が不登校のきっかけになっている点も見逃せません。
なかでも目立つのが「生活リズムの乱れ」で、34%の人が不登校のきっかけになったと回答しています。特に、「睡眠不足で朝に起きられないために登校できなくなり、不登校の間にますます生活リズムが乱れてしまう」というのは、登校できなくなった多くの人が抱える悩みです。
生活リズムが乱れるきっかけはさまざまです。例えば、「部活動や塾通いで忙しく、学校の勉強と両立させようとすると、就寝時間が遅くなってしまった」「スマートフォンでゲームをしたり、SNSを見たりしていると、やめられずに睡眠不足になってしまった」といったケースが見られます。
また、本人による原因だけでなく、家族の生活環境の変化が原因になって生活リズムが乱れてしまうことも珍しくありません。
不登校を乗り越えるきっかけを通信制高校でつかんだ!明聖高校の生徒の体験談
さまざまなきっかけで不登校になってしまった人の多くは、「何とかして現状を変えたい」と思っています。一方で、なかなか解決の糸口をつかめずに悩むこともあるでしょう。そうした現状を変えるきっかけになるもののひとつが、通信制高校で学ぶという選択肢です。
ここでは、明聖高校での高校生活を通じて不登校を乗り越えた先輩たちの体験談をご紹介します。
Mさん(男性):先生が支えてくれて、勉強への意欲を取り戻せた!
Mさんは何事にも一生懸命取り組む性格で、中学校の頃は、授業、学校行事、部活動と、あらゆることに全力投球していました。そのためにクタクタになってしまうことも多く、やがてすべてに疲れ切って、不登校になってしまったといいます。
そこで高校では、自分のペースで高校卒業を目指す通信制高校に行くことを決め、学校説明会での雰囲気がよかった明聖高校を選びました。明聖高校では、担任の先生はもちろん、関わりのあったすべての先生がMさんに寄り添った対応をしてくれたといいます。Mさんは「がんばりすぎなくていいんだ」と安心したそうです。
そうしたなかで、Mさんは学習への意欲を取り戻し、自ら大学へ進学するという目標を立てて勉強するようになりました。そして大学に合格し、現在では毎日、充実した大学生活を送っているといいます。
Tさん(男性):さまざまな通信高校生と交流できて、視野が広がった!
Tさんは全日制高校に通っていましたが、クラスの雰囲気が合わず、不登校になってしまいました。ただ、学習を続けたいという気持ちはあったため、明聖高校に転入学を決めました。
通信制高校である明聖高校には、年齢も背景もさまざまな生徒たちが集まっており、とても刺激的だったといいます。友だちと相談し合ったり、励まし合ったりするなかで、閉じていた心が開かれていくのを感じたそうです。視野も広がり、進路についてさまざまな可能性を自分から探していけるようになったと話しています。
現在は自動車関連の企業に就職し、毎日意欲的に仕事に取り組めています。あきらめかけていた高校卒業資格を取得できたことが、自信につながっているそうです。
親は不登校になった子どもに何ができる?
不登校は、誰にでも起こりえることです。我が子が不登校になると多くの親は平常心ではいられないものですが、なるべく落ち着いて子どもの気持ちを受け入れましょう。
まず、子どもがなんでも話しやすい親になることが重要です。「親は味方になってくれそうだ」と感じれば、子ども自身から原因を話してくれることもあるでしょう。親から原因を問いただしたり、無理に悩みを聞き出したりせず、安心していられる環境を整えることが親の役割です。
なかには「不登校は甘え」という考え方から、子どもを無理に励ましたり指導したりするケースも見られますが、それが奏功することはほとんどありません。本人の力で前進できるようになるまで、粘り強く、寄り添う姿勢を貫きましょう。
親ができる不登校になった子どもへの対応について、詳しくは、以下のページもご覧ください。
不登校は甘えじゃない!親ができる不登校になった子どもへの4つの対応 | 通信高校生ブログ
学習機会の確保はどうすればいい?相談先は?
先述のとおり、不登校の原因の一つにあるのが、勉強の問題です。勉強したいのに学校に行けない、勉強の意欲はあるのに授業についていけないなど、自身の意思に反して学習の機会が失われている状態の生徒もいるでしょう。
文部科学省の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)(令和元年10月25日)」には「不登校児童生徒への支援は『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す必要がある」と記されています。
親は学校の授業に遅れないために無理に登校させるのではなく、子どもが無理なく勉強を進められるためのサポートをすることを心がけましょう。
不登校への支援について詳しくは、以下のページもご覧ください。
不登校への支援は何がある?最新の支援情報まとめ | 通信高校生ブログ
明聖高校のサポート体制
明聖高校では、不登校生徒の精神面や学力向上を万全の体制でサポートしています。カウンセリングやメンタルヘルスの専門資格を持った教員が生徒一人ひとりを見守ります。
さらに校内にはカウンセラーが常駐しているので、不安や悩みをいつでも相談できます。
登校にあたっては、最初は無理のない登校日数や登校時間を設定します。大人数でのクラスになじめるか不安な場合は「個別学習室」を活用して、少人数体制で授業を受けることも可能です。さらにWeb配信型の講座も充実しており、一人ひとりの適正に合わせた方法で無理なく高校生活をスタートできるようになっています。
不登校生徒へのサポート体制について、詳しくは以下のページもご覧ください。
不登校生徒へのサポート体制|明聖高等学校(千葉・中野の総合通信制高校)
まとめ
学校の人間関係の悩みや、学業不振、環境が合わないといった不登校のきっかけは、心の傷として残り、そのためになかなか登校できないこともあるかと思います。まずは、そうした心の傷をゆっくり治すことが大切です。そして、エネルギーを十分蓄えられたときに一歩踏み出せば、先生や友人、家族が助けてくれるでしょう。もし、その第一歩をどう踏み出していいかわからないというときは、通信制高校も力になってくれるはずですよ。
参考URL:
不登校は甘えじゃない!親ができる不登校になった子どもへの4つの対応 | 通信高校生ブログ
不登校への支援は何がある?最新の支援情報まとめ | 通信高校生ブログ
不登校生徒へのサポート体制|明聖高等学校(千葉・中野の総合通信制高校)
「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日:文部科学省
高等学校通信教育に関する調査結果について(文部科学省) 不登校に関する実態調査 平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書 不登校生徒に関する追跡調査研究会(文部科学省) [別窓]
高等学校通信教育に関する調査結果について(文部科学省) 平成 30 年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について(文部科学省) [別窓]
明聖高等学校は、千葉・中野にキャンパスを構える通信制高校です。全日コース・全日ITコース・通信コース・WEBコースに分かれており、一人ひとりに合わせた高校生活を過ごすことができます。