定時制高校は、全日制高校とは異なるタイムスケジュールで通える学校です。通信制高校と同様に、仕事や芸能、スポーツ活動など他にやるべきことがあり、学業と両立したい人が進学先として選んでいます。定時制高校と通信制高校は共通している点も多い一方で、いくつか違いもあります。この記事では、定時制高校について詳しく解説していきます。

定時制の高校とは?

定時制高校の発足の背景や現在の状況をご紹介します。

定時制高校は現在も働きながら通う人が多い

高等学校の定時制課程・通信制課程は、1948年(昭和23年)に発足されました。当時は、働く青少年が多くいた時代です。定時制・通信制課程は、教育の機会均等の理念に基づき、働く青少年に対して、高等学校の教育を受ける機会を広く与える、という目的のもとに発足されています。
 
定時制高校の学校数は、1953年度(昭和28年度)の3,188校をピークに減少し続け、2018年度(平成30年度)には639校となっています。定時制高校に通う生徒は、2019年度(令和元年度)の時点で81,935人(高等学校全体の2.4%)います。
 
近年では、働く青少年の割合は減少する傾向にあります。一方で、不登校や中途退学(中退)を経験した人、経済的な理由で学校に通えない人、特別な支援が必要な人など、さまざまな課題を抱えた人が定時制高校を選んでいます。
1982年度(昭和57年度)においては、定時制高校に通う生徒のうち、働く生徒の割合は82.7%、働いていない生徒の割合は17.3%でした。それが2018年度(平成28年度)においては、働く生徒の割合は49.2%、働いていない生徒の割合は50.8%と、働いていない生徒の割合のほうが上回っています。

時間帯は夜間・昼間・三部制

定時制高校は、全日制高校と違う時間帯に学校に通う方式が一般的です。その時間帯は、昼間、夜間というように、学校によって異なります。また、午前4時間、午後4時間、夜間4時間、というように3部制の時間を取っている学校もあります。

卒業にかかる年数

定時制高校の卒業資格は全日制高校と同じです。また、定時制高校の修業年限、すなわち卒業にかかる年数は3年以上となっています。定時制高校は1日の授業時間が短いため、4年間で卒業するのが一般的となっていますが、本人の努力次第では3年で卒業することも可能です。

定時制高校と通信制高校の違い

続いて、定時制高校と通信制高校の違いについてご紹介します。

定時制高校・通信制高校の主な違い

定時制高校と通信制高校の主な違いは次のとおりです。

  勉強をする場所 学習時間 卒業年数
定時制高校 学校 4時間程度 3~4年
通信制高校 学校、自宅 制限なし 3年(単位制のため留年の可能性もあり)

勉強をする場所

定時制高校は通学が基本となります。通信制高校は、通信教育やオンライン学習をおこない、レポートを提出するという形をとるカリキュラムもあるため、学校以外の自宅などの場所で学習をおこなうこともできます。

学習時間

定時制高校の学習時間は1日4時間程度です。通信制高校の場合は制限がなく、自分のペースで学習を進めることができます。

卒業年数

定時制高校は1日の学習時間が短いため、卒業年数が3~4年となっています。通信制高校は3年で卒業できます。ただし、定時制高校も通信制高校も、単位を十分に取得できなければ留年してしまう可能性があります。

通信制高校では専門的なコースもある

定時制高校の学科には、普通科の他に専門学科(農業・工業・商業・情報・併合・産業)、総合学科などがあります。学校によっては、芸術や福祉の科目を充実させたり、少人数習熟度授業を実施したりといった特色も見られます。
 
一方の通信制高校は、専門的なコースが充実しているのが特徴です。例えば通信制高校である明聖高校では、情報系に特化したコース、デザインに特化したコースを用意しています。
 
千葉本校の全日ITコースでは、ITの基礎から実践的なプログラミングまで、幅広い知識を身につけることができます。
明聖高校の全日ITコースについて詳しく知りたい方は、以下のページをご参照ください。
全日ITコース|千葉本校|明聖高等学校
 
中野キャンパスの全日デザインコースでは、明聖高校独自のカリキュラムで、デジタルイラストの技法やキャラクターデザインなどを学ぶことができます。
全日デザインコースについて詳しく知りたい方は、以下のページをご参照ください。
全日デザインコース|中野キャンパス|明聖高等学校

定時制高校の学費・支援制度

続いて、定時制高校の学費や利用できる支援金についてご紹介します。

定時制高校・通信制高校の学費の比較

千葉県が公表している学費を参考に、定時制高校・通信制高校の学費の違いを下記の表にまとめました。

  入学金 授業料
定時制 公立:2,100円私立:8万円~30万円 公立:1,740円/単位私立:年間10万円~40万円
通信制 公立:500円私立:2万円~5万円 公立:330円/単位私立:年間18万円~

いずれも、通信制高校のほうが学費は安いことがわかります。なお、上記の他にも、授業料以外の教育費があることにはご注意ください。また、この表に記載されている費用はあくまで目安に過ぎません。学費は学校によって異なるため、詳しい学費については各学校の公式サイトをご参照ください。

支援金や奨学金の制度

定時制高校でも、就学支援金や奨学給付金を受けられます。

行動学校等就学支援金制度

国公私立問わず、高等学校等に通う生徒等に対して、授業料の一部または全部を支給する制度です。世帯所得や学校により支給額は異なります。

高校生等奨学給付金

高校生等がいる低所得世帯を対象に、授業料以外の教育費の負担を軽減するため、支援をおこなう制度です。授業料以外の教育費とは、教科書や教材、学用品、通学用品、入学用品の費用、教科外活動や生徒会の費用、修学旅行費、PTA会費や通信費などを指します。

その他奨学金

都道府県や公的機関がおこなっている奨学金制度もあります。地域によって要件が異なるため、都道府県や奨学生を募集しているサイトをチェックしてみましょう。

自分のペースで学習するなら通信制高校がおすすめ

ここまで、定時制高校についてお伝えしてきました。もし通学に難を感じている場合や、自分のペースで学習を進めたいと思っている場合には、通信制高校がおすすめです。
 
例えば明聖高校のWEBコースでは、年数回の通学(スクーリング)がある以外は、自宅やその他学校以外の場所での学習が可能です。学習はパソコンやスマートフォンで動画を見て、自分のペースで進められます。芸能やスポーツなど、他に打ち込みたいことがある人も選んでいる学び方です。また明聖高校は、原級留置(留年)の学生が少ない傾向にあるのも特徴です。単位制となっているため、修得できなかった単位は次年度に再履修することもできるので、3年間で卒業資格を取得しやすくなっています。
 
明聖高校のWEBコースについて、詳しくは下記のページをご参照ください。
WEBコース|明聖高等学校(千葉・中野の総合通信制高校)