通信制高校を選ぶときは、自分に合っているかどうかを考えることが大切です。その際は、メリットだけではなく、デメリットも事前に知ったうえで学校を探すと、進学後に後悔せず学校生活を送れるでしょう。
 
今回は、通信制高校のデメリットとメリットを紹介し、対策としてデメリットを感じないようにするための学校の選び方を解説します。通信制高校への進学や学校選びを迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

通信制高校のデメリット

通信制高校を選ぶときは、事前にデメリットを知っておくと、対策してから学校を選べます。

● 全日制より大学進学率が低い
● 進路が未決定の人もいる
● 偏見をもたれることがある
● 自主的に学習する習慣が求められる
● 先生や友達との交流が少なくなることがある

通信制高校に入学してから「もっと考えて選べばよかった…」と後悔しないように、デメリットも理解しておきましょう。

全日制より大学進学率が低い

令和5年度に文部科学省が発表した「学校基本調査」によると、通信制高校は全日制高校よりも大学進学率が低いことがわかります。

種別 通信制 全日制 定時制
大学進学率 24.1% 61.6% 17.1%
専修学校進学率 22.7% 16.1% 19.7%
就職率 14.9% 13.8% 36.4%
その他 38.3% 8.5% 26.8%

参考:学校基本調査 令和5年度|文部科学省 をもとに作成
 
ただし、各学校で大学進学を希望する生徒数がわからないことから、進学率だけを比較して「通信制高校に進学すると大学進学が難しい」とはいえません。
 
一般的に進学率が低いというデータがある以上、大学進学を目指す人が通信制高校を選ぶ際は、進学サポートが手厚い学校や進学率の高い学校を選ぶのがよいでしょう。

進路が未決定の人もいる

通信制高校には、進学や就職などの進路が決まっていない人も約30%います。

種別 合計 公立通信制高校 私立通信制高校
進路未決定者(※)の割合 31.5% 41.6% 30.2%

※「高等学校(通信制)卒業後の状況調査」より全体に対する「左記以外の者」の割合を算出
参考:学校基本調査 令和5年度|文部科学省 をもとに作成
 
大学進学率や就職率と比較すると割合が高くなっているのが現状です。そのため、通信制高校を選ぶ際は、進路未決定率をチェックして、一般的な数値よりも割合が低い学校を選ぶと安心して進路選択ができるでしょう。

偏見をもたれることがある

最近、通信制高校のイメージは大きく変わってきていますが、偏見をもたれることがあります。
 
例えば、2011年に発表された「通信制高等学校の第三者評価制度構築に関する調査研究最終報告書」には以下の記述があり、通信制高校に対して偏見をもつ企業があることがうかがえます。

就職希望は潜在的にはあるが、就職難の中でなかなか雇ってもらえないようである。とりわけ、通信制の卒業生を企業が一段低く見てしまい、正規雇用するところがないという問題も深刻である。

引用:通信制高校の第三者評価制度構築に関する調査研究最終報告書|文部科学省 から抜粋
 
このデメリットを考慮して通信制高校を選ぶ場合は、多様な就職先とつながりがある学校を選ぶのがよいでしょう。卒業生が継続して働いている企業が多数ある通信制高校なら、就職後も辞めずに続けられる可能性が高いはずです。

自主的に学習する習慣が求められる

通信制高校は登校頻度が少ない分、自宅で自主的に学習しなければならなりません。好きなタイミングで学習を進めても構いませんが、単位を修得するためにレポートは提出しなければならないため、学習習慣が身につかないとレポートが溜まってしまうこともあるでしょう。
 
あとでまとめてレポートをやろうとして夜更かししたり、朝起きる必要がないため昼夜逆転したりと、生活リズムが崩れやすいのもデメリットです。
 
自主的に学習するのが苦手だと感じる人は、お家の人に協力してもらいながら、決まった時間に授業を受けたりレポートをこなしたりする癖をつける必要があります。一方で、自分で予定を決めて行動するのが得意な人にとっては、得意を活かせるメリットともいえます。

先生や友達との交流が少なくなることがある

選択するコースにもよりますが、通信制高校の場合、学校に登校する日数が全日制高校よりも少ないため、同級生や先生と交流する機会も少なくなってしまいます。
 
ただし、まったく交流できないというわけではありません。高校によっては部活動やレクリエーションなどで交流が盛んな通信制高校もあるため、自分に合った学校を選ぶことが重要です。
 
例えば、明聖高校のWEBコースは、オンラインの学校であるサイバー学習国でチャットを使って同級生や先生と交流できます。詳しくは、以下のページをご覧ください。

明聖高等学校WEBコース【サイバー学習国・サイバーアカデミー】

なぜ通信制高校を選ぶのか

通信制高校を選ぶ理由には、次のようなものがあります。

● 自分のペースで勉強できるから
● 登校頻度を選択できるから
● コースやカリキュラムが豊富だから

選ぶ理由は人それぞれ異なりますが、まずは先輩たちがどのような理由で通信制高校を選んでいるのかを知って、学校選びの参考にしてみてください。

自分のペースで勉強できるから

通信制高校は、自宅学習やオンライン学習などの通信教育を通じて学び、レポートを提出して必要な単位を修得し、高校卒業資格を取得します。そのため、全日制高校や定時制高校のように毎日学校に行く必要がなく、自分のペースで勉強できる点が特徴です。
 
例えば、明聖高校のWEBコースの動画授業は24時間いつでも試聴できるため、夜や週末など自分の好きなタイミングで空いた時間を使って勉強ができます。そのため、昼間はスポーツのトレーニングや芸能活動など勉強以外の活動に打ち込むことが可能です。

コースやカリキュラムが豊富だから

通信制高校は、全日制高校や定時制高校にはない特別なコースやカリキュラムが設置されている場合があります。
 
例えば、明聖高校の中野キャンパスでは、以下のようなコースを設置しています。

● 全日デザインコース:イラストやマンガの描き方、デザインの基礎を学べる
● 全日ITコース:ゲームプログラミングやCG、ロボット製作などを学べる
● 全日総合コース:学習の基礎を固め、大学入試対策までを学べる

全日デザインコースや全日ITコースでは、国語数学などの普通教科以外に、専門的な分野を集中的に学ぶことが可能です。高校のときから専門分野に力を入れることで、将来に必要な知識やスキルをいち早く身につけられます。
 
以下の記事では、明聖高校の専門コースについて詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

関連記事:
通信制高校の専門コースはどんなことが学べる?どんな人向け?カリキュラムなどを紹介|通信高校生ブログ|明聖高等学校

デメリットを感じないようにするための選び方

通信制高校のなかには、デメリットの対策をしている学校が数多くあります。通信制高校を選ぶ際は、次の3つのポイントを意識してデメリットを感じにくい学校を選ぶことが大切です。

● 進路サポートが充実しているか
● 自分に合った学習サポートを受けられるか
● 先生や友達とオンラインで関われるか

ポイントを押さえて自分に合った学校を探しましょう。

進路サポートが充実しているか

まずは、進路サポートが充実しているかどうかをチェックしてみましょう。
 
例えば、明聖高校のWebサイトには、以下のように進路決定率を掲載しています。

また、進学先や就職先の詳細も掲載しており、卒業後の進路をイメージしやすくなっています。

このように、進路決定率や進路の詳細がわかる学校を探してみてください。進路サポートとしては、受験指導や就職指導の内容も重要なポイントです。
 
進路相談だけではなく、入試や小論文対策、求人紹介や職場体験などのサポートがあるかどうかもチェックしましょう。明聖高校の進路サポートは、以下のページで詳しく紹介しているので、参考にしてみてください。

進路指導|明聖高等学校

自分に合った学習サポートを受けられるか

自分の現在の理解度に合わせて学習サポートが受けられるか、興味のある分野を学べるかをチェックポイントにして自分に合った学校を探してみましょう。
 
中学校でほとんど学校に行けなかった人にとっては、高校の勉強についていけるかどうかが心配ですよね。その場合は、中学校の勉強をやり直せる学校を選ぶ必要があります。
 
明聖高校では、国語・数学・英語の基礎を学び直すために独自の「リラーン」という科目を設定しています。自分の理解度に合わせてレベルを選べるため、中学校で不登校だった人も安心して学び直しが可能です。
 
また、将来やりたいことが明確な人は、専門性を身につけられるコースがあるかもチェックするとよいでしょう。ゲーム製作に関わりたい人は、プログラミングを集中的に学べるコースを選択すると、将来のためになるはずです。
 
明聖高校の学習サポートの詳細は、以下のページからチェックしてみてください。

基礎学力向上のサポート|明聖高等学校

先生や友達とオンラインで関われるか

登校頻度を抑える一方で、先生や友達と関わりをもちたい人は、オンラインでコミュニケーションをとれる仕組みや環境が整っている通信制高校を探してみてください。
 
例えば明聖高校では、パソコンやスマートフォンからサイバー学習国というオンラインの学校で学校生活を送れます。アバターを通じて先生や友達と会えるのはもちろん、チャットを使って日常会話を楽しめます。

サイバー学習国には職員室もあり、質問BOXから先生に質問メールを送信することも可能です。
 
サイバー学習国について詳しく知りたい場合は、以下のページをご覧ください。

明聖高等学校WEBコース【サイバー学習国・サイバーアカデミー】

通信制高校のメリット

通信制高校の代表的なメリットは、以下のとおりです。

● 学校の選択肢が多い
● 自分のペースで学習できる
● 転入・編入先としても選びやすい
● 人間関係や学習への不安に配慮してもらえることが多い
● 興味のある分野を集中的に学べる学校もある

通信制高校にはメリットもたくさんありますので、デメリットばかりに気を取られず、自分に合った学校を選んでください。

学校の選択肢が多い

通信制高校には、3以上の都道府県の生徒が教育を受けられる広域性通信制高校が多数あります。全日制や定時制は、自宅から通える範囲の学校を選ぶ必要がありますが、広域通信制高校は離れた地域からでも入学できるため、多くの選択肢から学校を選ぶことが可能です。
 
また、通信制高校は、学習・メンタルサポートはもちろん、校則や校風も多様です。制服が不要だったり、髪の毛を染められたりする学校も珍しくありません。より自分らしく、自由度の高いスクールライフを送りたい人は、通信制高校が向いているといえるでしょう。

自分のペースで学習できる

通信制高校では毎日決まった時間に通学する必要がないコースがあり、「働きながら勉強したい」「スポーツや芸能活動などに励みたい」など、学習以外にも取り組みたいことがある人に向いています。
 
最近では、オンラインで授業動画が配信されていたり、レポートを提出できたりする学校も増えています。移動中や仕事の休憩時間など、時間や場所を選ばずに学習できるため、さまざまな活動と両立しやすいのがポイントです。
 
また、体調の関係で通学が難しい人も、調子のいいタイミングで学習できます。

転入・編入先としても選びやすい

通信制高校のなかには、積極的に転入学・編入学を受け入れている学校もあります。
 
在籍中の生徒は、さまざまな理由で通信制高校を選択しているため、先生・生徒ともに転入生・編入生への理解が深いのが特徴です。
 
実際に明聖高校に転入学・編入学をした生徒の声を紹介します。

◯転入生Aさん(千葉本校 全日コース)

別の高校に入学しましたが、人間関係がうまくいかず、明聖高校に転入しました。途中から来た私に、先生方やクラスメイトがよい雰囲気を作ってくれ、学校生活にスムーズにとけ込むことができました。

◯編入生Bさん(千葉本校 通信コース)

過去に高校に通っていましたが金銭的な理由で退学せざるをえなくなりました。就職してからも、常に途中で退学してしまったことが心残りで、一念発起し明聖高校に編入しました。仕事を終えてからのレポートは楽ではありませんが、高校卒業という目標を達成するため頑張っています。

◯編入生Cさん(WEBコース)

私は以前入学した高校で人間関係に悩み退学しました。対人関係にも恐怖を覚えるようになり、自宅に引きこもっていたところ、母が明聖高校のWEBコースのことを教えてくれました。わずらわしい人間関係もなさそうだったので編入することにしました。入学後、動画授業を視聴し、レポートを進めていくにつれて不思議と気持ちが前向きになりました。
 
通信制高校を転入・編入先として選ぶことで、新たな未来を切り開くことができた先輩たちもいることがよくわかります。

人間関係や学習への不安に配慮してもらえることが多い

通信制高校は、不登校経験があって人間関係に不安を抱えている人も多く在籍しているため、心理面のサポート体制を整えている学校があります。
 
明聖高校では、教員全員がカウンセリングやメンタルヘルスなどの専門研修を受講し、資格を所持しています。すべての先生からメンタル面のサポートを受けられるため、安心して学校生活を送れるでしょう。
 
また、通信制高校では、学習に不安をもつ人へのフォロー体制も整備されています。不登校経験のために学習に遅れがある人でも、中学校までの学習を学び直したうえで卒業を目指せる仕組みです。
 
明聖高校では、中学校の学習内容を復習できるカリキュラムを組んでいます。WEBコースの場合は、動画の授業を何度も繰り返し視聴して、自分のペースで学習を進められます。どうしてもわからないことがあれば、電話・FAX・メールで先生に質問して解決が可能です。
 
このように、サポート体制が充実していることも、通信制高校の魅力だといえるでしょう。

登校頻度を選択できる

通信制高校は、全日制高校や定時制高校のような毎日通学しなくてもよいコースがあり、登校頻度を選択できます。
 
例えば、明聖高校のWEBコースは、年間4日程度の登校(スクーリング)で、登校の負担を抑えられます。明聖高校には全日コースもあり、毎日学校に通って対面授業を受けることも可能です。
 
不登校経験があって毎日学校に通うのが不安な人や、前の学校でトラブルがあり学校から距離を置きたい人は、自分に合った登校頻度を選んだうえで教育を受けられます。
 
また、明聖高校ではコースによって投稿頻度が違います。詳しくは以下の通りです。

全日ITコース

全日ITコースは、仕事や学習に欠かせないWord、ExcelなどのMicrosoft Officeツールの学習から、徐々にレベルアップして、次世代で活躍する人材となることを目指します。カリキュラムには、ゲームプログラミング、ロボット演習、CGや映像編集などが含まれ、ITに関する専門知識を学べます。
 
詳しくは、こちらのページもご覧ください。

千葉本校-全日ITコース|通信制高校(千葉・中野)|明聖高等学校
中野キャンパス-全日ITコース|通信制高校(千葉・中野)|明聖高等学校

全日デザインコース

全日デザインコースで学ぶのは、アナログとデジタルの表現方法や基礎知識です。カリキュラムには、デジタルイラスト演習、デッサン演習、キャラクターデザインなどがあり、自身で購入するiPad Proを活用して勉強を進めます。
 
詳しくは、こちらのページもご覧ください。

中野キャンパス-全日デザインコース|通信制高校(千葉・中野)|明聖高等学校

WEBコース

WEBコースは、年間4~6回程度のスクーリング以外は、すべてパソコン・タブレット・スマートフォンで学習します。日々の学習は、動画授業を視聴して確認問題のサイバーチェックに回答する形式で進め、レポート提出もWebでおこないます。自分のペースでじっくり取り組みたい人に最適なコースです。
 
詳しくは、こちらのページもご覧ください。

WEBコース|通信制高校(千葉・中野)|明聖高等学校
明聖高等学校WEBコース【サイバー学習国・サイバーアカデミー】

進路に迷ったら通信制高校の相談会に参加してみよう!

通信制高校のデメリットとメリットを踏まえたうえで、進路に迷っているのであれば、実際に通信制高校の相談会に参加してみることをおすすめします。
 
校舎や先輩たちが学ぶ様子を見ると、自分が通信制高校で学校生活を送るイメージをもちやすくなるはずです。
 
相談会で、今抱えている不安に対してどのようなサポートを受けられるかを先生に聞き、対策を講じたうえで進路選択ができます。
 
明聖高校では、定期的に学校説明会・相談会を開催しています。授業に参加したり、部活動を体験したりもできるので、ぜひ参加してみてください。
 
詳細は、以下のページをご覧ください。

学校説明会・相談会|明聖高等学校