通信制高校から大学進学はできます。ただし、通信制高校は、専門的な知識や技術を身につける専門コースに特化した学校や、高校卒業資格の取得を目指すことに注力する学校など、さまざまです。そのため、大学進学を目指す人は、大学進学に強い通信制高校を選ぶ必要があります。
本記事では、通信制高校の大学進学率と大学進学に強い高校選びのポイントを解説します。通信制高校に進学して、大学進学を成功させたい人は、ぜひ参考にしてください。

1. 通信制高校は大学進学で不利になる?大学進学率は約24%

令和5年度の「学校基本調査」によると、通信制の大学進学率は24.1%です。

種別 通信制 全日制 定時制
大学進学率 24.1% 61.6% 17.1%
専修学校進学率 22.7% 16.1% 19.7%
就職率 14.9% 13.8% 36.4%
その他 38.3% 8.5% 26.8%

参考:学校基本調査 令和5年度|文部科学省 をもとに作成

 

全日制高校と比較すると、通信制高校のほうが大学進学率が低くなっています。このことから、通信制高校からの大学進学は不利なのではないかと思われる人もいるでしょう。

しかし、実際のところ、進学率だけでは通信制高校が大学進学に不利かどうかは判断できません。そのため、大学進学率が低い背景を見てみましょう。

2. 通信制高校からの大学進学が不利・難しいといわれる理由

通信制高校から大学進学率が低いのには、大きく2つの理由があります。理由を知ると、通信制高校からでも十分大学進学が可能なことがわかるはずです。

2.1. 大学進学希望者数が少ない傾向がある

通信制高校の在学生は、大学進学を希望する人が少ないため、大学進学率が低くなっていると考えられます。

文部科学省が2016年度に実施した「定時制・通信制高等学校における教育の質の確保のための調査研究」によると、通信制高校の在学生の約3~4割強がなんらかの仕事をしていることがわかります。

● 狭域通信制高校の就業者の割合:47.5%
● 広域通信制高校の就業者の割合:31.8%

参考:定時制・通信制高等学校における教育の質の確保のための調査研究|文部科学省

 

この人たちのなかには、すでに就職して生活が落ち着き、昔学べなかったことを学びたいと考えて勉強している人もいます。そのため、そもそも大学進学を希望していない人がたくさんいるのです。

実際に同じ調査では、通信制高校を卒業後に進学したいと考えている生徒は約20%に留まっています。

● 狭域通信制高校において「進学」を目的に入学した人の割合:12.9%
● 広域通信制高校において「進学」を目的に入学した人の割合:21.4%

参考:定時制・通信制高等学校における教育の質の確保のための調査研究|文部科学省

 

ただし、進学・就職どちらかを決めずに入学している人もたくさんおり、このうち大学進学を希望する人もいくらか出てくることが予想されます。

● 狭域通信制高校において「進学就職両方」を目的に入学した人の割合:28.6%
● 広域通信制高校において「進学就職両方」を目的に入学した人の割合:40.6%

参考:定時制・通信制高等学校における教育の質の確保のための調査研究|文部科学省

 

いずれにしても、大学進学希望者の少なさが大学進学率の低さの原因となり、通信制高校からの大学進学が難しいというイメージにつながっているのです。

2.2. 大学進学を目指すコースがない学校も多い

通信制高校は、人間関係の悩みや経済的な事情がある、勉強以外に時間を使いたいなどのさまざまな背景を持った人が、高校卒業資格を取得しやすいように設計されています。

そのため、全日制高校の進学校のように、大学進学に特化したカリキュラムやコースがある高校は多くありません。

このような通信制高校ならではの特色が、大学進学率に影響を与えていると考えられます。

3. 通信制高校からも大学進学はできる!不利にならない2つのポイント

ここでは、通信制高校からの大学進学が不利にならない2つのポイントを紹介します。

3.1. 通信制高校が理由で落とされることはない

通信制高校に在学していることが理由で、大学から落とされることはありません。

大学受験では試験の点数が重視されるため、通信制高校かどうかで合否を判断されることはありません。

ただし、二次試験の面接で通信制高校に進学(転入学・編入学)した理由を質問されることはあります。面接対策が手厚い通信制高校に進学すると、安心して対策を練ることが可能です。

3.2. 総合型選抜(AO入試)・指定校推薦を受けられる

通信制高校は、全日制高校と同様に3種類すべての入試を受けられます。

入試区分 概要
総合型選抜
(AO入試)
・詳細な書類審査と時間をかけた丁寧な面接等を組み合わせて、出願者を総合的に評価する入試方法
・各大学が実施する評価方法または大学入学共通テストのいずれか1つが必須
推薦
入試
学校推薦型
選抜
・出身高等学校長の推薦に基づき、調査書を主な資料として評価・判定する入試方法
・各大学が実施する評価方法または大学入学共通テストのいずれか1つが必須
指定校
推薦
・大学が指定校に定めた高校の在学者のみが出願できる推薦入試
・一般的に、各高校の校内選考を突破することで出願資格を得られる
一般入試 調査書の内容から学力検査、小論などをもとに、出願者を多角的かつ総合的に評価・判定する入試方法

参考:大学入学者選抜関連基礎資料集|文部科学省

 

このように、通信制高校と全日制高校は、大学受験における制度上の差はありません。

なお、指定校推薦の枠数や推薦先は在学している学校によって異なるため、進学したい大学が決まっている場合は、その大学から指定校に推薦されているかどうかを調べてみましょう。

以下の記事では、指定校推薦について詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

関連記事:通信制高校も指定校推薦を受けられる!メリットなどを解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校

 

4. 大学進学に強い通信制高校の選び方!5つのチェックポイント

大学進学を成功させるためには、大学進学に特化したカリキュラムやコースのある通信制高校を選ぶことが大切です。

そこで、大学進学に強い通信制高校を選ぶ際に活用できる5つのチェックポイントを解説します。

4.1. 大学受験に対応したコースがある

通信制高校のなかには、高校卒業資格を取得しやすいカリキュラムを組み、大学受験に必要な授業をおこなわない学校もあります。

一般入試を受けて大学進学を目指している場合は、特に大学受験に対応したコースがあるかどうかが重要です。

例えば、明聖高校の全日制コースは、中学校までの総復習を通じて基礎学力を身につけたうえで、大学入試に向けた応用力を養うことが可能です。

進学したい大学のレベルや必要な入試科目に合わせてカリキュラムを組めるため、大学進学に向けて着実に学力を身につけられます。

4.2. 大学受験の手厚いサポートがある

入試に必要な科目の授業があるかどうかだけではなく、大学受験向けの手厚いサポートの有無も重要です。以下の3つの観点を踏まえて、通信制高校のサポート体制をチェックしてみましょう。

4.2.1. 小中学校の学習を学び直しできる

不登校や病気など、さまざまな事情から小中学校の学習内容に不安がある人もいるでしょう。その場合は、中学校までの学習を学び直せる通信制高校がおすすめです。

学び直しに力を入れている通信制高校を選ぶと、基礎学力を身につけたうえで、大学進学を目指せます。

例えば明聖高校では、オリジナル教材を使って中学校の総復習をおこないます。また、習熟度別授業を実施しており、苦手教科の克服と得意教科の伸長が可能です。

4.2.2. 大学受験用のサポートがある

大学入試では、学力テストだけではなく小論文や面接、プレゼンテーションなどを実施する学校もあります。これらの対策ができるかどうかも、通信制高校を選ぶポイントとして重要です。

例えば明星高校では、面接対策から小論文・作文対策、指定校推薦対策を実施しています。また、志望理由書の書き方も丁寧に指導するため、いずれの入試方法にも対応できます。

4.2.3. 進路相談・指導が充実している

入試対策以前に、気軽に進路相談ができる、あるいは指導が充実しているかどうかも重要です。

例えば明聖高校では、自分に適した進路選択をサポートしています。適性検査を実施して自己理解を深めたうえで、自分に合った進路を摸索する手伝いをします。

このように、進路選択から受験までを一気通貫でサポートしてもらえるかどうかをチェックすると、安心して入試まで頑張り続けられるでしょう。

4.3. 大学進学の実績が豊富にある

手厚いサポートを打ち出している通信制高校のうち、それを踏み台にして合格した実績が豊富だと、先生方の指導力の裏付けとなります。そのため、学校の公式サイトで大学進学率や進学先をチェックしてみましょう。

例えば明聖高校では、以下のように大学進学率を掲載しています。

 

出典:進路指導|明聖高等学校

 

また、進学実績の一部は以下のとおりです。

出典:進路指導|明聖高等学校

 

このように、明確に進学実績や進学先を掲載している学校を選ぶと安心です。

4.4. 指定校推薦の枠がある

進学したい大学が決まっているのであれば、指定校推薦の枠があるかどうかも重要なポイントです。

明聖高校では、千葉県内や都内および関東圏の大学・短大の指定校推薦枠があります。

具体的な学校名は掲載していない場合もあるため、学校に問い合わせるか、学校相談会に参加したときに尋ねてみてください。

4.5. 大学進学まで頑張れる要素がある

大学入試までは、3年間授業を受け続けなければなりません。そのため、高校で大学進学まで頑張れるかどうかが重要です。その要素として、2つのポイントを紹介します。

4.5.1. メンタル面のサポートがある

メンタル面に不安がある人は、メンタル面のサポートがあるかどうかをチェックしてみてください。

学校生活や学習面で不安を感じたときに、気軽に相談できる体制があるかを確認してみましょう。学校相談会で、先生方の様子を実際に見ておくことも大切です。

例えば明聖高校では、先生方がカウンセリングやメンタルヘルスの資格を所持しているため、専門的な知見からみなさんのメンタル面をサポートできます。また、校内には専門のカウンセラーが常駐しているため、いつでも気軽に相談が可能です。

メンタル面のサポートに力を入れている学校であれば、くじけそうになったときも、持ち直せるでしょう。

4.5.2. 自分に合ったカリキュラムを組める

自分のペースで、必要な教科や科目を学べるカリキュラムを組めるかどうかも重要です。

特に、不登校経験がある人や病気がちの人は、ゆっくり自分のペースで学べる環境が求められます。

学校によっては志望校に合わせて柔軟にカリキュラムを組めるところもあるため、その点をチェックしましょう。

例えば明聖高校では、以下のようなカリキュラムを組めます。

出典:全日コース-千葉本校|明聖高等学校

 

始業が9時40分であるため、朝が不安な人もゆっくりと準備ができます。フルで授業を受け続けられるかが心配なら、コマ数を調整して少しずつ慣れていきましょう。

5. 通信制高校のメリットを活かして大学進学を目指そう!

通信制高校は、全日制高校と比較して登校日数が少ない分、受験対策に充てられる時間が多くあります。その時間を使って予備校や塾に通ったり、自学自習を進めたりすることが可能です。

必要に応じて学校の手厚いサポートを受けることで、大学進学に向けた勉強に集中できる環境を作れます。

明聖高校は、大学進学を目指す人たちの学習面・メンタル面を手厚くサポートできます。通信制高校で大学進学を目指したい人は、ぜひ明聖高校の学校相談会に参加して、学校の様子を見てみてください。

学校説明会・相談会|明聖高等学校