通信制高校への進学を検討している中学生や保護者の方のなかで、なるべく学費を抑えるために公立の学校を探している人もいるでしょう。通信制高校選びは、学費だけではなく学校の特色やサポートも踏まえて選ぶことが大切です。
今回は、公立と私立の通信制高校のメリット・デメリットなど、違いを紹介します。将来の選択肢を広げるためにも、まずは公立と私立の違いを理解しておきましょう。
公立の通信制高校の特徴
公立の通信制高校は、都道府県が設置する通信制高校のことです。学校数は、令和5年度時点で78校となっています。私立は211校なので、比較すると公立のほうが少ないです。
学習内容や学校の仕組みは私立と変わりませんが、予算や人員の関係で画一的なカリキュラムが多くなっています。そのため、カリキュラムを比較すると、私立のほうが柔軟性が高いといえます。
参考:検討を進めるための参考資料|文部科学省
関連記事:通信制高校とは?全日制・定時制の違いなどわかりやすく解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校
公立通信制高校のメリットは学費の安さ!私立との違いを比較
公立の通信制高校は、なんといっても学費が安いのが大きなメリットです。
都立の通信制高校と私立の明聖高校の学費の違いを比べてみましょう。
| 種別 | 都立高等学校の通信制課程 | 私立明聖高等学校WEBコース |
|---|---|---|
| 入学金 | 500円 | 4万円 |
| 授業料/年 | 8,400円(※1) | 30万円 |
| 1年次の学費 | 8,900円 | 34万円 |
| 3年間の学費(※2) | 2万5,700円 | 94万円 |
(※1)336円/単位×25単位で算出
(※2)入学金+(授業料×3年間)で算出
参考:都立高等学校、中等教育学校(後期課程)の授業料・入学料及び特別支援学校高等部の授業料について|東京都教育委員会
学費|明聖高等学校
3年間の学費を比較すると、大きな違いがあることがわかります。
以下の記事では、全日制と通信制の学費の違いを詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
関連記事:通信制高校の学費・授業料の目安|全日制との比較と無償化の条件も解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校
私立との違いからわかる公立通信制高校のデメリット
たしかに公立の通信制高校のほうが学費は安いですが、それだけの理由で公立を選ぶと入学後に「自分に合わなかった」ということになりかねません。そのため、デメリットも踏まえて、自分に合っているかどうかを検討することが大切です。
ここでは、私立の通信制高校との比較からわかる公立のデメリットを解説します。
卒業率が低い傾向にある
公立の通信制高校は、私立と比べて卒業率が低い傾向にあります。
以下は、平成30年度の卒業率のデータです。
- ● 公立:13.9%
- ● 私立:37.4%
参考:高等学校通信教育の現状について|文部科学省
明確な原因はわかりませんが、あとで紹介するように学校のサポート体制の充実度が関係していそうです。
進学率が低い傾向にある
公立の通信制高校は、私立と比べて進学率も低い傾向にあります。
以下は、令和6年度の大学等進学率です。
- ● 公立:16.4%
- ● 私立:27.7%
参考:令和6年度学校基本調査|文部科学省
こちらも卒業率と同様に明確な原因は不明ですが、あとで紹介するように学校のサポート体制の充実度が関係していそうです。
以下の記事では、通信制高校を卒業したあとの進路について、データをもとに解説しています。あわせてご覧ください。
関連記事:通信制高校の卒業後の進路は?データをもとに進学率・就職率を解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校
サポート体制が薄い場合がある
学校にもよりますが、公立の通信制高校は私立ほど柔軟に人員を配置したり、カリキュラムを組めるわけではないため、サポート体制が薄い場合があります。
例えば、私立ならカウンセリング資格をもつ教員を採用する、あるいは既存人員に資格を取らせるといったことが可能ですが、公立だと難しいのです。
こうした背景の違いが、サポート体制にも違いを生んでいる可能性があります。
広域制が少ない傾向にある
公立の通信制高校は、ほとんどが狭域です。
通信制高校には、狭域と広域の2種類があり、以下のように違います。
- ● 狭域:生徒の募集範囲が学校所在地のみ、または隣接1都道府県まで
- ● 広域:生徒の募集範囲が学校所在地 + 他の2都道府県以上
狭域が多いということは、対象の地域に住んでいないと通えないということです。そのため、住んでいる場所によっては希望する公立の通信制高校が、募集の範囲外で受験できない場合があります。
スクーリングの日数が多い場合がある
公立の通信制高校は、私立よりもスクーリング日数が多い場合があります。スクーリングとは、学校に登校して直接授業を受ける学習方法です。通信制高校では、卒業に必要な単位を修得するためには、必ずスクーリングに参加しなければなりません。
例えば、東京都の通信制課程の場合、年間約20~24日(原則土曜日)の登校が必要です。
一方、千葉県に本校を置く明聖高校の場合、WEBコースなら年間3~4日程度の登校日数で済みます。
もちろん、私立でもコースや学校によってスクーリングの日数は大きく変わるので留意が必要です。
スクーリングの日数も、柔軟なカリキュラムを組めるかどうかで変わってくるので、柔軟性が低い公立のほうが規定によりスクーリング日数が多くなる傾向があります。つまり、私立のほうがスクーリング日数を抑えられるカリキュラムを組みやすいということです。
参考:通信制課程|東京都
以下の記事では、スクーリングについて詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
関連記事:関連記事:通信制高校のスクーリングとは?日数・頻度や時間割例を紹介|通信高校生ブログ|明聖高等学校
私立の通信制高校でも学費は抑えられる!活用したい支援制度
それでも学費が理由でどうしても公立の通信制高校を選びたいという場合は、支援制度について知っておきましょう。私立を選んでも学費を抑える方法があります。
就学支援金制度とは|条件を満たすと学費の負担が減る
就学支援金制度とは、条件を満たすと学費が無償化される制度です。私立の通信制高校の場合は、年収約910万円未満世帯の高校生が最大29万7,000円の支援金を受け取れます。
令和6年度までは上記を満たす世帯の高校生のみが対象でしたが、令和7年度に限り、高校生等臨時支援金という制度で支援を受けることが可能です。

引用:
高等学校等就学支援金・高校生等臨時支援金リーフレット(概要版)|文部科学省
年収が約910万円以上の世帯の高校生は、公立・私立共通で年額11万8,800円の支援を受けられるようになります。
どちらの制度も、日本国内に住んでいる高校生なら、だれでも利用できます。
ただし、通信制高校に入学したあと、在学期間が4年を超えた場合は対象外となるのでご注意ください。
就学支援金制度を利用した私立通信制高校の学費例【明聖高校の場合】
こちらは、明聖高校のWEBコースの学費です。

引用:学費|明聖高等学校
納付額合計が就学支援金制度を利用した場合の一年間の学費となります。
利用しない場合は年間35万円かかるのに対し、制度を利用することで5万3,000円、もしくは23万1,200円まで抑えることが可能です。
就学支援金制度以外の援助制度
就学支援金制度以外にも、援助制度はさまざまあります。
以下は一例です。
| 制度名 | 概要 | 例 |
|---|---|---|
| 奨学金 | ・経済的理由や成績に応じて学費や生活費を支援する制度 ・返済不要の「給付型」と返済が必要な「貸与型」がある |
・日本学生支援機構(JASSO) ・あしなが育英会などの民間奨学金 |
| 特待生制度 | ・学校独自の基準により、成績優秀者やスポーツ・芸術などの特定分野で実績がある生徒の学費を免除・減額する制度 | ・入試成績上位者への授業料免除 ・スポーツ推薦等による入学金の免除 |
| 自治体独自の制度 | ・都道府県や市区町村が、その地域に住む世帯を対象に独自におこなう支援 ・国の制度への上乗せや、無利子の貸付などがある |
・東京都私立高等学校等授業料軽減助成金 ・千葉県私立高等学校入学金軽減制度 |
まずはお住まいの自治体の制度を調べてみると、利用できるものがあるかもしれません。
通信制高校の公立・私立を決めるときは学費以外にも注目しよう!
通信制高校を選ぶときは、可能であれば学費以外にも目を向けることをおすすめします。学費だけを理由に公立を選ぶと、入学後に「自分には合わなかった」「サポートが足りない」といったことになりかねません。
しっかりと卒業を目指したいなら、なおのことサポート体制や特色にも目を向けることが大切です。
明聖高校では、不登校経験のある生徒の段階的サポートはもちろん、小中学校の学習内容を学び直す独自科目の設置など、さまざまな特色があります。先生方は全員が心理系の資格を有しており、相談しやすい環境も整えています。専任の心理カウンセラーも常駐しており、より深い悩みの相談も可能です。
私立ならではの柔軟なカリキュラムやサポートによって、卒業まで自分のペースでのびのびと学校生活を送れるでしょう。気になる人は、ぜひ一度学校説明会・相談会に足を運んでみてください。
学校説明会・相談会|明聖高等学校
なお、以下の記事では高校の選び方を詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
関連記事:後悔しない高校の選び方!将来の夢がなくても大丈夫な進路の決め方|通信高校生ブログ|明聖高等学校
まとめ
通信制高校を選ぶときは、学費の関係で公立しか行けないと思いがちです。しかし、就学支援金制度や令和8年度から始まる新制度を利用すれば、私立の通信制高校でも学費を抑えて通うことが可能です。
また、自治体や民間団体の奨学金などを利用すれば、さらに学費を抑えられるでしょう。
学校選びで大切なのは「自分に合うかどうか」「将来の夢を叶えられるか」「卒業できるか」です。学費だけではなく、学校の特色やサポート体制もじっくり比べて、自分に合った最高の通信制高校を見つけましょう。
参考URL
検討を進めるための参考資料|文部科学省
高等学校通信教育の現状について|文部科学省
令和6年度学校基本調査|文部科学省
高等学校等就学支援金・高校生等臨時支援金リーフレット(概要版)|文部科学省
令和8年度予算(案)高等学校等就学支援金等|文部科学省
都立高等学校、中等教育学校(後期課程)の授業料・入学料及び特別支援学校高等部の授業料について|東京都教育委員会
通信制課程|東京都
学費|明聖高等学校
学校説明会・相談会|明聖高等学校
通信制高校とは?全日制・定時制の違いなどわかりやすく解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校
通信制高校の学費・授業料の目安|全日制との比較と無償化の条件も解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校
通信制高校の卒業後の進路は?データをもとに進学率・就職率を解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校
通信制高校のスクーリングとは?日数・頻度や時間割例を紹介|通信高校生ブログ|明聖高等学校
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