通信制高校を進路として考える際に気になることは、「学費がいくらかかるか」ではないでしょうか。通信制高校の学費は、一般の全日制高校の学費と比較すれば高いことは否めません。ただ通信制高校の学費は、条件を満たせば国の支援金制度の対象となります。通信制高校への進学が可能かどうか、金額面で考えてみませんか?
公立・私立の全日制高校の学費平均
文部科学省では例年、初年度に生徒が学校に納入する費用について調査をしています。公立・私立の全日制高校における初年度の学費の平均額は、下記のとおりです。
※平成28年度 初年度生徒等納付金平均額(年額)より
<公立全日制高校>
授業料:118,800円
入学料:5,641円
計:124,441円
<私立全日制高校>
授業料:393,524円
入学料:162,122円
施設整備費等:169,048円
計:724,694円
通信制高校の学費・明聖高校の場合
次は明聖高校の学費を、コースごとに簡単にご紹介します。通信制高校である明聖高校と、全日制高校との学費を比べてみましょう。
全日制コース
全日制コースは週5日登校して基礎を学ぶコースです。全日制コースでは学校行事や講座が充実しており、生徒は制服を着用します。初年度の学費は下記のとおりです。
入学金:40,000円
授業料(年額):180,000円
施設費(年額):10,000円
コース費(年額):600,000円
学費合計(年額):830,000円
3日制コース
3日制コースは週3日登校し、週2日を自由登校とするカリキュラムをもちます。初年度にかかる学費は下記のとおりです。
入学金:40,000円
授業料(年額):180,000円
施設費(年額):10,000円
コース費(年額):300,000円
学費合計(年額):530,000円
通信コース・Webコース
通信コースは、自主学習と年間約20日のスクーリングで学習するコースです。Webコースは動画授業の視聴や確認問題などの学習コンテンツを備えたコースで、年間4~6日程度のスクーリングもおこなっています。
両コースとも、初年度の学費は下記のとおりです。
入学金:40,000円
授業料(年額):180,000円
施設費(年額):10,000円
学費合計(年額):230,000円
各コースの学費について、詳しくは下記のページをご覧ください。
学費|通信制高校(千葉・中野)|通信制高校 明聖高校
通信制高校の学費以外に必要な費用・明聖高校の場合
学費以外にも、通信制高校の学校生活はさまざまな費用がかかります。たとえば、以下のような費用です。
<明聖高校の学費以外の費用>
教科書、副教材の購入費用:約12,000円~17,000円
明聖高等学校育英会費 (年額):12,000円~20,000円(※全日制コースは月額となります)
制服、体操服、通学用かばんの購入費用:約80,000円(※全日制コース以外は制服・私服どちらでも登校できます。Webコースは制服着用の必要はありません)
教育施設設備充実基金(寄付金)のお願い:1口:50,000円
ほか、コースによってパソコンやロボットなどの教材費用がかかります。
高等学校等就学支援金制度とは?
全日制高校だけでなく、通信制高校でも高等学校等就学支援金制度を利用できることはご存じでしょうか?
高等学校等就学支援金制度とは、高等学校の国公私立を問わず、授業料に充てるための支援金が国から支給される制度です。この制度は家庭の経済的負担の軽減や教育の機会均等につなげることを目的としています。
高等学校等就学支援金制度の概要
高等学校等就学支援金制度の受給資格があるのは、国内の高等学校等に在学していること、世帯年収約910万円未満であることの両方を満たす生徒です。
世帯年収の判定基準は、下記の計算式で導かれます。計算結果が30万4,200円未満となる場合、世帯年収約910万円未満と見なされます。
<判定基準>
保護者等の課税標準額(課税所得額)×6% - 市町村民税の調整控除額
また公立・私立や世帯年収などの条件によって、支給上限額が定められています。
<支給上限額(年額)>
公立高校:118,000円
国公立の高等専門学校(1~3年):234,600円
私立高校(世帯年収約590万円未満の場合):396,000円
私立高校(世帯年収約590万円~910万円未満の場合):118,000円
私立高校(通信制):297,000円
制度の受給要件は生徒や世帯年収によるものですが、実際に支援金を受け取るのは生徒や生徒の保護者ではなく、学校法人や都道府県などの学校設置者です。学校設置者が、受け取った支援金を生徒の授業料に充てることになります。
高等学校等就学支援金制度を利用する際の注意
受給要件を満たしていても高等学校等就学支援金制度を利用できない場合があります。たとえば、高等学校等をすでに卒業している生徒、3年(定時制や通信制は4年)を超えて在学している生徒は対象となりません。また過去に別の高等学校に在籍していた場合は、在籍期間によって、支給期間が減ったり支給対象外となったりすることもあるのでご注意ください。
その他、高等学校等就学支援金制度の詳しい内容は、下記のページをご参照ください。
就学支援金とは?通信制高校も対象?受給要件や申請方法をチェックしよう
奨学金制度との違い
学費を支援する制度といえばほかに、奨学金制度があります。奨学金制度と高等学校等就学支援金制度は学費の支援である点では共通しているものの、制度としては異なります。
奨学金制度は、経済的な理由で学校に行くことが困難な、優秀な学生に対して学費を貸与または給付するものです。「貸与型」の奨学金には有利子のものと無利子のものがあり、あらかじめ決められた期間に返済をおこなうことになります。「給付型」の奨学金は返済の必要はありません。
奨学金制度をおこなっているのは、独立行政法人日本学生支援機構のほか、都道府県の教育委員会や公益財団法人などです。
その他、奨学金制度について詳しい情報は、下記ページをご確認ください。
一方の高等学校等就学支援金制度は国による制度であり、支援金は返済の必要がありません。
まとめ
さまざまな高等学校の学費と就学支援のための制度について簡単にご紹介しました。通信制高校は、特に全日制コースの場合は一般の全日制高校よりもやや学費が高額です。しかし学習支援のための制度を活用すれば、通信制高校に通う可能性を高めることができます。
学費を理由に通信制高校への進学を躊躇している場合は、国や都道府県、法人、進学予定の学校などがおこなっている就学支援制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
参考URL:
令和元年度私立高等学校等初年度授業料等の調査結果について|文部科学省
高等学校等就学支援金制度|文部科学省
就学支援金リーフレット|文部科学省
高等学校等就学支援金について
奨学金制度の種類と概要|JASSO
就学支援金とは?通信制高校も対象?受給要件や申請方法をチェックしよう|通信高校生ブログ
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