高校にはテストがあることが一般的ですが、通信制高校にもテストはあるのでしょうか。テストがあるとなると「勉強が苦手でも大丈夫かな?」と不安に思うこともあるかもしれません。今回は、通信制高校のテスト事情について、内容や回数などの基本情報をまとめてご紹介します。

通信制高校にテストはあるの?

結論からいえば、通信制高校にもテストはあります。

ただし、全日制高校とまったく同じものではありません。全日制高校で行われるのは、学期ごとの中間テスト、期末テスト(学年末テスト)といった「定期考査」です。これに対して、通信制高校の主なテストは「単位認定試験」と呼ばれています。

単位認定試験とは、高校卒業資格の取得に必要な単位を修得するための最終テストです。あとでご紹介するとおり、通信制高校の単位認定試験と全日制高校の定期考査は、回数や内容、仕組みなど、さまざまな点で違いがあります。

こんなに違う!全日制高校と通信制高校のテストを比較

全日制高校のテストである定期考査と、通信制高校のテストである単位認定試験の違いには、次のようなものがあります。

受験資格

全日制高校の定期考査は、受験資格が出席日数や提出課題に左右されることはありません。

これに対して、通信制高校の単位認定試験は、試験だけを受けることはできません。具体的には、

  • ・科目ごとに決められたレポートの通数を提出していること
  • ・一定のスクーリング出席回数を満たしていること

が受験のための条件になります。

回数

全日制高校の定期考査は、3学期制なら年5回、2学期制なら年4回という頻度で行われるのが基本です。

一方、多くの通信制高校では、単位認定試験を年度末の1回のみ実施しています。ただし、スクーリング回数の多い学校では、年2回以上テストを設けているケースもあります。

内容

全日制高校の定期考査は回数が多いため、特定の範囲を試験前に重点的に学習して対策することが可能です。教科書だけでなく、副教材やプリントなど、さまざまなものから出題されます。

通信制高校の単位認定試験は、科目ごとの最終テストとして行われるため、範囲としては全日制高校の試験より広いのが特徴です。ただし、多くの場合、主な出題元はレポートで、レポートをしっかり作成していれば、十分解けるような内容になっています。

 

通信制高校のテストは勉強が苦手でも合格できる?

「年に一度の試験で、卒業に関わる単位の認定が決まってしまう」と聞くと、勉強に苦手意識のある人は「自分でも卒業できるかな」と心配になることもあるでしょう。ですが、多くの通信制高校では、勉強が苦手な人でもきちんと単位認定試験に合格できるようになっています。

例えば、通信制高校のテストは、全日制高校のテストと比較して、一般的に易しいといわれています。先ほどもご紹介したとおり、単位認定試験までに提出するレポートができていれば、無理なく正解できる難易度であることがほとんどです。
出題元であるレポートも、教科書・テキストを見れば十分作成できることが多く、決して難しくはありません。

さらに、試験前のスクーリングでは、先生が「ここはテストに出るよ!」というポイントを教えてくれることも多く、合格に向けてしっかりと対策することが可能です。

もし、単位認定試験で点数がよくなくても、スクーリングやレポート課題をクリアしていれば、追試や補習を受けることで単位が認定される場合もあります。
加えて、たとえ単位が認定されなくても、単位制の高校では原則「留年」というものがないので、「ひとりだけ勉強が遅れていて恥ずかしい」と感じる必要もありません。

スクーリングやレポート提出といった受験までのステップがある分、「テスト一発勝負」という側面が小さいのが、通信制高校のテストの特徴だといえるでしょう。勉強が苦手な人でも安心して学習し、高校卒業を目指せるようになっています。

テストの不安を解消!サポート体制をチェックしておこう

通信制高校のテストは難易度が高くないとはいえ、不登校や社会人経験などでブランクがあったり、もともとあまり勉強が得意でなかったりすると、やはりしり込みしてしまうものです。通信制高校のなかには、そうした学習面での不安を解消できるようなサポート体制を整えているところも多くあります。

例えば、

  • ・スクーリングの回数が多い
  • ・メール/電話/チャットなどで、わからないところを気軽に質問できる
  • ・担任制など一人ひとりにサポートがつく
  • ・動画授業が何度も見られる
  • ・小テストなど理解度チェックの機会がある
  • ・中学校での内容など、基礎に戻って教えてくれる

といった取り組みがされている通信制高校であれば、より安心してテストに臨めるでしょう。サポート体制には各高校で特色があるため、事前にチェックして、自分に合う学校を選ぶことが重要です。