通信制高校では、一般的に毎日登校して授業を受けるのではなく、決まった日時にスクーリングという形で登校し、授業を受けます。また、最近ではインターネット上で授業を受けられる通信制高校も見られるようになりました。
こうした通信制高校の授業はどのようにおこなわれるのでしょうか。内容やスケジュールなどについて解説します。

通信制高校とは?

通信制高校とは、郵送される課題やインターネット上での動画などを利用して、学校に毎日行かずとも通信教育で勉強する高校のことです。毎日の通学が必要ないことや単位制を導入していることが、全日制の学校との大きな違いです。ほとんど学校に通うことなく卒業できるため、不登校になった生徒や大人になってから学び直したい人など、さまざまな背景を持った人が在籍しています。

また、修業年限は全日制が3年ですが、通信制では3年以上となっています。通信制は原級留置(留年)がない代わりに、卒業に必要な単位を修得するまで卒業とはなりません。こうした特徴があるのが通信制高校です。

費用や入学・卒業の時期は?

明聖高校を例に、費用や入学・卒業の時期を確認してみましょう。まず、明聖高校通信コースにかかる費用は、入学金が40,000円、年間の授業料と施設費が年間190,000円で学費の合計は230,000円になります。ここに国からの支援金を活用すれば50,000円~111,200円まで抑えることが可能です。

入学時期は新入生と編入生の場合は4月ですが、他の高校から転入学する場合は6月から10月まで毎月受け付けています。卒業は、最低でも3年の在籍期間が必要ですが、生徒の学習ペースに合わせて卒業ができます。

詳しくはこちらの記事も参考にしてみてください。

通信制高校と全日制高校の違い、費用などについて詳しくはこちら

転入学や編入学するときの注意点は?

転入学とは、現在高校に在籍している生徒が別の高校に入学することで、編入学は高校を一度中退した人や海外から帰国した人が新たに高校に入学し直すことです。高校によっても異なりますが、転入学は随時受け付けている場合もあります。編入学は基本的には4月が多く、私立高校は学校によって異なる場合があります。

通信制高校に転入学や編入学するときには、どのようなことに注意すべきでしょうか。事前に確認すべき点としては、①居住地域から入学できるか、②修得している単位、③入学時期、④出願時の提出書類の4点が挙げられるでしょう。詳しい内容に関しては下記の記事を参考にしてみてください。

通信制高校への転入学・編入学について詳しくはこちら

通信制高校を選ぶメリットとは?

通信制高校には通信教育ならではのメリットがいくつもあります。代表的なものを挙げると、場所や時間を選ばず自分に合った形で学習を進められることや学校の選択肢が多いこと、人間関係などの不安に配慮してもらいやすいことがあるでしょう。

下記の記事で詳しい解説をしていますので、こちらも合わせて確認してください。
通信制高校を選ぶメリットについて詳しくはこちら

レポートの解説や単位認定試験対策が中心!通信制高校の授業内容

通信制高校の授業はどのような内容になっているのでしょうか。こちらも、明聖高校通信コースの例で解説していきます。

教科

英語、数学、国語、理科、地歴・公民 はもちろん、芸術科目(書道、美術など)や家庭科、情報、保健体育などの授業もあります。加えて、明聖高校オリジナルの学校設定科目「リラーン」が設けられているのが特徴です。リラーンでは、中学校の範囲の国語・数学・英語をおさらいし、基礎から無理なく学力をつけられるようにします。1年次は必修、2年次以降は選択制です。

内容

各授業では、教科書内の重要ポイントやレポートの解説を聞いたり、高校オリジナルのプリントに取り組んだりして、学習内容の理解を深めます。もちろん個々の質疑応答にも答えます。単位認定試験の前には、試験で押さえておきたいポイントも説明してもらえます。

HR(ホームルーム)

HRでは、生徒指導や進路指導がメインです。生徒指導では、高校生活の過ごし方や交通安全、薬物の危険性、がん予防などを学び、進路指導では、進学だけでなく、就職や夢に向けた活動など、通信高校生一人ひとりが自分の将来について考えます。

半日で授業が終わる学校も。通信制高校のスケジュール・授業の流れ

まず、通信制高校での授業のおこなわれ方は、学校によって大きく異なります。

授業を受ける頻度、つまりスクーリングの頻度が通信制高校によってさまざまです。なかには、スクーリング頻度の異なるコースを複数設けている高校もあります。例えば、明聖高校には登校頻度が週3日の「3日制コース」(中野キャンパス)、月2日の「通信コース」、年4回程度の「Webコース」があります。

また、授業の時間帯も通信制高校によって変わってきます。朝から夕方まで授業を受ける学校もあれば、午前や午後の片方のみ(半日)の学校もある、といった具合です。

以下では、明聖高校の通信コースを例に、実際の通信制高校における授業の流れ・スケジュールを見てみましょう。

明聖高校通信コースの授業スケジュール例

スクーリングは、月2回金曜日におこなわれます。始業は9時30分で、1限目から4限目まで授業を受け、13時に終了です。授業時間は各45分、授業の間の休憩時間は10分ずつとなっています。

午後は、2・3年次生向けに未再履修科目のスクーリングがおこなわれます(転入学・編入生が前の学校で履修できていない科目の授業を受けるなど)。5限目は13時30分から始まり、最長で8限目までです。17時に8限目が終わり、すべての授業が終了となります。

インターネットで授業が受けられる!明聖高校Webコースとは

明聖高校では、インターネットを通じて授業を受けながら通信制高校卒業を目指せる「Webコース」を設置しています。ここでは、Webコースの生徒がどのように授業を受けているのかご紹介しましょう。

動画授業

Webコースでは、動画授業の視聴を軸に学習を進めていきます。動画授業は、パソコンやスマートフォン、タブレットから「サイバー学習国」または「サイバーアカデミー」という学習コンテンツにアクセスして見ることが可能です。

すべての動画授業は、明聖高校の先生が制作したオリジナルコンテンツです。他のコースの授業を録画しているのではなく、いずれも動画授業専用に「わかりやすく」「楽しく」「飽きさせない」を重視して作られています。例えば、英語の授業は、先生たちによるロールプレイ(寸劇)なども交えながら、英語を使うシーンが目に浮かぶようになっているのが特徴です。

動画授業は24時間いつでも好きなときに繰り返し視聴できるので、レポートを作成しているときや、単位認定試験前に復習するときなどに見直せます。

サイバーチェック

動画授業を視聴したら、「サイバーチェック」というオリジナルの確認問題を解きます。サイバーチェックは各動画授業の内容に沿って作られており、授業を理解していれば問題なく正解できる難易度です。あらかじめ決められた基準以上の得点(理解度)を満たせば、「授業出席」としてカウントされます。ただし、基準に満たない場合は解答を送信できないため、動画授業を再度見て理解を深めてから再チャレンジしなければなりません。

「学習がここまで進んだ」「この単元まではしっかり理解できた」ということが目に見えてわかるため、達成感を得ながら学習を進められる仕組みになっています。

学習支援プリント

学習内容をより確実に理解したいときは、オリジナルの学習支援プリントに取り組むこともできます。プリントは「サイバー学習国」「サイバーアカデミー」からいつでもダウンロードでき、取り組みたいときに何度でも印刷して解き直すことが可能です。

登校(スクーリング)

年4回程度、登校スクーリングにも出席します。登校スクーリングは前期(8月頃)と後期(12月頃)にわかれており、いずれも2日程度です。普段、動画授業で目にする先生とリアルな場で顔を合わせ、わからないところを解決できる大切な機会です。

登校スクーリングは千葉県にある本校のほか、東京や大阪の会場でもおこなわれています。

アカデミー講座

学習コンテンツ「サイバーアカデミー」では、高校卒業の条件となっている学習内容に加え、趣味や将来の夢に活かせる内容を動画授業で学べる「アカデミー講座」が設けられています。内容は、ロボット工作、アプリ開発、英会話、ダンス、イラスト、ネイルなどさまざまです。アカデミー講座の動画授業もすべてオリジナルとなっており、なかには、各分野のプロフェッショナルが講師として授業を担当しているものもあります。