不登校は子どもの状態によっていくつかの種類に分けることができますが、その1つに「無気力タイプ」があります。子どもの状態によって支援の方法も変わってくるため、無気力タイプの特徴や原因を理解し、それに合わせた支援をおこなうことが重要でしょう。当記事では、無気力タイプの不登校を解説し、タイプに合わせた支援方法を紹介していきます。

無気力タイプの不登校とは?

不登校になる原因の1つに、子どもが無気力に陥ってしまうことが挙げられます。これは、なんらかの理由で自己肯定感が低かったり、日々の生活に物足りなさを感じたりすることで無気力になり、通学に対して意欲が湧かない状況です。

文部科学省の調査※によると、小中高を通じて不登校の主因として「無気力・不安」と回答する割合が最も高いことがわかります。以下の記事にも不登校をタイプ別にして対処法などを記載しています。併せて参考にしてみてください。

不登校とはどのような状態?5つのタイプ別に対処法を紹介

令和元年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について

無気力タイプの子どもに見られる特徴

不登校になった原因が明確でない

明確な理由がなく「何となくだるい」「めんどくさい」などの気分が続き、学校に行こうとする気力が起こらず、不登校になってしまうのが無気力タイプの特徴です。本人のなかでも明確な理由がわからず、「どうしていいかわからない」状態であることが少なくありません。

また、学校には行かない代わりに、テレビやゲームなどには熱中してしまうことがあります。ただし、ゲームなどに熱中すること自体は有害ではありません。遊ぶ時間を本人がコントロールできているのであれば、リフレッシュとして効果的なこともあります。ただし、ゲームに没頭するあまり、昼夜逆転してしまうなど、生活が大きく乱れる場合は本人と話し合うなどして、ルールを設けるなど、なんらかのアプローチをおこなったほうがよいでしょう。

子どもの状態が心配である場合は、下記の記事で詳しくご紹介しています。併せてご覧ください。

不登校中にゲームばかり、依存症の心配はない?家庭での適切な対処法 | 通信高校生ブログ

精神的には落ち着いている

無気力タイプは、学校生活に対して強い不安や不満を感じているわけではない場合があります。自尊心が低くなっていることも少なくないため一概にはいえませんが、精神的には落ち着いているように見え、日常的な会話や生活はある程度こなすことはできるのも特徴です。

打ち込むものがないなどの理由から生活に充足感がなく、どこかうわの空といった状態が続いています。放っておくと不登校が長期化する恐れがあるので、早めにケアを考えたほうがよいでしょう。

無気力タイプの不登校を改善する方法

それでは、無気力な状態が続いてそのまま不登校になってしまった子どもにはどのような対処をすべきでしょうか。下記では3つの対策を挙げています。

強い言葉をかけない

不登校になった子どもに対して登校するように強い言葉をかけても、親子関係がこじれてしまい、逆効果になってしまう可能性があります。基本的には良好な関係を保つことで、子どもが今どのような気持ちを抱えているのかを理解し、時間をかけて解決策を導いていくことが望ましいでしょう。

むしろ、子どもの友人関係が不登校を脱するきっかけにもなるため、友人と連絡を取ったり遊ぶよう促したりすることも解決策の1つとして考えられます。学内に友人がいなければ、フリースクールなど学校外のコミュニティを活用するのもいいでしょう。親だけで対処するのではなく、さまざまな角度から子どもへのケアが必要になりますから、以下の記事も参考にしてみてください。

不登校は甘えじゃない!親ができる不登校になった子どもへの4つの対応

学校の先生との関係を良くする

これはあくまでも子どもの状態によりますが、学校の先生との関係を良くすることで通学できるようになることもあります。北海道大学の適応指導教室に通う中学生を対象にした調査によると、先生との関係が改善すると、無気力状態が改善する場合があることが示されています。

とはいえ、ケースバイケースではあります。子どもの状態によってはあまり効果が期待できないこともあるため、子どもの現状を踏まえながら支援していくことが大切です。

通信制の学校への転向を検討する

通信制の学校であれば通学せずに家庭で学べるため、不登校になった子どもにも学習しやすい環境になるでしょう。通信制の授業を受け、学力面で自信が回復することで本人の充足感につながることもあります。

もちろん、通信制の学校の場合も、学校にまったく行かなくてもいい、というわけではありません。しかし、通学は月に数回程度ですので、子どもの負担を軽くことはできるでしょう。

子どもの不登校に悩んだら明聖高校にご相談ください

明聖高校では家庭にいながら学習できるように、オンライン学習の教材やサポート体制を充実させています。教科書に対応した動画形式の教材などを用意していますので、自宅にいながら学校の授業のように勉強ができます。

また、専門のカウンセラーも常駐しており、精神面でのケアにも対応しています。担任の先生はもちろん、カウンセラーに相談すれば、今抱えている不安や悩みを和らげることができるでしょう。