ネット高校とは、通信制高校のネット・WEBコースと同じでインターネットを通じて授業を受けたり、レポートを提出したりして高校卒業資格の取得を目指す学校です。多くが通信制高校のネット・WEBコースを指します。
学校に通わず高校卒業資格を得られる魅力に惹かれる人も多いですが、デメリットもあるので事前に情報を集めたうえで、自分に合っているかどうかを見極めることが大切です。
今回は、ネット高校の仕組みや適している人の特徴を解説します。ネット高校に興味がある人は、学校選びの参考にしてみてください。
ネット高校とは?通信制高校のネット・WEBコースを指す場合が多い
ネット高校とは、インターネット高校の略で、通信制高校のネットコースやWEBコースを指します。簡単にいうと、インターネットを通じて授業を受けられたり、自宅学習を中心に卒業単位を修得できたりする高校です。
本記事で紹介するネット高校も、通信制高校のネット・WEBコースを意味するので、まずは通信制高校の特徴から理解を深めていきましょう。
通信制高校とは?
通信制高校は、レポートやテストなどを通して主に自宅で学習し、高校卒業資格を取得できる学校です。学校やコースにもよりますが、ネット・WEBコースのほとんどは学校に登校する日が年に数日程度なのが大きな特徴です。
自分のライフスタイルに合わせて学習を進められるため、高校を一度中退したあとに学び直している人、働きながら高校卒業資格取得を目指す人、不登校の経験がある人など、さまざまな人が在籍しています。
通信制高校の特徴は以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
関連記事:通信制高校とは?全日制・定時制の違いなどわかりやすく解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校
ネット高校と通信制高校に違いはある?
先述したとおり、ネット高校は通信制高校の一種で、学校としては大きな違いがありません。ただし、コースという観点からは違う場合もあります。
以下は、通信制高校である明聖高校の千葉本校のコース例です。
| 項目 | WEBコース | 通信コース | 全日コース (全日総合・全日IT) |
|---|---|---|---|
| 登校日数 | 年間4日程度 | 年間約20日程度 (月2回金曜日) |
週5日登校 |
| 主な学習方法 | ・オンライン授業 ・レポート提出 |
・対面授業 ・レポート提出 |
対面授業 |
参考:千葉本校|明聖高等学校
このなかで、ネット高校と呼ばれるのは、オンライン授業を主体とするWEBコースです。全日コースと比べると、登校頻度や授業スタイルに大きな違いがあります。
より詳しく違いを知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:通信制高校にはどのような通学コースがあるの?学習内容や向いている人などを紹介|通信高校生ブログ|明聖高等学校
ネット高校の仕組みと主な特徴
ここからは、ネット高校の仕組みと主な特徴を解説します。
卒業条件は全日制高校と同じ
ネット高校を含む通信制高校の卒業条件は、以下のとおりです。
- ● 3年以上高校に在籍する
- ● 卒業までに74単位(必履修科目を含む)を修得する
- ● 卒業までに30単位時間以上の特別活動*に出席する
*特別活動:ホームルーム活動や学校行事など
これらは、全日制や定時制の高校で高校卒業資格を取得するための条件と同じです。法律上、学習内容や単位数に差がないことから、「ネット高校のほうが少ない勉強量で卒業できる」「ネット高校なら、新入学から3年もかけずに卒業できる」といったことはありません。
レポート・スクーリング・単位認定試験で単位を修得できる
多くの通信制高校は「単位制」という仕組みを採用しており、一般的な学年制の全日制高校のように出席日数が単位の修得に直接関わるわけではありません。
単位を修得するには、年に1~2回おこなわれる単位認定試験に合格する必要があります。単位認定試験は、以下の要件を満たすことで受験資格を得られます。
- ● 科目ごとに定められた規定通数のレポートを締め切りまでに提出する
- ● 科目ごとに定められた規定時数のスクーリングに出席する
レポートと聞くと、小論文や作文のようなものを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、ネット高校を含む通信制高校のレポートは、教科書を見ながら取り組める問題形式がほとんどです。
スクーリングは、学校や決められたスクーリング会場に登校し、対面授業や個別指導を受けます。
このように、ネット高校ではレポート・スクーリング・単位認定試験の3つを規定どおりにクリアすることで、単位を修得できます。
以下の記事では、レポートについて詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
関連記事:通信制高校で必須のレポートとは?難易度や頻度などを知ろう|通信高校生ブログ|明聖高等学校
入学できるチャンスが多い
ネット高校をはじめとする通信制高校では、転入学・編入学を含む入学のチャンスが多めに設定されています。
例えば明聖高校では、毎月1回(5月~翌年1月)の頻度で転入学試験を実施しています。転入年次に制限のある学校もありますが、明聖高校では高校1年生はもちろん、高校2年生の転入学も受け付けており、高校3年生も7月まで転入学が可能です。
一方、全日制高校における新入学や編入学のタイミングは、原則年に1回、4月のみです。転入学も、学期の変わり目など、チャンスが限られています。
こうして比較すると、ネット高校は入学できるチャンスが多いことから、「今通っている高校を辞めて、新たな環境でやり直したい」といった人から注目されています。
以下の記事でもネット高校を含む通信制高校の入学チャンスに触れているので、あわせてご覧ください。
関連記事:通信制高校へ編入学・転入学するには?違いと条件、流れを解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校
関連記事:通信制高校への転入学は高2でも大丈夫?学年別の注意点や手続きも解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校
入試の負担が比較的軽い
ネット高校を含む通信制高校の入試は、全日制高校のような学科試験をおこなう場合が少なく、負担が小さい傾向にあります。
例えば、明聖高校では、出願書類を提出後、作文と面接で合否を判定します。明聖高校に限らず、学力を重視しない通信制高校が多いため、今は学校に通っていないという人も気軽に受験できるのがメリットです。
ネット高校ならではの学習スタイル・サポート体制
ネット高校、つまり通信制高校のなかでも登校頻度が少ないネット・WEBコースは、インターネット環境を最大限に活用した学習スタイルやサポート体制が魅力です。ここからは、その魅力を4つに分けて紹介します。
オンライン授業や自宅学習が多い
ネット高校では、オンライン授業をはじめ、インターネットを活用して学習を進めるのが一般的です。タブレットやスマートフォン、パソコンなどを使って自宅で学習を進められるようになっています。
例えば、明聖高校のWEBコースの場合、オンライン授業と授業内容の確認問題「サイバーチェック」を中心に学習を進めます。レポートもインターネット上で提出することが可能です。
登校頻度(スクーリング)が少ない
ネット高校のスクーリングは、年に数日程度と少なく設定されている場合が多いようです。実際に、明聖高校WEBコースも、登校スクーリングは年間で3〜4日程度となっています。
登校日数を少なく抑えられるのは、通信制高校の標準的なスクーリングの時間の一部を、インターネット学習で置き換えているためです。オンライン授業をはじめとするネット高校のインターネット教材は、一般的な高校の対面授業に近い学習ができると認められているのです。
ただし、学習指導要領の決まりがあるので、すべてのスクーリング時数をオンライン授業などに置き換えることはできません。そのため、スクーリングが0日というネット高校はありません。
スクーリングについて詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:通信制高校のスクーリングでは何をする?日数や時間割例を紹介!|通信高校生ブログ|明聖高等学校
インターネット上で先生や友達と日々交流できる
ネット高校は、インターネットを活用して交流できる仕組みを整えている学校があります。
例えば、明聖高校WEBコースのオンライン学校である「サイバー学習国」では、チャットを通じて、先生や友達と日常的に交流することが可能です。
ネット高校はスクーリングが少ないため友達や先生と直接会える機会が少ないのがデメリットといわれがちですが、こうした仕組みがあれば、交流頻度を落とさず自宅での高校生活を送れます。
先生が生徒の状況を適宜把握してくれる
ネット高校はスクーリングが少ないため、「一般的な通信制高校以上に先生の目が届きにくく、挫折する人が多いのでは?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、実際は、メールや電話など通常のサポート体制に加え、インターネットを通じて先生が生徒一人ひとりの学習状況を把握しているネット高校もあります。
明聖高校では、ログイン状況や学習コンテンツの取り組み状況をもとに、生徒のつまずきを未然に防げるようサポートに取り組んでいます。これは、インターネットを最大限に活用するネット高校ならではの強みだといえるでしょう。
ネット高校を選ぶメリット
通信制高校のうちネット・WEBコースなどのネット高校を選ぶメリットは、大きく分けて4つあります。
以下の記事では通信制高校そのもののメリットやデメリットを詳しく紹介しているので、参考にしてみてください。
関連記事:通信制高校を選ぶメリット・デメリットを紹介!どんな人が向いているか全日制や定時制と比較して解説
自分のペースで学べる
ネット高校は、インターネット環境さえあればいつでも、どこでも学習できるのが魅力のひとつです。自宅はもちろん、気分転換に外でオンライン授業を受けるといったことも可能です。
また、単位制の場合は自分で時間割を組めるので、自分の理解度や興味に合わせて学習を進められます。
学業以外の活動と両立しやすい
時間割を自由に組める、自分の好きなタイミングで学べるネット高校には、スポーツや芸能活動など勉強以外に打ち込みたいものがある人でも学業と両立しやすいメリットがあります。
毎日学校に通う負担がないため、活動時間や睡眠時間を十分に確保したうえで、学習を進めることが可能です。
一人ひとりに寄り添ったサポートを受けられる
ネット高校は、対面での交流が少なく、学習も自己管理が必要になるため孤独感を覚えやすいことから、十分に対策を打っている学校が多い傾向にあります。そのため、一人ひとりに寄り添ったサポート体制が充実しているのです。
例えば、明聖高校のWEBコースでは、サイバー学習国にいつでも利用できる質問箱を設置しており、先生にわからないことを聞くことが可能です。場合によっては、それぞれに合った個別指導も含めて学習内容を解説します。
また、教員がカウンセリングやメンタルヘルスの資格を持っており、学習面以外の相談も気軽にできるようサポートしています。
インターネットを活用するからこそ気軽にコミュニケーションが取れる体制を整えているので、電話や対面で先生とやり取りするのが苦手という人にとっては特にメリットが大きいでしょう。
興味のある分野を学びやすい
専門分野や提携スクールの授業を選べるネット高校もあり、通常科目だけではなく自分の興味や関心のある分野を学びやすい特徴があります。
例えば、プログラミングやデザインなどの授業を実施している学校もあります。特定の分野で力を伸ばしたいという人にとって魅力が大きいでしょう。
ネット高校で感じやすいデメリットと対策
ネット高校にはデメリットもありますが、これは事前に知っておくことである程度対策できます。ここでは、ネット高校で感じやすいデメリットと対策を解説します。
自己管理が必要になる
ネット高校は、登校日数が少ない分、学習はもちろん生活習慣が乱れやすいため自己管理が必要になります。ついつい夜更かしして朝起きられなくなったり、自分で決めた学習計画を後回しにしてしまったりという人もいるでしょう。
自己管理といってもすべてを自分でどうにかしようと思う必要はありません。朝は起こしてもらう、授業を受ける時間になったら連絡をもらうなど、最初のうちはお家の人に協力してもらいながら習慣を作りましょう。
対面での交流が少なくなる
ネット高校は対面での交流が少なくなるので、孤独を感じやすいデメリットがあります。
入学してから活用する、しないにかかわらず、オンラインで先生や友達と交流できる仕組みがあるネット高校を選ぶことをおすすめします。仕組みがないと、交流したいと思ったときに、自分でほかの高校の人を探す必要があり、交流のハードルが上がるためです。
高校生活のなかで少しでも友達が欲しいという人は、学校選びの参考にしてみてください。
ネット高校に適している人の特徴
ここからは、ネット高校に通っている人の特徴から、適している人について解説します。
参考:高等学校通信教育の現状について|文部科学省
参考:通信制高校に行きたい!先輩たちはどのような理由で通っているの?|通信高校生ブログ|明聖高等学校
学業以外に打ち込みたいことがある人
ネット高校には、スポーツや芸能活動など学業以外の活動に時間を割いており、通学が難しい生徒も通っています。
そのため、活動時間を十分に確保しつつ、高校卒業資格も取得したいという人に向いています。
不登校経験がある人
ネット高校には、何らかの理由で不登校を経験した人も通っています。小中学校で不登校になった人はもちろん、一度入学した高校が合わなかったという人もいるのです。
不登校経験がある人にとって、毎日登校しなければならない学校は心理的にストレスが大きいでしょう。ネット高校なら自分のペースでゆっくりと学習を進められるため、登校のストレスを抑えて安心できる環境で学びたい人に適しています。
人間関係や悩みなどをリセットしたい人
ネット高校には、通っていた高校で人間関係に悩み、転入学・編入学してきた人もいます。人間関係や環境の悩みは自分で解決するのが難しい場合が多いため、新しい環境に身を置きたいという人も多いでしょう。
ネット高校は人との距離を保ちながら学習を進められるため、気持ちを切り替えたい人やこれまでの悩みをリセットしたい人に適しています。
働きながら高校卒業資格を取得したい人
ネット高校には、アルバイトや仕事をしながら学んでいる人も多く通っています。
そのため、中学校を卒業後、自由に使えるお金が欲しくて働きたい人や、起業して自分で事業をおこないながら学びたいなど、収入を得ながら高校卒業資格を取得したい人に適しています。
まさにネット高校!明聖高校の「サイバー学習国」とは?

明聖高校のWEBコースでは、「サイバー学習国」という楽しく学べるコンテンツを用意しています。ここでは、動画によるオンライン授業を受けて、サイバーチェックに回答する形で日々の学習を進めます。

自身のアバターを作って、Web上のチャットやコミュニティを通じて先生や他の生徒とやり取りが可能なほか、サイバー学習国のなかでバーチャル文化祭を楽しむこともできます。
自宅学習が中心ではありますが、学校の仲間とのコミュニケーションを深められるのはネット高校ならではの魅力だといえるでしょう。
サイバー学習国について、詳しくは以下のページをご覧ください。
サイバー学習国|明聖高等学校WEBコース
まとめ
ネット高校は、通信制高校のネット・WEBコースを指します。通信制高校のなかでも登校頻度が少なく、インターネットを活用した学習スタイルが特徴です。
自宅での学習が中心だからこそ自分のペースで学べる一方で、自己管理が必要だったり対面交流が少なくなったりといったデメリットもあります。これらを十分に理解したうえで、自分に必要なサポート体制があるネット高校を探してみましょう。
参考URL:
高等学校通信教育の現状について|文部科学省
サイバー学習国|明聖高等学校WEBコース
通信制高校とは?全日制・定時制の違いなどわかりやすく解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校
通信制高校にはどのような通学コースがあるの?学習内容や向いている人などを紹介|通信高校生ブログ|明聖高等学校
通信制高校で必須のレポートとは?難易度や頻度などを知ろう|通信高校生ブログ|明聖高等学校
通信制高校へ編入学・転入学するには?違いと条件、流れを解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校
通信制高校への転入学は高2でも大丈夫?学年別の注意点や手続きも解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校
通信制高校のスクーリングでは何をする?日数や時間割例を紹介!|通信高校生ブログ|明聖高等学校
通信制高校を選ぶメリット・デメリットを紹介!どんな人が向いているか全日制や定時制と比較して解説
通信制高校に行きたい!先輩たちはどのような理由で通っているの?|通信高校生ブログ|明聖高等学校

明聖高等学校は、千葉・中野にキャンパスを構える通信制高校です。全日コース・全日ITコース・通信コース・WEBコースに分かれており、一人ひとりに合わせた高校生活を過ごすことができます。















