大学受験を見据えた場合、通信制高校を選ぶと進学に不利にならないかと心配されている方も多いのではないでしょうか。また、通信制高校でも推薦で進学できるのか不安に思っている方もいることでしょう。
そこで今回は、指定校推薦について解説するとともに、通信制高校の指定校推薦事情について紹介していきます。

指定校推薦とは?

指定校推薦とは、推薦入学の方法のひとつです。大学が「指定校」と定めた学校に推薦枠が与えられる仕組みで、その推薦枠を利用して出願する制度のことを指します。

大学はこれまでの進学実績などから指定校を定め、推薦枠を与えます。一方、指定校に定められた学校は、指定校推薦枠での出願の希望を募り、希望者に対して校内選考をおこない、最終的に学校側から推薦する生徒を決めるという制度です。よって、指定校推薦で出願するためには、校内選考で選ばれる必要があります。選考は評定平均や出席日数、部活動、課外活動などの実績に基づいて判断されます。学校ごとに推薦枠の数は異なり、一般的に1~3人程度となっています。

またスケジュールは、おおよそ10月頃までに校内選考で推薦される生徒が決まり、出願ののち、小論文や面接などを経て12月頃に合否が決まるといった流れで進行します。

指定校推薦のメリット

指定校推薦のメリットとして、以下の4点が挙げられます。

1 合格できる確率が極めて高い

指定校推薦は、大学が事前に指定校に対して枠を用意しているため、基本的には不合格になることはほとんどありません。ただし、推薦枠が限られているため、そもそも校内選考で選ばれること自体が簡単ではありません。

2 合格発表が早い

指定校推薦の合格発表時期は12月前後となっています。2月から3月までかかる一般選抜と比較すると、かなり早い段階で進路を確定できます。合格後に高校生活最後の時間を満喫したり、大学入学前にしっかりと勉強したりするための十分な時間を確保できます。

3 一般選抜では入ることが難しい大学にも入学できる可能性がある

通っている学校が指定校の推薦枠をもらっていれば、自身の学力から一般選抜では合格するのが厳しい大学でも入学することが可能です。どうしても入学したい大学があるものの、今の学力では厳しいという方にとっては大きな選択肢のひとつになります。

4 受験にかかる費用を抑えられる

基本的に専願となるため、受験料などを1大学分のみに抑えられます。私立大学の受験料は1校につき3万5000円程度となっており、複数の大学を受験する場合は受験料だけで10万円以上かかるケースもあります。また、受験料に限らず、受験に向けて予備校に通うとなれば、予備校の授業料などもかかります。指定校推薦で入学できれば、これらの費用を抑えられます。

指定校推薦を受ける際の注意点

続いて、指定校推薦を受ける際の注意すべき点を3つ紹介していきます。

1 合格したら他の大学を受けることができない

指定校推薦で合格した場合、原則として辞退はできません。一般選抜では、複数の大学を併願することが多いですが、指定校推薦では併願は認められていません。

そのため、指定校推薦での入学を希望する場合は、志望する大学が本当に自分の求めている目的を達成できる大学なのか、事前に注意深くリサーチする必要があります。リサーチが不十分だと、入学してから後悔することもあるでしょう。志望大学を決める際は、資料を読み込み、オープンキャンパスにも参加するなどして、しっかりとリサーチをしておきましょう。

2 国立大学への指定校推薦はない

原則として、国立大学には指定校推薦の枠がありません。推薦で国立大学に入りたい場合は、基本的に公募推薦となります。ただし大学ごとに事情は異なるため、確認が必要です。

3 入学後、学力の面でついていけなくなることも

指定校推薦を希望する場合も、面接や小論文対策といった受験勉強は必要になりますが、一般選抜のために勉強をしている生徒と比べると、学力の面では不利になります。
そのため、合格後も大学の授業で置いていかれないよう、勉強しておく必要があります。

総合型選抜(旧:AO入試)との違いとは

両者の違いとしては、指定校推薦は学校から推薦をもらって出願をするのに対し、総合型選抜は自らの意思で出願をおこなう、といった点が挙げられます。また総合型選抜の場合、学内での実績よりも大学が求める学生像に見合った生徒であることが求められます。
出願の条件として一定以上の評定平均を求められる指定校推薦と総合型選抜とでは性質が大きく異なります。それぞれの推薦制度の特性を理解したうえで、自分に合った方法を選ぶようにしましょう。

通信制高校でも指定校推薦は受けられる?

通信制高校でも、指定校推薦の枠を持っている学校は少なくありません。近年では、有名大学の推薦枠のある通信制高校も多くあります。指定校推薦での入学を考えている場合は、志望する大学の推薦枠を持った通信制高校を選びましょう。

明聖高校なら指定校推薦や進路相談を受けられます

明聖高校では、指定校推薦を含めた進路相談のサポートが手厚く用意されています。ここからは、明聖高校の受験に対するサポートについて紹介していきます。

指定校が難しい進学先は目指せる?

通信制高校でも、指定校推薦の枠のない難関大学や、そもそも指定校推薦がない国立大学への進学実績も数多くあります。明聖高校を例に挙げると、国立の名古屋大学や私立の慶応義塾大学、上智大学といった名門大学への進学実績の他にも、医療系やスポーツ系、デザイン系など幅広い分野の専門学校への進学実績もあります。

これらの実績からも、本気で目指したい大学がある場合は進学は十分に可能であるということがわかります。

明聖高校の近年の進学実績に関して、詳しくはこちらのページをご確認ください。

通信制高校からの進学は不利?

通信制高校に通っていたとしても、大学進学に不利になることはありません。

一方で、全日制高校と比べて通信制高校の大学進学率が低いのも事実です。文部科学省がおこなった「平成30年度 学校基本調査」によれば、通信制高校の大学進学率は18.5%となっています。全日制・定時制高校の大学進学率が54.7%であるのと比べると、その差は歴然です。

差が大きくなる理由として、そもそも通信制高校にはさまざまな背景を持った生徒が通っている、ということが挙げられます。これらの事情から、全体的に見ると通信制高校からの進学率は低いものの、なかには受験へのサポートが手厚い通信制高校もあります。大学進学を前提に通信制高校に通う場合は、大学進学に向けた支援が充実した学校を選ぶことをおすすめします。

明聖高校では、中学までの基礎学力をつけたうえで大学進学を目指せる応用力を身につけられるカリキュラムが整っています。詳しくは、こちらのページをご確認ください。