今、日本でどれくらいの生徒が不登校になっているかをご存知でしょうか?不登校は決して他人事ではありません。子どものいる家庭なら特に、不登校について正しい知識を持っておく必要があります。
今回の記事では、政府が公表している調査結果を参考に不登校の生徒の実情について紹介していきます。

小中学校の不登校の現状

文部科学省が2021年に公表した『児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要』によれば、2020年の小中学校の不登校の生徒数は196,127人にのぼるとのことです。全体の在籍生徒数に占める不登校生徒の割合は2%となっており、過去5年間で不登校生との割合が増加しているとのデータも公表されています。

不登校とひきこもりの違い

不登校について理解するうえで知っておきたいのが、ひきこもりとの違いです。両者は混同されがちですが、厳密には異なります。両者の主な違いは2点あります。

1点目は年齢です。不登校は高校生までの学校に通っている生徒・児童を対象としているのに対し、ひきこもりには年齢の制限がありません。
2点目は期間です。不登校は年度内に30日間以上欠席しているという条件が定められている一方、ひきこもりは6ヵ月以上家にとどまり他者との交流をしていないという条件になっています。

 
なお、不登校とひきこもりの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご参照ください。
不登校とひきこもりの違いは?原因はなに?親ができる対応3つも紹介 | 通信高校生ブログ

中学校生活のタイプ別調査

ひとえに不登校といっても、事情や状況はさまざまです。日本財団が2018年に実施した『不登校傾向にある子どもの実態調査』では、全中学生の登校状況を6つのタイプに分類しています。この資料を参考に、不登校の種類や特徴について探っていきます。6つの分類は以下のとおりです。

不登校 学校に行っていない状態が一定期間以上ある
教室外登校 学校の校門・保健室・校長室等には行くが、教室には行かない
部分登校 基本的には教室で過ごすが、授業に参加する時間が少ない
仮面登校
(授業不参加)
基本的には教室で過ごすが、皆とは違うことをしがちであり、
授業に参加する時間が少ない
仮面登校
(授業参加)
基本的には教室で過ごし、皆と同じことをしているが、
心の中では学校に通いたくない・学校が辛い・嫌だと感じている
登校 学校に馴染んでいる

同調査によれば、この分類のうち「不登校」にあたる中学生は約10万人にのぼるとのことです。また「登校」以外の分類をまとめた不登校傾向にある生徒の数は約33万人となっており、このことからも多くの中学生が学校生活に悩みを抱えていることがわかります。

どうして不登校になってしまうの?

では、なぜ不登校の生徒が出てしまうのでしょうか。当然一概にはいえませんが、大きな理由としては「学校に馴染めなかったから」というのが多いようです。
まず、学校での同級生や先輩・後輩との人間関係の問題や、授業の内容に追いつけなくなることなどが理由として挙げられます。また厳しい校則に対して窮屈さを感じるようになったり、部活動で顧問の先生から厳しい指導を受けて学校に行くことを苦痛に感じるようになったりといったケースもあるようです。

 
中学生が不登校になってしまう理由やその対策については、以下の記事で紹介しています。あわせてご参照ください。
中学生が不登校になる原因は?親ができることや今後の進路も紹介 | 通信高校生ブログ

不登校になった時の支援

自分の子どもが不登校になると、親としては心配になってしまうものです。不登校になった子どもに対して、親はどのような支援をすべきなのでしょうか。

親ができる支援

第一に気をつけるべきなのは、子どもに干渉しすぎないということです。無理に学校に行かせようとしたり、原因を追求したりすると、結果的に子どもを追い詰めることになり、事態が悪化しかねません。心配な気持ちはわかりますが、本人の気持ちに寄り添って、意思を最大限尊重するようにしましょう。

また、子どもが不登校になったことで親が自身を責めてしまうケースも少なくありません。
不登校はどの家庭でも起こりうる問題です。決して自分を責めたりせず、子どもと一緒に乗り越えるという意識を持ちましょう。自分たちだけで抱え込んでしまうと、ストレスも溜まっていくでしょう。親だけで解決しようとせず、外部の支援機関なども積極的に活用していくことが重要です。
 
以下の記事では、子どもが不登校になった際に親がとるべき行動について解説しています。あわせてご参照ください。
子どもが不登校になったら親は仕事を辞めるべき?考え方をお伝えします | 通信高校生ブログ

支援施設の利用

近年では、不登校の子どもや親をサポートする支援施設も多くあります。家庭だけでは解決できなくても、支援施設を利用することで状況が改善するケースもあります。例えば、都道府県や市町村が設置している教育支援センター(適応指導教室)です。センターでは、子どものカウンセリングだけでなく、在籍している学校とも連絡を取って学習指導などを実施してくれます。さらに、適応指導教室への出席は在籍校の出席としてカウントされるというメリットもあります。

 
施設のサポートを含む不登校の子どもに対しての向き合い方については、以下の記事で詳しく解説しています。
不登校の子どもに適切な対応をするために。家庭での向き合い方と利用できる施設を解説 | 通信高校生ブログ

信制高校なら中学の勉強に自信がなくても大丈夫

不登校で悩んでいる人のなかには、学校の授業についていけないと心配している人も多いかと思います。中学校の授業の基礎が身についていないと、高校の授業についていけず、授業を苦痛に感じるようになることもあります。

勉強面での心配がある人には、通信制高校がおすすめです。通信制高校なら、中学の勉強の復習から実施してくれるところも多くあります。
明聖高校では、オリジナル教材「礎」を用いて中学校の授業の総復習をおこなっています。また、中学校の国語・数学・英語の基礎を復習できる「リラーン」という科目が用意されているため、授業についていけなくなる心配もありません。
 
明聖高校の基礎学力向上のための取り組みについて詳しく知りたい方は、こちらもご確認ください。
基礎学力向上のサポート|明聖高等学校(千葉・中野の総合通信制高校)