通信制高校で学びたいと考えている人のなかには、すでに中学卒業・高校中退から年数が経っている人も多いでしょう。「何歳まで通信制高校に入学できるんだろう。入学できても勉強についていけるだろうか」など、年齢を理由に不安を感じることもあるかと思います。今回は、通信制高校の生徒の年齢構成や、入学にあたっての年齢制限の有無などについて解説します。
1.年齢を重ねても入学可能!通信制高校に年齢の上限はない
通信制高校を含むすべての高校の入学資格は、法律で次のように定められています。
- ・中学校を卒業しているか、中学卒業と同等の学力があると認められていること
- ・入学の段階で満15歳以上であること(満15歳になる年度が終わるまでは、保護者が子どもを中学校に行かせる義務があるため)
このように、高校入学には年齢の下限はあるものの、上限はありません。つまり、中学卒業程度の学力があり、15歳以上であれば、誰でも通信制高校に入学できます。
社会人が通信制高校に通うメリットは?
社会人が通信制高校に通うことにはさまざまなメリットがあります。例えば、最終学歴によってチャレンジできるキャリアに差がある企業も少なくありません。
もともと最終学歴が中卒の人が通信制高校を卒業すれば、最終学歴が高卒になってさらに幅広い職種にチャレンジできる可能性もあります。また、転職の際にも通信制高校卒業という学歴が役に立ちます。最終学歴が高卒になることで、就職できる企業の幅も広がるでしょう。
チャレンジできる職種が広がれば、給与にも差が付くことが多いです。
このように、今後さらなるキャリアアップを考えている社会人にとって、通信制高校に通うメリットは大きいのです。
社会人が通いやすい通信制高校の選び方
社会人は学生ほど融通が利かないため、通信制高校選びにも注意が必要です。ここからは、社会人が通信制高校を選ぶ際に確認しておきたいポイントを2つ紹介します。
自宅から通える範囲にあるか
1つ目は自宅からの距離です。社会人でなくても重要ですが、自宅までの距離が遠ければ遠いほど通学の負担は大きくなります。働きながら通学する場合は限られた時間のなかで通学することになるため、無理なく通える範囲の学校を選ぶようにしましょう。
学校選びの際は、実際に通学することを想定して自宅から何分かかるのかを測ってみることをおすすめします。
仕事のない日に授業を受けられるカリキュラムか
仕事との両立を実現するためには、仕事のない日に授業を受けられるかどうかも重要なポイントです。
ひとえに通信制高校といってもコースはさまざまで、コースごとに授業の形式も変わります。平日に仕事をしている場合、土日や平日夜間のみのコースしか選べないと思うかもしれませんが、WEBコースという選択肢もあります。
最近ではさまざまな通信制高校が年に数日だけ登校(スクーリング)が必要なWEBコースを設けています。空き時間をうまく活用して自宅で学習を進めたいという人にはWEBコースがおすすめです。
なお、明聖高校のWEBコースなら、パソコンやスマートフォンでいつでも授業を視聴することができるうえ、スクーリングも年間4日程度となっているため、社会人でも無理なく両立できます。
明聖高校のWEBコースについて詳しく知りたい方は、以下のページをご参照ください。
WEBコース|明聖高等学校(千葉・中野の総合通信制高校)
通信制高校の生徒は何歳くらいが多い?
政府の調査によると、2017年における通信制高校の生徒の年齢別割合は、次のようになっています。
- ・15~19歳 81.66%
- ・20~24歳 10.65%
- ・25~29歳 3.51%
- ・30~39歳 2.77%
- ・40~49歳 0.81%
- ・50~59歳 0.29%
- ・60歳以上 0.31%
10代の生徒が8割以上を占め、20歳以上は2割弱にとどまるのが実情です。ただし、割合だけ見ると少ないように感じられますが、実際の人数を見てみると、20歳以上で通信制高校に通っている人は全国に3万3,000人もいます。
さらに、公立の通信制高校だけのデータを見ると、15~19歳の生徒の割合は約半分で、残りは20歳以上の生徒です。通信制高校では、10代だけでなく、さまざまな年齢の人が学んでいることがわかります。
20歳以上でも大丈夫!通信制高校の特徴とフォロー体制
入学資格に年齢上限がないとはいえ、「本当に大人になってからでも高校で勉強を続けられるのかな」と心配になることもあるでしょう。通信制高校には、そのように20歳以上になってから高校の卒業を目指す人でも自分らしく学習できるような仕組みが整っています。
入試
私立を中心に、入試で学力試験がない通信制高校が多く見られます。しばらく学校の勉強から離れていても、出願することが可能です。学力試験がない場合は、面接や作文、出願書類だけで入学が可能か判断されます。
学習についてのフォロー
学習については、中学の基礎からじっくり復習できるカリキュラムを組んでいる通信制高校が多くなっています。自宅学習中にわからないところがあった場合にも、スクーリング中に質問できるほか、電話やメールFAXなどで相談に乗ってもらえる高校が一般的です。
年齢を重ねてから勉強することに対して、ついていけるか不安になることもあるかと思いますが、「学びたい」意欲、「高校卒業を目指したい」という目的意識をしっかり持てば、大丈夫です。
学習スタイルや生活習慣についてのフォロー
通信制高校は、働いている人や、不登校の経験がある人、病気と闘っている人など、さまざまな事情を抱えた生徒が多く通っています。そのため、先生は勉強の内容だけでなく、学習スタイルや生活習慣などについても、一人ひとり丁寧に相談に乗ってくれます。
仕事との両立が不安な人や、心のケアをしながら高校に通いたい人も心配はいりません。
人目を気にする必要が少ないスクールライフ
20歳を過ぎて高校に通うことを思わずためらってしまう人もいるかと思いますが、通信制高校では、年齢が上でも人目を気にせず学習して卒業を目指せるようになっています。
まず、通信制高校はスクーリング日数が少なく、スクーリングのときも、決まったクラスがないことがほとんどです。そのため、10代の生徒も大勢の友達と集まっているということが少なく、「10代の子たちばかりのクラスで、大人が浮いてしまって気まずい」ということはあまりありません。
さらに、通信制高校によっては、社会人コースを設置しているところもあり、20代以上の人だけが集まってスクーリングをおこなうケースもあります。加えて、制服が必須ではない通信制高校が多く、大人になってから制服を着ることに抵抗がある人も安心できます。
社会人が働きながら通信制高校を卒業するには?
もともと、通信制高校は、働いているなどの理由で、全日制・定時制高校に通えない人のために設置された学校です。現在でも、20歳を超えて社会人になってから、通信制高校の卒業を目指す人は多くいます。以下で、社会人が通信制高校に通うにあたって気になるポイントを解説していきます。
卒業までの年数
通信制高校を含む高校を卒業するためには、3年以上在籍しなければならないと法律で決められています。ただし、2年次以降から編入した場合は、それより短い期間で卒業できる場合もあります。
加えて、半数以上の通信制高校が、在籍年数の上限を設けている点にも注意が必要です。6年や8年以内に卒業しなければならない通信制高校が多くなっています。
実際は、社会人でも最短の3年で通信制高校を卒業している人から、5年以上かかる人までさまざまです。文部科学省のデータを見ると、卒業までの期間が3年を超える人は約8%となっています。
仕事とスクーリングの両立
仕事と通信制高校を両立したい場合は、スクーリング回数の少ない学校をおすすめします。また、社会人コースを設置している通信制高校のなかには、スクーリングの日が土曜日に設定されていたり、スクーリングを連続でまとめた日数でおこなったりするところもあるため、頻繁に休みを取れない人は検討してもよいかもしれません。
仕事自宅学習・レポートの両立
自宅学習やレポート作成をオンラインでできる通信制高校は、仕事と両立しやすいといえます。タブレットやスマートフォンを使って教材やレポートに取り組めるため、通勤中や仕事の休み時間といったスキマ時間を使って学習を進めることができます。
高校卒業までのモチベーション維持
通信制高校のなかには、さまざまな科目のなかから、自分の関心にあった内容の授業を受けられる学校もあります。社会人の場合は、特に仕事に直結するような科目を選べば、学習を続けるモチベーションの維持につながるでしょう。
まとめ
通信制高校では、年齢に関係なく学習し、高卒資格取得を目指すことが可能です。「もう一度きちんと勉強したい」「就職や仕事でのキャリアアップのために高卒資格を取りたい」と思うことがあったら、後悔のないよう、通信制高校の入学を検討してみてはいかがでしょうか。
参考URL:
WEBコース|明聖高等学校(千葉・中野の総合通信制高校)
明聖高等学校は、千葉・中野にキャンパスを構える通信制高校です。全日コース・全日ITコース・通信コース・WEBコースに分かれており、一人ひとりに合わせた高校生活を過ごすことができます。