発達障害を抱えている方は、ほかの生徒と同じように活動したり、学習したりすることが困難なことも多くあります。「全日制高校に進学したものの、うまくなじめなかった」という声を耳にすることもあるかもしれません。
基礎学力や継続的な学習、集団生活に不安がある場合には、通信制高校を選択肢に入れて、進学先を検討してみてはいかがでしょうか。その理由をご紹介します。

特別な支援を必要とする人の多くが通信制高校へ

学習面に不安がある場合でも、通信制高校なら安心して高校卒業を目指せます。

全日制高校の場合、基本的には集団での一斉授業が学習の基盤になります。
そのため、どうしても理解が進まない学習内容があったり、集団のなかで集中して学習することが困難だったりすると、高校で学習を続けることそのものが難しくなってしまいます。

一方で、通信制高校の多くは、学習の理解がのんびりしている方でも卒業まで学習を続けられる環境が整っています。
実際、なんらかの障害を抱えながら通信制高校に通っている人は多数です。2011年に行われた「高等学校定時制課程・通信制課程の在り方に関する調査研究」によると、通信制高校全体で特別な支援を要する生徒は8.5%で、人数でいうと6,400人にも上ります。
また、学習障害のある生徒は1.5%(1,015人)、発達障害を抱えている生徒は3.0%(2,038人)です。割合だけを見ると少なく思えるかもしれませんが、人数に注目すると、学習に悩みを抱える多くの人が、通信制高校を進学先として選んでいることがわかるでしょう。

自分のペースでじっくり学習できる通信制高校の4つの特徴

集団での学習が不安な方に通信制高校が選ばれている理由には、次のようなものがあります。

自宅学習がメインでスクーリングが少ない

通信制高校での学習は、自宅での自学自習がメインになります。
そのため、生徒一人ひとりが自分のペースで学習の理解を深めることが可能です。また、通院の予定が入ったり、気分のアップダウンがあったりしても、学習スケジュールを自由に調整できます。

スクーリングも必要ですが、週1日以下など、全日制高校よりも登校日数は少なくなっています。なかには、年数回のスクーリングで単位を修得できる通信制高校もあり、周囲に合わせて行動するのが苦手な方や、音に敏感な方にも適した高校もあります。

発達障害への理解がある学校が多い

通信制高校には、発達障害を持つ方に限らず、さまざまな悩みを抱えた生徒が多数入学しています。
そのため、生徒それぞれの事情に応じて、柔軟な対応をしてくれる学校が多いのが特徴です。例えば、個別学習や補充学習などに対応してくれる学校が見られます。

サポート体制が整っている学校がある

通信制高校のなかには、発達障害を抱えている方のサポートに特に力を入れ、体制を整えている学校もあります。サポート体制の例としては、以下のようなものがあります。

  • ・外部の医療機関や教育と連携している
  • ・校内にソーシャルワーカーがいる
  • ・校内に心理カウンセラーがいる
  • ・ソーシャルスキルトレーニングが受けられる
  • ・個別の指導計画を立ててもらえる

また、先に紹介した「高等学校定時制課程・通信制課程の在り方に関する調査研究」によると、特別支援教育コーディネーター(発達障害を抱える方を支援するため、医療機関・教育機関との連携を調整したり、家族の相談窓口の役割を担ったりする専門職の教員)を指名している通信制高校は44.2%で、そのうち5人以上指名している学校は3.5%となっています。
学校を挙げてハンデを抱えている方をサポートしている通信制高校は多いといえるでしょう。

興味のある分野を伸ばせる機会がある

自宅学習がメインの通信制高校では、自分で自由に使える時間が多いため、学習以外の好きなことや得意なことにも積極的に打ち込めます。

また、学校での学習のなかでも、主要教科以外に興味のある分野を伸ばせる通信制高校は多くあります。アニメやゲーム、音楽、コンピュータなどを学べるコース・選択科目を設置している通信制高校がその例です。
集団での学習が苦手でも、特定の分野に強い関心がある方は、通信制高校で得意分野をもっと伸ばすことで、それを将来の進路へつなげていくことも可能です。

一人ひとりの学習をサポート。明聖高校の特徴を紹介

明聖高校でも、生徒の状況により、受け入れ可能かどうかを判断しています。
以下で具体的なサポート体制をご紹介しましょう。

個別学習室

普通教室と別に設けられた個別学習室では、少人数制で学習をサポートしています。教室や集団が苦手でも、落ち着いて学習を進めることが可能です。

校内にカウンセラーが常駐

専門の心理カウンセラーが学校に常駐しており、学校生活での悩みをスムーズに相談できます。

教員がカウンセリングの資格を所持

専門のカウンセラーだけでなく、教員もカウンセリングやメンタルヘルスなどの専門研修を受講し、資格を取得しています。
日々の学校生活のなかで、集団や学習に対する不安を抱える生徒を支えています。

WEBコースでの学習が可能

スクーリング日数が年4回程度と少ないWEBコースは、自分のペースで学習したい方におすすめです。また、WEBコースには一般教養を深めたり、資格取得が目指せる「サイバーアカデミー」があり、得意分野を伸ばしていくこともできます。