通信制高校へ入学しようとするとき、出願時の作文や入試の面接などで志望動機(志望理由)を求められることがあります。「どう書いていいか/伝えていいかわからない」「志望動機を理由に入試で不合格になったらどうしよう」と不安に思う人もいるかもしれません。
今回は、通信制高校の志望動機の書き方・まとめ方のポイントを解説していきましょう。

通信制高校の入試では志望動機が頻出!

通信制高校の志望動機を聞かれるのは、主に次のような場面です。

  • ・出願時に願書と一緒に提出する作文
  • ・入試会場で決められた時間内に一斉に取り組む作文試験
  • ・入試の面接で質問される

通信制高校の入試では、学力検査(教科のテスト)が行われないケースも珍しくありません。その分、作文や面接で伝える志望動機が合否の重要な判断材料になるといえます。

▼通信制高校の入試についての詳細はこちら。
通信制高校と全日制高校の違いは?通学・授業や卒業要件、費用について解説

通信制高校の入試はどう行われる?作文の字数や面接時間

志望動機を尋ねられる通信制高校の出願や入試は、どのように行われているのでしょうか。一般的なケースについて、例も交えながら解説していきましょう。

作文(出願書類)

入学願書などの出願書類と同時に作文の提出が求められる場合では、指定の様式に鉛筆で記入するのが一般的です。テーマについては、志望動機をストレートに書くケースのほか、明聖高校のように「入学後の抱負」という切り口が設定されていることもあります。志望動機を直接聞いているわけではありませんが、「入学後に明聖高校でこんな高校生活を送りたい」という内容を伝える中で、志望動機についても触れることになるでしょう。字数は学校によりさまざまですが、明聖高校の作文は300字以上400字以内となっています。

作文(会場での試験)

入試会場で作文する場合の制限時間は30分前後が多いようです。字数は、400字の学校もあれば、800字の学校もあります。作文のテーマは、出願時に提出するときと同様です。学校によっては2つ以上のテーマで作文を書くこともあります。テーマは当日会場で提示され、試験直前までわかりません。

面接

所要時間は15分前後が目安です。
また、明聖高校WEBコースのWEB面接は、受験者がいくつかの決められた質問に対して、自分でその回答を動画撮影して学校宛てに送信するユニークな方法です。

試験当日の流れ

教室などに集合したあと、点呼を取ったり注意事項が説明されたりして、試験が開始されます。作文と面接が同じ日に実施される場合は、最初に作文試験を受け、その後順番に面接を受けるという流れがオーソドックスです。

試験での服装や髪型

試験の服装は高校側から指定されることは基本的にありませんが、服装から、高校生活・社会生活を送るためのマナーを守れるかどうかが見られています。
制服着用の中学校や高校に在籍中の方は、制服が無難ですが、制服を着るのが難しい場合は、ジャケット+襟付きのシャツまたはブラウス+パンツまたはスカートといった清潔感のある服装がよいでしょう。
髪は地毛の色で落ち着いた髪型にします。ピアスなどのアクセサリーは外しておきましょう。
メイクはノーメイクでかまいません。日ごろ仕事などでメイクをしている人は薄めのナチュラルメイクを心掛けます。

印象がよくなる!志望動機の書き方・伝え方3つのポイント

通信制高校の先生は、出願・入試での志望動機から、受験者の高校生活への意欲(やる気)や、作文・面接に真剣に取り組んでいるかを見ています。それらが伝わり、印象のよくなる志望動機の書き方・伝え方のポイントを紹介しましょう。

【ポイント1】ありのままに、具体的に、ポジティブに

全体を通じて、オーバーに書いたり、嘘をいったりせず、正直に自分の思いや状況を伝えましょう。通信制高校の先生は基本的に「受験者を受け入れたい。そのために素の人柄を知りたい」という思いで志望動機を聞いているからです。
また「何となく高卒資格を持っておいたほうがいい気がするから」といった抽象的な志望動機は、人柄や思いが伝わりにくく、学校側も判断に困ってしまいます。さらに「親にいわれたから仕方なく行くことにした」のようなネガティブな志望動機は「この受験者は、通信制高校以外の選択肢のほうが合っているのではないか」という印象を与える可能性が高いです。
前向きな志望動機を具体的に伝えるようにしましょう。

【ポイント2】通信制高校での学校生活に対する期待・意欲が伝わるように

例えば「不登校経験があったり、病気の治療をしていたりして、全日制高校では学習の継続が難しいけれど、通信制高校で自分のペースをつかみながら、高卒資格を取りたい」のように、受験する通信制高校の学校生活に対する期待や意欲を伝えましょう。自分の経験をもとに説明すると伝わりやすくなります。

【ポイント3】通信制高校卒業後の夢や目標も踏まえて

「将来の夢や目標をかなえるために、この通信制高校で学び、卒業資格を取りたい」と伝えることも大切です。
「学力を付けて将来大学に進学したい」「高卒資格を活かして、あこがれの業界・企業に就職したい」「関心のある分野(IT、美容、デザインなど)について知識やスキルを身につけたい」など、恥ずかしがらずに率直な思いを伝えてみましょう。

作文も面接も繰り返し練習しよう!

出願や入試で自分の志望動機がしっかり伝わるように、作文も面接も事前に繰り返し練習しておきましょう。本番で緊張しすぎないよう、慣れる意味もあります。
作文は、いいたいことを過不足なく字数内にまとめられるようにしましょう。入試当日に作文する場合は、時間内に書く練習も不可欠です。
面接は、伝える内容を一語一句暗記するより、いいたいことを箇条書きでメモするなどして頭に入れておき、文章にして話せるようにしたほうが、ありのままの自分を出せます。
これらの練習では、家族や友人、中学校の先生、カウンセラーなどに協力してもらうのがおすすめです。作文のアドバイスをもらったり、面接官役になってもらったりしてみましょう。