プログラマーは、男子中高生が将来なりたい職業で2位(※)を獲得した人気の職業です。プログラマーに憧れを抱く中高生のなかには、今からなり方や勉強方法を知っておきたい人もいるのではないでしょうか。
今回は、プログラマーになる方法や必要な資格、将来性についてご紹介します。
※参考:中高生が思い描く将来についての意識調査2023|ソニー生命保険株式会社
プログラマーとは
プログラマーとは、コンピュータを動かすためのシステムやソフトを作る職業です。プログラマーは、プログラミング言語を用いることで、以下のようなものを開発します。
- ・Webサイト
- ・スマートフォン向けアプリ
- ・ゲーム
- ・IoT
- ・AI(人工知能)
- ・ロボット
プログラマーは、デジタル化が進んだ現代社会において、人々の生活をより便利にする技術や機器を生み出す仕事を担っています。
ここでは、プログラマーの具体的な仕事内容や将来性などについて紹介します。
仕事内容
プログラマーの具体的な仕事には、以下があります。
- ・SEが作成した設計書をもとにプログラムを作成する
- ・完成したシステムのテストをSEと一緒におこなう
- ・テスト結果やシステムの説明書を作成する
- ・お客さまにシステムを納品したあとのケアをおこなう
プログラマーは、SEの指示に従ってシステム開発における下流の仕事を担います。
システムのパーツとなるプログラムを作成するためには、コンピュータに命令を出すプログラミング言語の知識が必要です。
プログラミング言語には、C言語やJavaScript(ジャバスクリプト)などの代表的な言語をふくめて、200種類以上あるといわれています。プログラムは、さまざまな用途で生み出された複数の言語を組み合わせながら作成します。
将来性
家にある家電やパソコン、スマートフォンを動かすプログラムをはじめ、世界中で稼働しているシステムを作成しているのは、プログラマーです。これらが消えない限り、プログラマーの仕事がなくなることはないでしょう。
加えて、IT企業のなかでプログラマーを含むIT人材が不足していると感じている割合は、2019年度時点で93%(※)にのぼっています。つまり、プログラマーを求めるIT企業が数多く存在するということです。したがって、今後もプログラマーが不要になるとは考えにくく、将来性が十分にある職業です。
※参考:IT人材白書2020|独立行政法人情報処理推進機構社会基盤センター
やりがいと大変な点
プログラマーのやりがいは、開発したシステムが人の役に立つことにあります。プログラマーの技術は、インターネットサービスやAI、ゲームなどを生み出し、わたしたちの暮らしをより便利かつ豊かにしてくれています。
やりがいを感じるまでには、求められるものをつくり切る忍耐力と技術が必要です。システムの開発途中で設計書が変更されたり、新たな要望が追加されたりするため、変更に対応する力も求められます。
さらに、スケジュールどおりにサービスや製品を世に送り出すためには、納期を守ることが大切です。
プログラマーを目指している人は、今からでもプログラマーに求められる力を意識して学校生活を送ってみてはいかがでしょうか。
SE(システムエンジニア)との違い
SE(システムエンジニア)とプログラマーは、役割が違います。
SEは、プログラマーよりも上流の仕事で、お客さまの要望を叶えるシステムの全体像を設計します。お客さまから直接要望をきいたり、プログラマーに指示を出したりするのも仕事です。
プログラマーは、SEが作成したシステムの設計書をもとに、プログラムを作成します。
SEはプログラマーよりも先にお客さまと関わり、上流の仕事を担っている分、責任が大きいといえます。
SEとプログラマーは役割こそ異なりますが、お客さまの要望を叶えるために、協力してシステムを開発しています。
プログラマーに向いている人とは
以下に該当する人は、プログラマーに向いているといえます。
- ・ITに興味がある、好きである
- ・新しいことが好きである
- ・じっくり考えて物事を追究することが得意である
- ・宿題は期日までに提出できる
- ・急な変更にも柔軟に対応できる
プログラマーに向いている人は、先ほど紹介したプログラマーに求められる力を持っている人です。
そのなかでも、ITや新しいものが好きで、自分から追究できる人は、楽しみながら仕事をしていけるでしょう。
プログラマーの種類
プログラマーには、以下のようにさまざまな種類があります。
種類 | 概要 |
---|---|
オープン系 プログラマー |
WindowsやLinuxなどのオープン系システムで 使用するアプリケーションを設計、開発 |
制御・組み込み系 プログラマー |
家電をはじめとする機器をコントロールする プログラムを設計、開発 |
汎用系 プログラマー |
銀行・証券会社といった金融系や政府機関など 大規模なデータを扱う分野の基幹システムを設計、構築 |
通信系 プログラマー |
IT・ネットワーク機器のプログラムを 設計、構築 |
Web プログラマー |
WebサイトやWebアプリを 設計、構築 |
アプリケーション プログラマー |
Webアプリやスマートフォンアプリの 設計、開発 |
ゲーム プログラマー |
ゲームをコントロールするための プログラムを設計、構築 |
種類によって手がけるプログラムやシステムが異なるため、興味のある分野で活躍できるよう専門知識を深めておくことが大切です。
プログラマーの平均年収は約550万円
厚生労働省が運営するjob tagを見ると、プログラマーの全国平均年収は約550万円であることがわかります。
以下に、全体平均と比較するため、同一データ(※1)をもとにプログラマーの「所定内給与額」を算出しました。所定内給与額とは、1ヵ月間の給与のうち残業代を差し引いたものです。
プログラマー:約35万円(※2)
全体平均:約31万円
これを見ると、プログラマーは比較的高収入な職業といえます。
※1 参考:令和4年 賃金構造基本統計調査 調査結果の概要|政府統計局
※2 参考:令和4年 賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種-1をもとに、ソフトウェア作成者の平均所定内給与額を算出
プログラマーになる方法3選
プログラマーになる方法には、次の3つがあります。
- ・専門的に学べるコースを持った学校に進む
- ・独学で身に付けていく
- ・職業訓練を受ける
学校に行かなくても、プログラマーに必要な力を身につけられる可能性があります。プログラマーになるための進路を知って、将来への見通しを持っておきましょう。
専門的に学べるコースを持った学校に進む
情報科のある高校や高専に行くと、高校生のうちからプログラマーに必要な知識や技術を学べます。
高校で普通科やほかの科に通っていても、プログラミングに特化したコースのある専門学校や大学の工学部に進学すると、専門的な学習が可能です。
学生のうちにスキルを身につけたい場合は、進路先として考えてみましょう。
独学で身に付けていく
プログラマーに必要なプログラミングの知識は、独学で身に付けることも可能です。本やYouTube動画、オンライン学習を活用するとよいでしょう。
ただし、学校とちがって正解やわからない部分を教えてくれる先生がいません。そのため、独学でスキルを身に付けるためには、自力で疑問を解決する力が求められます。
職業訓練を受ける
万が一、中学校や高校に通っていなくても、職業訓練を受けることでプログラマーに必要なスキルを身に付けられます。
職業訓練とは、社会に出て働きたい人のためにハローワークが実施している勉強会です。
ハローワークとは、国が運営する職業紹介所です。
プログラミング未経験でも受講でき、プログラマーに関連する資格取得を目指せます。
厚生労働省の資料を見ると、プログラミングスキルを身に付けられる「IT分野の職業訓練」という講座があります。
就職率は58.7%となっており、プログラマーとして働ける可能性が高いといえるでしょう。
気になる場合は、ハローワークや地域若者サポートステーションに問い合わせてみてください。
プログラマーは未経験でも就職できる?資格は必要?
プログラマーになるためには、特別な資格はいらず業務未経験でも就職できます。
プログラミングに特化した学校に通っていることや資格は、プログラマーに求められる知識や技術の証明となります。
そのため、就職が有利になる可能性があるのです。
資格を持つことで更なるキャリアアップも目指せる
以下のようなIT関連資格を持っていると、プログラマーになったあとも更なるキャリアアップが目指せます。
- ・ITパスポート
- ・基本情報技術者試験
- ・応用情報技術者試験
キャリアアップすると、以前より難しい仕事を与えられたり、給与が上がったりします。プログラマーよりも上流のSEになれることもあるため、夢が広がるでしょう。
中学生がプログラマーを目指すならまずは高校への進学がオススメ
将来プログラマーになりたい中学生は、まず高校へ進学することが大切です。
プログラマーには、SEが作成した設計書を読み解く読解力やプログラミングにつながる論理的思考力が求められます。
こうした力は、学校で教えてくれる国語や数学といった基本的な教科学習から身に付くのです。
プログラマーに必要な基礎的な学力を身に付けるためにも、高校卒業を目指すことが大切です。
明聖高校なら基礎学力とITのどちらも身に付けられます
明聖高校にも、ITに関する知識やスキルを学べるコースがあります。
千葉本校の全日ITコースには、パソコンの基本的な操作からゲームプログラミング、ロボット製作などの授業があります。
プログラマーになったときに生かせる実践的なスキルを身に付けながら、高卒資格を取得できる点が魅力です。
詳しくは以下のページをご参照ください。
全日ITコース|千葉本校|明聖高校
まとめ
今回は、プログラマーについて簡単にご紹介しました。プログラマーには、プログラミングスキルだけでなく、読解力や論理的思考力が求められます。国語や数学をとおして、知識や考え方を身に付けることで、プログラマーに必要な基礎的スキルが高まっていきます。今からコツコツと学習を積み重ね、プログラマーになる夢をつかみ取りましょう。
参考URL:
中高生が思い描く将来についての意識調査2023|ソニー生命保険株式会社
IT人材白書2020|独立行政法人情報処理推進機構社会基盤センター
プログラマー|job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
令和4年 賃金構造基本統計調査 調査結果の概要|政府統計局
令和4年 賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種-1
厚生労働省の資料
令和4年 賃金構造基本統計調査|政府統計局
ハロートレーニング|厚生労働省
明聖高等学校は、千葉・中野にキャンパスを構える通信制高校です。全日コース・全日ITコース・通信コース・WEBコースに分かれており、一人ひとりに合わせた高校生活を過ごすことができます。