1週間のうち毎日オンラインゲームをプレイする人の割合が約62%(※)にのぼる昨今、ゲームは生活と切り離せないほど身近な存在になっています。ゲームが大好きな中高生のなかには「ゲームを作る仕事がしたい!」と思っている人も多いのではないでしょうか?
今回は、ゲーム開発に携わるゲームクリエイターの仕事内容や職種、なり方や向いている人についてご紹介します。

※参考:オンラインゲームの利用状況に関するアンケート結果 P4|消費者庁

ゲームクリエイターとは

ゲームクリエイターとは、スマートフォンやパソコン、家庭用ゲーム機で遊べるゲームソフトを開発する職業です。
ゲームクリエイターにはさまざまな職種があり、1つのゲームを作り上げるために複数人のチームで仕事をします。仕事内容や役割に違いはありますが、チームに所属する人たちはすべてゲームクリエイターです。

仕事内容

ゲームクリエイターの主な仕事は、大きく以下の4つです。

  • ・ゲームのシナリオや構成など、全体像をつくる
  • ・ゲームの背景やキャラクターなどのCG画像をつくる
  • ・ゲーム内の効果やキャラクターを動かすプログラムをつくる
  • ・ゲーム内で流れる音楽をつくる

4つの仕事をこなすために、さまざまな職種のゲームクリエイターが関わっています。どの仕事をやりたいかによって必要な知識や技術が異なるので、職種についても理解しておくことが大切です。

将来性

スマートフォンやVR機器の普及により、ゲームはより身近な存在となっています。そのため、ゲーム開発の仕事がなくなる可能性は極めて低く、将来性がある職業だといえます。

やりがいと大変な点

ゲームクリエイターのやりがいは、自分が開発したゲームが、世の中の人たちにワクワクや笑顔を届けられることです。大勢の人たちに楽しんでもらえると、仕事にも力が入ります。

ゲーム開発の大変な面は、納期が近づくと過密スケジュールで仕事が進められるため、心身に負担がかかることです。
苦労して世に送り出したゲームでも、すべてのユーザーが好意的に受け取ってくれるわけではなく、思わぬレビューがつくこともあります。
ユーザーからの人気を集められないと、企画が打ち切りになることもあり、自分が作りたいものだけを追究できる環境ではありません。

それでも多くのゲームクリエイターたちが、世の中の人に楽しんでもらうために、さまざまな苦労を乗り越えてゲーム開発に勤しんでいます。

ゲームクリエイターの平均年収は約579万円

厚生労働省が運営するjob tagを見ると、ゲームクリエイターの全国平均年収は約579万円です。
経験が浅い20代前後の全国平均年収は200~400万円台ですが、年齢を重ねるごとに年収は上がり、40代で平均691.52万円を記録しています。

ゲームクリエイターとしての経験値を上げることで、ゲームのように年収もレベルアップできるわけです。

ゲームクリエイターに関連する職業

ゲームクリエイターには、以下のようにさまざまな職種があります。

職種 ゲーム制作における役割
プロデューサー スケジュール、進捗管理など
プロジェクト全体の進行と管理を担当
ディレクター チームメンバーへの指示、
細かいタスクやスケジュール管理を担当
プランナー ジャンルやターゲットを踏まえ、
ゲーム内容の企画を担当
プログラマー ゲーム内の効果やキャラクターに
動きをつけるプログラムの作成を担当
デバッカー・テスター テストプレイでバグを発見、
報告を担当
シナリオライター ゲームのストーリーやキャラクターの性格、
セリフの作成を担当
グラフィックデザイナー ゲームの背景やキャラクターデザインなど
グラフィックの作成を担当
サウンドクリエイター ゲーム内の音楽や効果音の
作成を担当
インフラエンジニア オンラインゲームのシステムや
セキュリティの構築、管理を担当

それぞれの職種について、もう少し詳しく解説します。

プロデューサー

プロデューサーは、ゲームクリエイターチームの舵取り役であり、プロジェクト全体の責任を負います。
指揮官として、プロジェクト全体をまとめるほかに、チームメンバーの招集やスケジュール・予算の管理を担当します。
実際に手を動かすのではなく、ディレクターとともにメンバーに指示し、プロジェクト全体を動かすのが仕事です。

プロデューサーになるためには、ディレクターをはじめとするほかの職種で実績と経験を積む必要があります。

ディレクター

ディレクターは、プロデューサーとともにプロジェクトを支えながら、現場をまとめるリーダーです。
現場のメンバーへの指示出しや、メンバーが作成した成果物のクオリティチェックをおこないます。現場でのトラブル対応もディレクターの仕事です。

プロジェクトを円滑に進めるためには、各職種への理解とコミュニケーション力、柔軟な対応力が求められます。

プランナー

プランナーは、ゲームの骨組みとなる企画を構築する職種です。
プロデューサーの方針とユーザーが求めるゲームを踏まえ、ゲームの世界観を構築します。
企画が固まったあとは、ゲームの設計書ともいえる仕様書を作成します。

プランナーが作成した仕様書をもとに、各メンバーが作業を進めるため、イメージや具体的内容を的確に書き起こし、伝える力が求められます。

プログラマー

プログラマーは、仕様書や設計書をもとに、ゲームを動作させるためのプログラムを組む職種です。キャラクターを動かすだけでなく、場面に合った音楽や背景になるよう設定します。

プログラマーになるためには、プログラミング言語の知識と技術が必要です。

デバッカー・テスター

一般的にテスターは、ゲームをテストプレイし、バグを見つける職種です。デバッカーは、テスターが見つけたバグを取り除くのが仕事です。

ただし、2つの職種は混同されることが多く、バグを見つけたあとに自分で修復する、バグをプログラマーに報告して修復してもらうなど、企業ごとに仕事内容が異なります。

バグを見つけるためには、ゲーム内の同じ場所に留まってさまざまなコマンドを試す必要があり、時間がかかります。そのため、1つのことを飽きずに続けられる忍耐力が必要です。

シナリオライター

シナリオライターは、プランナーの仕様書をもとにゲームのストーリーを構成する職種です。
さらに、ゲーム内でのキャラクターの性格やセリフも作成し、ゲームに物語性を持たせます。

シナリオライターになるためには、シナリオを描く柔軟な発想力とイメージを言語化する国語力が必要です。

グラフィックデザイナー

グラフィックデザイナーは、ゲームの背景やキャラクターなどのグラフィックを作成する職種です。

最近では、CG(コンピュータグラフィック)を使用することが多いため、CGの知識とプログラミングをはじめとする技術が求められます。ゲームの世界観を表現するためのデザイン力も必要です。

サウンドクリエイター

サウンドクリエイターは、ゲーム内の音楽や効果音を作成する職種です。ゲームの世界観に合った音楽や音を作り上げるために、ディレクターやプランナーと綿密に打ち合わせをおこないます。

作曲に必要な知識や技術はもちろん、さまざまな音楽ジャンルを聴いてインスピレーションを得ることも必要です。

インフラエンジニア

インフラエンジニアは、オンラインゲームに必要なネットワークやサーバー環境を構築する職種です。
ゲーム中にネットワーク回線が切れたり、重くなったりしないよう、適切な環境構築が求められます。
また、ゲームを世に送り出したあとも不具合の点検や調整を任されます。

インフラエンジニアになるためには、ネットワークやサーバーに関する知識が必要です。別業種で活躍するサーバーエンジニアやネットワークエンジニアの知識と経験を生かせる職種でもあります。

ゲームクリエイターに向いている人とは

以下にあてはまる人は、ゲームクリエイターに向いています。

  • ・ゲームが好き
  • ・コミュニケーション能力が高い
  • ・体力があり忍耐強い

ゲームクリエイターを目指す人は、1つでも磨いておくとよいでしょう。

ゲームが好き

ゲームクリエイターは、ゲームが好きでなければ、続けることが難しい職業です。
特定のゲームだけでなく、さまざまなゲーム機やジャンルのゲームをプレイし「ゲーム好き」を極めておきましょう。

コミュニケーション能力が高い

ゲームクリエイターは、チームメンバーと協力するために、高いコミュニケーション能力が必要です。
自分とはまったく違う仕事をおこなう人と仕事を進めるためには、相手の状況や気持ちを汲み取りながら、自分の意見を伝えることが大切です。

会話だけでなく、チャットやメールを使ったテキストコミュニケーションもあるため、文章力や読解力も求められます。

体力があり忍耐強い

納期近くは、スケジュールが過密になり、朝から深夜にかけて作業することもあります。
開発途中で、急なトラブルや仕様変更が発生し、大幅な作業の追加や修正を強いられることもあるのです。

こうした状況を切り抜けてゲームを作り上げるためには、忍耐強さと体力が必要です。

ひとりでゲームを作り切ることは可能?

最近は、無料の学習教材や開発ツールを通してスキルを身に付け、ひとりでゲームを作り切ることが可能です。
しかし本来は、ひとりでプログラムの作成からグラフィック、音楽を用意することは大変であり、膨大な時間を消費します。

大勢の人たちへスピーディーかつクオリティの高いゲームを届けるためには、各クリエイターが得意分野を発揮し、協力することが効率的です。
ひとりですべてをやろうとせず、チームの一員としての活躍を目指しましょう。

ただし、ひとりでゲームを作り切る経験は、ゲームクリエイターになってから役立ちます。時間のあるうちに、チャレンジしてみるのがおすすめです。

ゲームクリエイターになるには

先ほどから触れているように、ゲームクリエイターにはさまざまな職種があります。
どの職種でもゲームクリエイターになるためには、専門的な知識と技術が必要であるため、自分がやりたい職種に合った勉強ができる進路を選ぶことが大切です。

専門的な分野は専門学校や大学への進学が必要

職種に合った専門的な勉強をするためには、専門学校や大学への進学が必要です。

例えば、ゲームプログラマーになりたい場合、プログラミングの知識と技術を学べる専門学校の情報科や大学の工学部への進学が適しています。サウンドクリエイターの場合は、音楽系の専門学校や大学です。

学校で基礎的な知識を身に付け、経験を積んだうえでゲームクリエイターになると、未経験よりも現場で活躍しやすくなります。

明聖高校ならプログラミング・グラフィックについても学べます!

明聖高校なら、ゲームクリエイターに必要なプログラミングやグラフィックの知識と技術を高校生のうちから学べます。

千葉本校の全日ITコースでは、パソコンの基本的操作や技術からゲームプログラミングなど充実した授業が受けられます。
ポケモンGOの開発言語として使われたUnityを使って、本格的なゲーム開発の実践経験を積むことも可能です。

中野キャンパスの全日デザインコースでは、授業をとおしてデッサン力やデジタルイラスト技法など、さまざまなスキルを身に付けられます。
キャラクターデザインの授業は、ゲームクリエイターになったあとも生かせる内容です。

詳しくは以下のページをご参照ください。

全日ITコース|千葉本校|明聖高校
全日デザインコース|中野キャンパス|明聖高校