声を使った人気の職業「声優」。アニメや漫画のキャラクターに声で命を吹き込むだけでなく、舞台や歌手活動など、声優が活躍できる場面は幅広くあります。しかし、声優になるためにはどんな進路を選べばいいのか、どんなことをやっておくべきなのかなど、わからないことも多いのではないでしょうか?
 
この記事では、声優の仕事の内容や、声優になる方法、声優になるまでにかかる費用、やっておくべき準備などについて解説します。

1. 声優の仕事ってなに?

声優といってまず多くの人が思い浮かべる仕事は、アニメやゲーム作品のキャラクターの声を担当することや外国映画の日本語吹き替えの仕事、いわゆる「アフレコ」でしょう。キャラクターや俳優の動き、感情に合わせて声で演技をします。
 
また近年では、メディアに顔や姿を見せる声優も多くなりました。声優活動の傍ら、舞台やテレビドラマの俳優、アイドルや歌手、テレビ番組やYouTubeなどの動画に出演するなどのタレント活動をする声優も多くいます。

声優に似た仕事はなに?

声優と似ている声を使った仕事には以下のようなものがあります。

  • ・ナレーター
  • ・ラジオパーソナリティ
  • ・歌手

ナレーターとは、さまざまな作品や媒体のナレーションを担当する仕事です。ドキュメンタリーやバラエティ、ニュースなどのテレビ番組、事業や観光案内、PR動画など、ナレーションが必要となる作品や媒体は幅広くあります。
 
ラジオパーソナリティとは、ラジオ番組の進行役です。ラジオ内でリスナー(聞き手)に正確な情報を伝えるほか、ゲストやリスナーとコミュニケーションを取ったり、自分自身の気持ちや意見を発信したりする役割も担っています。
 
自分の感情や気持ちを音楽に乗せて表現する歌手も、声を使った仕事といえるでしょう。
 
声優として人気が出ると、ナレーター、ラジオパーソナリティ、歌手といった仕事に声優業と並行して関わることがあります。声優としての特徴的な、あるいは落ち着きある聞き取りやすい声が評価されてナレーターに抜擢されたり、声優としてファンが多くつくことで自分のラジオ番組が持てたり、自分が担当したアニメ作品の主題歌を歌ったりすることもあります。
 
ただし、ナレーター、ラジオパーソナリティ、歌手といった仕事は、いずれも専門職になります。

声優になる方法とは

声優になる主な5つの方法を解説します。

専門学校に通う

声優の養成課程やコースを設けている専門学校に通う方法です。発音や発声方法、演技など、声優として必要な基礎力を身につけられるため、知識やスキルがまったくない状態から声優を目指したい人に向いています。オーディション対策など声優になるためのサポートをしっかり受けられるのも特徴です。
 
卒業後は、オーディションに挑戦し事務所に所属するほか、スキルアップのために養成所に通う進路もあります。専門学校によっては特定のオーディションの案内があり、在学中からデビューできる可能性もあります。書類審査のみで入学でき、年齢制限を設けていない専門学校も多くあります。

声優事務所の養成所に通う

声優・俳優事務所が運営する養成所に所属しレッスンを受ける方法です。養成所に所属するには、書類選考や面接、実技などの入所オーディションを受けて合格する必要があります。自分が所属したい事務所のオーディション情報を調べ、実際にオーディションがあれば自ら申し込みます。
 
養成所で受けられるレッスンは中~上級者向けのものが多く、声優としての基礎ができている人や専門学校などでレッスンを受けた経験のある人に向いています。レッスンは週1~2回のことが多く、働きながら声優を目指したいときにも両立しやすいでしょう。事務所の所属声優となるためのオーディションに参加できる機会もあり、デビューのきっかけがつかみやすくなります。
ただし、養成所によっては入所できる年齢制限を設けている場合があります。

声優専門の塾に通う

声優個人などが運営している私塾に通う方法です。塾によって、同時に指導する人数(複数またはマンツーマン)、指導方法(対面またはオンライン)、レッスンの頻度などが異なります。指導の内容や方向性も塾によって異なり、アットホームな雰囲気の塾もあれば、厳しい指導をおこなう塾もあります。
 
プロとして活躍する声優から直接指導が受けられる一方、私塾は専門学校や養成所のようにオーディションやデビューへのサポートは手厚くありません。書類や実技などの審査があり、募集人数も少ないため、人気の私塾に入るのは難関です。

舞台・演劇系の大学に通う

舞台や演劇系の学部や学科、コースを併設している大学から声優を目指す方法です。舞台や演劇系の大学では、表現や演技に関する理論から美術、文学、歴史などの学問まで幅広く学べます。卒業すれば大卒の学歴が得られますが、大学に合格するためには受験勉強が必要です。
 
舞台、演劇系の大学には、声優のほかにも俳優、演出家、脚本家など、演技や舞台に関するさまざまな職業を目指す人が集まります。声優に特化した指導やカリキュラムではないため、声優としての専門的なスキルを身につける指導は受けられません。卒業後、声優になるには、専門学校や養成所に入り直し、オーディションを突破するための基礎スキルを身につける必要があります。

事務所に所属する

声優事務所が行うオーディションに合格し、事務所の所属声優としてデビューする方法です。
 
各声優事務所のオーディションは一般的にその事務所が運営する声優養成所の所属生が受けますが、事務所によっては一般の人でも受けられる公開オーディションを開催する場合もあります。公開オーディションは倍率がとても高く、声優としての高いスキルも求められるため、声優未経験者がオーディションに1回で受かるのはとても難しいでしょう。まずは専門学校や声優養成所などで声優として必要なスキルを身につけてからオーディションに挑むことをおすすめします。

声優になるまでにかかる費用はどれくらい?

声優になるために専門学校や養成所、塾に通った場合の費用の目安を以下にまとめました。

専門学校 220万円~300万円(2年間)
養成所 30万円~110万円(1年間)
私塾 1万円~2万円(1ヵ月)
芸術系大学 400万円~600万円

このように、どのルートで声優を目指すかによって、必要となる費用は大きく異なります。

個人で出来る声優になる準備とは

声優になるために個人でできる準備には、以下のようなものがあります。

  • ・発声練習(腹式呼吸、リップロール、ハミング)
  • ・表情筋トレーニング
  • ・声の演技の練習(アフレコ練習、文章や小説の朗読など)
  • ・自分の声の研究
  • ・専門学校や大学受験対策の勉強

声優になるための学校に入学するための勉強と、声優として必要な練習やトレーニングをしっかり両立することが重要です。

高校に通いながら準備を進めるなら通信制高校がおすすめ

現在中学生で、「声優を目指しながら通える高校を選びたい」と考えているなら、通信制高校がおすすめです。例えば明聖高校では、声優としての勉強やトレーニングの時間を確保しつつ高校卒業を目指せる2つのコースがあります。

通信コース

通信コースは、年間約20回のスクーリングと定期的なレポート提出、年1回の単位認定試験の受験で高校卒業を目指すコースです。声優に必要なトレーニングやオーディションを受けるために毎回スクーリングに出席できなくても、テレビやラジオの講座視聴、DVD教材などで学習をサポート。視聴報告課題を提出することでスクーリング出席時数に振替できます。
通信コース

WEBコース

WEBコースは、「サイバー学習国」のアバターでオンライン登校ができるコースです。空いている時間や休日を利用してスマホやタブレット、PCで学習を進められるため、声優になるために必要な活動を優先しながら高校卒業が目指せます。
WEBコース

明聖高校の声優職への取り組みを紹介!

明聖高校では、声優を目指す生徒のサポートするさまざまな取り組みをおこなっています。例えば進路ガイダンスでは、声優やアニメの世界を目指せる専門学校の見学会に参加。過去の見学会では、実際に声優として活躍するプロ講師の方からのレッスンを受けたり、本番さながらの環境でアフレコに挑戦したりするなど、声優になるためのモチベーションアップにつながる経験をした生徒もいます。
 
また、希望する進路についての手厚いサポートも実施。声優養成コースのある専門学校に進学した卒業生や、実際に声優の道に進んだ卒業生もいます。希望する進路に応じた志望動機・小論文・作文の作成支援や、自己PR対策、専門学校や大学の模擬授業の受講など、充実したサポートにより、声優になりたい夢を後押しします。