海外への留学を考えている学生は、進学先として通信制高校が選択肢に入っていることでしょう。一般の全日制の高校で留学をするとなると、原級留置(留年)の可能性があるかもしれません。しかし、通信制高校の場合は、出席や単位認定など一般の高校で起こりがちな心配が解消できます。通信制高校に在籍しながら海外留学をするのメリットを、実例とともにご紹介します。

1. 留学の種類

留学は語学力の上達をはじめ、海外の多様な価値観に触れて、幅広い視野を持つことができる方法です。大学生や社会人だけでなく、いまや高校生、中学生といったより早い段階から留学する人もいます。中学生・高校生のうちから海外ならではの教育を受けることで、世界を知り、自立する力や幅広い視野をえることができるのです。

さまざまな方法の中から、特に若い人が選ぶ留学の種類をご紹介します。

1.1.高校留学

日本の高校に在籍しながら、留学先の高校に通う方法です。学ぶ内容は留学先のカリキュラムによって異なります。期間は3ヵ月程度~1年以上とさまざまです。また現地の大学へ通うことを目標に、高校留学から始める人もいます。長い留学の場合は、日本の高校を休学することを視野に入れなければなりません。

1.2.語学留学

外国語を学ぶことに特化した留学です。学べる外国語は英語、スペイン語、フランス語などです。留学の期間は、短くて1週間からのプログラムを用意している語学学校もあります。期間や目的が明確であることから、学生のみならず、ビジネス上で必要となり語学留学をおこなう社会人もいます。

1.3.ホームステイ

現地で、「ホストファミリー」となる一般家庭に住む方法です。ホストファミリーと生活をともにすることで、直に語学力を鍛えられ、衣食住を通して異文化を学べます。期間はさまざまで、1週間~1ヵ月程度と短期のものから、1年以上の長期となるものまであります。高校留学や語学留学でも、留学先の寮に入るのではなくホームステイを選ぶ人も少なくありません。

1.4.短期留学

短期留学は、1週間~8週間程度の留学のことを指します。短期留学というサービスを展開する語学学校は、おおむね18歳以上の人を対象としています。したがって、高校の授業を受けることや単位認定などは対応されていないとみて、別途考慮するのがよいでしょう。

2.高校に通いながら留学する際の注意点

高校に在籍しながら留学する場合は、次のような注意が必要です。

進級・卒業できない可能性がある

高校の単位は、在籍していない大学や専門学校での活動、ボランティア活動や就業体験、スポーツ活動など、学校外における学修でも認定されることがあります。2021年現在、単位認定の上限は36単位です。

ただし単位を認定するかどうかは各学校長の判断によるため、留学先で得た単位が認められず、進級または卒業ができない可能性も考えられます。したがって、在籍している学校が留学先の単位を認めるかどうか、留学の前に確認することが必須です。

帰国後に授業についていくのが大変

留学中も高校では、決められたカリキュラムに沿って授業がおこなわれています。留学後に元の学年に戻れたとしても、授業についていくのが大変かもしれません。留学中も留学前と同じように学習し、受験対策をする必要があります。

3.留学しながら通信制高校に通うメリット

通信制高校のWEBコースを利用すれば、留学先でも学習をおこなうことができます。WEBコースなら、スマートフォンやパソコンを利用し、留学先の取り組みのスケジュールに合わせて夜間や週末など好きな時間に学べます。また、「スクーリング」は年数日程度と通いやすいため、留年することなく3年間で高校卒業資格を得ることも可能です。

3.1.WEBコースなら留学先でも授業が受けられる

例えば明聖高校の場合は、下記2つのWEBコースを用意しています。

  • ・サイバー学習国:自分自身のアバターを作り、バーチャルスクールで学ぶ。
  • ・サイバーアカデミー:アバター機能を使わず「サイバー学習国」と同じ動画授業を視聴する。

動画授業は何度も視聴でき、自分のペースで学習をおこなえます。「スクーリング」は年間で4日程度となるため、長く帰国する必要はなく留年の心配も少なくなるでしょう。履修した科目の単位は、単位認定試験に合格すると修得できます。

3.2.実際に海外からWEBコースを受講している人の例

実際に海外に留学しながら、通信制高校のWEBコースで学んでいる人がいます。スポーツ留学、バレエ留学の例をご紹介します。

・例1:スポーツ留学(アイスホッケー)
アイスホッケー選手となるため、アメリカのアイスホッケーチームと契約し留学している学生がいます。彼の場合は、日中は練習の時間を優先して確保し、空いている時間にWEBコースで勉強をする形をとっています。時間を有効に使えることがWEBコースの大きなメリットです。

・例2:バレエ留学
将来バレエダンサーとなるべく、ロシアにバレエ留学している人もいます。バレエ教室ではレッスンが毎日あり、あまり勉強に時間が割けない場合もあります。ですがWEBコースを受講すれば、学習を効率的・計画的に進めることが可能です。