再登校できるようになっても、子どもの不登校は完全に解決できたとはいえません。さまざまな理由から再び不登校へと逆戻りするケースは多いものです。今回は、不登校が再発する理由や親ができる再発防止策を解説します。子どもが不登校再発を未然に防ぐ方法を知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

不登校再発のサイン

不登校の再発には予兆となるサインがあります。再発のサインは、子どもがどのような理由で不登校になったのかで異なります。子どもだけの問題として解決できない場合もあるため、次のようなの症状がないか確認しましょう。

身体の症状

不登校となった子どもによくみられる身体の症状は次のとおりです。

  • ・発熱
  • ・頭痛
  • ・腹痛
  • ・吐き気
  • ・食欲不振
  • ・全身倦怠感
  • ・めまい

特徴としては風邪によく似ており、さまざまな身体の箇所に症状があらわれ、元気がなくなります。

参考:
厚生労働省「「ひきこもりや不登校」というサイン」

心の症状

続いて、不登校となった子どもによくみられる心の症状は次のとおりです。

  • ・不眠
  • ・無気力
  • ・イライラ
  • ・集中力低下
  • ・憂うつ感

学校に行けない状態への葛藤や周囲からのプレッシャーにより、イライラや落ち込み、暴力性などが生じます。

参考:
厚生労働省「「ひきこもりや不登校」というサイン」

自分で解決できない環境の問題(いじめ・暴力)

令和元年度の「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、学内でのいじめや暴力行為が不登校と関係していることがわかります。ここでは解決策をフェーズごとに見ていきましょう。

フェーズごとの解決策

子どもが現状を相談できる相談先として学校関係者、第三者、親があげられます。それぞれのフェーズごとに解決策を説明します。

学校関係者へ相談

第一の解決策として、問題が生じている現場の「学校関係者」への相談があげられます。学校や教育委員会へ被害や現状を訴えてみましょう。

第三者へ相談

関係者に相談しても対応してもらえない場合、第三者への相談を検討しましょう。例えば代表的な第三者機関として警察、子どものSOSの相談窓口やNPOなどがあります。その他、日本弁護士連合会の子どもの人権に関する相談窓口、法テラスでも学校での暴力やいじめの相談ができます。

参考:
弁護士会の子どもの人権に関する相談窓口一覧|日本弁護士連合会
いじめ(子ども)|法テラス

親へ相談

関係者や第三者でも問題が解決しない場合、親と転校を視野に入れた相談をしてみましょう。明聖高校をはじめとするいくつかの学校では不登校の子どもの受け入れ体制が整っており、オンラインスクールでの通学も可能です。

親ができること

子どもが学校での暴力やいじめを打ち明けた場合は、しっかりと言葉に耳を傾けて受け止めてあげてください。親は子どもにとって辛いときに一番の味方でいて欲しい存在です。子どもの現状を把握したら、一緒に学校や第三者機関に相談しましょう。

問題行動(発達障害)、集団生活が苦手

不登校の要因が子ども自身の問題行動(発達障害)や集団行動が苦手な場合、どのような解決策があるのでしょうか。

フェーズごとの解決策

問題行動の原因解明やカウンセリングがあります。フェーズごとに解決策をみていきましょう。

問題行動の原因を探る

他者とコミュニケーションがうまくとれない、こだわりが強いなど考えられる問題行動の原因を探ってみましょう。疲れやすい、起きられないなど症状が改善しないなど気になることがある場合は、病院や専門機関での受診をおすすめします。

カウンセリング

問題行動の原因が明らかにならない場合、カウンセリングの受診を検討しましょう。特にスクールカウンセラーは子どもの臨床心理の専門性や経験があります。学校に駐在するスクールカウンセラーがいる場合は相談してみてください。

親ができること

親ができることは子どもの問題行動(発達障害)によって異なります。まずは子どもの特性をカウンセリングや専門機関で把握しましょう。

勉強についていけない

勉強についていけない原因で不登校になってしまった場合は、どうすればよいのでしょうか。

フェーズごとの解決策

勉強についていけない子どもの解決策は「不登校の前は勉強についていけていたケース」と「不登校の前から勉強についていけなかったケース」で異なります。

不登校の前は勉強についていけていた

不登校の前は勉強についていけていた場合、学習そのものが不登校の原因ではありません。多くの場合、学ぶ環境を変えると問題が解消します。

不登校の前から勉強についていけなかった

不登校の前から勉強についていけなかった場合、学習の難易度が無気力や自信喪失につながっている可能性があります。子どもが再び自信をもって学びに向き合えるようなサポートが大切です。

親ができること

子どもと一緒に、いつから勉強についていけなくなったのか背景を共有しましょう。勉強についていけない原因を明らかにできれば、子どもにとって最善の対応ができます。

さぼり癖、友達がいない

さぼり癖がついている、友達がいないことが不登校につながっている子どもは、どのように解決できるのでしょうか。

フェーズごとの解決策

さぼり癖がある子どもや友達がいないことが原因の不登校は、環境と目的の2つのフェーズで対策をするとよいでしょう。

自分と同じ環境の友達をつくる

明聖高校は、さまざまな理由で学校に通えなくなった子どもが通っています。同じ境遇や環境の友達をつくることができるので、お互いの気持ちをわかりあって支えあいながら過ごすことができます。

学校に通う目的をつくる

学校に通う目的が曖昧だと、なんのために通うのかわからなくなる場合があります。学校に行くこと自体を目的とするのではなく、学校に通うことで自分は将来どのような大人になりたいのか、どのように学校生活を過ごしたいのか考えてみましょう。

親ができること

まずは将来について話し合ってみてください。ただし、子どもの夢や願望を否定したり親の願いを一方的に伝えたりするのは逆効果です。まずは子どもの声に耳を傾け、心のなかにある本当にありたい姿を一緒に探ってみましょう。

周りに相談できる人がいない

周りに相談できる人がいない場合には、どのような解決方法があるのでしょうか。

フェーズごとの解決策

周りに頼れる人がいない場合、スクールカウンセラーに相談してみましょう。

スクールカウンセラーに相談

明聖高校では、校内に常駐のスクールカウンセラーがおり、学校生活での悩みや不安をいつでも相談可能です。また、保護者には夜間保護者相談室が開設されているため、一緒に解決方法を探ることができます。

親ができること

不登校の問題に見識や経験がある専門機関に相談しましょう。子どもと親が一緒にカウンセリングを受けられる専門機関もあります。

明聖高校では不登校の再発防止に力を入れています

明聖高校では、不登校へのサポート体制が整っています。一人ひとりに合わせたムリのない支援が可能です。登校日数や登校時間などは、カウンセリングやメンタルヘルスの専門研修を受け、資格を保持している教員と相談して決められます。不登校の再発防止に配慮しながら子どもの心と身体をゆっくり育みたい方は、ぜひ一度、明聖高校の専門スタッフにお問い合わせください。