不登校の子どもにとっては、自宅がもっとも安心できる居場所です。しかし、共働きの保護者の方にとっては、日中お子さんが家で過ごすことが心配な場合もあるでしょう。
 
その場合、学校や自宅以外の居場所も確保しておくと、保護者の方にとっても安心につながります。
 
今回は、不登校の子どもにとっての居場所の選択肢と、選び方のポイントを解説します。不登校のお子さんの居場所が増えて回復につなげるためにも、また保護者の方の負担軽減のためにも、参考にしてみてください。

不登校中の子どもの居場所とは?

不登校中に限らず、子どもには大きく分けて3つの居場所があります。

第一の居場所は「家」

子どもにとって一番安心できる場所は「家」であり、不登校中もそれは変わりません。しかし、日中働いている保護者にとっては、一人で不登校の子どもを家に置いておくのは不安が大きいでしょう。
 
そのため、家以外の選択肢を探されている方も多いはずです。そういった場合は、第二・第三の居場所が重要になります。

第二の居場所は本来「学校」

子どもにとっての第二の居場所は「学校」です。学校は子どもが家の次に長い時間を過ごす場所なので、本来は子どもにとって安心でき、過ごしやすい場所であるはずです。
 
ところが、不登校の子どもからすると、学校はそういう居場所になっていない場合があります。そのため、環境を変えたり、第三の居場所を探したりしたほうが子どもにとってよい可能性があります。

第三の居場所はつくれる

子どもにとって、家や学校以外に居場所があるケースもあります。例えば、習い事や地域活動などです。
 
第三の居場所にはさまざまな選択肢があるので、不登校の子どもが安心して過ごせる、かつ保護者の方が安心して預けられる場所を見つけると、親子の心理的負担を和らげられる可能性があります。第三の居場所については、あとで詳しく解説します。

不登校中に第二の居場所を変えたいときの選択肢

子どもにとって、学校が居場所のひとつであるべきですが、不登校の子の場合はそうもいきません。場合によっては今通っている学校だと、子どもの回復が見込めないこともあるでしょう。
 
その場合、環境を変えることで新たな居場所をつくる方法があります。

現在の学校の保健室や図書室

現在の学校のなかでクラス以外の居場所を見つける選択肢です。
 
例えば、以下のような方法があります。
 

  • ● ほかの生徒と顔を合わせなくてよい放課後の時間に登校する
  • ● 保健室や図書室、カウンセリングルームを利用する
  • ● 部活動だけに顔を出す

 
不登校中の子どもにとっては、こうした選択肢が心の支えになることがあります。
 
学校復帰に向けて家庭と学校が連携を取りやすいのがメリットです。ただし、学校自体に強い抵抗感がある場合は、学校外に居場所を求めたほうがよい場合もあります。

小規模特認校

小規模特認校(小規模校入学特別認可制度)とは、通学区域に関係なく、居住の市町村内のどこからでも就学できる公立小中学校のことです。
 
一定の条件を満たす必要はありますが、小規模特認校の多くが豊かな自然に囲まれた環境下で、のびのびと心身を育める特徴があります。
 
また、小規模校だからこそ、地域の特色を生かした学校づくりや、児童生徒一人ひとりに向き合った指導が可能です。
 
実際、大中規模では不登校だった子どもが小規模特認校へ通学するようになって、登校できるようになった例もあります。
 
参考:学校魅力化フォーラム行政説明|文部科学省

学びの多様化学校(不登校特例校)

学びの多様化学校(不登校特例校)とは、不登校または不登校傾向が見られる児童生徒に配慮した特別な教育課程を編成して教育できる学校のことです。まだ数は少ないですが、全国合わせて以下の設置数となっています。
 
学びの多様化学校設置数(令和7年11月時点)
 

  • ● 小学校:13校
  • ● 中学校:41校
  • ● 高校:11校

 
参考:学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の設置者一覧|文部科学省
 
小規模特認校とは違って、高校もあるのが特徴です。
 
例えば、個別指導計画を作成し、児童生徒一人ひとりに合わせたカリキュラムを組んだり、小中学校の基礎基本を学び直す独自科目を設置したりと、学校によってさまざまな特色があります。
 
学びの多様化学校に通うようになって「満喫したかった学校生活を送っていることが何よりもうれしくてたまらない。」と思えるようになったケースもあるようです。
 
参考:学びの多様化学校の設置に向けて 手引き|文部科学省

夜間中学校

夜間中学校とは、夕方以降の時間帯に授業をおこなう中学校のことで、主に戦後間もなく学校に通えなかった人たちのために設置されました。基本的には、満15歳を超えた人が入学対象となります。
 
ただし、現在不登校の学齢生徒(中学校の就学義務のある者)も対象となる場合があります。この場合、受け入れてもらえるかどうかは学校によります。その学校が、不登校特例校の申請をしている必要があるためです。
 
夜間中学校は、朝起きられない、不登校で昼夜逆転生活を送っているといった子どもにとって通いやすい中学校です。また、さまざまな年齢の人が通っているので、不登校であるかどうかが問われず、受け入れられやすいといわれています。

通信制高校

通信制高校とは、オンライン学習や自宅でおこなうレポート課題、登校(スクーリング)などを通じて単位を修得し、高校卒業資格を取得できる高校です。全日制高校と比べて登校日数が少ないので、不登校経験がある生徒でも自分のペースで学べます。
 
入試は学力テストがない場合が多いため、小中学校の学習に不安がある人でも入学しやすいのが魅力のひとつです。
 
また、小中学校の学び直しも含めて学習をサポートしてくれる学校もあり、これまでの学習を補うことも可能です。
 
千葉県に本校を置く明聖高校も通信制高校のひとつです。毎日学校に通う全日総合コースや年間3~4日の登校と自宅学習で単位を修得するWEBコース、専門スキルを伸ばせる全日ITコース全日デザインコースなど、さまざまなコースがあります。
 
不登校経験のある生徒も多いので、段階的な登校をサポートしています。先生と相談しながら、無理のない範囲で登校日数や登校時間を決めるシステムです。
 
先生方はカウンセリングやメンタルヘルスの専門的な研修を受講しており、全員が資格を持っています。不安いっぱいな生徒の心に寄り添いながら、学校生活をサポートできるのが特徴です。
 
また、専門の心理カウンセラーも常駐しており、さまざまな悩みに対応できます。
 
通信制高校や明聖高校に興味がある場合は、ぜひ一度足を運んでみてください。
 
学校説明会・相談会|明聖高等学校
 
通信制高校について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
 
関連記事:通信制高校とは?全日制・定時制の違いなどわかりやすく解説|通信高校生ブログ|明聖高等学校

不登校の子ども向け第三の居場所の選択肢

不登校の子どもにとって第三の居場所となりうる選択肢は、次のとおりです。

フリースクール

フリースクールとは、不登校の子ども向けに学習活動や教育相談などのサポートをおこなう民間の施設です。活動内容はフリースクールによって異なりますが、学習だけではなく幅広い体験活動をおこなえる特徴があります。
 
ただし、利用条件や設立趣旨なども施設によって多様なので、子どもに合ったところを見極めることが大切です。

フリースペース

フリースペースとは、子どもの居場所としての役割をもつ場所です。明確な定義はなく、広くだれでも集まれる場所だといわれています。基本的にはNPO法人が運営しているのが特徴です。
 
例えば、読書や自習ができるスペースがあったり、卓球やゲームができたりします。子ども同士がつながれるのが大きなメリットです。
 
運営団体の方針にもよりますが、フリースクールよりもゆったり過ごせるほか、保護者支援が充実している場所もあります。

適応指導教室(教育支援センター)

公的な施設では、不登校の支援機関である適応指導教室(教育支援センター)が代表的な選択肢です。各地域の教育委員会が設置している施設で、無料でカウンセリングや授業を受けたり、スポーツやゲームなどの集団活動に取り組んだりできます。
 
同じ不登校の悩みを抱える友達と出会い、想いを共有できる居場所になるでしょう。学校と連携できれば、適応指導教室に通所した日を学校の出席日としてカウントできる場合もあります。
 
また、都道府県の児童相談所・児童相談センターも、児童福祉司や児童心理司などに相談できる可能性もあります。何らかの事情で家庭での生活が難しい場合には、一時保護などの制度を利用することも可能です。

塾・習い事

塾や習い事は、自分が好きなことに打ち込みながら、同じ関心を持つ人たちと交流できる居場所になり得ます。
 
将来の夢につながるトレーニングにチャレンジするのもよいでしょう。活動の内容によっては、さまざまな年齢・立場の人と幅広く交流できる可能性もあります。
 

不登校向けオンラインコミュニティ

不登校向けのオンラインコミュニティは、民間団体やNPO法人が運営するインターネット上のコミュニティです。学習支援動画の配信や、ほかのメンバーと関われるチャットを整備するといった活動をおこなっています。
 
家にいながら利用できるので、子どもが一人で過ごさなければならないときにも安心して利用できます。

子ども向けの地域活動

不登校向けではありませんが、地域でおこなっている子ども向けのイベントに積極的に参加することも、第三の居場所として効果的です。そこで知り合った人と子ども同士が友達になったり、同じ悩みを持つ保護者と出会えたり、親子の息抜きの場として機能します。
 
ただし、不登校中の子どもはエネルギーがない状態も多いので無理は禁物です。ある程度元気があり、外に出たがるのであれば選択肢として検討してみてください。

不登校の子どもが安心できる居場所選びのポイント

子ども自身が安心して自分らしく過ごせるのであれば、どこでも居場所になりえます。しかし、保護者にとって、それは「どこでもいい」とはならないでしょう。大切なお子さんを守るためにも、居場所づくり、居場所選びのポイントを知っておきたいところです。

信頼できる大人がいるかどうかを確認する

子どもが安心できる居場所をつくる、または選ぶときは、信頼できる大人が運営しているかどうかが重要なポイントです。運営団体の経歴や実績、代表者の考えなどを詳しく調べたうえで、安心して任せられるかどうかを調べる必要があります。
 
なかには、経歴がわからない個人が運営しているコミュニティもあるので、注意しましょう。

子ども一人で利用させられるかを確認する

フリースクールやフリースペースは、子ども一人で利用させる場合もあるでしょう。利用前に、子どもと一緒に見学に行き、安心して任せられるかを確認することが大切です。
 
なお、運営団体が不明な場所や一般のカフェなど、子どもが一人で行くには不安な場所は選択肢に入れないことをおすすめします。

保護者にとっても居場所になるところを探す

同じ不登校の子どもを持つ保護者とつながれたり、専門家に気軽に相談できたりする場所だと、保護者の安心にもつながります。親子それぞれが息抜きできる場所なら、子どもにも安心して利用させられるはずです。
 
保護者の方自身も、お子さんのために自分の居場所になるところを探してみてください。

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