学生割引(学割)サービスでは、高校生や大学生がさまざまなサービスをお得な料金で利用できますよね。通信制高校は一般的な全日制高校と学習スタイルが異なりますが、同じように学割料金でサービスを利用できるのでしょうか。特に、登校頻度が少ない分、通学定期券を購入できるかどうかが気になる人も多いのではないかと思います。
今回は、通信高校生が利用できる学割サービスについて解説していきましょう。

通信制高校でも学割を利用可能!通学定期券は利用区間に要注意

結論からいうと、通信制高校も全日制高校と同じ、学校教育法に定められた「高等学校」であるため、高校生が利用できる学割サービスを利用できます。

代表的な例が、電車やバスなど公共交通機関の通学定期券です。定期券は、有効期間内に記載された区間で何度も交通機関を利用できるものですが、通学定期券の場合は、学校の最寄り駅から自宅最寄り駅の区間でのみ作ることができます。購入するためには、在籍している学校が発行する「通学証明書」または「通学定期券購入兼用証明書」(生徒手帳や生徒証明書に通学区間が書かれてあるもの)が必要です。

利用区間は、これら通学に関する証明書に記載されているものから任意では変更できません。また、学校ごとに決められた区間以外で通学定期券を購入することはできないため、例えば、アルバイト先、レッスン・トレーニングの教室の最寄り駅と自宅の最寄り駅の区間で定期券を買いたい場合は、通勤定期券を申し込むことになります。利用できる区間には注意しましょう。

通学定期券はスクーリング以外のときにも使える?通信高校生には通学回数券も便利!

通学定期券は、通信高校生の場合はスクーリングや単位認定試験、学校行事などで高校のキャンパスなどに行くときに使うのが基本です。とはいえ、一度購入した通学定期券は、記載された区間内であれば、これら以外のときにも利用できます。例えば、プライベートの用事のために区間内で電車を乗り降りしたり、スクーリングが行われるキャンパスで行われる部活動に参加する場合は、スクーリングのない日でも通学定期券を使ったりすることが可能です。

ただし、在籍する通信制高校のスクーリングの頻度が少なく、自宅の最寄り駅からスクーリングの最寄り駅の区間を普段はあまり利用しない場合は、通学定期券を買わないほうが割安になることもあります。

通学定期券には有効期間があり、主に1カ月、3カ月、6カ月の3種類から選べます。例えば、自宅の最寄り駅から高校の最寄り駅までの往復運賃が現金で720円、有効期間3カ月の定期券が17,960円だったとします。定期券の料金は現金の運賃に換算すると約24往復分ですが、週5日登校する場合は3カ月でだいたい60往復することになるため、12,960‬円分お得になる計算です。一方、明聖高校の通信コースのようにスクーリングが月2回程度しかない場合は、3カ月で6往復分しかしないため、単純計算すると13,640円分も損をすることになります。

このような場合は、通学用の回数券を利用する方法があります。一般的な回数券(普通回数乗車券)は、決まった区間について、10回乗車分の運賃と同じ値段で11枚つづりの乗車券(有効期間3カ月)が買えるというものです。これに対して、通信高校生用の「通学用割引普通回数乗車券」は、普通回数乗車券の5割引で有効期間6カ月の回数券を購入できるサービスとなっています。通信高校生のスクーリングの経済的負担を大幅に軽くできるでしょう。

通学回数券を購入する場合は、通信制高校の代表者が必要事項を記入した「旅客運賃割引証」を提出する必要があります。また、通学定期券と同様に、割引証に記載された区間のものしか購入できません。

通信制高校のスクーリング回数やライフスタイルに合わせて、通学定期券と通学回数券のうち経済的なほうを選ぶのがよいでしょう。

日常生活やレジャーに役立つサービスも!通信高校生が使える便利な学割サービス

通学定期券や通学回数券のほかにも、日常生活やレジャーをお得な料金で楽しめる学割サービスがたくさんあります。以下では、高校生が使えるサービスの一部をご紹介しましょう。

交通機関の長距離運賃

新幹線や高速バス、フェリーなど、長距離移動の運賃が学割になるケースは多く見られます。プライベートでの旅行に使えるのはもちろん、遠方の大学の受験を考えている人は、オープンキャンパスや入試などへ行くときに、学割を使って移動すると便利です。

携帯電話料金

メジャーな携帯電話会社では、月々の利用料金(基本料金、インターネットの定額料金など)が割引されるさまざまな学割サービスが提供されています。中には、携帯電話本体の料金が割引になったり、利用料金にポイントがついたりするものもあります。
ただし、携帯電話料金の学割は、家族単位で加入する必要があったり、年齢制限があったりすることがあるため注意しましょう。

レジャー施設

映画館やカラオケ、テーマパークなどの利用料金が代表的です。
例えば、一部の映画館では、高校生は大学生よりさらに安い料金で映画を見られる設定になっています。カラオケでは、料金そのものが安くなるお店のほか、一般料金と同じ価格でドリンクバーがついているといった形のものもあります。テーマパークでは、期間限定で学割チケットが販売されるケースもあります。

文化施設・イベント

美術館や博物館の入場券、クラシックコンサートのチケットでも学割が設定されていることが珍しくありません。
例えば、国立の美術館では、高校生以下・18歳未満は常設展を無料で見ることができ、企画展も大学生より低料金で見られる場合があります。また、交響楽団の中には、定期演奏会の当日券を学生なら1,000円で購入できるものも見られます。

インターネットサービス

インターネットでのショッピングや動画、音楽配信サービスの学割プランは、大学生が対象である場合が多くなっていますが、一部では高校生が利用できるものもあります。ショッピングの送料が回数限定で無料になったり、音楽の聴き放題サービスの月額が通常価格の半額程度になったりするものもあります。

これらの学割サービスを利用するためには、通信高校生であることを証明する書類などの提示が必要です。生徒手帳やカード型の生徒証明書を見せるだけで使えるものがある一方、通学定期券のように、学校が発行した別の証明書が必要なものもあります。利用する前に確認しておくようにしましょう。